その迷宮にハクスラ民は何を求めるか   作:乗っ取られ

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Act.8:Gods and Spirits(神々と精霊達)
Act.8-1:アイズ・ヴァレンシュタインを探しに24階層へ向かえ
Act.8-2:とある神の使者と会って会話せよ
Act.8-3:とある神と会話し、力を貸せ
Act.8-4:50階層を調査せよ
Act.8-5:59階層にてリヴェリア・リヨス・アールヴを守り切れ
Act.8-6:【New】精霊の分身を殺し、ロキ・ファミリアの安全を確保せよ


81話 間違った獲物

 アイズとリヴェリアの安全が確保できたと同時に、動く姿が1つある。まさかの一連の流れに固まる周囲を他所に非常に険しい表情をしている、見た目だけは少年の男性、フィン・ディムナ。

 正確無比、それこそ最も優秀なロキ・ファミリアの司令塔。彼なくして、この集団は59階層へと到達することはできていない。

 

 時間は無く迅速な行動が必要であることは、嫌という程に理解している。それでも口にするのは覚悟が居るのか、苦虫を踏み潰したような表情を捨てきれない。

 それでも、何かしらの覚悟を決めたのであろう。タカヒロに対して真っ直ぐ向き直って正面から見上げると、漬物石でも載せているかのような重い口を開いた。

 

 

「……ロキ・ファミリア団長として、ヘスティア・ファミリアの二人にお願いがある。ここに居る全員を地上に連れて帰りたい、だから……あの精霊を、足止めして欲しい」

「っ!?」

「なっ!?」

 

 

 思わぬ発言に驚くベルとリヴェリア。しかし、その感情も当然だ。

 

 

「フィン……!」

「悪いけどアイズ……僕が優先するべきはロキ・ファミリアの安全だ。使えるものなら人でも物でもなんでも使うよ。たとえ……死後も君たちに蔑まれ、罵られ、恨まれてもね」

 

 

 何を口にするのだと言わんばかりにフィンの肩を掴むアイズの目は見開いており、手にはかなりの力が込められている。そんな彼女に対し、フィンは真っ向から見返して覚悟を示した。

 動いたのは、リヴェリアを降ろして休ませた他ならぬ青年である。精霊に対して向き直った足を少しだけ進め、58階層へと身体を向けるフィンに対して逆となり、横に並んだ。

 

 それは、互いのファミリアが駆け出す方向。誰一人として口には出さないが、その程度は容易く読み取れる光景だ。

 視線の先にあるのは、こちらを見下ろす穢れた精霊。満身創痍の群れである獲物を相手に舌なめずりをしているのか、今のところ攻撃を仕掛けてくる素振りは無い。

 

 

「……そうか。流石にベル君の参加は認められんが、ヘスティア・ファミリアとして、その覚悟と決意に応えよう。ところでロキ・ファミリアの団長よ、1つ良いか」

「……なんだい、僕達の英雄。少年の安全についてなら、刺し違えてでも地上に返す。あと数秒でいいなら、どんな文句や罵倒も受け取るよ」

 

 

 互い違いに反対を向いて並んだ二人の男が、背中で語る。普段から見せる勇気の欠片もない、本当に申し訳のなさそうな弱々しい声と表情が、フィン・ディムナの口から静かに響いた。

 目を伏せ歯を食いしばるアイズだが、一本のポーションで回復した程度の己が何かをできる訳でもない。初めて見る団長の弱気な表情と、内容を承認してしまったタカヒロの手前もあり、口を挟むに挟めずにいる。

 

 “いくらアイズの攻撃を完璧に防ぎ、彼が通常のモンスターの攻撃にビクともしない程に強い”とはいえ、無謀だ。アイズ本人やリヴェリアはもちろん、フィン自身とてそう思う、穢れた精霊に対する足止め行為。相手が持つ火力の高さと耐久は折り紙付きだ、ロキ・ファミリアの面々も嫌という程に味わった内容である。

 アレは単独で戦って良い相手ではない。レベル5・6の冒険者を筆頭に数十名で挑み、数多のサポーターの支援を受け、死に物狂いで撃破するべき強敵の類。先ほど戦ったが故に間違いのない分析であり、今までの階層主など話にならない程に格が違う相手であることは明らかだ。

 

 

「では1つ意見を述べよう。時間を稼ぐのも手段の一つだが――――」

 

 

 しかし、その青年は怯まない。いつもの据わった声と表情で呟きながら、少年の真っ直ぐな目線とロキ・ファミリアの心苦しい視線を背中に受け、前に出る。

 

 自分自身の隣から歩みを始めた彼の腕を引く勇気は、リヴェリアにはなかった。権利も資格もなけれど、引き留めたい。副団長として、断固として団長の意見に反したい。

 それほどまでに、フィン・ディムナが出した指示は無謀である。のっぴきならない結末となれば、神ヘスティアに対して謝罪では済まない事態になり、自分自身も深い傷を一生かけて背負う事になるだろう。リヴェリアが、何よりも望んでいない結末だ。

 

 腕を引けなかったのは、青年が示す言葉と態度から抱く覚悟が分かった為。ならば尚更のこと見上げる絶望の視線は、フードに隠れた横顔を追ってしまう。

 

 

 その姿に、ダンジョンへ駆けだそうとする幼い頃のアイズが重なった。窮地に挑む理由こそ違えど、たった一人で、己の前から駆け出そうとする大切な背中を抱きしめてあげられなかった、かつての自分が蘇る。

 リヴェリアは、この状況が作り上げてしまう苦さを知っている。ボロボロになり、今にも命のいぶきが消えそうな程に摩耗した小さな身体を知っている。青年がそうなってしまうことが、嫌という程に脳裏に浮かぶ。

 

 見たくない。

 知りたくない。

 そうなって欲しくない。

 

 また、あの雨に打たれた時のように。目の前の大切な者に、大きな危険を背負わせてしまう。

 

 ワイバーンを相手に摩耗した幼き日のアイズの姿に、彼の未来が重なるのは必然だった。自然と顔は下がっており、口を強く噤んでいたと気づくものの、だからと言って当時の光景は消え失せない。

 彼の言葉でいくらかのわだかまりが溶けたとはいえ、アイズの成長を知ったとはいえ。起こってしまった過去は、取り消せない。

 

 

 それは、つい最近の出来事についても同じこと。自分は未だ、あの時に起こしてしまった逃走劇について謝ることができていない。

 ハイエルフでもナインヘルでもなく、リヴェリアとして負ってしまった罪を償いたい。その機会が永遠に失われれば、背負う傷はより一層深いものとなってしまう。

 

 今、ダンジョンの59階層に居るのはナインヘルと呼ばれる魔導士ではないと、他でもない己が気づいた。彼の前では冒険者ナインヘルとしての姿よりも、リヴェリアとしての心が芽生えてしまうのだと強く感じている。

 しかし他ならぬ己の失態により、相手はリヴェリアを見てはくれないだろう。もしここで彼女がナインヘルとして応じるならば恐らくは一言二言程度の言葉は交わせるはずだが、それも他ならぬ己が望んでいない。

 

 ふと、聞き慣れた鎧の鳴る音が耳を貫く。いつの間にか下がっていた視線を上へと向けると、少し先には、見慣れた背中と2枚の盾がそこにある。そして、生まれて初めて己が求めた男の背中を再び見上げた彼女の瞳には、どうにも彼の様子がおかしく映る。

 あの背中が見せる姿は、身を投げうって足止めのために前に出る戦士の様相ではない。己が焦がれ薄笑みを浮かべてしまう程に頼もしい背中は、リヴェリアが見上げる少し前で足を止め――――

 

 

 

 

「――――間違った獲物を選んだアレを(別に、アレを倒して)苦しませずに逝かせてやろう(しまっても構わんのだろ?)

 

 

 捻くれている、程度の言葉では済まない内容。間髪入れずにフィンが振り向き、ロキ・ファミリア全員の思考が止まり目が見開く程の、とんでもない台詞を言い放った。

 

 驚愕も一通り済んだ時、気配が変わる。彼の周囲を回転しながら旋回する無数のナイフ、“旋回刃”が姿を現し、薄っすらと浮かぶ盾と剣が彼の周囲を覆ったように見えたのは気のせいではないはずだ。

 纏う空気が一変する。リヴェリアやフィン達もよく知るアイズが使うエアリエルなどのエンチャントなど、生易しいものではない。何かしら強大な加護、それも複数の恩恵や加護が、今の彼に働いていることは明らかだ。

 

 

「皆さん、もっと下がりましょう。全力……なのかな、師匠」

「なにっ?おい、どういうことだ」

 

 

 動ける者は気絶者を背負って後退する面々の横。ポツリと呟かれたベルの言葉に弱々しくもつっかかるベートは、説明を求めている。奇しくもそれは、場に居るロキ・ファミリア全員の心境だった。ベルはアイズとリヴェリアに肩を貸し、できる限りの速度で撤退する。

 人間と精霊の双方が攻撃せずに対峙している時間でかなりの距離を後退したものの、先の魔法を知れば射程圏内である事は想像に容易いものがある。相手の触手が届かないであろう距離まで下がった程度で、全員の視線が再び彼に向けられた。

 

 

「おい“クラネル”、だからどう言うことなんだよ!」

「そのことですが……。ベートさんも51階層の湧き水に居る固有モンスター、知っていますよね」

「あ、ああ……地を這う龍、カドモスだろ」

「そもそもですが、僕はアレを相手に師匠が負けるとは思えません。僕は間違いなくこの目で見ました。今の師匠はカドモスの攻撃を平然と耐えて、なおかつ一撃で倒した時と、雰囲気が似ています」

 

 

 絶句。目を逸らさずに彼の背中を見据える少年以外は、文字通りに言葉が見つからない。実のところヘファイストス渾身の一作により輪をかけて酷くなっているのだが、ぶっ壊れが更に壊れたところで傍から見れば似たようなモノだろう。

 そして、いくらか規格外だとは感じ取っていたアイズとリヴェリアだが、その程度にも程がある。驚きと共にベルに向けられた目は、自然と前へと移ることとなった。

 

 そんな少年が口にした知識を得たならば、あの黒い背中が変わって見える。まるで巨大な脅威に対してたった一人で立ち向かう、それこそ、古い古い物語に出てくる英雄のような――――

 

 

『アナタ ハ、耐エラレル?火ヨ、来タレ――――猛ヨ猛ヨ猛ヨ炎ノ渦ヨ――――我ガ愛セシ“カレ”ノ命ノ代償――――』

 

 

 穢れた精霊は、まるで子供と遊ぶかの様相だ。手足のように動かす触手で防壁を作り、詠唱に入る。59階層を丸ごと更地にするような、非常に強力な炎属性攻撃魔法を発するための長文詠唱だ。

 強大な魔力は対峙する者から有無を言わさずに戦意を奪い、リヴェリアをも上回る高速詠唱は防衛する暇を与えない。タカヒロは相変わらずの仁王立ちで、相手の詠唱を聞いているだけで動かない。

 

 もう始まってしまった戦いであり、ロキファミリアの避難は間に合わない。しかしながら地面に点在する大穴を使えば、炎による大規模な魔法攻撃は辛うじて回避できるだろう。

 

 

「フィン!」

「全員伏せろ!穴に身を隠せ!!」

 

 

 最後まで背中を見届けようとするリヴェリアの頭を、アイズが抱えて地に伏せる。逆を見て、ベルがしっかりと伏せていることを確認した。先に受けた炎属性による魔法攻撃は、二度目を受ければ命は無い。

 無慈悲にも優劣をつけるならばアイズにとって、今この二人は、己が最も守りたい者なのだ。それを穿とうとする根源には悔しいながらも立ち向かえないために、前に立つ戦士に委ねている。

 

 

『代行者ノ名ニオイテ命ジル。与エラレシ我ガ名ハ火精霊(サラマンダー)・炎ノ化身――――ファイアーストーム』

 

 

 手のひらに載せた僅かな火の粉を、ふっと吐息で撫でるよう。その光景を切り取って傍から見れば、幻想的なワンシーンと言えるだろう。

 

 瞬間、炎の波が走り、猛り狂う。59階層というフィールドを破壊し尽し天井まで覆いつくす灼熱の火炎は、そこに地獄そのものを作り出す。

 魔法による攻撃時間としては10秒程度。少しでも減衰できなければ、たとえレベル6のタンク型ですら一撃で戦闘不能になる程の攻撃だ。ご丁寧に、触手による物理攻撃のオマケ付きである。

 

 

 攻撃が収まり、大小さまざまなクレーターに避難していた各々が結末を確認するために顔を出す。大魔法の放たれ残響轟く惨状は、実行者が味方ならば士気が上がる代物だが此度は逆。

 熱気と共に煙が充満し、何も見えない。大地を焦がす熱気に顔が歪み、あの青年は無事だろうかという心配の熱もまた、ロキ・ファミリア全員の身に沸き起こる。

 

 放たれた威力は、最初に自分達が受けた一撃と同様だ。あっという間にパーティーが戦闘不能の一歩手前にまで持って行かれた一撃の強さは、他ならぬロキ・ファミリアの第一級冒険者達が知っている。

 

 

 そんな一行の心配をよそに晴れていく煙のように、傷1つ無い大地(メンヒル)は揺ぎ無く健在。灰になり消えゆく精霊の分身に対し、右手を腰に当てて見送る余裕さを見せている。突っ立っているだけで自然由来(エレメンタル)魔法攻撃の88%を減衰した上で固定値をカットしてしまう強靭なビルドは、古い太陽の神(コルヴァーク)が放つ一撃すらも全ヘルスに対する1~2割程度のダメージで耐える程。

 故に、精霊の分身風情が放つ威力の攻撃は通らない。一方で触手によるご丁寧な物理攻撃への報復ダメージから始まったカウンターストライクや連撃によってロキに渡した酒の如く体力を減らされており、討伐は瞬時に完了というわけだ。

 

 まさに彼の言葉通り、獲物を間違った結果と言えるだろう。「こんなものか」とは“ぶっ壊れ”の心境であり、おかげさまでシリアス気味な状況はどこへやら。結果としてこうなった状況に、本人も溜息しか生まれない。

 ノーマル難易度のボス級が相手、かつ物理耐性を低下させる攻撃(アクティブスキル“ウォークライ”)を入れたとはいえ3秒程度で終了とは、拍子抜けにも程がある。せめて最高難易度のラスボスぐらいに持ち堪えたならば話は別だが、こうも呆気なく終わっては逆に全く格好がつかないのだ。

 

 

 とはいえここはダンジョンの深層59階層であり、いつまでも突っ立っている余裕は続かない。58階層へと戻る階段から、地響きと共に再び芋虫の群れが出現した。

 ロキ・ファミリアの面々はすぐさま後方へと振り返り、辛うじて戦闘行動ができるレベルにまで回復したアイズは仲間を守るために飛び出そうとして――――

 

 

「えっ……」

 

 

 彼女を運んだベル・クラネルの左手に、行く手を遮られた。

 なぜ?なんで、行かせてくれないの。そう言いたげな金色(こんじき)の瞳が、紅の瞳と交差する。少年は目を閉じると、静かに首を横に振って返事をした。

 

 

「師匠が居ます、大丈夫です。ここは大人しく休んでいましょう。それと……」

「……それと?」

 

 

 何故か、最後の方で視線が逸れて言いどもる。気持ち程度だが、少年の頬は高揚していた。

 もっとも、気持ちは口にしなければ伝わらない。理由がわからないアイズは、かわいらしく首をかしげてベルの瞳を捉えていた。

 

 

「ぼ、僕も、ヘスティア・ファミリアです。今なら頑張れば、アイズさんを守れますから」

「――――!……うん。お願い」

「っ――――!?」

 

 

 意を決して口にした少年の言葉に返されたのは、まっすぐ己を見つめる、ほんのり染まった頬が作る穏やかな微笑みであった。なお、耐性を持っていない少年に対しては何よりも大ダメージである点は仕方がない。

 

 

 恥ずかしさ反面、しかし嬉しさ反面。これまた何時の間にか最前線へと単身突撃していった道標が居る為に万が一にもあり得ないが、傷ついた少女を守るために、彼女の小さな英雄はポーションを配りながら、静かに武器を構えるのであった。

 

 




GDにおけるクロンリーLv100(ノーマルボス級)と仮定して計算したら3秒ぐらいで5656できました。だいたいヘファイストスのせい。
ルビのところの流れはシリアス成分を緩和するために採用…!

■刃の印章
・伝説のナイトブレイド“ベルゴシアン”が考案した印は、暗殺者の致死的攻撃を増幅し、標的の出血を激しいものにした。
・武器、盾、オフハンドに対するコンポーネント
+10 刺突ダメージ
+5% 攻撃ダメージをヘルスに変換
+30 出血ダメージ/3s
+50% 刺突ダメージ
+50% 出血ダメージ
付与:Whirling Blades(旋回刃)

■トグルバフ:Whirling Blades(旋回刃)
・意のままに旋回刃が周囲を回り、近づくすべての敵を寸断する。
5m 標的エリア
9155 刺突ダメージ
+145 出血ダメージ/s
+15% 刺突耐性
+8% 装甲強化


■乗っ取られ語録
・ギャングの頭の下から逃げ出し、もうこんなことはしないから(別の居場所に)行かせてくれと祈願するNPCに対して
 ⇒うん、苦しませずに逝かせてあげるよ(攻撃)
・“乗っ取られ”に策略を働いた敵に対して
 ⇒嘘つきの恥知らずが!死ね!今回は間違った獲物を選んだな!

■物理耐性と装甲値の違い
・物理耐性(確保しにくい):相手からの物理ダメージを割合削減。物理報復ダメージ、体内損傷ダメージ、及び報復ダメージによって上乗せされた物理攻撃力も減衰できる。
・装甲値 (確保しやすい):相手からの物理ダメージを減衰する際に計算される。物理報復ダメージ、体内損傷ダメージ、及び報復ダメージによって上乗せされた攻撃力は減衰できない。


■耐性減少について
 GrimDawnにおける耐性低下攻撃はカテゴリA、B、Cの3つに分類され、AとCは敵にかかっている最も高い数値が適応される。Bは全ての数値がスタックする。
 装備キチが使えるのは以下の5つで、今回使用されたのは上から1つ目と5つ目であり、穢れた精霊の物理耐性はマイナス33%程(=与ダメ+33%)となっている。

 カテゴリA:-36%:ブレイクモラル(Lv.18、ウォークライ付属のパッシブスキル)
 カテゴリA:-14%:シャタリングスマッシュ(Lv.4、確率発動のパッシブスキル)
 カテゴリB:- 8%:カースド チンキ(消耗品)
 カテゴリB:-34%:セレスチャルプレゼン(Lv.16 サモン ガーディアン・オブ エンピリオン付属のパッシブスキル)
 カテゴリC:-15%:クトーンのエッセンス(増強剤、15%の確率で全耐性-15%/5s)

 ただしAカテゴリのブレイクモラルの発動はウォークライに付属しており、ウォークライのクールタイム7.5秒に対して効果時間が5秒のために2.5秒間は耐性を低下させることができない。その間においてシャタリングスマッシュが発動すれば14%は低下できる。
 全てにおいてスキルそのものが発動しなければ効果は生まれないが、これらの耐性低下攻撃が命中した場合、敵・味方共に防ぐことができない。(そのために過剰耐性を確保する)

 例)所有耐性80%と、80(上限値)+50%(過剰耐性)の場合において、40%の耐性低下のデバフを受けたとすると、
 前者は80-40=40%まで低下するが、後者は80+(50-40)=80+10となり、80%の耐性(=その属性ダメージを8割カット)をキープできる。


 とはいえ、アルティメット環境におけるそこらへんのボス~ネメシス級でも物理耐性が5~30%しかないために、例えば敵が30%を所持している場合でも、最終的な物理耐性は

 ①カテゴリBを計算→ 30 -(8 + 34) = -12
 ②カテゴリCを計算→ -12 *(1 + 0.15) = -13.8(←①の結果が正の数ならばカッコ内部が - になる)
 ③カテゴリAを計算→ -13.8 - 36 = -49.8
 という計算で、減少後の敵の耐性は-49.8%になる。
 なお、敵に対するダメージも計算式は同じなため、前回の被ダメ計算式に当てはめると、最終的なダメージが跳ね上がる。

 盾: 30,000- 4,458 =25,542
 装甲:25,542- 5,166 =20,376
 までは同じとして、

 耐性:20,376×(1 + 0.498) ≒30,523
 ↑本例における敵が受けた場合
 ↓今現在の装備キチが受けた場合
 耐性:20,376×(1 - 0.714) ≒5,827


 アルティメット環境における最強クラスのスーパーボスは90%もの物理耐性を持っているのだが、その場合でも、相手の耐性は4.8%にまで低下する程のデバフ量。

 ちなみに、前回チラっと出てきたキャラガドラ君はプレイヤーの物理B耐性を下げる竜巻を“複数”召喚してくる。なのでスタックするわけであり、キャラクターの物理耐性が脆いとあっというまにお陀仏です。
 三神報復WLだとコレを棒立ちで耐えられませんが、純粋物理だと耐えられるんですよね。なので作者としては純粋物理が好みです。

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