詭弁ですよ!ヤオヨロちゃん! 作:名は体を表す
電気「それは怖い」
葡萄「う”ら”や”ま”し”い”」
なんか前回の詫び投稿は綺麗なジャイアン扱いな雰囲気。
「違う、もっと汚いの汚いの!」
という読者の声が聞こえた気がします。
セクハラ、よし!(現場猫)
「…………えっ、朝?」
昨日はとんでもねえ事が起きて、なんか複数の個性由来の攻撃が凄い勢いで身体に向かってきたと思ったら布団の中だった。そんなことある?
むくっと起きれば、昨日感じていた腹部の気持ち悪さも無く、周りにはぐーすかといびきをかいてるA組男子達が揃って寝ていた。
「……夢?」
時計を見れば、短針は5時を指していた。外はそこそこ明るくなってきて、カーテンを開ければ日の光が部屋に入るだろう。ま、流石に寝ている奴等の邪魔になるから開けんけど。
「……浴衣着てる……」
本当に何事も無かったかのような状態だが、俺の脳内HDDはしっかりと昨日のお風呂の様子を記録している。何だったら全員のB地区の色まで覚えてる。ありがとうございます。
「……えっ、怖っ」
なんか特に意味は無いけどトイレに行きたくなった。
林間学校2日目、個性訓練。
俺はB組の奴等も含めて全員を見て鼓舞しまくるというとんでもねえ訓練だった。
「……全員?」
「全員だ」
「……ふっちゃん洞窟の中に居るけど?」
「ちゃんと聞こえる様に鼓舞しろ」
相澤先生。なんか俺だけおざなりじゃない?ねえ。
丸々カット!!
クソデカ大声で全員に行き届くように個性を使ってると、半日もすれば当然声がガサガサになる。マジでちょっとほんま喋れへん……。
「の、のど飴ですか……分かりました。少々お待ち――」
「ん」
「おぅ、すまんねダイちゃん」
「ん、ん」
気にすんな。との事。のど飴舐め舐め。
「……」
「……んふ」
「っ!?」
「そう言えば、牛乳って喉に良いって聞いたような」
「少々お待ちください!私が出します!」
「ん!?」
そうしてヤオヨロちゃんが腕から牛乳を出した。
「はいどうぞ!!」
「ありがとね。モモちゃんの出した牛乳飲むね。モモちゃんの、乳、飲むね!!」
「……はぁっ!!?や、やっぱりお待ちください!!!?」
「待たない!」
……んぅ、普通のぬるい牛乳だ。でもなんかえっちだからよし!
「…………ん」
「唯、それはやりすぎ」
「ん……」
今だいちゃん服に手を掛けなかった?ねえ。なにしようとしたの?ねえ。いつかちゃん止めなかったらなに曝け出そうとしたの?
さて、夕食の時間である。なんと夕食はカレー!ただし自分たちで作らなきゃならないらしい。
「と言う訳でそこらは任せた!」
「おいずりーぞ!オレ達だって料理慣れてねえんだ!」
「あぁ、皆さん。詭弁さんは、詭弁さんは良いんです」
「ヤオモモ、そうは言っても一応具材切るくらいは参加させないと」
「いえ、その……詭弁さんが料理に参加すると大変な事に……」
「何?詭弁って料理下手なの?」
「へぇー、まあ御坊ちゃまだし。らしいっちゃらしいな」
「そうではなく……」
「人参厚く切り過ぎ!火が通らんだろうが!この人参なら厚さ1.3cm!火力が強すぎ!焦がしたいのか!!薪引け薪!玉ねぎの切る向き違う!横じゃなく縦だよ縦!」
「……と、まあ出来上がったものは何でも食べるんですが、作る段階では……」
「料理ヤクザかよ」
「意外すぎる一面なんだが」
「ヤオモモ良くアレで中学校の間詭弁の弁当作ってたね」
「ま、まあアレはつまり詭弁さんの好みの味付けと言う事ですので……」
「もう結婚しちまえお前等」
いつの間にかA組B組対抗カレー勝負なる物が開催されていて、A組が勝ったらしい。実感わかねえなぁ……。
「いやオメェだよ」
そうして合宿二日目が終わる。
直前の出来事であった!!
時計は8時30分を回り、風呂から上がったので男部屋でごろごろしようと思っていたら突如襟首を掴まれてとある部屋に引きずり込まれた。
「何故に俺はここにいるのでせう」
「決まってんじゃん。……そろそろ白黒つけて貰おうかなってねー」
ニタニタと俺の顔を覗き込むせっちゃんこと取蔭切奈。
凄い神妙な顔つきで俺を取り囲むB組女子一同。
「……ん」
「あ、あの……皆さん、こういった事は……神が見ておられます……」
そして座布団で祭り上げられてるだいちゃんといっちゃん。えー……何コレ。
「で?小大と塩崎、どっちが好きなの?」
俺の耳元を舐めるような距離で囁くせっちゃん。俺は今何をされる時間なんすか。
助けてヤオヨロちゃぁん!!
さて、覚えていますかね。詭弁くんは夜9時を回るとおねむくんになります。塩崎さんと小大さんはおねむくんに耐えられるのか。
耐えられないパターンは書いたらダークネスに上げますね。