マチ達は信頼できる人達を集めて、研究室に集まった、集まったのは今いる血式少女全員、そしてハル 視子、フユ、教団のミチルと千昭の5人がここいる、その内容はもちろん博士がスナークだったこと、ゲルダという謎の氷の怪人が現れたことを話した、内容を聞いた面々は皆驚きや困惑の表情を見せている、今まで一緒に脱獄を目指していたのだから当然ではあるが。
「……まぁこんな感じだ、独断専行してすまないとはマチは思ってるよ、でもこれでいままでマチが10の時に8人もいたのに脱獄を進めなかった理由は明白ではある、そりゃあ計画に支障をきたし、自分を護ってくれるナイトメア殺せるやつがいるんだから、進められないよな」
「それって博士、もといスナークは弱かったと?」
「見た感じそうだと思うな、視子さんでも頑張ればいけるかもよ」
「それは過小評価すぎるわね、それにしてもいったいどうするつもりだったのかしらね」
「それについては、ハルさんに話してもらおうかな」
「……ゲルダのやつがいってんだな、俺も異星人だって」
それを聞いて、血式少女達は武器を向けるが、マチが制する。
「大丈夫だ、本当に敵ならもう少し動きがあったさ、マチから見て信頼できるやつだよ」
「そりゃあ怪しい行動なんてないよな、俺はただ見ていただけだからな、スナークの正体を知っていても」
「で、スナークの目的は?」
「……最初に言っておくがジェイルの監獄塔についてだ」
ハルが言うには、監獄塔 ジェイルは月に触れることで白い核を作り出すらしい、それはありとあらゆるものに擬態し、世界を塗り替える力を持っている、それを聞いたつうとマチは頭に頭痛が走った、が、すぐに治まった。
「大丈夫?、おつうちゃん」
「大丈夫です姫、大丈夫てす……」
「マチ?」
「こっちも大丈夫だ赤ずきん、頭が痛い話だと思ってな」
「それは信じていないのか?」
「大丈夫、本当だと思ってる……一応聞いておくけど、ゲルダの正体も知ってたり?」
「残念ながらそれは本人から口止めされてる、言うわけにはいかないな」
「あぁ来てたのか、残念、さて、こういう話をしにきたわけではないんだよな、で、どうする、黎明のトップいなくなったわけだけど、たぶんいないと一般人てんやわんやだぞ」
「はいはーい、ミチルから提案があります」
最初に名乗りだしたのはミチルだった。
「姉さん、もう大丈夫?」
「えぇ、靄が晴れた気分です、親指姫達には心配かけましたね、さて、一つ提案なんですが、マチが黎明のトップになればいいと思います」
「──は?」
「うん!、それはいいわね!、マチなら納得できるわ、あたしは」
赤ずきんが賛同すると、他の血式少女も賛同していく、それにマチはあたふたしながら反対する。
「いや待ってくれ!、マチにはそんな器ないし、一般人には嫌われているから認められないから、なるなら視子さんじゃないか?」
「私は──うん、昔なら喜んでいたでしょうけど、わたしでは不十分よ、なるなら……フユ、あなたよ」
「──ん?、え?、へあっ!?、わたし!?」
ふられるとは思ってなかったのかぼーとしていたフユは驚いて変な声がでた。
「あー、フユさんね、一般人からも受けがいいし、研究者としても一流、うん、フユさんならマチも納得できる」
「あたしもいいわよ、早いメルヒェンの倒しかたとか、いろいろと教えてくれたし」
「わたくしも賛成ですわ、たまに励まされたりしてますし」
「ぼくもいいよ、姫共々最初の生活のときアドバイスもらっていたし」
「おつうちゃんが言うなら私もいいよ」
「私もいいわよ」
「白雪もいいですよ、爆弾の改良に手伝ってもらってますし」
「ん……ボクも」
「わらわはマチさんが言うなら賛成しますー」
血式少女皆賛成してくれた、フユはため息を吐きながらハルを見る。
「俺もいいぜ」
「……そっかー、うーん……はぁ、わかったよ、私がやりますよ新しい黎明の長を」
その後、博士は行方不明になった、フユが黎明の新しい長になったと報じて、しばらく大忙しになった。
それが落ち着いたある日、フユとハルは二人だけで夜の黎明本部の屋上にいた。
「……ここなら誰も来ないぜ」
「えぇ、ここでならゆっくりできるね、話を」
「……これもお前の計算通りか、
「……そうね、長になるのは予想外だったけどおおむね、スナークを追放できたわ、予定通りに」
「それは良かったな、それにしても殺さなかったのはお前らしくないんじゃないか、昔のお前ならそのときに一瞬で殺っていたはずだが」
フユは少しうつむき、そして笑みを浮かべ顔を上げる。
「生物は変わるものだよ、どんな生物でも、適応するために」
「そうか、本当にお前は変わったよ、ゲルダ、いやフユ。それでこれからどうするつもりだ、スナークはいなくなり、これから本格的に白い核、ウィッチクラフトを誕生させるか」
「うまくいけばね、全てが、ただそううまくはいかないと思うわ」
フユの顔が曇る、何か計算できないものがあるからだ
「……いるんだな、お前の他にも
「さぁね、ただ最近になって人の動きもメルヒェンの動きも怪しいからね、何かが動き始めてると見ていいわ」
「……どちらも更に頑張らないとな」
「えぇ、これから大変になるわね、お互いに」
二人だけの夜は更けていった。
○
それから数年が経過した。
「赤ずきん、シンデレラ、そしてマチ」
「なんだ、マチ達を呼び出して」
すっかり成長した3人、赤ずきんは黒の制服のフードをいじり、シンデレラは髪を整え、マチは寝不足からかあくびをしながら聞いている。
「元街道エリアのダンジョンに行ってた調査隊が戻ってきたの。報告によ?と、そこに囚われている人々の中にいるかもしれないの、血式少女が」
「ほう、ついに10人目か」
「本当に!?」
「それは楽しみですわね」
目を輝かせる赤ずきん、手を合わせニヤニヤしてるシンデレラ、靴を鳴らすマチ、血式少女。メルヒェンを倒せる新たな仲間、妹のような存在。
「まだわからない。だから確かめてきてほしい、あなた達3人でね」
「わかった、それで、見分け方は?」
「このメルヒェンの血を噴射するスプレーを1人1本ずつ持っていって。これを浴びせれば、目がピンク色に光れば血式少女だから、たぶん」
「見つけたらどうしますの?」
「もちろん、連れて帰ってきて」
「わかった、マチ!、シンデレラ、いこう!」
嬉しそうに答え、赤ずきん達はメルヒェンの血が入ったスプレーを受け取り、赤ずきん自分の身長ほどの大きなハサミを抱え、シンデレラは左右違う形の具足をはき、マチは大きなマッチ2本を持って走り出す。
その背中を見送り、フユは建物の屋上へと登った。
遠くにそびえ立つどこかおかしい監獄塔を見上げる。
(さて、あれから皆力をつけた、そろそろ本格的に動いても良さそうだな、メルヒェンを殺し、核を破壊し、ナイトメアを殺し……そして、塔を伸ばして天幕を破り、ウィッチクラフトを誕生させる)
それが、フユの、黎明が目指す悲願。
(ひた走れ、血式少女たち。日を差す場所に向かって)
フユは天高く腕を上げ、白い月を握りつぶすように、拳を握った。
○
新たなる脱獄劇、新たな役者を加え、血塗られた少女たちの、最後の脱獄劇が始まる。
さて、最後まで見ていただきありがとうございます、続きは明日か、もしくは一週間後かもしれません、もとは不定期でしたし、本編の前にオリキャラの設定のせるかもです