2枚のトランプカード   作:sao.m

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2枚のトランプカード(1)

あの日から、ゴッサムの街は変わった。

日々道化師の仮面をつけた暴徒たちによる犯罪が絶えず、街の犯罪率は過去最悪となった。

そんな暴徒たちの最前線に立つ一人のメイクをした男がいるー…

 

「おい、新人。きっちりやれよ、これはテストだからな。」

道化師の仮面をつけた二人組の男たちが、ゴッサムシティ中心部 犯罪対策本部への階段を駆け上がる。

「テスト…とは?」

「ったく、お前もやったろ?ボスの入団テストだ。お前の初仕事は、その"ゴミ"をかっぱらうこと。俺は、お前の教育係。これもテストの一部だぞ。」

二人組はいきおいよく、対策本部のドアを足で蹴飛ばした。

「きゃああああああああ!」

「ピエロの暴徒だ!」

一人が、銃を一人の男の頭に当てた。

「今日もゴミ回収の時間だぜ~?こいつの身代わりになるのは誰だ?」

対策本部には、捜査員数名…指揮官たちは別の場所へ行っている。

「や、やめてくれ!撃たないで!誰か助けて…」

銃を向けられている捜査員は必死に目で訴えるが誰も目を合わせない。

「はは、新人。早速こいつを運んで…」

するとー…仮面をつけたもう一人の男が、咄嗟に笑い出した。

「 ハハハハハハハハハ!!!!」

銃を突き付けている一人の男は、新人の笑いに驚いている、

「ああ、もう、可笑しくてたまらないぜ… ヒヒッ 世の中っていうのは、本当に皮肉だらけだよなぁ…」

銃をつきつけている男は、息を飲んだ。

「い、いかれちまったのか?あぁ? まあいい、さっさとボスのところに運ぶぞ。」

「ボスはいいやつだなぁ、手間が省ける。」

その時、新人と思われる男が自身の唇をなめる音がした。

「…この仕草、まさか」

人質に銃をつきつけている男は、何かに気が付いたような顔をしている。。

 

「人質を放せ!!」

捜査員の一人が、護身用の銃を暴徒たちに向けた。

「今指揮官に連絡をした!… お前らはすぐ逮捕される。もう終わりだぞ!」

 

「そうか… ここにも、こんなにたくさんの種類のゴミがあふれていたんだった。すまない、本当に今すぐ回収をしてやりたいのだが、手一杯で。」

華麗な立ち振る舞いをしながら高笑いをした男が言った。

「早く人質を放せ!…」

「ああ… ほら放した。」

高笑いをした男は、人質を助けようと向かってくる男に殴りかかった。

 

指揮官たちが、階段を上る。

「リース捜査員…!一体な…にが」

警察本部長 マイケルは、その場の光景にぞっとした。

緑色の髪に、白粉がまぶされた横顔、さけた唇…高笑いをした男は仮面を脱いでいた。 その男は、気絶した同じく仲間だと思われる仮面の男と捜査員を肩につれ、窓から飛び降りようとしていた。

「お前は…だれだ。仮面をかぶっていなくてもわかる、ジョーカーの組織だな。」

「う~ん、まあそんな所だ。…」

「捜査員が全員死んでいる… くそっ。… 一体何が目的なんだ!!」

副部長のシリウスが叫ぶ。 

男は、目を指揮官たちの方へ向けた。

「なぁ、知ってるか?…。」

男は、片足を窓に出した。

「 トランプには…ジョーカーが…2枚あるんだとなぁ!」

男は窓から飛び降りた。

「おい!…。」

警察本部長、マイケルと副部長 シリウスは急いで窓辺へと駆け込んだ…

「あいつ、どこへ行ったんだ…しかし、あの男も…」

「ああ、シリウス。とても嫌な予感しかしないよ、とても…「ジョーカー」が今はアーカムに収容されているとはいえ、奴の組織はまだ動いている。」

「巣を一省摘発せねばな、今のところおとり捜査も考えている。とてもリスクがあるが、ほかに方法が…」

「… この街は、変わってしまったのだろうか、、、、」

二人の刑事は、ただ窓の外を見つめることしかできなかった。

 

暗く、ゴミだらけの路地。ゴッサム中心部から少し離れたところだ。街頭は一つだけ…

仮面をつけた老若男女が足音を立てながら建物に入っていく。まるで、吸い込まれるように。

一つの大きな部屋には、ピエロの絵が事細かく書いてある。

「今日のゴミ係はまだか? たくさんの新人が来ているというのに…ボスもお帰りでない。」

「ボス、またやらかしたんじゃないですかぁ?この前なんて、爆破のタイミング間違えてましたもんね」

暴徒の一人が、面白おかしく語る。その背後に、大きな紫色のマントを羽織っている大きな男がいると知らずに。…

「爆破のタイミングを間違えたのは確かだが… それがどうした?」

とても低い声、暴徒たちはそれが誰であるかすぐに分かった。

「ひっ… 、あのボス 悪気はないんです。」

「ふぅん なぜそんな深刻そうな顔をする?ジョークで笑い飛ばしてしまえばいいものを。…」

ボスと呼ばれる男は、暴徒の一人の首根っこをつかみナイフを口元へと向けた。

 

「そのしかめっ面はなんだ?」

暴徒が悲鳴をあげる隙も無く… 暴徒の口をナイフで引き裂いた。

「あっ… ぐっ…」

口を引き裂かれた男は、もがき苦しみながら倒れた。

「ボ、ボス… 実は今日のゴミ係が帰ってきていなくて、その。。」

「俺が直接、回収してきてやったんだ。ヒヒッ、マイケルとシリウスにうっかり顔を見られちまった~、」

 

ボスと呼ばれる男は、そう言うと道化師の仮面をつけた気絶した部下と捜査員を連れてこさせた。

「ボ、ボス さすがです!」

ボスと呼ばれる男は、自身の名刺だと思われるカードを取り出し壁に向かって投げつけた。

「レディースアンドジェントルマン… 今日の入団テスト開始だ♡」

カードには、 JOKER と描かれていた…

 

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