“逃げろ!マーク、クローゼットの中だ!”
“父さん、でも僕は…”
“早く、行くんだ!”
“嫌だぁあああ!!!!…”
ダン!
すぐ耳元でした銃弾の音に、マークははっと目を覚ました。どうやら、気絶している間に
親が銃で殺された記憶がフラッシュバックしていたようだ。
見渡す限り、部屋の光は天井の虫がたかっている照明一つ。ピエロマスクを被ったジョーカーの手下たちが数人銃を持っている…
「お~い、いつまで寝ているんだ?テストの開始だぞ?」
ジョーカーは唇を舐め、言った。
両腕、両足、全てが紐で結ばれマークは身動きが取れない。と、同時にジョーカーに圧倒されてしまった。 瞬きなんぞできやしない。一言発すれば、彼が持つお気に入りのナイフで一生笑わせられてしまう。
「…テストとは、なんだ。」
マークは、彼の機嫌を損ねないようにゆっくりと口を開いた。ジョーカーは、マークを舐めるように見た後お気に入りナイフでマークを縛っているなわを、不気味な笑みを浮かべながら解いた。
「一体、なんだ?」
「たった…一つだけさ。ごみを持ってこい。」
マークは、想像もしなかったことに瞬きを2、3回素早くし一体どうすればいいのかと自問自答していた。
「ほら?早くしろ…ごみだ。」
そしてジョーカーは、ゆっくりマークの手に拳銃を持たせ握らせた手を優しくなでた。
「一体、‘何をすれば」
「手が震えている…ああ、きっとご両親か何かが銃で殺されちまったか?んん?」
ジョーカーの鋭い眼光と見つめられながら言われたその一言にマークは動揺し銃を落とした。
「この間抜けが!銃も持てないくせになんでここに来やがったんだ。」
見張り役のジョーカーの手下が声を荒げた。ジョーカーはただ、マークを見つめ眉一つ動かさなかった。
「さぁ…、マーク。俺たちの組織に入りたいのならば君の力をぜひ見せていただきたい。なんせ君の経歴はすさまじいものだ。警察学校とやらでも成績優秀、しかし…今お前はどうなっている?お偉いさんにこき使われ今は、ただの、犬だ。」
マークは、はっと目を見開いた。
「犬…だと?違う、彼らは僕を信用しているんだ。だから僕におとり捜査を、」
「いいや、違う。結局人間、自分以外にかわいいものなんて…いないのさ。用が済めば、ポイ!ああ、憐れむ暇もない..お前を…」
ジョーカーは、銃をもう一度マークに握らせながら耳元でつぶやいた。
「この銃口は、お前という人間を犬のように扱うゴミに向けるものさ…」
マークは動悸が激しくなり、両手で銃を構えた後引き金を引いた。
「ソフィーさん、こちらSWATチーム隊…アジトの中で銃声が聞こえます。」
「そんな、マーク…これだからおとり捜査は…今すぐ投入開始!繰り返す、投入を開始せよ!」
ソフィーは声を荒げ、SWATチームは急いでアジトへと侵入した。
「マーク警部…!どこにいるんだ!」
SWATチームは、不気味で暗く誇りが舞う空間をライトをつけながらゆっくりと進んでいった。
「中は静かだぞ…?さっきまで、銃声がしていたのに、」
「隊長、あれは…?」
隊員の一人が、大広間と思われる場所にぐったりと横たわっているマークを見つけた。
「よかった…、SWATチームです。今すぐ運び出しますから、けがの手当てをしますね。」
「僕にはそんなものいらない」
マークは右手で、隊長の顔面を銃で撃ちぬいた…と、同時にピエロマスクを被った暴徒たちによってSWATチームは縄でとらえられてしまった。
「くそ…!マーク警部、一体何があったのですか!あなたの任務を…」
マークは立ち上がり、服についた隊長の血を振り払う仕草をした。
「はぁ…任務だが。どうだが。僕を犬扱いするやつなんか、ただのゴミ同然さ。」
アジトから銃声が鳴り響いた。
「SWATチーム、応答せよ!…SWATチーム…?」
ソフィは何度も通信のボタンを押すが、ボタンの「カチっ」という音が響くのみで応答は聞こえなくなった。
「そんな…すぐ現場に!」
「だめだ、ソフィー君。これで分かっただろう…ジョーカーはただの犯罪者ではない。悪魔
?だ…これ以上の犠牲が出ないよう祈るしかない。」
シリウスが神妙な面持ちでソフィに語り掛けた。
「彼と…SWATチームを何だと思っているのですか?!まだ生きているかもしれません…私はあきらめません」
シリウスは、ソフィから目線をそらした。