それからマチ達は監獄塔に向かった、今行ったところで塔は月には届いていないから、目的のピンク色の花弁の木を目指している。
道中メルヒェンには遭遇するものの、雑魚ばかりで守る余裕すらある、まぁシンデレラも加勢してくれてるのもあるが。
「……ここか」
マチ達はたどり着いた、扉を開くとそこには確かにピンク色の花弁の木があり、かなり綺麗だと見惚れるほどに美しい、3重になった?、気にするなそれくらいなんだよ。
「まぁ目的は花鑑賞ではないんだが、ほら、探せ一般人ども、そのために了承したんだ」
『は!』
チルの部下達が進んだ瞬間、何か他のメルヒェンとは違う大きな気配を、木の先の道から感じ取れる。
「ふむ?、シンデレラ、ここは任せる」
「わたくしも行きますわよ」
おや、シンデレラも気づいていたか、だが二人行くのもなぁ。
「誰が守るんだあの脆弱なやつらを」
「マチ姉のほうが第一です」
わぁ、過保護な思考になっちゃってまぁ、これは折れる前に気配の主くるな。
「……はぁ、わかった逆だ、行ってこいシンデレラ、一応これ持ってけ」
「なんですの?、血?」
「そ、それでも勝てなかったら必ず後退してこい、責めないからさ」
「わかりましたですの!」
シンデレラに視子から(正式に)貰ったメルヒェンの血が入った小瓶を渡す、ジェノサイド化しないと多分辛いからな、マチはシンデレラが向かうのを見送った。
それから40分経過したあと。
「マチ、やはりナイトメアが近くに?」
「いや、ナイトメアはもっと気配強かったからメルヒェンの上位個体辺りだろう、で、そっちはどうよ」
「えぇ、面白いものが見つかりましたよ」
マチはチルについていく。
「なにこれ」
木の下まで来ると、部下達が掘りおこしたもの、銃に骨か?、それを様々なもので調べていた。
「何かの骨と銃ですね」
「見ればわかる、うむ、なかなか曰く付きっていうモノなのかね、この木」
「でしょうね」
『陽司様!、身元が判明しました!』
部下の一人が報告にやってくる。
「誰だったんですか」
『はい、黎明の主要人物の物だと思われます……その中に』
「なんですか?、もしや博士のだけ無かったのですか」
前から博士のことは疑っていたし、そうだと思っても仕方ないが、そんな顔してないよな、部下。
「いえ、博士のものだと思われるものは……見つかりました、その代わり、助手と呼ばれていたものだけが無かったんです」
「……なるほど」
一瞬驚いたが、すぐに思案する冷静な真顔に戻った、それにしても助手だけか、まぁつまり今の博士は、そういうことだよな。
「考えるまでもなく、助手が黒幕で、博士に化けているんだろ、いや、本当の意味で擬態化したっていったほうがいいのかね」
「はい、それで間違いないかと、しかし、目的が見えないんです、何故人間の脱出を手助けすることを……」
「まぁそういうのは本人に聞くんだな、さて」
「――ぁぁぁあああ!」
タイミングが良いのか悪いのか、先の道からシンデレラがダッシュでこちらに戻ってきた、全身傷だらけで、接戦というのが伺える。
「シンデレラか、倒して喜んで……な、表情ではないな」
「はい、何かおとぎ話の鬼のようなメルヒェンを倒したまでは良いんですが、次に」
「あらあらぁ、逃げちゃうなんて悲しいですよ、わっちのこと嫌いですの?」
――なるほど、これは逃げるわ、先の道から人の姿をとってはいるが、手には肉と骨で作られたチェーンソー、頭には角をはやした、少女と呼ぶべき容姿だが、ナイトメアと同じ気配をあの小さな身体からひしひしと感じ取れる。
『ひ、ひぃ!?、何なんだこいつ!』
部下どもは銃を向けるが、まぁ効かないだろうな。
「やめなさい!、あなた達では勝ち目はありません」
「そそ、シンデレラ、さがってろ、あれはマチが
マチでも少し厳しいな、今の身体じゃ、まぁやれるところまでやるか。
「あら、あんたがわっちの相手してくれるのかな」
「おう、一応聞いておくけど名前は?」
「はい、酒呑童子って言います、そちらは?」
酒呑童子か、まさに鬼だな、ナイトメアではないのは確かだが、血式少女って言われると、近いが違うな。
「マチだ、……ま、挨拶はこの辺にして……やろうか」
マチは酒呑童子に向かっていく。
「えぇ、楽しいひとときにしてくださいね!」
酒呑童子もチェーンソーを手に、マチに向かっていく。
○
――何時間か、それとも何分ほどなのかわからないが、マチはジェノサイド化して酒呑童子と相対したが、正直言って前に戦ったナイトメア以上だ、強い、知恵もあるから余計に。
「はぁはぁ……や、やりますねぇ、っととと」
酒呑童子もボロボロではあるが、しばらくすると傷が塞がる、治癒能力ありだが、体力は無限ではないらしい、ふらつきが見られる、まぁマチの火が阻害しているんだと思うが、マチ自身はボロボロだからな、傷が塞がるわけでもなし、あのチェーンソーをまともに受けないで精いっぱいだ。
「はぁ……はぁ、なぁ、まだやるのか?」
正直マチはまだやれる、逆に戦いたいと身体が言う、熱が入ってきた、燃えてきたっていうんかね。
「……」
酒呑童子は踵を返し、歩いていく。
「割に合わないです、これ以上戦うとなるお、ガチでやらないといけないわけで、ま、監獄塔完成を目指すなら、また会えるでしょ」
「だろうね」
「ん、それじゃあマチ、さようなら」
酒呑童子は軽い足取りで、この場を去った、なんだよ割と元気じゃん。
「はぁ……疲れた」
マチは地べたに倒れこむ、髪も目も戻り、少し眠ることにした。
(´・ω・`)次最終回です