問題児達と第一位が異世界に来るそうですよ   作:デクナッツ

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前回、話が進んでない。遅すぎということだったので
かつてないスピード投稿をしました。
今回は白夜叉とのオリジナルゲームが入っています。



第六話 ギフトの鑑定と贈呈

店内は閉店時刻に迫っているため客の姿は見受けられない。

 

しかし片付けの最中のようで慌ただしさは拭えない。

 

「すまんのう。今回は私の私室で勘弁してくれくれ。」

 

この待遇に文句を言うものはいなかった。

 

「まず自己紹介からさせてもらおう。私は太陽の運行を具現化した存在とでも思ってもらえばいい。箱庭では星霊と呼ばれる種じゃ。四桁の門三三四五外門に本拠を構えておる。白夜叉じゃ。黒ウサギのコミュニティとは古い縁があってな少しばかり力を貸しておる。まぁ器が大きい美少女だということじゃ。」

 

先ほど嫌というほど力量差を思わせられたが、このざっくばらんとした口調を見る限り敵以外には非常に友好的な人物なのだろう。

 

「外門というのは何かしら?住所のようなもの?」

 

好奇心に駆られ久遠が質問した。

 

「そうじゃなあ、住所であり身分の位を表すものともいえる。」

 

「身分?箱庭には差別区域でも設定してあるのかしら。」

 

まるでその実情を見たような悲しい目をした久遠。

 

「いやいや。実力さえあればどこに住んでも問題ないぞ。」

 

「つまり住んでるところが実力に直結するのか?」

 

逆廻も参加して会話が進む。

 

「ふむ。簡単に説明すると箱庭は七つの層で構成されている。中央が一層目、端っこが七層目じゃ。そして一層目を一桁外門、二層目を二桁外門という。桁が少ない外門がより実力が大きい。」

 

つまりここは最弱ってことか。

 

「一~四桁が上層、五桁が中層、六~七桁が下層と呼ばれ、各コミュニティが上へ上へと目指している。ふん、つまり私は上層に本拠を構えているのじゃ。」

 

無い胸を偉そうに張って言った。

 

「じゃあお前はこのあたりで一番強いってことでいいのか?」

 

問題児達の目は怪しく光っていた。

 

「ふふ。もちろん東側の階層支配者だぞ。この東側の四桁より下で私に並ぶものはおらんよ。なんといっても私は最強の主催者なんだから。」

 

「ハッそりゃあいいな。つまりお前を倒せば俺たちが東側最強のコミュニティってことか?探す手間が省けたじゃないか。」

 

白夜叉の挑発とも取れる言葉に簡単に乗ると、

 

「ちょお待ちになってくだ」

 

「まぁよい黒ウサギ私も暇を持て余していたところじゃ。」

 

黒ウサギの静止の声を払い、引き受けたようだ。

 

「しかしおんしらが望むのは挑戦か、それとも決闘か?」

 

意味深な発言とともに、視界が暗くなった。

 

だがそれは長くは続かなかった。今は太陽と湖畔とオーロラが見える絶景と称して文句ない場所が見えていた。否、立っていた。

 

「ここはどこなの?」

 

「ふふ。ここは私が所有するゲーム盤の一つ。その中じゃ。」

 

ここがゲーム盤?地平線が見えるほどの大きさだぞ。

 

さすがの問題児達も声も出ないようで圧倒されている。

 

「もう一度聞くが挑戦なら手慰み程度に遊んでやる・・・しかし決闘を選ぶというなら私も魔王のプライドにかけ全身全霊をかけ勝負をしよう。」

 

これは多分警告。強者だから分かる弱者がコンクリートのシミになるように意味もなく死んでいく様を。彼女もそんな光景を嫌というほど見たのだろう。

 

「参った。こんなのを見せてもらったんだ。今日のところは試されてやるよ。」

 

「ふふ。他はどうする。」

 

あの逆廻が譲歩したのは意外だった。

 

「ええ。今回は私も試されてあげます。」

 

「左に同じく」

 

どうやら力の差が分からない馬鹿はこの場にはいなかったようだ。

 

「さておんしはどうするのじゃ」

 

聞かれたのは一方通行(アクセラレータ)。店の前であんな啖呵切った手前どうするのか楽しみだと白夜叉の目は言っている。

 

「悪いな。万全な状態なら一対一で決闘を選ぶんだが今は手負いに近くてな。そんなやつを痛めつけても面白くねェだろ。」

 

チラッと自分の電極の残り時間を見ると能力使用可能時間は三分程度これは今日一日持たない。

 

「そうか。箱庭の弊害というなら、我々が手を貸さねばなるまい。」

 

白夜叉は扇子で一方通行(アクセラレータ)の首元を差し、

 

「おんしのソレもし私の試練を破った暁には、何とかしてやろう。」

 

先ほど喧嘩を売った奴に塩を送るマネをするのかと怪訝な目で見ると、

 

「なに貴様とて黒ウサギの同志、無碍にはできんよ」

 

ではゲームを開始するかのと白夜叉が手を叩くと、

 

何故か自分たちの手には契約書類と呼ばれる紙を握っていた。

 

これも彼女からすればちょっとした手品ということか。

 

戦慄が五割、呆れが五割で紙を見た。

 

 

 

 

ギフトゲーム名「inferior planet」

 

ゲームマスター 白夜叉

 

プレイヤー 逆廻十六夜

      久遠飛鳥

      春日部耀

      一方通行

 

クリア条件 指定されたものを当てろ

 

クリア方法 より多く我が身を喰らうものを当てろ

 

敗北条件 プレイヤー側の降参

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

                          サウザンドアイズ印

 

 

 

 

 

「もう!白夜叉様!脅かすのも大概にしてください!そもそも白夜叉様が魔王を名乗られたのはもう何百年も前の話ではないですか。」

 

「てことは元魔王様ってことか?」

 

先ほど魔王という言葉もあり引いたが騙されたようだ。

 

「昔のことなどどうでもいい。それよりゲームは解けたかの?」

 

有耶無耶にされたが過去より今だ。

 

「チッ単なる言葉遊びじゃねェか。簡単すぎるんじゃねェの。」

 

「俺も解けた。結構単純だったな。」

 

男性陣は答えにたどり着いた。しかし女性陣は、

 

「さっぱり分からないわ。春日部さんはどう?」

 

「この我っていうのが白夜叉だっていうことは分かったけど。私に分かるのはそこまで。」

 

春日部が言ったのは食べられる方、そこから食べる方を当てないとならない。

 

逆廻と順番を決めるとまず逆廻が、

 

「春日部が言ったことは当たっている。だがさっきの自己紹介を思い出せ。白夜叉は太陽の運行の具現化した存在と言った。だから我を太陽と当ててみる。するとどうなる?」

 

二人とも少し考える素振りを見せ、白夜叉はホォと面白いものを見るような目でこちらを見ていた。

 

「「日食」」

 

「正解だ」

 

そうこれは日食をキーワードに、つまり太陽を隠すモノを当てるゲーム。

 

「じゃあ正解は月ということかしら?」

 

逆廻は自分の出番はここまでという風に目を合わせてきた。

 

「そこが二つ目のひっかけだ。ゲームの名前をよォく見てみろ。これは和訳すると地球より内側の『惑星』ってことだ。月は衛星だろォ、つまり答えは水星か金星に絞られる。」

 

inferior planetとは地球を含まない水、金までの惑星を差す英語だ。

 

「で答えはどちらなのかしら?」

 

「さすがの久遠だって水星と金星がァどっちが地球にちけェかぐらい分かるだろ?」

 

嘗めてるのかしらっと言い迷いながら金星よねと答えた。

 

「当たってる。そしてクリア方法は我が身を『より多く喰らうもの』だ。月ってのはそこまで大きくないが、太陽を完全に隠すことがある。それは地球からの距離がちけェからだ。つまり答えは・・・」

 

「「「「金星」」」」

 

「正解じゃ」

 

さすがの白夜叉も自分のゲームがこうも簡単に破られると、残念そうだ。

 

しかし残念そうなのは彼女だけではなかった。久遠と春日部も自分の力で解けなかったことに対して残念そうにしていた。

 

「ふむ二人には別のゲームを用意しよう。少しこの童にやる恩恵の準備もせんといかんしの。」

 

といい新しい契約書類を渡すと、自分と白夜叉だけが最初にいた和室に戻っていた。

 

「ゲームを見ないでいいのかよ」

 

構わんと答え、何やらごそごそと物置の中を探していた。

 

まぁ彼女のことだ分身でも何でもできるのだろう。

 

それより今は自分の電極を何とかすることだ。だが本当にこの世界に充電できるものがあるのだろうか?電気という概念があるかさえ分からないところだ。

 

「あったあった。これをおんしにやろう。」

 

出てきたのは一体の人形だった。嘗めているのだろうか?

 

「そんな目で見るな。これは第三永久機関『コッペリオ』というギフトじゃ。」

 

一方通行(アクセラレータ)は理解できないという目で彼女を見ていた。第三永久機関など学園都市でさえ作ることはできまい。あの都市は風力発電で賄っているが、これがあれば乱雑に立っている風車は一つもいらなくなるだろう。

 

「驚くのも無理もない。しかしこの箱庭はありえないと思える物がいくつとして作られ、生み出されている。まぁこれは頭一つずば抜けているがの。」

 

「いいのか?あのゲームとは報酬が釣り合わねェと思うんだが。」

 

「私とて星霊の端くれ口約束とはいえルールぐらい守るわ。」

 

一つの電化製品を充電するのに第三永久機関を使用するのは正直に言えば勿体なにも程がある。

 

「それにこの子は不憫でのお。この箱庭では恩恵でほとんどが何とかなり、ほかの動力源を頼りにするという機会はそれほど多くないんじゃ。使ってやってくれんかの?」

 

道具として使われないというのは、一番の悲しみなのだろう。

 

「俺には使わせてもらうこと以外に選択肢はねェだろォが。」

 

これが狙ったことなら策士恐るべしといったところか。

 

 

 

「これからよろしくお願いしますね。マスター。」

 

さてこの声は誰から発せられたのだろう。無論一方通行(アクセラレータ)ではない。かと言え白夜叉にしては声が高すぎる。残る選択肢はというと・・

 

「お前話せるのか?」

 

「もちろん動力があるのですから使わなければもったいないでしょう。」

 

この人形はこれからも彼の相棒として共に戦うのだろう。

 

「ふむ。しかしそれだけでは常時満タンという訳にもいかないんじゃないかの?」

 

白夜叉は彼の首元を差し、聞いた。

 

「はい。私の力ではこれを使用するときの電力と同じ程度の電力しか使えません。現在使用しているモードですと着実に充電されますが。」

 

何か問題があるのだろうか?

 

「言っておくが変わりはないぞ。戦闘中に使うことは不可能だ」

 

「自分の部屋に置いとけとでもいうのか?」

 

それではかなり不便なんだが・・・

 

「いやこのギフトカードに収納すれば問題ないのじゃが・・・」

 

「カードに入れておけば充電できる量はかなり減ります。具体的に言えば今のモードと同程度しか充電はできないと思ってください。」

 

つまり普段の生活では電力は消費しなくなるということか。

 

「いや。それでいい。少なくとも今よりは使い勝手がよさそうだ。」

 

それならしっかり30分戦えるし、途中どこでも充電できるのだから。

 

「あちらのゲームも終わったようだ。カードは彼らと一緒に配ろうくれぐれもそれを大切に使うのじゃぞ。」

 

白夜叉が手を叩くとまた目の前が暗くなった。

 




今回コッペリオを出したため、
リリちゃんが出るサイドストーリーは書きません。
次回ミサカネットワークがなぜ使えるのかを詳しく書きます。
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