春って忙しいんですね・・・
4月はこのようなことが続くかもしれません。私的な理由ですみません。
ジンを除いた「ノーネーム」の面子は帰路についていた。
和気藹々といった雰囲気はなく重苦しい空気も感じられた。
原因はあの後の白夜叉の言動だった。
第三永久機関を一旦片づけた白夜叉によりゲーム盤に戻された時、ゲームは終わる寸前だった。
グリフォンに跨った春日部はゴールと思われる門をくぐりクリアと思われた。
グリフォンから彼女が落ちるまでは、
しかしその落下は最悪な事態には繋がらなかった。
’彼女が宙を歩いたから’
これは超能力あふれる学園都市ですら、少なくとも
白夜叉も関心したようでギフトについて迫っていた。
「ちょうどよかったです。今日はギフトの鑑定をお願いに来たのでした。」
黒ウサギのこの言葉に露骨に嫌そうな顔をする白夜叉。
専門外もいいところ何じゃが・・・と呟き迷っている様子だったが、
ポンと手を打ち合わせ何か名案が出たという感じだった。
「ふむ。おんしらは勝者じゃ主催者として求める物はやらなくてはならない。少し高価なものだがなにコミュニティの再興の前祝としてちょうどいい。」
ポンと手を叩くとそこには透明なカードが四人の前に現れた。
掴むとそのカードは自分が染み出しているように色がついてきた。
その色は人それぞれでカラフルな色を醸し出していた。
そんな中俺の色は浮いていた。
黒に黒を塗り付けその行為を何回も行ったような黒。漆黒という表現すら生ぬるいと感じてしまう黒。
その上には血を連想させるような赤色の一方通行という文字
さらに申し訳程度の白の亀裂が横に三本走っているだけのカード
しかしこれは俺の特徴を正確に表していると自嘲の笑みを浮かべた。
黒は俺の大半を占める心の色、赤は自分が浴びた血の色、
白は自分に好意を向けてくれた・・・
「おんし大丈夫かの?」
どうやら自分も知らない間に顔を青くしていたらしい。
気遣うように俺を見てきたがその眼は驚愕に染まってきた。
「おんしそのカードの色は・・・」
視線はそちらに誘導され、色は先ほどと変わりなくただの黒のカード。
「黒一色のギフトカードそれは魔王の証なのです。」
そこから長々と尋問をされて、まだ白の3本の亀裂が入ってるということを伝えることでようやく解放された。
「しかしその三本の線、おんしの精神状況に左右されていると思われる。」
なんでもこのカードを作ったのは予言の魔神ともいわれるラプラスの魔王によって作られているらしい。その三本も予言の可能性があり、極度の精神異常で黒に飲み込まれるらしい。
俺が気に病んでいるのはここの場面(なんといっても人を殺すことがとてもタノシク思えるような思想を持っているのだから)だった。
ほかの特に春日部と久遠は最後の別れ際に発せられた一言。
「待ておんしら、魔王や強敵に本当に戦う気があるのかの?」
「当たり前だ。これだけ楽しい世界に来れたんだせいぜい楽しまなきゃな。」
坂廻が四人の気持ちを代弁して答えた。
「ふむそこの男二人はともかくおんしら二人は間違いなく死ぬぞ。」
と女子二人にキツイ言葉をかけたためだ。
その結果この重苦しい空間が作られてしまったのだ。
現在位置は数時間前にいた六本傷の旗を掲げたカフェの近く。
そこで彼は一つの視線を感じた。
複数ではなく単数
それも今いるこの団体に向けでは俺個人に向けての視線。
そのため俺以外は気づいていない。
そこでなるべく穏便に片づけるという選択肢を選んだ。
「黒ウサギちょっと寄り道していくから先帰っててくれ。」
むっと怒りそうな顔だったが坂廻に止められ
「俺もついて行ってやろうか?」
この笑い方を見るにこいつは気づいていたようだ。
「いらねェよ」
そう。これは俺のお客様なんだから。
黒ウサギたちの背を見送り踵を返すと、そこには想像もしない人物が立っていた。
驚きのあまりに声も出ない状況で
「お久しぶりです。でよろしいのでしょうかとミサカはクローン特有の悩みを投げかけてみます。」
容姿はlevel5の第3位の超電磁砲そっくりで軍用ゴーグルを着用した少女。
口調は抑揚がない単調な声。
「おっと自己紹介がまだでした。私はミサカ18888号です。と製造番号とともにアピールします。何をそんな驚いた顔をしているのですか。と疑問に思います。」
妹達、
「なんで・・おまえがここに・・・・いる」
掠れながらようやく出せた言葉。
「なんだそんなことですか。とミサカは素早くネットに接続します。」
彼女たちは微弱な電波を随時発し自分たちのネットワークを形成している。
「回答が来ました。信ぴょう性はミサカが保証しましょう。」
一回咳払いをして、
「ここにミサカがいる理由ですが、それはあなたがここにいるからです。とミサカは単純明快な回答を述べてみます。本当ですよ?。」
理解ができなかった。つまりこいつらは俺に振り回されて来てしまったのか?
「有力な理由が二つあります。一つ目はあの実験に関わっています。あなたはlevel6という人以上の人になろうとしていた。そしてミサカ達はその生贄という表現が正しいのでしょうか?ともかくそういった存在は箱庭にも前例が多くあるそうです。」
生贄その言葉を被害者から言われると、分かっていてもグサッとくる。
「二つ目ですがあなたは代理演算ができることに疑問を感じなかったのですか?」
いくら考えても出なかった答え、しかし
「ミサカ達は一週間前にバラバラの場所に召喚されました。その時ミサカ達には一つの命令だけが残されていました。それはネットワークを構築すること、この世界であなたが能力という面で不自由無く生活するため召喚されたのだとミサカ達は決定しました。」
・・・それでは道具同然ではないか
「くそッ・・・お前らを守ろうとしてもその結果は、お前らから日常を奪っちまったってことかよ。本当に俺は何一つ守れてないじゃねェかッ。」
そう何一つ。無力な少女一人さえ。
「何か勘違いしていますよ。とミサカはあなたの言論を訂正します。確かに前までの日常は手の届かない世界に来てしまいました。」
自分の罪だ。せめて最後まで聞かなければ。
「ですがミサカ達は皆この世界で満足しています。なぜならこんな微弱な能力ですが、この世界なら活用する方法はいくらでもあるのですもの。兵力として以外に期待してもらえるだけでミサカは満足です。」
そこには邪悪が一欠けらも無い笑みが浮かんでいた。
「最後に一ついィか?」
「あの二人はどうなったんだ?」
ロシアで最後に見た少女たち。
「あの二人を打ち止めと番外個体を指すのであれば不明としか答えられません。今この箱庭には20000人のミサカがいますが誰も分かっていません。」
気付いただろうかこの言葉は本来ありえない数字が入っていた。
「20000人だと?」
妹達の総数は20000人だったが一方通行は既に10000人以上を殺してきたのだ。
「・・・これは憶測の域を過ぎませんが、一つ目の理由の生贄は生死を問わず妹達という概念で召喚されたのではないか考えています。」
つまり箱庭は生死の差なんて無いようなものなのだろうか。
「なら打ち止めだって、あいつだって妹達の最終信号じャねェか!!!」
ゆっくりと彼女は首を横に振り、
「忘れたのですか?あなたがlevel6になるためのノルマを。」
それは20000人の妹達を殺害すること。
「つまり・・・」
「はい。番外個体はおろか打ち止めも対象にならないのです。」
この結論は間違いなく彼の頭のねじを一本吹き飛ばした。理性という名の強固なねじを。
「なんであいつばかり・・・・毎度毎度犠牲を強いられなければならねェんだよ。」
彼は電極のボタンを押してはいない。しかし風は彼の思うままに動き、重力のベクトルは効かなくなったような気分だ。まるで世界が彼の言うことを聞くように。
「落ち着いてください!とミサカは叫びます。あなたは自分が自由に生きれるフィールドを自ら壊すつもりですか?」
「俺は自由に生きる権利なんて最初からねェんだよ。」
ミサカだって怖かった。いつ彼が自分に牙をむくか分からない。だが叫んだ。
「ここはあなたが全力を振るったて忌み嫌われる世界ではありません。ならその力を存分に罪滅ぼしにでも使えばいいじゃないですか。」
誰のためでもない彼女の元上位個体のために。
風はピタッと止み、暗い雰囲気は消し去ったようだ。
彼女は一方通行に新たなくぎで打ちぬいたのだ。
「頑張ってください。微力ながら応援しています。」
彼の目の前にはクローンとは思えない優しい笑みを浮かべた女の子が立っていた。
さて長々と引っ張ってしまった代理演算ですが、
妹達は少し早くに箱庭入りをしていました。
彼女らも数多のコミュに参加しているという設定なので
もしかしたら活躍の機会もあるかもしれません。
(ちなみに本文で書くところが無かったのですが第三永久機関は彼のカードに入っています。)