あ、一応本編(ゲーム、神獄塔メアリスケルター)の赤ずきんとは違うとだけ、2みたいなものだと思ってください。
あたしは仲間が欲しかった。
他にも同い年の子供は探せばいたけど、それでもあたしと同じの子供はいなかった、たまに遊ぶことはあった、けどどこか距離を感じることが多く、何時もあたしは孤独に似たものを抱いていた。これが、寂しいというものだろう。
ある日の寒い日の昼、食堂であたしは少し遠くに行きたいと、ハルに言った。
「駄目だ、危険が過ぎる」
「なんでよ!、あたしだってやれるもん!」
その時のあたしは何かを感じていたのかもしれない、同じような人がいる、そのような直感的な何かが、今にして思えばわがままが過ぎたかもね。
あたしが何度も行きたいと言ってると、おとうさんがそこに現れる。
「そんなに外に行きたいのなら、近頃噂になっているメルヒェンを20も倒すマッチ売りの少女とやらを探しに行ってくれないかな?」
マッチ売りの少女、本で見たことのある童話の一つ、あたしと同じ童話の名前、あたしと同じメルヒェンを倒せる少女、あたしはいてもたってもいられなかった。あたしは急かすようにおとうさんに近寄って、質問した。
「その子はどこにいるの!」
「あ、あぁ、何でも廃村に向かったとのことだ」
それだけ聞くとあたしは急いで飛び出していった、その後ろをハルさんが追いかけてきて、ハルさんに先導されて廃村に向かった、事実、あたしはその廃村の場所を知らなかった、ハルさんがおとうさんから聞き出してくれて、あたしはそこに向かった。
その廃村は、何時ものようにメルヒェンが攫われていなくなった村だった、普通の人でも頑張れば一匹程度なら火器無しでも倒せるくらいには弱い、あたしはそんな雑魚メルヒェンを倒しながら、廃村にたどり着いた。
「いったいどこにいるのかなー♪、マッチ売りの少女ちゃんは」
「あまりはしゃぐなよ、もういない可能性だってあるんだから」
「・・・いや、ここかも」
あたしは数十匹のメルヒェンが死んでいる廃屋を見つける、全て強い力でいたるところが吹き飛んでいて、血も新しい。
「おーい、そこにいるのー?」
「そこにいるんだろ、噂のメルヒェンを狩る代わりにマッチを売ってるっていうやつは」
しばらくすると、廃屋から赤い髪が見える、長い髪で手入れがしばらくされてないようでボサボサだ、それでもあたしは綺麗だなって思えた。
「まったく、珍しい客がきたものだ、自分の家じゃないけど」
その子が出てくると、あたしはその子の手を強く握った、そして。
「あたし赤ずきん!、あなたはなんていうの?」
それから、マッチ売りの少女、マチとの生活が始まった。
「ふんふんふん♪」
「なぁ、髪の手入れとかいるのか?、マチには必要とは思えないんだが」
「だめ!、女の子なんだから、それにそんな綺麗な髪してるのに」
あたしはマチのブラシで髪をといていた、鼻歌を歌いながら。
「ぬぅ、なぁ、赤ずきんさん」
「赤ずきんでいいわ、なに?」
「あれからマチとよく遊ぶんだが、他のやつらとは遊ばないのか?」
「・・・うーん、なんかね、距離感があるの、あはは、メルヒェンを素手で倒せるなんて、人間とは呼べないからかもね」
ハルさんも、視子も、おとうさんも、人間だ、だけど、優しく
「そうか?、マチには赤ずきん、お前だって同じに見えるが」
「・・・え?」
「笑って、泣いて、遊んで、楽しんで、例えメルヒェンを殺せても、マチにはそれが出来る全てが人間と同じに見えるが?」
・・・あぁ、あたしも、あたしも人間って呼べるものなのか。
「ん?、おいどうした!?、なんて涙流す!」
いつの間にか、あたしの目から、涙が流れていった。
○
それから5年が過ぎ、あたしは誕生日を迎え、ケーキをそっちのけに、武器をプレゼントされて、水族館に訪れていた。
そこで、多数のメルヒェンを殺していった、楽しんで、マチ、シンデレラ、ハルさんに見守られながら。
そして、声が聴こえ、その場所に向かい、つうと人魚姫を見つけた。
そして。
「あれは…ナイトメア!?、マチ!、逃げなきゃ!」
灰色の闇が近づいてくる、それはナイトメアと来るものだとおとうさんが言っていた。
「いや……このままだと間に合わないなこれは」
マチがその灰色に一人突っ込んでいく、それと同時に灰色は静止する。
「マチ!?」
あたしもそこに飛び込もうとする、が。
「ここはマチが抑えておく、赤ずきんは二人をつれて逃げてくれ」
「でも!」
「全員共倒れするよりはましだろう、いいから!」
あたしも戦いたかった、でも、あたしには、あたしには無理だと、震える足が物語っている、逃げたい、そう思えて仕方ない、あたしは唇を噛み締め、背を向けた。
「ぐっ……二人とも!、今は逃げるわよ!」
あたしは二人の少女の手を引いて、この場から逃げていった。マチを一人そこに残して。
「あら、お帰りなさい・・・あら?、マチ姉はどこに?」
「・・・ごめん、マチは・・・ナイトメアと」
あたしはシンデレラにマチが殿をつとめ、ナイトメアと戦ってると告げる。
「え……うそですわよね、マチ姉がそんな……あなたがついていながら!」
シンデレラはあたしを怒鳴り散らした、初めてここまで怒っているシンデレラを見た、そして消え入りそうな声で俯きながらも、声に出した。
「──ごめん」
「ぐっ……うぅ……」
シンデレラはそのまま気絶して、皆、暗い顔をしながら、水族館を後にした。
そして、それから1日が経過した、黎明の救護室でマチを失ったことで、博士含め皆陰鬱な表情を見せている。
「……あたし、もう一度水族館にいく」
死ぬかもしれない、もしかしたらマチが生きているのかもしれない・・・死んでいるかもしれない、けど、あたしはこのまま待つのは死ぬよりも辛いことだと心から思える。
そして、最初に名乗り上げたのはあたしだった。
「それならわたくしもいきます」
シンデレラも顔を上げ、寝ていたベッドから起き上がる。
「駄目だ、これ以上きみたちを失うわけにはいかない」
おとうさんに止められる、けど、ここで止まるわけにはいかないの。
「でも!、あたしが……あたしがもっと強ければこんなことには……!」
そうだ、あたしが強ければ、こんなにも悲しく思う必要なんてなかった。
「残念だとは思ってるよ、だが事実は」
おとうさんはマチはもういないと思ってる、けど、あたしはそれでもここに。
「いやいや、何勝手にマチが殺されてる流れになってんですか、傷つくよ?」
・・・いつの間にか、そこには傷だらけながら立っているマチがいた。
「よう、赤ずきん、シンデレラ、どうやら抜け出せたみたいで安心だよ」
「あんた……!、この――バカマチ!」
「ははは新しい呼び名だなバカずきんの当てつけか?」
そう言って、あたしはマチを抱きしめた。
あぁ、本当に・・・あたしはマチが大好きなんだ、例えこれが・・・偽物だと言われようとも、あたしには、あたしには変えがたいものであると、心から言える。
そして、強くなる、マチの背中を守れる、いや、前に立てるくらい、強くなりたい、何が何でも強くなって見せる。