問題児達と第一位が異世界に来るそうですよ   作:デクナッツ

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箱庭召喚編(原作第1巻)
プロローグ


from 学園都市

 

 

第三次世界大戦の終戦宣言が公表されてから数日後

 

世界は平穏を取り戻しつつあった。

 

そして主人公達もこの町に帰還していた。

 

彼もその中の一人

 

色の抜けた白い髪、異質な赤い目、線の細い体は現代デザインの杖で支えられていた。

 

学園都市の第一位一方通行(アクセラレータ)

 

だが今の彼には獣のような獰猛さが感じられなかった。

 

戦争が終わったから、それだけでは説明できない

 

例えるなら彼を構成していたピースがまとめて喪失してしまったような

 

それは比喩ではなく現実であった。

 

いつも隣にいる少女はいなかった、ロシアで知り合った少女もそこにはいなかった。

 

二人ともこの世界にいなかった。

 

戦争の被害にあった訳ではない。ではなぜ彼女たちが消えてしまったか答えは簡単だ。

 

『彼が殺したから』

 

これもまた比喩でなく現実

 

戦争終了間際に突如として出現した二体の天使

 

これを食い止めるために彼は能力の暴走を引き起こし、戦場を黒い翼が蹂躙した。

 

彼が守るべき少女達の場所も例外では無かった。

 

彼の希望、彼の守るべきもの、彼の一番大切なもの

 

その最上位に位置する少女達を彼は自らの手で粉砕したのだった。

 

「チッ、もともと守るなんて行為は俺には不可能だったんだよ・・・」

 

静寂な空間に声が反響している。話し相手などいないのだから返事はこない。それでも声を出さずに入れなかった。

 

「一度狂った人生は修復なんて効かねェんだよ。」

 

自分の不甲斐なさ、世界の理不尽さ

 

「なんで俺に関わった連中ばかりが傷つかなきゃいけねェんだよ」

 

彼だって分かっていた。世界なんてものは簡単には変わらない。それなら自分のほうから変わらなくてはならない。

 

しかし今まで変わろうとすれば全てが裏目に出てきた。

 

レベル6を目指しても、打ち止め(ラストオーダー)を守ろうとしても、まるで世界が自分を嘲笑うかのように・・・

 

もういっそ世界なんぞ壊してしまおうかと危険な思想がよぎり、電極のスイッチに手をかけた。

 

そのおかげだろう、能力を使用してすぐに上空に違和感を感じた

 

ふと上を見上げるとピンク色の手紙が流れてきた。警戒を解かず睨みつけながら

 

それを掴むとシンプルなデザインに一方通行様と簡素に書かれていた。

 

空間移動能力者(テレポーター)の仕業かと思ったが、空間が切れる特有の音は響いてこなかった。

 

さらにもう一つ大きな問題点がこの手紙にはあった。

 

(この手紙・・・ 俺の反射が適用されねェのか?)

 

これが一番の違和感。現在彼は能力を行使している状態だがこの手紙は一瞬の抵抗もなく彼の手に触れた。

 

「誰の仕業だか知らねェが・・・タイミングが悪かったなぁ。」

 

差出相手がずいぶん可哀そうに思えてきた。

 

「ストレス発散のお手伝いをしてもらおうか」

 

これから彼の玩具になるのだから。

 

何の迷いもなく手紙を開けた・・・    

 

 

 

 

 

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

 その才能(ギフト)を試すことを望むのならば、

 己の家族を、友人を、財産を世界の全てを捨て、

 我らの“箱庭”に来られたし』

 

暴力的な考えはすぐに消え失せた、

 

なぜか彼にはこの文が温かく感じれたのだった。

 

「忘れてもいいのか・・・?」

 

弱弱しくつぶやいた

 

結局今の彼は逃れたかったのだ、大切なものを守れなかった重圧から・・・

 

一方通行(アクセラレータ)はこの世界から消失した、この世界を忘れるために

 

 




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