詭弁ですよ!ヤオヨロちゃん!   作:名は体を表す

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シリアスの真っ最中ですが、予定を変更して閑話をお届けいたします。
だって書きたくなったんだもーん!!

中一の詭弁
「何!?バレンタインデーと言えばチョコレートじゃないのか!?」



バレンタインデーですよ!ヤオヨロちゃん!

「……詭弁さんは受験生だということを承知の上で仰っているのでしょうか?」

 

「んにぃ、俺が受験生である事と、来週のバレンタインの事は厳密には関係ないねぇヤオヨロちゃん!」

 

 中学三年生の冬の時の話。ヤオヨロちゃんはとっくに雄英の推薦入試を突破し合格を決めているが、一般受験の俺にとっては本当に最後の最後の頑張りどころである。

 まあ、普段から勉強面はヤオヨロちゃんに見て貰って万全ではあるのだが、それでも万が一ってことがある。最後まで勉強に抜かりはしない。抜かりはしないが……息抜きはほしいじゃん?

 

「詭弁さんは大事な時期ですから勉強に集中してください」

 

「いやいや、一心不乱に勉強漬けになるより、継続的に続けて時折気分転換した方がストレス無く色々覚えられる。最近の研究でもそう言ってるし」

 

「ええ、ですから勉強の合間に個性訓練を一緒にしてるではないですか」

 

「違うんだよ、俺はもっと色味のある息抜きがしたいの!というわけで次の土曜日にでもデートしようデート。チョコ巡りデート」

 

「しませんわ!もう、少しは危機感を持ってくださいまし!」

 

「えー、だってバレンタインデーは平日だぜ?多分ゆっくり出来ないと思うし」

 

「もう!詭弁さんは勉強に集中してください!」

 

「んぅ……」

 

 そうして今日も勉強漬けの日が終わる。

 最近は本当に勉強、体力作り、個性訓練、勉強のローテーションが激しいから、あんまりヤオヨロちゃんとゆっくりこゅみけーしょん取れてない……。

 

 そうして一週間後のバレンタインデー当日。こういう時モテる男は事前準備を欠かさない。……んまぁ、去年一昨年の経験がモノを言うのだが。

 まず家を出るときはいつもの時間より10分ほど早く出る!すると家の前で待ち構えていた近所のお姉さん方からの熱烈プレゼント攻撃!

 

「んふふ~。はい、チョコレートだよ。それ、本命だからね?」

 

「詭弁くん!これは私の気持ちです!」

 

「ありがとう、おねーさん達」

 

 そして登校途中も気が抜けない。交差点の角から偶然を装った後輩がエントリーだ!

 

「き、き、詭弁先輩!雄英受験、頑張ってください!」

 

「ありがとう。うん、頑張るよ」

 

 そして更に校門の前では同級生のスーパーお嬢様が乱入だぁー!!

 

「おーほほほほ!!ごきげんよう詭弁さん!今日は親しき仲にチョコレートを送る日だそうですわね!詭弁さんに私のお手製チョコレートを送りますわ!」

 

「そちらはお嬢様が一週間試作に試作を続けたチョコレートで御座いますゆえ、御召しになられたら是非ともお嬢様にお味の感想をお伝えください」

 

「め、メイドの分際で、言わなくて良いことを言わないの!!」

 

「出すぎた真似をしました。申し訳御座いません」

 

「うん、ありがとう。食べたら、感想を伝えるよ」

 

 と、学校についてようやく一息つける。今時下駄箱にチョコを入れる奴は居ないからな。

 ……ん?チョコを貰った後の女子達の反応?詭弁スマイル(当社比5倍増)でお礼を言えば大抵の子はその場でK.O.する。残りの子は……まあ、性獣(意味深)となるが……。

 さて、一息ついた後だが、まだまだ油断は出来ない。上履きに履き替えたら三年の校舎に向かうのだが、その通路の間に下級生女子が揃って待っている。そしてその全員が俺の事を見るわけですよ。これ軽い恐怖体験なんですが分かりますかね……。

 

「詭弁先輩!バレンタインのチョコです!」

 

「き、詭弁先輩……これ、どうぞ……」

 

「ん……どうぞ……」

 

「先輩!アタイの愛が詰まったチョコですよ!」

 

 これでも極一部なのだが、とにかく全員キャラが濃い。熱血、ダウナー、無口、ラブ全開、んもーほんと色々キャラが立っている。

 まあ、勿論受け取らないなんて選択肢は無いわけですが。

 

「みんな、ありがとう!」

 

 我ながらいっそ清々しいまでの会心の笑みで答え、ほぼ全員をK.O.する。わずかに残った数人は蒸発した理性で俺に飛び掛かるが、そこは鍛え上げた身体捌きで回避する。

 そうしてようやく教室に到着し、俺の一日の半分が終わる。うん、ここまでで半分なんだ。既に紙袋二つにいっぱいチョコレートを貰っている。席に座り、簡単に食べられそうなものから勘で選びながら食べる。今の内から食べ進めないと食べきれないからだ。

 

 ちなみに、一昨年のバレンタインには自分等身大のチョコレートを送ってきた某お嬢様が居たが、流石に食べるのが怖かったのでそればかりは受け取りNGを出した。それから小さいチョコが喜ばれると知られて、去年はチロルチョコサイズの物が多かったのは良い。

 そして今年はチロルチョコサイズのチョコレート袋詰めが多かった。違うそうじゃない。

 包装を開けながら、このチョコは誰に貰った物かを頭の中で想起する。ちゃんと味の感想を伝えるためだ。モテる男は細かな努力を欠かさない。最終的に100人分にも上るが、気合いで何とかするのがモテる秘訣。ふふふ、モテモテ男子は辛いな……。

 

 授業が始まるまでに、朝受け取った分の4分の1を食べ終わる。くくく、残り4分の3。しかも昼になったらまだ増えるんだぜ?これ。致死量ってご存じ?

 俺の個性に掛かれば、何個チョコを食べても最初の一口目の幸せ感を堪能できる。思い込みの力ってスゲー。逆に使わないと味に飽きて食べ進めることが出来ないんだけどね……。

 うう……新鮮な感覚のままでヤオヨロちゃんのチョコを食べたかった……。

 

「詭弁!アタシのチョコを受け取れぇ!」

 

 もーいやぁー!!!

 

 

 ◆

 

 

 放課後、ようやく家に帰れた。朝受け取った分は何とかその日の内に食べ終え、その感想を一人一人に伝えた。そして昼以降に貰った分は、明日の朝までに食べ尽くして感想を伝えるつもりだ。

 自分の部屋に戻り、メモ帳とペンを取り出す。チョコを渡してくれた相手の名前と既製品か手作りかを記入し、既製品だった場合はチョコの値段を調べて大体三倍返し、手作りだった場合は同じように手作りのモノを、ホワイトデーのお返しとして渡すために、忘れないうちにすべてメモしておく。モテる男は辛いねぇ、ふふふ。

 

 マジでしんどい……。

 

 食べた感想はLINEで伝えられたらLINEで、そうじゃなければ明日直接伝える。

 くくく、チョコレート地獄はまだ終わらねぇ。『昨日渡し忘れちゃった♥️』という女子が必ず一定数は居る。何故ならバレンタイン当日に渡したがる女子は多数!だが敢えて日にちをずらして渡すことで印象に残そうっていう腹積もり!そしてなんと、今日渡しておきながら明日も渡してくる女子もまた僅かながらに居るのだ!!無論モテる俺はその全てのチョコレートを食べ、感想を伝えるのだ!

 

 人間関係って、つらい。

 

 

 

 

 * * * * *

 

 

 

 

 バレンタインデーから数日後。

 

「詭弁さん。……詭弁さん!大丈夫ですか!」

 

「んぅ、んぁー……ヤオヨロちゃん、おはよう」

 

 大量のチョコレート地獄からようやく解放された翌日、ほんの数日とは言え、ずっと自分を騙しながらチョコを食べ続けた反動が体調に現れている。しんどい。

 

「詭弁さん、明日が雄英の一般受験日なんですのよ、そんな調子で本当に大丈夫ですか!?」

 

「んぅ、へーきへーき。俺の個性でいつでも絶好調になれるって知ってるでしょー?」

 

「それでも普段から体調を整えておくに越したことはないですわ!もう……本当に大丈夫なんですか?」

 

「んぃ、そーだなぁ、ヤオヨロちゃんのおっぱい揉んだら元気になりそう……」

 

「でしたら絶不調のまま受験を受けてください」

 

「ねぇ、酷くない?」

 

「はぁ……まったく。別にチョコを食べるなと言っている訳ではないのですし、貰ったその日に無理に食べて感想を伝える必要はないでしょうに」

 

「んぅぅ……でもさ、折角渡したのに、その日に感想貰えなかったら悲しいじゃん?」

 

「詭弁さんがその日大量のチョコレートを貰っているのはもはや周知の事実なのですから、当日に感想貰えなくても仕方ないで済みますわ」

 

「うーん、そう言われればそうかもしれん」

 

「……詭弁さんは本当に時折おバカさんになりますわね」

 

「ヤオヨロちゃん、心臓に毛の生えてる俺だって傷つく時もあるのよ?」

 

「うふふ、それは失礼しましたわ。お詫びと言ってはなんですが、こちらをどうぞ」

 

 そう言ってヤオヨロちゃんは、丁重にラッピングされた小箱を渡してきた。

 

「……んにぃ?なぁにこれ。な、なんか見た目よりちょっと重めですねぇ……」

 

「こってりとした甘い物はしばらく見たくもなさそうな詭弁さんにぴったりの物ですわ」

 

「ふぅん……?」

 

 そうして家に帰り、明日の試験に向けて入念にストレッチを行って体調のリセットを行う。そしてヤオヨロちゃんから貰った小箱のラッピングを丁寧に剥がし、中を見ると……

 

「……大福餅?」

 

 キチッと箱詰めされた大福餅らしき物と、箱の外にバレンタインカードが添えられていた。

 カードを開いて、ヤオヨロちゃんらしい字で書かれた内容を読む。

 

 詭弁さんへ

 詭弁さんが、本当はチョコレートがあまり好みではないのに、女の子を悲しませたくないから食べているという事は知っています。

 変なところで無理をしてしまうのは昔からの悪い癖ですよ?

 そんな詭弁さんのために、砂糖を一切使ってないイチゴ抹茶大福を作りました。

 雄英に合格したら、デートに行きましょう。待ってますよ?

   八百万 百より

 

「愛の女神かよ」

 

 んも~ホントに好きぃぃぃ!!!(語彙力消失)

 というかいちご抹茶大福手作りコレ!?和菓子職人かよ。

 小箱に4つ入ってたが、家族に分けずに全部俺が食べた。高級な抹茶本来の甘味と苦味、イチゴの酸味と甘味が組み合わさってなんかもうなんか凄い美味しい。(語彙力蒸発)

 

 

 

「というわけで俺がもう待てなくなりましたデートに行こうヤオヨロちゃん!!!!!」

 

「明日入試ですわよ!!??」

 

 その後、ヤオヨロちゃんにぶん殴られるまでべたべたしてました。

 

 




正妻「計画通り」ニヤリ

中学卒業間近の詭弁
「えっ?バレンタインにチョコ以外の物を送るのって、わりと一般的なん……?なしてそれをもっと早く言わないの……?」
哀れ詭弁、自分の言動によって苦しめられているのだ……
ざまぁねえな!(トゥワイス感)

なんで今さらバレンタインデーの話なのかって?んなもん……とある小説に感化されたから……。


俺はチョコは好きでもないが、まあ嫌いでもない。カカオ98%ビターチョコとかは結構好きかも。-クズ

ちなみに詭弁さんはラーメンなら醤油派、納豆にネギとカラシを入れるタイプ、唐揚げにレモンは要らない派ですわ。ただあまり深く拘らないので、他に鍋奉行の方がいればその方に任せる事が多いですわ。-モモちゃん

詭弁くんはソバよりウドン派、ウドンは暖かいのより冷たい方が好きみたいだ。目玉焼きには塩コショウをかけるよ。市販のトンカツソースはあんまり好きじゃないみたいだ。お好み焼きはマヨネーズとソースを3:1でかけて食べるよ。チョコがあまり好きじゃないからきのこ派でもたけのこ派でもないんだって。朝はパンよりご飯派。カレーは甘口寄りの中辛が良いんだって。カツ丼よりカツカレーの方が

待った待った、いずくちゃん。お前何処でンな事調べてるんだよ。-クズ

凄いと思った人を調べるのは癖みたいなもので……。-いずくちゃん

私も知らなかった情報を知ってるんですのね……。-モモちゃん
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