詭弁ですよ!ヤオヨロちゃん! 作:名は体を表す
詭弁くんはどうやって雄英の入試を乗り越えたのか。
「レッツ・ゴー!バクゴー!まだまだファイトおー!ゴー・ファイト!行ける!ウィーアーゴーナーメイクイット!」
「さっきからうっせえんだよクソ口!!!」
現在は雄英の実技入試試験の最中。持ち込んだ小道具の笛を吹きながら、たまたま近くにいたボンボコうるさい個性の持ち主を応援しながら近づいてきた仮想敵を蹴り壊す。
なんでわざわざ競争相手を応援しているかというと、こいつの個性がこれまたド派手で次から次へと仮想敵を呼び寄せるから、こいつの近くに居るだけでポイントを稼ぎやすいからだ。
俺の個性も使って大音量の即席ライブを開催してると何処からか次々と仮想敵がやってくる。
「右!後ろ!来たぞ3ポイント!飛ばしていこー!」
「黙れや!!!」
個性も頭も暴言も爆発している男の名前は爆豪。試験始まりと比べて更に火力を増し増し、一撃で仮想敵を爆殺している。しかも多少の距離をものともしない個性による投擲で3ポイントを難なく獲得していく。
「いーぞ!いーぞ!カ・ッ・ちゃん!魂!燃やせ!カ・ッ・ちゃん!」
「かっちゃかっちゃ黙れやァ!!!」
「カッちゃーん!後ろー!」
「っ!死ねやぁ!!!」
「ひゅー!ないっすー!」
「やめろやァ!!!」
カッちゃんの後ろから飛び込んできた2ポイントの存在を教えただけでこの罵倒。お前ヒーロー志望ちゃうんか?
そうしてカッちゃんが大量に得点を重ねていく合間に掠めとるように点を集めていくと、大量のロボットと共に他の受験生も集まってきた。
「何故ここだけこれ程の残骸が!」
「なんか髪形キリシタンな奴来た!」
「ん」
「なんか……なんか来た!」
髪が緑色で刺々したおっぱいの大きめな女の子と、黒髪で普通のボブヘアーのおっぱいの大きめな女の子が来る。やったぜ……いやいや、俺はヤオヨロちゃん一筋……いや、ハーレム路線もありやな!(クズ)
大量のロボットが集まってきて、カッちゃんの点数が90点を越えたくらいで地面が大きく揺れだした。
「きゃっ!?」
「ん!?」
「あぶなーい」
バランスを崩した女の子二人を支えるように抱える。やわこくてかるーい。
「ど、何処を触っているのですか不埒者!?」
「んん!!?」
「緊急事態だからしかたない"っだい"!」
救助の際に
俺がシバかれている間にも揺れは更に大きくなり、少し離れた地面からクッソデカイロボットが出てくる。
「でかっ」
「お、大きいですね」
「男を挟んでお前らでかいだの大きいだの……もっと言って!」
クソでかロボットが暴れ始め、辺りの建物が破壊される。
崩れた破片が飛んでくるから女子二人担いで避難すれば、可愛い声ででかいとか大きいとか囁かれて、んもうセクハラかと。狙ってるのかと。
ボォン!ボォン!と音が鳴って、その方向を見ればマジもんのヴィランみてーな顔つきでクソでかロボットを睨み付けるカッちゃんが。
「おいカッちゃん!幾らなんでもそりゃやべぇぞ!」
「あ"あ"っ!?黙れやビビりクソ口野郎!!敵相手に逃げるザコがヒーロー名乗んなカス!!!」
「暴論んぅ!!でもそういうの……不思議と嫌いじゃないぜ!!」
「……私も、そこまで言われたら奮い立たねば」
「ん」
肩の女子二人もやる気ムンムンな感じ。肩から下ろしながら軽く自己紹介をする。
「俺は詭弁答弁、個性は言葉で色々出来る。よろしくな」
「私は塩崎茨、個性は髪のつるを伸ばして操ることが出来ます」
「小大唯。生き物以外小さくしたり大きくしたり出来る」
「ンよろしく!あそこの爆発頭は爆豪、手のひらと暴言が爆発する個性だ」
「誰が爆発頭だザコクソ口野郎!!」
「ダイちゃん、あのデカロボ触れて小さく出来る?」
「……ん」
「よし、ならいっちゃんがつるを伸ばして足止め、ダイちゃんがその隙に触れ続けて、小さくなった所をカッちゃんが爆殺して終了!」
「い、いっちゃん……?」
「ちなみに俺は戦闘力クソザコナメクジだから気にするな!!俺ら全員雄英受験者でライバルだが、皆学校一の優秀な奴らだ!俺らが纏まれば、どんな奴でも倒せる!気合い!入れて!行くぞ!!!」
「ん!」
「は、はい!!」
「勝手に仕切んなカス!!!」
暴れまわるロボットに向かって、腹の底から押し出したデカイ声を上げる。
「スゥゥゥ……やいこのポンコツデクノボー!!ノロマで無能なAI搭載して恥ずかしくないのかー!?」
俺の声に反応したのか俺の罵倒に反応したのかは分からないが、ロボの顔が俺の方を向き、その腕を振り下ろしてきた。
大きな地響きが起きるが、悠々と回避した俺はいっちゃん担いで駆け回る。
「何処を狙ってんだぁ!?テメエのカメラ曇ってんのかぁ!?モーター回転トロ過ぎんじゃないのー!?」
「どっちが悪役だか分からないですね」
チョロチョロと駆け回り、相手のヘイトを稼ぎながら更に挑発を重ねる。そろそろ良いかな?
「ッてなわけで、そろそろよろしくぅ!」
「承りました」
笛を鳴らしながらいっちゃんを応援し、能力の強化を施す。
「ゴーゴー!し・お・ざ・き!レッツゴー!い・ば・ら!!太く強靭!正義の一撃!必殺のぉー、ジャッジメントヴェイン!!」
「勝手に変な技名をつけないで下さい!……っ!!?」
いっちゃんの個性によるつるが巨大なロボに絡み付き、僅かの間拘束に成功する。
「(普段よりも速く……何より凄く強靭!応援パワー……なんと強力なんでしょう)」
「今だ!ダイちゃん!信念貫け!ゴー!ゴー!ダイちゃん!決めろー!スモールスケール!!」
「ん…………ん?」
ダイちゃんがすかさずロボの足に触れて、ビル並みにでかかったロボがすごい速さで縮んでいく。
「(明らかにいつもより早く小さくなってく……凄い……)……ん」
「トドメだカッちゃん!弾けろソ・ウ・ル!!決めろ!必・殺!ニトロぉ、クラッシュ!!!」
「指図すんなクソが!!『ニトロ・クラッシュ』!!!」
既に一軒家程度の大きさにまで縮んだロボの顔に向かって飛び、今まで聞いてきた中で最も大きな爆音と共にロボが粉砕された。ひえー怖。でも咄嗟のノリで名付けた必殺技の名前が即採用されて、ひょっとして爆豪って面倒なツンデレではと思う。
「んっ!?」
「危なっ!!?」
ロボ(故)の足元に残っていたダイちゃんが爆発の勢いに押されてしりもちを付きそうだったので素早く抱き止める。咄嗟に抱き止めてしまったので、今の俺達の状況はお姫様抱っこする俺と、お姫様抱っこされるダイちゃん。やだ……ガチ恋距離……
「…………」
「……大丈夫か?」
抱える少女の胸の辺りからドクドクと強い鼓動が感じられる。
……あの、何か反応を返して欲しいのですが。
「…………ん」
何故貴方様は目を閉じているのでせうか。
そうこうしている内に、試験終了の声が響く。お、終わったか……。
「お、おう。試験終わったぞ?」
「……ん」
何故貴方様はそない残念そうな顔をするのでせうか。(無表情)
「大丈夫ですか?怪我はありませんか?」
「テメエクソ口野郎!!最後の技のアレはノーカンだゴラァ!!!」
「大丈夫大丈夫!分かってるって!友達に必殺技の名前貰うとかザラだし!俺とカッちゃんの仲じゃんかー!」
「黙れや殺すぞ!!!」
「なんて野蛮な」
「ん」
「あそうそう、お三方。ちょっとお願いがあるんですけども」
「ん?」
「如何なさいました?試験はもう終了いたしましたが……」
「んだクソ口野郎!!」
こんなんでも一応聞く気になってるカッちゃんマジ天使。
「いや、ね。ちょっとこの後俺死にかける予定が有るから……助けてくれ」
「ん?」
「は?」
「アァ?」
試験が始まる前に自分の身体の限界を越えて力が出せるように自己暗示を行った。要するに火事場のバカ力を出し続けていた。だって一応鍛えてるって言っても俺の身体は一般的な男子中学生の域を超えない普通の肉体だ。それでロボットを破壊する程の攻撃が出来るだろうか?
まあ、要するに……
「脳内物質ドバドバで今痛みとか無いけど、大暴れした反動で全身ボロボロなんだよね俺!だから助ゲボッッッ!!!」
「ん!!?」
「詭弁さん!!?」
口から想像以上に吐血し、全身の骨がバッキバキに折れる。いや、正確には既に骨が折れていて、その事にようやく身体が気がついたとでも言うべきか。痛ーい!
「もうマジムリ……フリスク食お……手動かないけど……」
「詭弁さんがお壊れになられました!?」
「ん!」
「クソアホかテメぇはァ!!!」
そうして気を失い、俺の雄英受験は終了したのだった。
因みに三人はちゃんと俺をリカバリーガールの元に連れていったそうです。ありがとう!
結果?お察し!
B組の女の子ハアハア。
じゃ、後は頼んだぜ。感想待ってるよ!
追記
なんか評価伸びてきてるから続き書こうかなぁ(優柔不断作者)