神獄塔メアリスケルター 獄中童話炎日譚   作:謎のコーラX

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(´・ω・`)くそ長くなったわ


番外5 つう

僕は王子様だ。

王子様でなくてはならない、姫のためなら僕はなんでもやれる、けど、僕は弱い、最初に姫と会った時だって小さなメルヒェンにも苦戦する、それでは駄目だ、それじゃあ姫を護ることなんて出来っこない。だからこそ、僕はマチの圧倒的な強さに惹かれた、あれだけの強さがあれば姫を悲しませない、傷つけさせないだろう。

思い立って、僕はマチに弟子入りした、基礎的な運動から、次に行ったのはマチとの実践での戦闘による訓練だった。

 

「はぁ!」

 

僕は開放地区にある空き地でマチと戦っている。僕は用意された剣で攻撃する。

 

「筋は良いが、やはり型がなってないね、ほら」

 

「がはっ!」

 

マチは持っている大きなマッチて受け流し、僕の腹に蹴りを入れる、吹っ飛ばされ、壁にぶつかる、全身に響く、なんとか立とうとするけど、足がガクガクでなんとか剣を地面に刺して支えにしないといけない。

 

「こうやって楽に捌ける……うん、やはりマチが相手では身体が持たないな」

 

「ま……まだ僕はやれる!」

 

もう一ヶ月はやってるけど一向にマチには届きそうにない、けど、僕は、

 

「別にお前に才能ないと言ってるわけじゃない、そうだな、旅に付き合え」

 

「旅?」

 

「おう、そっちのほうが自然と強くなれる、まぁ辛いことには変わりないが、どうする?」

 

「行くよ」

 

断る理由もない、いったいどんなことでも、耐えてみせる。

 

「ふむ、威勢はよし、じゃあ、30分くらいで支度してこい」

 

「あぁ!」 

 

僕は急いで自分の部屋に向かった。

 

「よし、ついた……え?」

 

ドアを開けて、そこで待っていたのは、姫だった、それも怒ってる様子で。

 

「おつうちゃん、また危ないことしようとしてるでしょ」

 

「えっと、その」

 

マチの訓練については話してない、マチと遊びに行ってると何時もそう返答していた、心配をかけたくないからね、でも今僕はかなり焦っている、傷も隠して、バレないようにしてきたのに、何故だろう。

 

「な、なんのことかにゃ?」

 

……噛んでしまった、まるであいつみたいじゃないか――あいつって誰だ?。いやそんなことより、姫が更にご立腹だ。

 

「ちゃんと!、話して!」

 

「うっ……ごめん」

 

観念して僕は全て話した、姫を守るためにマチに稽古をつけてもらってること、これから旅にでることなど全て。

 

「おつうちゃん、危険なことはしないで、私、おつうちゃんに何かあったら……」

 

「姫……」

 

「……だから、私もついていくよ、その旅に」

 

「え、えぇ!?、危険ですよ姫、もし姫に何かあったら」

 

「それはお互い様でしょう?、駄目って言ってもついていくよ、私は」

 

「ぬぅ……」

 

このまま押し問答を続けたら時間に間に合わないし、かと言って勝手について来られたらもしものとき守れない……仕方ないか。

 

「……わかりました、ですが、あまり前には出ないでくださいね、姫」

 

「おつうちゃん……わかった、約束するよ」

 

そして僕と姫はだいたいの物をリュックに詰め、今まで通り、フユ達大人にバレないように外に出た、そこにはマチと、それに赤ずきんとシンデレラが待っていた。

 

「お、来たわね、意外と早かったじゃない、おつう、人魚」

 

意外…ではないか、何時も二人はマチと一緒なわけだし。

 

「それでは行きますわよ、永遠さんには話はつけておきましたので」

 

 

永遠さんに見送られ、黎明の外に踏み入れた。

 

「で、マチ、いったいどのルートを通っていくの?」

 

どのルート?、赤ずきんとシンデレラはよく知ってる様子だ、マチは地図を取り出して、赤青黄緑の点を順番にゆびさしていく。

 

「どーれにしよーうかな、神様の言うとおりっと、まぁ決めていたが、最初だから緑だ」

 

「緑ですわね、それならわたくし達の出番はそうはないですわね」

 

「あの、その点にはどんな意味があるんですか?」

 

姫がマチに聞いた、まぁだいたい予想はできるけど。

 

「緑がレベル1、赤が最高の4って感じの難易度だ、まぁお試しレベルの緑だが、マチから見てだ、あまり助けないから」

 

 

やはり危険はある感じのようだ、いやむしろそうじゃないと来た意味がない。

 

「さて、行く前にマチから一つ改めて聞きたい、お前は何故強くなりたい?」

 

前にも聞いた質問だ、無論変わってなどいないさ。

 

「姫を守るため、そのために僕はメルヒェンに、ナイトメアにも負けない力が欲しいんだ」

 

「……そうか、ただ一つマチから言わせてもらうと、強さだけにこだわってるだけでは、まだ未熟だな」

 

「未熟?、強ささえあればそんなの」

 

「……ま、いい、とりあえず進むぞ」

 

 

……それから一時間ほどで、変化が起きる。

 

「や!、てやぁ!」

 

メルヒェンがかなりの量で襲ってくるんだ、マチ達は汗一つかかず自分に向かってくるやつだけ倒している。

 

「はぁはぁ……」

 

全て倒し終えた僕は、汗がたくさん流れている、姫も守ってることもあってかなり疲れた、これを一週間続けることになるのか。

 

「おつうちゃん……無理しないで」

 

「何を言ってるんです、こんなのまだまだですよ」

 

そうだ、僕はまだやれる、やれるんだ。

 

その夜、更に変化が起こった……いや、メルヒェンではない、マチに関してだ。

 

「うぅ……寒いです、マチ寒いですよ」

 

今日は冷えると大人達から聞いていた、マチが冷たいのが嫌いだとも聞いていたけど、まさかこんな弱弱しいそうになるとは予想外だった。

 

「あぁ、温かい、暖かいですよマッチ、うふふ」

 

マチは本来より二まわり大きいマッチを数本で自身を囲んで温まっている、なにこれ何かの儀式?。

 

「えっと、赤ずきん、これは」

 

「あー、おつうは初めて見るんだっけ?、マチは身体が冷えると性格が変わるんだよね、まぁ数分マッチなりで温まれば元に戻るからいいんだけどね」

 

「ですがわたくしとしてはこのマチ姉も良いものですわ、容姿に似合った可憐さ慎ましさが出ていて見ていて癒やされますわぁ、ぷにぷに」

 

「あぁ、やめてくださいシンデレラ、あぁぁ」

 

シンデレラはマチの頬をつんつんしている、なんだこれは。

 

「ちょっと!、こんなんでもしメルヒェンが襲ってきたらどうするんだ!」

 

「あはは、大丈夫よ、あ、来たわね」

 

「ギギキィ!」

 

またメルヒェンの大群が押し寄せてくる、くっ、でも僕は。

 

「うぅ、マチはこんななので、その、赤ずきんさん、シンデレラさん、お願いしても良いですか?」

 

「わかってるわよマチ、行くわよシンデレラ」

 

「えぇ、行きましょう赤ずきんさん」

 

赤ずきんとシンデレラは、マチを守りながら、戦っている、まさかマチにあんな弱点があったなんて……。

 

「ギギィ!」

 

「きゃあ!」

 

メルヒェンが姫に襲いかかろうとしている、くっ、こんなこと考えてる暇はないか。

 

「姫に近づくな!、はぁ!」

 

僕は姫に近づくメルヒェンを倒していく、だけど、やっぱりまだ疲れが残っているみたいだ、身体が重い。

 

「ギギギギ!」

 

「しまっ」

 

剣を振るう、けど、その前にメルヒェンの攻撃が届く、このままだと間に合わない……!。

 

「はぁ!」

 

その時、メルヒェンの横から姫が槍でその頭を貫いた。

 

「おつうちゃんは……私が守る!」

 

「姫……駄目だ、姫じゃあの数を相手できるわけ……っ!」

 

身体が悲鳴を上げている、もうまともに動ける体力は残ってない……姫を、姫を守らないといけないのに!。

 

『マチから言わせてもらうと、強さだけにこだわってるだけでは、まだ未熟だな』

 

出発する前にマチに言われたことを思い出す……あのときは意味がわからなかった、()()守らないと、そう思っていた、けど……。

 

「……姫を、姫を助けてあげてくれ!、赤ずきん!シンデレラ!」

 

「ギギキィ!」

 

「……なんだ、意外と早くに気がついたわね」

 

「赤ずきんさんは3日かかりましたしね、それに比べれば早いですわね」

 

姫にメルヒェンの攻撃が、当たろうとした瞬間、目にも止まらない速度で、シンデレラの蹴りが姫の周りにいたメルヒェンを吹き飛ばし、赤ずきんは僕の近くに来て、肩を貸してくれた。

 

「後はあいつに任せて、おつうは休みなさい」

 

「でも、流石にあの数を相手には」

 

「大丈夫よ、ほら、マチも元気になったみたいだし」

 

僕はマチのいたほうを見る、そこにはマチがおらず、いつの間にか、シンデレラと一緒にメルヒェンを掃討していた。

 

……数分でメルヒェンは全て倒されて、僕はマチと対面している。

 

「わかったかな、つう、お前に足りなかったの」

 

「……あぁ、自分一人だけじゃなく、他者にも頼って大事な人を守れと、守る人と共にいけ、ということかな」

 

「ほう、もうわかったか、なら残りの6日は自力を上げることだな、人魚姫と一緒にな」

 

「あぁ、やりましょう、()()()()この旅という名の訓練を!」

 

「うん!、やろうおつうちゃん!」

 

僕は姫を守る、それは変わらない、けど、それだけではなく、姫の前にいるのではなく、隣で一緒に、姫を守ろうと、そう思ったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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