コラボのようでコラボでない、ただの欲望の塊です。
上條さん、許可を出してくださってありがとうございましたです。
では、文章ガタガタでおかしくなっている駄文をどうぞ。
よく晴れた朝のこと。
園瀬良は、いつも通り天魔として働いていた。
なにも行事もなにもない、平和な一日。
そんな平和な朝に、『その世界にはいないはずの少女がいた』。
その少女は、銀髪をたなびかせ、三尾を揺らめかせ、瀬良の背後にスッと現れた。
「・・・瀬良くんっ!」
思い切り声を上げ、彼女は瀬良に後ろから抱き着いたのだ。
目を丸くした彼は、とっさに後ろを振り返り、その存在を確認すると、ほっとしたように笑みを浮かべた。
「うわっ。あ、朱音さん。どうしたんすか?」
「・・・もー、なんでそんな驚かないの~?」
「いやだって・・・ねえ?大好きな朱音さんがそこにいるから?」
「あう・・・」
小首をかしげてそう言えば、顔を赤らめて、朱音は瀬良の羽に顔をうずめた。
心地は良いらしい。
藍の尻尾をふさふさするのと同じだろうか?
あの時、感じた気持ちよさを拳に感じながら、それを握りしめて、瀬良は必死に我慢する。
この喜びを、気持ちよさを、誰にも知られまいと・・・。
「ねえ」
「?・・・な、なんっすか?」
「何考えてたの?」
「・・・朱音さんのこと」
「嘘・・・」
「嘘じゃないっす。ほら、かまってあげるから」
彼女の頭を一度二度撫でてやれば、朱音はすぐに機嫌を取り戻す。
うれしそうな顔を浮かべながら、すりすりと彼の腕に頬を摺り寄せてきた。
そんな朱音がかわいくて、瀬良は嫌がることもせず、そのまま抱き付いてくるのを黙って容認した。
「・・・朱音さん?そういや、どうしてここに?」
「作者に頼んだの!」
「メタ。というか、上條さんめちゃくちゃだなぁ」
「まあうちの作者だし」
「そういう問題っすか?」
メタ話をする二人は差し置いて、天魔である彼は仕事の最中である。
こんなことをしてていいものなのだろうか?
と、周辺を見回っていた椛が苦笑しながら思う。
しかし、彼女はあえて突っ込まない。
前もって瀬良に『お願い』されていたことを、彼女は覚えているからだった。
『えっと、ここに狐の朱音さんが来たら、俺は仕事をちょいちょいさぼるからよろしく』
『いや、だめですよ?!』
『構ってあげないと拗ねちゃうからさ』
『ほかに理由は?』
『彼女に、天魔だって言ってないんだよ。中途半端に現・天魔について言っちゃったから、教えたくなくって』
『・・・ああ、はあ。まあいいですけど』
『椛ありがとう!今度枯葉と一緒になにかおごってあげるよ!』
『人里の甘味処でなんか買ってくださいね?』
『おう!』
そんなやり取りをしたのも彼女は覚えていた。
仕方ないなぁなんて笑いながら、瀬良は朱音の頭をなで、そしてその額に口づける。
カッと顔を赤くした朱音は、「あうあう」とうろたえながらも、ぎゅうっとその瀬良の腕に抱きつくのだった。
(・・・甘い!)
甘い言葉がないのにもかかわらず、彼女らは砂糖を振りまいていた。
なぜここまで甘いのか?
瀬良はもとより幼めにみられるものの、その口と動作は一々一定の女性を魅了するような何かを持っている。持ち前の明るさもあってか、彼は結構笑顔でいることも多い。その笑顔も、「かっこいい」だの「かわいい」だのとなかなかに人気もあるのだ。
妖怪の山の女性のほとんどが瀬良のとりこになっているのは、それが理由なのだろうか?
それに朱音も、ただのロリかと思いきや、どこか幼い体に似合わぬ色気のようなものもあり、二人が笑いあうだけで、二人が唇を合わせるだけで、むわっとあたりに甘い空気が広がるのだ。
そういえば、彼女が直接仕事場に来るのは初めてだ、と椛は熟考するようなそぶりを見せた。
前も来たようだったが、その時は瀬良の寝室で見かけた。
(結局、何をしてたんだかは教えてくれなかったな・・・)
と、そこで椛の肩をたたく者がいた。
「ちょっといいかい?」
男の声――――しかし、どこか高いような―――。
「はい?」
「これを、朱音と瀬良君に渡してほしいんだ」
「・・・紙?」
「任せたよ、椛」
「ふぇ?!あの、なんで私の名前を?!」
と、その人の服の袖をつかもうとした時にはもう遅かった。
誰もいなかったのだ。
誰の声だろう?そうやって再び考えるも、答えは出ず。
しかたない、と椛はその紙を丁寧に折りたたみ、懐にしまって、二人の甘い空気がなくなるのを見計らうことにした。
☆ ☆ ☆
瀬良side
「ところで、天魔って誰なの?」
「今それ聞きますかー」
「っていうか、勤務中でしょ?いいの?」
「椛に許可はとってるからね。鴉天狗として、妖怪の山は守りたいなーって」
「いや、それたぶん違うでしょ」
「うん、その通りでございます」
オイラは胡坐をかき朱音さんをその上に乗せ、後ろから抱きすくめながら、木の枝の上で妖怪の山を一望していた。本当ならば気のテッペンに立って風を感じたいのだけど、朱音さんがいるから危ない。
いや、たぶん朱音さんだから無事とは思うけど、でもね?かっこつけたいっていう男の心境からさぁ、なんていうの?・・・うん。
余裕のあるところ見せたいじゃん。
そういうもんなんだよ、男っていうのはさ。
「そういえば、瀬良くんも最初はかわいかったよねぇ~」
「朱音さんも最初からかわいかったっすよ?」
「あう・・・もう!急には反則だってば!」
「それで?急になんで?」
こちらをにやにやと見上げてきたかと思えば、オイラの言葉を聞いて瞬時に顔を真っ赤に染め、バッと顔をそむける。
しかし耳も真っ赤なためあまり意味がない。
と、そんな様を見ていたら、
「最初は、私好みの少年だなーって思ってたら、今ではこんなベタ惚れになっちゃうんだもの。人生ってなにがあるかわからないわねって」
「・・・オイラもまさか、泣かれるとは思いませんっしたよ」
「だって、瀬良君が悪いんだよ・・・?」
「オイラのせいかー・・・」
「うん」
知ってたけど、と言葉をこぼしながら、オイラは朱音さんの頬に手を這わす。
くいっとこちら側を向かせてじぃっと見下ろしてあげる。
「・・・好きっすよ」
「そういう言葉、『素』で言えないの?」
「・・・こりゃ、また難しいことを。オイラが『素』で話すのは、仕事中と椛たち、楓たちの前って決めてるから」
「ふえたっ」
「前からっすよ」
「なんで恋人の私はダメなの?!」
「恋人だからっすよ」
そういうと、途端に朱音さんはニヘラと笑みを浮かべた。
「そっか~恋人だからかぁ~」
嬉しそうっすねぇ、なんて言葉を飲み込んで、オイラは朱音さんの頭をなでてあげた。
それこそ嬉しそうに、目を細めた彼女はこちらに身を預けながら、オイラの顔を凝視した。
「・・・?」
「顔つきも、また変わった気がする・・・」
「はい?・・・最初から、かわんねっすよ?」
「そう?・・・うーん、じゃあ、なんだろ」
「朱音さんの勘違い?」
「私が瀬良君のことを間違える?ありえないありえない!」
「そんな確証がどこに」
「さぁ?」
「・・・」
それこそはっきりしてほしかった。
なんて思いを抱えながら、オイラは朱音さんをまたぎゅうと抱きしめる。
そろそろ返してあげないと、オイラの執務がやばい。
でもまあそれは詰め詰めでがんばればいいし、椛や文さんに仕事回せばいい(職権乱用)。
「・・・瀬良君、もう一度聞くけど、お仕事は?」
「・・・大丈夫っす」
「いいんだよ?私を膝の上においてくれれば仕事してくれて」
にこやかに笑いながら、彼女は「こんな感じで」という。
オイラは苦笑し、それに答えた。
「・・・デスクワークがほとんどだからなぁ・・・嫌なんすよ」
「天狗にデスクワーク・・・!?」
「そう。オイラの仕事は特にハンコ押しての繰り返し!べっつに天魔に要求しなくったって自分でできるだろうが!って言いたいっす」
「・・・」
「・・・天魔に、仕事を押し付けられるので」
「それでいいの?」
「うーん、まあ」
今のは苦しい言い訳かな、と思ったが、朱音さんは追及してはくれなかった。よかった。
・・・とりあえず、朱音さんから確かな理由をもって、「あなた天魔でしょ」といわれない限りは、オイラはシラを切り続けるつもりだ。
それが、彼女にとっていいものかはわからない。
実質、彼女には『素』といい、天魔のことといい、隠し事をしてしまっているのだ、いつしか秘密も何も持たない状態で話したいものだ・・・。
「じゃあ、天魔の元に物申しに行こうか!」
「朱音さんっ!?」
「ほら、不満があるんでしょ?・・・なr――――」
「・・・っ」
オイラは朱音さんの体をこちらに向かせて、ぶつかるようにキスをして彼女の言葉をぶち切る。
目を丸くした彼女は見る見るうちに顔を赤くしていき、どこか湯気が立ったように熱を放ち始めた。
「・・・朱音さん。心配はうれしいっすけど、今はいいっす」
「・・・ふぇ?」
「ほかの男のこと、話されるとむかつくんで」
『天魔』と『オイラ』は別人だ。
それを自分に言い聞かせて、殺気混じりで不機嫌になってみる。
どこかしゅんとしたような朱音さんは、「そっか」といってオイラの唇に唇を重ねた。
「・・・!」
「・・・し・か・え・し♪」
「へぇ、面白いじゃないっすか。今日『も』やるっすか?我慢大会」
「遠慮しておくわ!」
「・・・おや、残念。あの後、『オイシク』いただきましたのに」
「っ~~~~!!!」
厭らしく笑んで見せれば、顔が燃えるように熱を放った朱音さん。
それが面白くて、「ごめんなさいごめんなさい」と抱きしめながら笑った。
「うう、瀬良君、今日いじわる・・・っ」
「すいません、どうしようもなくいじめたくなって・・・」
「・・・」
きゅっ、とオイラの服をつかんだ朱音さんはオイラを見上げ、「許す」と小さくつぶやいた。
これがとある少年と出くわすとすぐさま火花を散らし、喧嘩に発展する少女と同一人物とは思えない。
「・・・・・・今日は、モチロン、『お持ち帰り』されるよな?」
耳元でささやいてあげれば朱音さんは熱を帯びたままの顔をオイラの肩にうずめる。
それがかわいくって、つい頭でぴこぴこする耳を食む。
「・・・」
「・・・?」
朱音さんから返事が帰ってこないのをおかしいと思ったオイラは首を傾げながら朱音さんを見やる。
「・・・」
「・・・ああ・・・また気絶パターンか・・・。ん?椛。いつから見てた?」
きゅう~と目を回し気絶してしまった朱音さんを抱き上げ、オイラはずっとこちらを見ていた椛に気づく。
「これを、とある方にもらいまして」
「・・・なに?『お持ち帰りしていいぞ瀬良君ッ!』・・・ああ、朱音さんの・・・」
「??」
「いや、なんでもない。ありがとな、椛。それでお願いがあるんだが・・・」
「仕事は受け付けませんよ?」
「この人を絶対に出られないように寝室に監禁してください」
「監禁・・・」
ついにそこまでいっちゃったの・・・と頭を抱える椛をよそに、オイラは朱音さんを椛に持たせる。
そして、そのままオイラは駆けていった。
☆ ☆ ☆
sideout
「いたーーーーーーッ」
「あら?」
「八雲紫!今すぐ出動を要請する!」
「何時に?」
「明日の朝七時」
「はいはいわかったわ」
慣れた様子の紫に、瀬良はほうっと息をついた。
その様に紫は首を傾げた。
「いつもなら、そんな急いでこないじゃない。一体どうしたのかしら、天魔様は」
「その呼び方はやめてくださいって。・・・いや、今回こそは朱音さんに反抗されるかなってだけです」
「されるんじゃないかしら?でもまあ、なんだかんだ言ってすんなり最後までいってるじゃない。安心なさいよ」
「彼女、やろうと思えばアッというまに逃げられるからなおさら心配なんですよ」
「知ってるわ」
「知られてるか」
肩をすくめて、瀬良は続きを言う。
「・・・朱音さんが帰らないと、久遠君たちのほうに着手できないっすから」
「天魔様は大変ね。『彼』の代打を育成しなければならないなんて」
「いや、彼よりは天狗の新人を育てることのほうが大変っすよ」
「ああ・・・。『羽のない鴉天狗』と、『堕ちた大天狗』らのことね」
「そこまで情報が行き届いているとは・・・さすが賢者、脱帽っす」
「ふふ・・・彼らを使うタイミングは見計らいなさい?」
「もちろんっす」
「・・・お持ち帰りは、確定なのね?」
「もちろんっす」
シリアスな問いと、どうでもいい問いの返答の言葉が同じトーンだったのは気づかないほうがよかったのだろうか。
そう思いながら、紫は溜息をついた。
☆ ☆ ☆
「やあ、おはよう」
朱音が目を覚ますと、そこには満面の笑みを浮かべた瀬良がいた。
ビクゥッと体を硬直させた朱音は、「おはよ」と短く、小さく、か細く返す。
「元気がない?大丈夫?」
「だい、じょう・・・誰のせいだと思ってんじゃァアアアアア!!!!!」
「はいはい怒らないの」
暴れだす朱音を抱きしめ、その額に口づける。
「ま、君の作者から許可も下りてるし、今日も楽しもうねっ♪」
「へっ?」
ぺらりと彼がポケットから取り出した紙が広げられ、朱音の眼前にさらされる。
朱音はその内容に顔を青くし、そしてやや怒りの色の強い赤に染める。
そして、おそらくこの日最大の怒号を放つ。
「さぁぁあああああああああくしゃぁああああああああああ!!!!!!!」
――――翌日、朱音が解放されたのは結局その日の午後だったらしい。
上條氏「ラン~、朱音ちゃんと瀬良くん書いて~」
俺「なんで俺?!」
上條氏「俺今手一杯だから~」
俺「あっそうっすか・・・」
おそらく、こんな掛け合いがあったのを上條さんは覚えていないでしょう。
そして、この話を改めて書き始めた時、上條さんとこんなお話をしました。
上條氏「よし書いてるの投下しようか!俺もだえるから!」
俺「わかった待って。書いてくる」
上條氏「ういよ~」
俺「これ、日帰りにする?お持ち帰り(意味深)にする?」
上條氏「お持ち帰り(意味深)で~、瀬良君、存分に襲っていいで」
俺(瀬良のつもり)「了解っす~」サムズアップ
どちらも完全に夜中のテンションです。
想影夢というのを合作しているメンバーで話している最中の会話ですから、夕陽さんすいません。
とと、それは置いといて。
どうでしょうか!この糖度!
メタ話がちょいちょいあったのは仕方がないです。
企画やった後に書きましたので、文章能力が廃れてるかも・・・まあいいや☆という感じで。
コラボと銘打ってありますが、コラボというか短編というか、どちらともいえないものです。
上條氏に問うたところ、「どっちでもいい」そうなので、コラボと言い張らせてもらいます。
はい。あ、そこ。会話中に出たセリフじゃんとかいわない!
実を言うと、この二人は上條氏と企画での朱音さんの立ち回り、口調、性格等を聞いているときに「なんとなく」話させて、「お似合いじゃね?」「じゃあ付き合わせようか」となり、これに至ったものです。
夏企画でも朱音さんが瀬良君人形につられてましたね。
本人も自覚してますよ、ベタ惚れだって。
上條氏いわく、「朱音はほかのことに気が付かないくらい惚れてる」やらなんやら・・・こんな小さくてかわいくてけなげなお嫁sじゃなかった恋人が持てて幸せですな瀬良は。
瀬良「何一人でくっちゃべってるんすか?」
うん、知ってる。さて、じゃあそろそろ。
二人「満足してね、上條さん!」
サブタイを上条氏のユザネから朱音さんの登場作品に訂正いたしました。