「……はー、これで、最後……」
研究室
フユは最後の書類に印鑑を押すと、椅子に深く座り込み、机に突っ伏した。
「お疲れ、新長様」
ハルはそこに冷えた水の入ったコップをフユの頬に当てる。
「冷たぁっ!?、あぁハルか……何、からかいにでも来たの?」
あれから一年、博士が消えて、新しくフユが長になった、本人は最初やる気は無かったが、血式少女達の説得を受けて、渋々長にの座についた、大好きな研究ができない時間が多く、早く誰かに代わってもらいたいと思っている。
「あぁ、それもあるな、そりゃああのお前がトップを立つなんて、
「……そうかもね」
フユは顔を上げて、天井を見上げ、苦笑する。
「いや、変わってないかもしれないね」
「……そうか?……なぁ、フユ、俺にも話せないことがあるんじゃねぇか?」
「ノーコメントで、そもそも話せないことなんだから言えるわけ無いでしょ」
「言ってるようなもんじゃねぇか」
「あ、そうかも……ま、いつかは話せるとは思うよ」
「……そうか、ま、気長に待ってることにするわ、じゃあな」
ハルはそれだけ言って、研究室から出ていく。
「すまないね、ハル……さて」
フユはハルが持ってきた水を飲むと、再び天井を見上げる。
「……
――それから4年、マチ 赤ずきん シンデレラが、研究室に呼び出された。
「マチ達に何か用かな、新長」
「うん、実は元街道沿いエリアで新たな血式少女がいるって」
「本当!?」
赤ずきんは最後まで聞かずに向かおうとするがそれをマチに止められる、顔にアイアンクローもとい顔掴みで。
「いだだだだ!、わ、わかったわよ、最後まで聞くから!」
「よろしい」
マチはアイアンクローをやめると、フユはため息を吐きながら、言葉を続ける。
「はぁ、でだ、血式少女の捜索にあたり、これを渡す」
フユは机にあった、スプレーを3人に一つずつ渡す、中にはピンク色の血液、メルヒェンの血液が入っている。
「それをかけて瞳がピンク色に光ったら血式少女だ、で、質問あるかな」
「じゃあわたくしから、何故わたくし達3人なんですの?、結構な過剰戦力な気がしますが」
シンデレラの意見は正しい、彼女ら3人は血式少女隊でも群を抜いて強い、いくらナイトメアがいると言っても、苦戦なく撃退できるほどだ。
「……今回向かう場所、前の長が使っていた監視カメラにおかしな影が映ってね、明らかに他のメルヒェンとは格が違うから、最善策であなたら3人にした」
「じゃあ次はマチ、気になっていたけど、何故今になって?、5年前でも十分行けるとは思うけど」
「今の年齢のほうがあまりバカな真似をしない、じゃ、だめかな」
「……ま、いいか」
マチは少し訝しげに見たが、一応これで納得した。
「じゃ、準備が整ったら行ってきて」
「「「はい!」」」
3人は元気よく返事をした後、研究室から出ていった。
「……さて、
フユは顔を叩き、気合を入れて、監視カメラの映像が映る部屋に向かった。
計9人となった血式少女隊、時間の荒波を乗り越えて、彼女達は未知なる運命へと歩をすすめる。