詭弁ですよ!ヤオヨロちゃん! 作:名は体を表す
学ばないね。
というわけで今回は一学期末テスト前の話。
「まったく勉強してねー!!体育祭やら職場体験やらでまったく勉強してねー!!」
あああああ!!!と教室内で騒ぐでんちゃん。まったくうるさいなぁ。
「言っとくけど普段は詭弁ちゃんの方がうるさいわよ?」
「つぅちゃん、世の中には言って良いことと悪いことがある。今のは言って良いことだ」
「いや良いことなのかよ」
スパンと良い音を鳴らしてツッコミを入れるはんちゃんこと瀬呂範太。ノリの良い奴だなぁ。
「そういえば詭弁って中間テスト何位だったっけ?」
「俺?俺はーー」
詭弁答弁 中間テスト5位
「意外っ!頭良いの俺ってば!」
「くそぁ!!詭弁はぜってぇコッチ側だと思ってたのに!!」
「普段から勉強してる差よぉ!差!!」
「流石詭弁さんですわ。それでは週末の勉強会はもう行わなくても……」
「や り ま す !!」
そう、俺はヤオヨロちゃんの協力無しに雄英の筆記試験を突破するのは無理……ではないにせよ、多分成績的にはもっと下、それこそでんちゃんこと上鳴電気や、みっちゃんこと芦戸三奈より多少マシ程度まである。
「勉強会やってるの!?」
「……あのー、是非ともオレ達も一緒に参加してもよろしいでしょうか……」
「良いんじゃない?ねぇモモちゃん?」
「勿論ですわ!」
「あっ、じゃあウチも良いかな?二次関数、ちょっと応用につまずいてて……」
「悪いオレも!八百万、古文分かる?」
「古文、漢文、現代文!俺に任せろー!」
「マジか詭弁!」
「おれもいい?」
「私もー!」
まっちゃんこと尾白猿夫、とーちゃんこと葉隠透も勉強会に参加表明。ヤオヨロちゃんと俺合わせて、計8人の大所帯となった。
「場所どうする?」
「私の家で行いましょう!講堂の準備をしておきますわ!」
「講堂あるの!?やっぱお金持ちだわ……」
「こんな大人数だし、教えられるところは分担しようじぇ」
「そうだな」
◆
そうして放課後早速ヤオヨロちゃん家に突撃お宅訪問。
「うわ、でっか……」
「凄いおおきいね……」
「どれだけ大きいの……」
ジロちゃん、みっちゃん、とーちゃんの女子三人がとても心踊る感想を呟いた。
「……今の良いな」
「分かる……」
「えっ、お、おう……」
はんちゃんが呟き、でんちゃんとまっちゃんが反応する。
「さあ皆さん、講堂はこちらですわ!」
ヤオヨロちゃんがプリプリ気合いをいれながら講堂に案内する。その時に使用人を呼び、人数分の紅茶を淹れるように指示していた。
「ま、マジであんなメイドさん居るんだな……オレLINE交換してきていい?」
「無礼切りされたければどうぞどうぞ」
「いや詭弁が許可だすのか……無礼切り!?」
「そう。時々メイド、或いは執事に言い寄る無礼な客人がいるから、八百万家では従者の権利を守るために脇差しを持たせてるんだ。それでしつこく寄ってくる相手にはズバァっと」
「堂々と嘘を教えないでください詭弁さん!!」
「いや嘘かよ!!ビックリしたわ!」
「うん!
「表向きもなにも、そんな事実はありませんわ!!」
「……オレ、メイドさんに声かけるの止めとこ……」
「勉強目的で来てるんだから最初っからやるな馬鹿」
そうして、勉強会自体は恙無く進行した。
「ってな感じで……もうすぐ日が沈むし、そろそろ終わろうか」
「おっ、もうそんな時間かぁー。悪いなヤオモモ!詭弁!がっつり教えてもらって」
「構いませんわ。こうして人に教えることで、知識を定着させることも大事ですから」
「ありがとねー!」
「良いって事よ……あ、そうだ良いこと思い付いた。期末テスト、俺より成績良かったら何かご褒美をやるってのはどうよ?」
「えっ、マジ?」
「ご褒美ー!?何々!?」
「そうだなぁ……例えば服とかどうよ?」
「服か……詭弁のセンスは中々良いし……うん、それが良い!」
「……んで、その代わり詭弁より点数低かったら何しろって言うのよ」
「ヤだなぁジロちゃん、そんな詐欺まがいな言葉回しなんてしないって……や、ほんとだからあんまりジッと見ないで欲しいなぁなんて……」
「ふぅーん……ま、いいや。貰えるものは貰っとくわ」
「……なあヤオモモ、オレ達にも何か……」
でんちゃんの問いに対してヤオヨロちゃんはすごく良い笑顔で返した。
「あっ、その……なんでもないです……」
「モモちゃん、折角だし何か良いものでも考えたら?やる気になってテストの点数上がったら良いと思うし」
「またそうやって詭弁さんは……はぁ、ではもし私より良い点数を取れたら……1教科につき一回デートというのはどうでしょう」
「えっ」
「はっ」
「なっ」
「ん!?」
「ちょっ!?」
「マジかヤオモモ」
上からでんちゃん、はんちゃん、まっちゃん、とーちゃん、みっちゃん、ジロちゃんの順での反応である。
「えっ、ま、マジで?マジでかヤオモモ?」
「はい、二言はありませんわ」
「だっ……で、でも詭弁が」
「あら。詭弁さんからの提案なのですから、まさか否とは言いませんよね?」
「き、詭弁!?いいの!?あり得ないと思うけど、万が一……億が一上鳴がヤオモモより点数取ったらヤオモモと上鳴がデートだよ!?」
「うわー!悪女!ヤオモモ悪女だ!」
「……詭弁?」
「大変だ!詭弁の奴息してない!!」
「「「「「 マジか!!? 」」」」」
◆
「はっ!?ゆ、夢か……」
「残念ですが現実ですわ」
八百万家の客室。日も沈みきって月が上り始める時間で、俺はベッドの上で飛び起きた。
「……みんなは?」
「もう帰りましたわ」
「そっか……あのさ、マジでデートに行くん?」
「勿論ですわ。私よりも高い点数を取れたのなら、ですが」
「そ、そうか……ちょっと安心した」
基本的にヤオヨロちゃんは、テストでは満点が当たり前なので
「……と、思っていらっしゃいますか?」
「ははは……えっ、モモちゃんの個性って読心できるん?」
「うふふ……」
「えっ、えっ、何を考えてるんです?」
「『服を選ぶという名目で二人でデートに行こう』と……目論んでますわね?」
「……」
ヤバい。何がヤバいって、ヤオヨロちゃんの笑顔がマッハでヤバい。何?俺は今日死ぬん?
「……あの、モモちゃん……ちゃうねん……これは……あれやねん……」
「詭弁さんが期末テストで全力を出すのなら、私も全力を尽くしますわ?」
「死力を尽くさせていただきます」
「はい」
これでもし成績が悪かったら……ヤオヨロちゃんが他の男とデートに行く……?ヴォエ!(強烈な吐き気)
「…………そ、その代わりといってはなんですが……詭弁さん、詭弁さんの点数が私の点数よりも高かったら…………デートに行きましょう?」
「……」
モモちゃんが可愛すぎて吐く。
「……詭弁さん?詭弁さん!?ちょ、息をしていません!?誰か、誰かー!!!」
そうして尊死した俺はまったく勉強に手がつかず、テストの点数が散々なことになってしまった。
「イェーイ、詭弁に勝ったー!!」
「ありがとねー詭弁!!めっちゃ教えて貰った上に服まで貰っちゃって!」
「……ねえ、あんた馬鹿なの?」
「やめろぉ……その言葉は俺に効く……」
なおヤオヨロちゃんはしっかり全教科満点を取ってました。
「勝てる気がしねぇ……」
「くそッ!それでもワンチャンあると思ったのに……!あ、古文教えてくれてサンキューな詭弁」
「おれも数学教えてくれて助かったよ。ありがとう」
「ええんやで……」
「まあ総合成績オレより下だったけどな!」
「死ねクソ電気……」
「爆豪の口調移ってる!?」
放課後めっちゃ4人(みっちゃん、とーちゃん、ジロちゃん、ヤオヨロちゃん)の服買った。
「……ま、マジでこの服買ってくれんの?」
「男に二言はないですよ」
「(一着6桁って高校生が着る服じゃなくない!!?)」
「(詭弁、財布デカ過ぎんだろ……これ一着でちょっと良いドラム一式買えるし……)」
「みてみてー!ザ・大富豪の妻って感じの服ー!」
「とーちゃんそれが良いの?」
「これにする!」
そうしてお会計。支払いはカード一括で。
「(ねー三奈ちゃん、今のカード黒かったねー)」
「(ブラックカードってやつ?都市伝説かと思ってた……)」
「(……この服どうやって洗えばいいの?)」
結論、詭弁は馬鹿。
今後の希望展開を参考までにどうぞ。大前提として色んなキャラにセクハラは続けます。
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もっと原作沿いを
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オリジナル展開で
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個別キャラエンド
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延々日常回書いて
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ダークネスはよ!