東方小説番外編集   作:Lan9393

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誤字ではありません。
もう一度言います。
誤字ではありません(サブタイ)。


紅葉狩りならぬ椛狩り。
みんなで興奮した椛を追いかけまわそう!
椛が増えたりするし、いろんな人が出てくるし、大変だ!
・・・・・・これが当初の目的でした。
しかし、なんということでしょう!
手抜きとしか思えないクオリティです!
ネタの使いまわし、文才の無い私によるキャラ崩壊、その他諸々。
いろいろと意識してしまった感が否めない企画になりました。
本当に申し訳ありません!
今回は一話のみということで、少々長いかと思われますが・・・・・・はい、内容はうっすいです。

現在の参加者様/キャラ

yuttii♪様     /形名柚姫 如月虎太郎 森奈爽香 氷沙魔利 柊彩華
水崎嗚呼様    /立花輝 前崎心也
夢哉様      /箕成創哉 桜 夜黒一星
大神龍様     /卂真 閃鬼
ヴェルドール様  /緋色夜月 リア・ヴランドエル 虹音霊羅 ジルシーア・ネスクーフ
身上七詩様    /東雲咲人
秘幻様      /エメラード
来翔様      /守森秦羅
reira様      /仲光絆
片桐黒夜 白夜様 /博麗琥珀 メアリーフィラム 暗礁夕闇
神矢レイラ様   /神凪霊夜 闇野卿也 神凪魔理夢 祢亜叶瀬 γ=Ⅰ
鏡音一哉様    /小南忠介

参加者様:十二名
キャラクター数:二十九人


では、ぜひ最後までご覧ください!


コラボ企画!~秋だ!椛狩りだ!人狩り行こうぜ!~

??「・・・さて、天魔。準備はいいか?」

??「もちろんっすよ。賢者殿」

??「そうか・・・じゃあ、後は任せた」

??「うぃっす!オイラにお任せくだせぇ!」

 

ぐっとサムズアップして見せた白い羽の天魔。

それを見た賢者は「じゃあ」と言葉を残してスキマの中に身を隠した。

 

 ややあって、天魔は後ろを向いて声をかけた。

 

天魔「衛、葉月」

葉月「なんでしょう、天魔様」

衛「ちょっ、葉月!僕を抱えておろさないでよ!」

 

男女の『鴉天狗』が瞬時に姿を現せた。

天魔はそんな二人の様子に苦笑して見せた。

 

天魔「・・・相変わらずだねぇ」

葉月「うるさいです。それで、何のご用でしょう」

天魔「ん?『彼ら』を呼んでよ。手荒にはしないでね」

葉月「はあ・・・かしこまりました」

衛「僕たちがやっていいの?」

天魔「君たちがやってよ。オイラに何を求めてるのさ」

 

肩をすくめた天魔は、納得のいかない様子の二人に肩をすくめて見せる。

 

天魔「じゃあ、頼んだよ」

 

葉月・衛「はい!」

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

 紅葉が美しい妖怪の山。秋の季節になったここも、少しばかり寒くなってきた。

夏のような暑さも、春の暖かさもなく、ただ、冬のように寒いわけではない。

薄い長袖一枚でしのげそうなほどの寒さだ、気にすることではないだろう。

 

 それはさておき。

そんなこんなで集められたのは、約数十名の少年少女だった。

高いところ。風景や、周りの木々などなど、状況から察して、ここは山だろうと何人かはわかっただろうか?

そんな中、どこだかわからない残りの人々は、首を傾げ、周りを見やっている。

その結果、こんな考えに至るのだ。

 

『自分はここにはいなかった。周りにこんな人はいなかった』、と。

 

誰もがほとんど、「誰だこいつ?」というような顔をしていて、そして誰もが顔を見合わせていた。

とりあえず、と一人が口を開く。

 

創哉「またか」

 

呆れながらの声。

箕成創哉は、額に手をやりながら、そういった。

 

エメ「おうおう、なんじゃこりゃあ。なんか人が多いぜ?」

γ「あ?・・・取り巻きの連中がいねぇな」

フィ「ッ!!」

 

それぞれが、それぞれらしい反応を見せる。

つい声を上げたのは、きっとこんな状況になるのが初めての人たちだろう。

ここまで大人数が、こんな山奥に集められたわけとは?

それを気にすることもなく、一人が首を傾げた。

 

柚姫「あれ?いつもなら、そこらへんに誰か―――――ぴっ!?」

魔利「どうしたのよ?」

 

言葉を紡いでいた柚姫の顔が、驚愕の色に染まる。

それを不思議に思った魔利はその視線をたどる。

その先には、二人の男女がいた。

最初にいたか?

 

迅真「・・・誰だ、お前らは?」

 

彼が訝しむように問うと、彼らは仰々しい口調でしゃべりだした。

 

??「少年少女、並びに化け物の皆々様」

エメ「化け物ってなんだ!俺様はビューティフルだろう!?」

?「此度は、ここ、妖怪の山を統治する天魔様のお誘いに乗っていただき、誠にありがとうございます!」

エメ「あれ?!スルー?!」

 

普通の人間に見える少女と、黒羽の鴉天狗が一礼する。

霊夜がそれに疑問をつぶやく。

 

霊夜「お誘い?」

魔理夢「いや、それよりは強引に連れてこられた気がするんだが、気のせいか?」

??「私等の天魔は少々常識が足りていないので、大変失礼いたしました」

琥珀「・・・フィラムが怪我したらどうしてくれるんです?」

?「え?・・・元気じゃ」

??「配慮が足りず申し訳ありません、できるだけ安全に来てもらいました」

 

琥珀が睨みながら二人に文句を言う。

少女はフィラム?と不思議そうに彼女を見て、声を発そうとするも、鴉天狗に口をふさがれ妨害された。

そんな二人の様子に、琥珀はより警戒したか、不機嫌そうな態度が目に見えてわかる。

 

秦羅「でも、何で呼んだんだか聞いて良いか?」

??「それはみなさんに楽しんでもらおうと思ってという、瀬良様のお心でございます」

心也「せら?」

葉月「私は鞍馬葉月、こちらは狗卂衛と申します。瀬良様・・・天魔様の部下でございますよ」

 

秦羅が問うと、これまた仰々しく鴉天狗――葉月が自己紹介をする。

心也は、首を傾げたのち、まあいいやと切り替え、口を開いた。

 

心也「んで、俺らは今回なにをすればいいんだ?」

夜月「そうだな。楽しんでもらうって言ったって、内容がわからないと・・・」

葉月「それは・・・ですね・・・ふむ」

 

葉月はその内容を口にしようとして、閉口する。

周りはそれに首をかしげて見せ、葉月がしゃべるのを待った。

 

葉月「それでは、まずお互いの素性を把握してもらいましょうか!」

衛「自己紹介ですよ!」

 

ポン、と手をたたいて葉月が言った。

衛もそれに続いて、快活に告げる。

 

創哉「自己紹介が要らないやつがいるんだが・・・」

葉月「自己紹介がいるひともいますよね?」

創哉「まあ・・・そうだな・・・」

 

創哉は数人の顔を見やった。

その数人は、創哉を見て、「しかたない」とばかりに口を開いた。

 

夜月「俺は緋色夜月。・・・んで、俺の連れの虹音霊羅、リア・ヴランドエル、ジルシーア・ネスクーフだ」

霊羅「よろしくお願いします!」

ジル「よろしく!」

リア「よろしくね~」

輝「こらっ!私の頭をいじるな!」

 

すぐにリアの手が輝の頭に乗る。

ビクッと反応した輝はその手を退けようと奮闘する。

その反応を見たリアは上機嫌になり、輝の抵抗を笑って抑え込んでしまう。

 

リア「だってちょうどいいところにいたんだもん~」

夜月「・・・すぐにこいつは誰かをいじるが、気にしないでやってくれ」

輝「ジルシーア!私を助けてよ!」

ジル「え?・・・あー、・・・私には無理かなぁ」

輝「え?!」

 

輝のSOSにジルシーアは苦笑いで返す。

救いの手を差し伸べられない輝なのであった。

周りはそれを気にしないように、また自己紹介を再開する。

 

柚姫「形名柚姫です!ええっと、ええっt」

虎太郎「俺は如月虎太郎!よろしk」

魔利「氷沙魔利だぜ☆」

彩華「柊彩華。よろしく」

爽香「えっと、森奈爽香です!よろしくお願いします!」

柚姫「ちょっと!虎太郎!」

虎太郎「てめ、魔利ィイイ!」

魔利「うっさい」

爽香「まあまあ、ほかの人の自己紹介を聞きましょ?」

二人「・・・はーい」

 

五人の様子を見て、創哉は前に歩み出てきた二人に、おっ。とリアのほうを向く。

リアがいじっていた輝の姿はない。

 

心也「俺は前崎心也。いじられてたのが立花輝」

輝「いじられてないし!・・・輝です」

創哉「はぁ・・・箕成創哉だ」

桜「彼の刀の付喪神、桜だよ!」

一星「夜黒一星だ。よろしく!」

 

二人の後に、創哉を含め三人も自己紹介を済ませる。

 

エメ「俺はエメラード!別に化けもんじゃねぇからな!俺様はビューティf」

迅真「薙浪迅真!ま、よろしくだな」

閃鬼「へへ、閃鬼ってんだ。よろしく!」

秦羅「守森秦羅」

咲人「えっと・・・東雲咲人です・・・よろしく」

 

五人が各々のテンションで自己紹介を終える。

エメラードがどこか落ち込んだようにしゃがみこみ、拗ね始めた。

 

絆「仲光絆です!よろしくお願いしますね」

忠介「小南忠介だ。まあ、程々によろしくな」

 

二人が自己紹介すると、次の人に視線が行った。

あと紹介をしていないのは八人。

 

夕闇「俺は暗礁夕闇!よろしくな!」

フィラム「・・・」

夕闇「こっちはメアリーフィラム。フィラムって呼んでやってくれ」

琥珀「はぁ・・・。私は博麗琥珀です。・・・・・・フィラムに傷つけたら許しませんからね・・?」

 

怒気を含んだその声に、一同は背筋を凍らせる。

まだ何もしていないというのに、琥珀はピリピリしていた。

 

霊夜「まあいいだろ・・・。俺は神凪霊夜。周りにはよくレイと呼ばれてる。よろしく頼むよ」

魔理夢「あたしは魔理夢。アニキ・・・霊夜の双子の妹だ!よろしくな!」

叶瀬「ふむ・・・。祢亜叶瀬だ。まあ、ディアとでも呼んだらいい」

卿也「俺は闇野卿也だ。とりあえずダークって呼んでくれな!」

γ「俺の名はぁああああ!この地に吹き荒れる一陣の風!そしてお前らをしびれさせるその存在!γ=Ⅰだ!」

 

ピシャーン!

γが決めポーズをとりながら、そう高らかに自己紹介を終えて、周りはシーンと静まり返る。

 

γ「・・・あの?歓声とか、ないんですかね?」

創哉「いや・・・ツッコむのもめんどかったから・・・」

心也「γさーん♪」

γ「いいねえ!それいいねえ!ノってきたぜ!」

心也「あ、今はこれだけでお願い」

γ「上げて落とすか!!そこ!!!」

 

しょぼーんと落ち込んでしまったγを無視して、魔理夢が口を開く。

 

魔理夢「それで・・・。自己紹介は終わったぜ?なにをするってんだ」

葉月「椛狩りです」

爽香「えっ?」

衛「それでは詳細説明の前に・・・これ、見てもらいましょーか!」

 

衛が楽しそうにとある『檻』を持ってくる。

人ひとりが入りそうな大きさのそれが地面にドンと乗る。

 

葉月「興奮剤を投与されて、興奮しきっている椛先輩を捕まえてくるゲームですよ。簡単でしょう?」

衛「ただし、彼女は捉えられるのを嫌がっているので、特定の方法でないと捕まえられません・・・そういう風に、瀬良様がしました!」

柚姫「その方法って?」

衛「ズバリ、電気い―――――」

葉月「このお山のてっぺんに、それはあります。あなた方が探しになり、作戦を考えてくださいませ」

迅真「ヒントはそれだけか??・・・まあ、それを見れば把握できるんだろうけれど」

葉月「ええ・・・。では、私らはこれで」

衛「葉月!また僕を抱えてえぇええええええええええ!!!!!!!」

 

葉月と衛はその場から飛び去り、姿を消してしまった。

不愉快そうな数人が忌々し気に檻を見やった。

 

琥珀「・・・なんで、私らがつれてこられて・・・こんなことをしなければならないんでしょう?」

叶瀬「知らねぇ・・・。まさに外道だな」

閃鬼「つえぇやつとの戦いならまだわかる。それで、なんでこんな奴と追いかけっこしなきゃなんだ?理解ができないな」

 

若干やる気をなくしているようだ。

 

桜「でも、椛・・・檻から出してもらってないよ?どうするの・・・?」

虎太郎「これは捕まってない状態なんだろ?じゃあ何をしろって言うんだ」

 

桜と虎太郎が疑問を口にする。

うーむと皆(不機嫌な数名を除く)が考え込む。

 

咲人「・・・この山のてっぺんにある、椛さんを捉えるための方法・・・」

絆「あ!まず、それを確認しないと!」

ジル「なら、話は早いわ!早速行きましょう!」

夜月「でもこの椛を誰が見てるんだ?」

魔利「?見てる必要があるの?」

夜月「ああ。いつのまにか檻から出ていたら、ダメじゃないか。場所が分からなくなる」

霊羅「監視ってわけだね。・・・そちらの三人は、どうするの?」

 

霊羅は、恐る恐るといった様子で不機嫌な三人に問う。

 

琥珀「・・・夕闇、俺はフィラムとここにいる」

フィラム「・・・」

夕闇「じゃ、俺もここに居ようかn」

琥珀「いらない。俺がいれば十分だ」

夕闇「うっわひっで!」

 

とくに悲しそうにするわけでもないが、夕闇は琥珀を一瞥して、ほかのメンツのもとへ向かった。

琥珀は変わらず不機嫌なようで、フィラムを近くに呼び、檻の見えるところで待機してる様だった。

 

彩華「・・・非協力的な人」

輝「まあ、いろいろな人がいるしね」

 

ぽつりとこぼす彩華に、輝が苦笑しながら近寄った。

その態度が少し気になった彩華が首を傾げながら問う。

 

彩華「え?なに?」

輝「うん?なんでもないよ」

 

「聞こえなかったかぁ」と苦笑した輝。彩華はまたはてなを浮かべた。

彩華はそれに目を凝らし、見えてきたその姿を指さした。

 

彩華「あ、後ろ」

リア「やほーーーー!!!!」

輝「あぁあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」

彩華「・・・・・・♪」

 

走って逃げていく輝と、それを追いかけるリア。

その様を見送った彩華は楽し気に笑っていた。

 

秦羅「ただ・・・実力者なんだろうに・・・椛狩りに参加してくれないとは、中々に痛い気もするけどな」

彩華「どうにかして、やる気を出すことはできないかしら?」

夕闇「琥珀ちゃんの能力なら、椛もあっという間に捕まえられるのにね」

忠介「それは惜しいなぁ」

 

四人の視線が、過保護にフィラムの身の回りに気を配っている琥珀に向けられる。

しかし、そんな視線もどうでもいいというように、琥珀はそれを無視していた。

 

夕闇「ま、しかたないよ。この椛狩りは楽しそうだしね・・・殺しちゃっていいんでしょ?」

エメ「こいつ、笑顔でとんでもねえこと言ってるぞ?!」

絆「それはさすがに・・・やめておいたほうがいいかと思うんですが」

夕闇「え?なんで?」

ジル「なんでって・・・。おかしいじゃない。こんな遊びみたいなことで、命を・・・なんて」

夕闇「ふーむ・・・。そっかァ・・・?」

 

どこか納得がいかないような様子で、夕闇はうなった。

ジルシーアも、絆もエメラードもその様子に多少ひやひやしながらも、「まあいいや」と何やら自己完結させたようで、ほうっと胸をなでおろした。

 

卿也「それ以外の連中はとりあえず参加でいいんだろ?」

一星「いいよな、二人とも」

 

先ほど不機嫌そうだった二人に一星は声をかける。

 

叶瀬「・・・まあ、いいんじゃないか?気は進まないが」

閃鬼「しかたねーなー」

 

二人は一星にうなずいて見せ、「それなら」と創哉が前へ出る。

 

創哉「とりあえず、てっぺんへ方法を見つけに行く組と、ここで檻を見てる組に分かれよう。その中で、伝達する人を決めて互いに情報を・・・みたいにしたらいいんじゃないか」

迅真「俺は俺の好きにやらせてもらうがいいか?」

創哉「はっ?!・・・どうするんだ?」

迅真「もちろん、この檻をその方法のもとに持っていく」

リア「それでももちろんいいと思うけど、檻から逃げた場合どうするの?結局追うことになるんだよ?」

 

迅真が創哉に意見し、問われたことに答えを示す。

リアは疑問を口にするが、迅真はどうでもいいというようにため息をついた。

 

迅真「どうせのことそういうゲームなんだろ。楽しめばいいじゃねえか」

 

苦笑しながら、迅真が檻に近づく。

 

 その瞬間、カ――—ンッ!と音が鳴って、檻が崩れた。

 

全「!!!」

 

一同はその音のほうに目を向けた。

と、檻は無残な姿になっており、中にいた椛はどこかに姿を消してしまっていた。

 

創哉「しまっ!!誰かついていける奴はいるのか?」

秦羅「俺が追いかけよう」

ジル「私も上から見ておくわ!」

 

秦羅が先陣を切って椛が向かったとされる方向へ駆けていく。

ジルシーアはバサッと蝙蝠の羽を広げ、空へ飛びあがった。

 

迅真「チッ・・・」

魔理夢「あっ!・・・あたしも行く!」

 

出遅れたが、二人には劣らぬ速さで迅真も駆け出す。

そのあとから追い風を吹かせ魔理夢も三人を追いかけた。

 

咲人「僕たちはどうするんです?山のてっぺんを見に行きますか?」

エメ「俺と心也はとりあえず山を散策してくるぜ。椛を見つけたら、捕獲する努力はするけどよ」

心也「おう、がんばってくる」

γ「あ、なら天才の俺様もつれていけ!何かの役に立つ!」

エメ「よし、じゃあ行こうぜ!」

 

三人は秦羅たちの向かってない方向へ走り出す。

残った面々(琥珀とフィラムを除いて)は、ひとまずてっぺんを目指すこととした。

 

 

 

 

琥珀「・・・まったく。変なことをするな・・・。天魔の狙いは、そうやって無駄に山を駆け回らせることだろうに」

フィラム「こ、琥珀・・・」

琥珀「ん?」

フィラム「参加しないの?」

琥珀「まあ・・・めんどくさいしね」

フィラム「・・・早く終わったら、早く帰れたりしないのかな・・・」

琥珀「!」

 

琥珀はフィラムの言葉の瞬間、現れた気配のほうを向く。

 

??「ありゃりゃ。お邪魔してすいませんっす。お二人には、お暇だろうと思って・・・先に、お楽しみいただけると感謝します」

琥珀「・・・お楽しみ?」

フィラム「?」

??「ほかの方々が椛を捕まえるまで、そちらでお待ちください♪」

 

 

 

 

 

☆  ☆  ☆

 

 

 

 

―――椛を追う四人。

 

 走る秦羅とできるだけ同じスピードを保ちつつ、ジルシーアは彼に問う。

 

「どう、秦羅。追いつけそう?」

「いや・・・椛があんなスピードを出せるとは驚きだ。まったく、興奮させるほかに何をしたのやら」

 

そこへ、後ろから追い上げた迅真が秦羅がこぼした言葉に苦笑しながら言った。

その向こうに、必死に追いかける魔理夢が見えた。

 

「そりゃあ、色々だろう。あっさり捕まったんじゃ、見てる側はつまらないからな」

「迅真。・・・まあ、そうよね。悪趣味なものだわ」

「ジルシーア、引き続き見失わないように上から頼む」

「了解、二人とも、がんばって走ってね!」

 

ジルシーアの言葉に、二人はうなずき、走る速度を高めた。

彼女は高度を上げ、走り回る白狼天狗を常に追うべく二人の前から姿を消す。

 

「・・・とりあえず、俺らはてっぺんに誘導すればいいのか・・・?」

「まだ罠の種類がわかってない。そこらへんは、上に言ったグループから教えてもらえるとうれしいのだが・・・。まあいいだろ」

「追いかければいい話だしな・・・あ、迅真。右曲がったぞ」

「わかってる。ジルシーアはあれ、何してるんだ?」

「多分、方向を見てるんだと思う。どっちに向かってるのかさえ分かれば、俺らも追い回しやすいしな」

「そうか・・・」

「ほら、速度上げるぞ」

「おう」

 

お互いがお互いの顔を見て、うなずき合う。

速度を上げようとしたその時、後方から声が飛ぶ。

 

「ちょ、っとォ・・・待てよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

 

ビュオウ、と風が吹き、魔理夢の体が二人と並ぶ。

秦羅が「おお」と声を漏らす。

 

「なんでこっちに来た」

「あたしも追いかけるんだぜ!・・・足手まといにはならないから!」

「お、おう。わかった・・・いいよね、迅真」

「ああ・・・まあいいんじゃないか?」

「じゃあ、魔理夢。遅れないようについて来いよ」

「え?!あ、おう!」

 

魔理夢は姿勢を前へ傾け、追い風を利用して速度を上げる。

三人は椛の後ろ姿を追って、一定の速度で追っていくのだった。

 

 

☆  ☆  ☆

 

―――――散策組の三人。

 

「γ、お前なんで来たんだ?」

「んん?そりゃあ、面白そうだからだよ」

 

二カッと笑って見せるγに、心也は「面白そうだから?」と首を傾げた。

 

「今はそう言うの気にしなくていいんじゃねえのか。ほら、さっさと探そうぜ」

「エメラードがまともなことを言ってる・・・」

「お前と俺、初対面。おk?」

「輝がいろいろ言ってた」

「あんにゃろ」

 

エメラードは口元をぴくぴくと動かして苛立ちをあらわにする。

にこにこと笑みを浮かべながら、心也はそんなエメラードを見ている。

γの方はというと、「変な輩についてきてしまったなぁ、俺様としたことが」と深いため息をついていた。

 

「・・・しっ。二人とも、止まって、静かにしろ」

「?」

 

心也が二人を腕で制止する。

二人はそれにはてなを浮かべ、言われた通りにした。

 

―――ガサッ、ガササ・・・。

 

「・・・あそこ、だな」

「椛か?」

「・・・わからない」

「じゃあ、見に行くか」

「おいおい、兎とかだったらどうするんだよ」

「こんなところにいるのが悪い」

「まあ、違いない」

 

ガサリ。

茂みが揺れたのはそれが最後だった。

 

「グアァアアアアアアウ!!!」

 

椛の咆哮。

心也は冷静に手に銃を持ち、照準を合わせようとする。

しかし、それをエメラードが制止し、そしてγに声をかけようとした。

 

「おい、お前。手は――――」

「もう遅い」

 

椛は宙に舞っていたはずだった。

しかし、椛の衣服の襟首はγの手によってつかまれており、その頭は地面に押し付けられ、組み敷かれていた。

 

「なっ!・・・なに、してんだ?」

「情報が来るまでは押さえとこうかと思いまして」

「わー、さすがγさん!」

「だろ?」

「調子乗るな。あと、そのまま維持な」

「わかってるって」

 

γが苦笑しながら「よっと」と椛を取り押さえると、エメラードはそれを見ながらぽつりとつぶやく。

 

「・・・女の子襲ってる痴漢みてぇ。無駄にイケメンっぽいから見えないかもだけど」

「なあ、エメラード」

「ん?なん・・・・・・・・・心也くん落ち着きましょうね?ね?ね?そんな銃だとか物騒なもの見せるなよこえぇなバカ野郎ちょっと待ってその腕はそっちには曲がらなっ、なっなっ、痛い痛い痛い痛い!!!!!!!ギブ!!!ギブゥうううううううう!!!!!!!」

「変態さんはここですよ~」

「・・・心也、ありがとな。すっきりしたわ」

「うん、俺もだから安心して」

 

エメラード、哀れなり。

 

☆  ☆  ☆

 

――――てっ辺に向かったそのほかの面々。

 

「うー!歩き疲れたぁ・・・。魔利~乗せて~」

「えぇ・・・。どうしようかなぁ」

 

柚姫がそう文句を言うと、魔利は頬を掻いたまま、のっている箒をちらりと見る。

そんな二人に閃鬼と霊夜が近づいた。

 

「大丈夫か?」

「う~」

 

閃鬼が声をかけると、柚姫はうなる。

と、その視線に合わせるように霊夜がかがみ、提案した。

 

「おぶろうか?」

「うっ・・・え?!だ、大丈夫です!」

 

その提案を柚姫は首を横に振って却下する。

「そうか」とうなずいた霊夜は柚姫の頭をなで、創哉に問う。

 

「あとどれくらいだ?」

「・・・おそらく、そろそろてっ辺だろ。柚姫、我慢だ我慢」

「・・・うむぅ」

 

がっくりと肩を落とした柚姫。

 

 それは意外にも早く発見できた。

きょろきょろと物を探していた夜月は、見つけたそれを見下ろしてぽつりとつぶやく。

 

「これだけ・・・、か?」

 

河童印の電気椅子だった。

あたりを散策していた桜が電気椅子の近くにしゃがみ、「そうみたい」と夜月に向けて言う。

 

「これで、興奮してる椛さんを捕まえるんですか?さすがに無理に近いですよ」

「ここでにみんなで押さえつけて・・・電気を流す、と」

 

爽香が半ばあきれながらそういうと、咲人が電気椅子を観察しながら、身振り手振りでイメージを伝える。

 

「少々、かわいそうな気もしますが・・・?」

「「仕方ない、自業自得」」

「は、はぁ」

 

絆がためらえば、夕闇と卿也がうなずきながら言った。

虎太郎が何かを見つけたようで、電気椅子を探り始めた。

 

「なあ、これ・・・ベルトだよな」

「これで縛り付けるのか!」

「なかなかに拷問だな・・・」

 

虎太郎の言葉に、一星と叶瀬がそれぞれ声を漏らす。

そしてその結果を書き留めた輝がメモ帳を確認しながら声を発する。

 

「それじゃあ、これを散策している人たちに伝えないとね」

「じゃあ、私が行ってくる!」

「あの六人、合流してるとうれしいんだが・・・」

「多分、上をジルシーアが飛んでるだろ。探してくるといい」

 

忠介がぼそりと漏らし、創哉が輝からメモをもらった魔利に声をかける。

うなずいた魔利は箒に乗り直し、その場から去っていく。

 

「・・・あれ、一見すると魔法少女だよなぁ」

「ちゃう・・・。多分」

 

――――――――――――――――――――――――――

 

「・・・んーっと、ジルシーアはっと」

 

飛びながら、魔利は周りを見渡す。

すると、紅が視界を横切った。

おそらく、あれがジルシーアだろうと思った魔利はその紅に近づいていく。

あたりだった。ジルシーアが下をちょくちょく確認しながら飛んでいるのだ。

 

「おーい!ジルシーア!」

「!」

 

ジルシーアは声の主を探した。

魔利はそんな彼女の隣に並び、「どうも」といってメモを見せた。

 

「てっぺんにあるっていう、椛を捉える方法が判明したの。だから伝えに来たんだけど・・・ほかの人は?」

「下」

 

彼女はメモを受け取りながら、下を指さした。

じっと目を凝らすと、走っている秦羅と迅真、魔理夢の姿が見えた。

 

「・・・おっけー。それじゃ、心也たち探してくるから、行っていい?」

「ええ、いいわよ。情報ありがと!」

「いえいえ。では!」

 

魔利はそのまま方向を変え、上へ飛び上がった。

ジルシーアは小さく手を振ると、三人に追いつこうと一層スピードを上げた。

 

☆  ☆  ☆

 

「あー、腕いてぇ」

「そりゃあそんなに反抗されれば、そうなるだろうなぁ」

「ご愁傷さま」

「手伝うとかしろよ!?俺様だけ働いてるじゃねえか!」

「えー、だって俺、腐っても女だよー?」

「はっ?!」

「女・・・?!」

「なんとなーく君たちだから反応わかってたけどさぁ。ひどくない?」

「「すまん」」

 

☆  ☆  ☆

 

「秦羅、迅真、魔理夢・・・少しいい?」

「なんだ、ジルシーア。手短に頼む」

 

秦羅は足を止め、ジルシーアのほうを向く。

ジルシーアは降り立ち、うなずきながら用件を伝えた。

 

「うん、まあそのつもり。・・・てっぺんの、例の方法、電気椅子だったみたい」

「電気椅子か・・・。わかった、そっちに向かわせればいいのか・・・ただ、一つ問題があるんだが」

「そうなんだよなぁ・・・」

「・・・まさか?」

 

ジルシーアは、先ほどまで走っていた彼らがなぜ立ち止まっているのかに気づき、口元をひきつらせながら問う。

魔理夢と迅真がサムズアップしながら、言い放つ。

 

「「見失った」」

「ダメじゃないの!!?」

 

ジルシーアはがくりと肩を落とした。

悪びれる様子もない二人は、「ははは」と笑いながら「すまない」という。

 

「まあまあ、だいたい目星はついてるからな。そっちのほうへ行けばいい・・・・・・お前は、何か見たのか?」

「いいわけみたいだけど、さっき魔利から情報をもらってたの。・・・あ、そう。『心也たち』も探してるみたい。合流したいんだけど、いい?」

「・・・なあ、そいつらが捕まえてたりしないのか?」

 

ジルシーアの提案に、魔理夢が首をかしげる。

迅真とジルシーアはそれに目を丸くし、ふむと考える。

 

「たしかに、その可能性もなくはないな。探してみるか」

「了解、どっち方向に走ればいい?・・・どう思う、秦羅」

「・・・ジルシーア」

「ええ、結局私?・・・そうだなぁ・・・」

 

こめかみをつっつきながらジルシーアはうなりながら思考を巡らす。

すると、ハッと思いついたように彼女の声が上がった。

 

「そうそう、山の中腹。そこらへんでそれっぽい声がしたわ・・・エメラードの悲鳴に近い叫び声」

「エメラード・・・」

 

魔理夢は少々思い出しながら、「ああ」と納得する。

何を納得したかはわからないジルシーアは、「なにしてるんでしょうね」と嘆息した。

 

「おそらく、そこから離れてはいないだろう・・・秦羅、行こうぜ」

「ああ、わかった」

 

そして四人はまた走り出した。

 

☆  ☆  ☆

 

「ああ~アルティメットかっこいい俺様がなんでこんなことを・・・」

「γァ・・・愚痴るなよ・・・暇なんだけど~」

 

γが椛を押さえつけながらボソリトつぶやくと、木の幹に寄りかかって座っている心也が心底暇そうに声を上げた。

二人して同時にため息をつくと、「ん?」と首をかしげる。

 

「エメラード?どこへ行った?」

「・・・なにしてるんだか。もう・・・。探してこようか?」

「俺様の場所、忘れるなよ?」

「大丈夫大丈夫!」

「そうか、ならいいんだけどな」

 

心也が立ち上がって軽く体を曲げると、辺りを探しに行った。

それを見送ったγは椛の抵抗が弱まったのを見て、少々押さえつけるのを緩める。

あきらめたような表情ではないものの(目が血走っていて少しばかり怖かったりする)、先ほどはものすごく暴れていたくせに、今ではもうおとなしいといってもいいほど。

γは苦笑しながら、「どうだ?気分は」と問うと、「ウガウッ!」と吠えられた。

 

「・・・まったく。心也も早く見つけてきてくれよ・・・・・・ん?」

 

空を仰いだγの視界の端に見えた影。

軽い音を立てて地面に足をつけた少女は、「よかったよかった、見つかったよ」と笑う。

 

「ああ、魔利・・・だったか?この俺様になんか用でもあるのかよ」

「まあある。てっぺんの、椛を捉える方法――――わっ、椛!捕まってるじゃん!」

「お前の箒で運べないか?」

「えー・・・。とりあえず、電気椅子で感電させるみたいだから、よろしく!」

「電気椅子か。わかった・・・お?」

 

γが魔利と話している際に、耳に「おーい」と呼ぶ声が聞こえてきた。

それは心也の声だった。そちらを向くと、確かに心也の姿がある。

そして後ろには五人くらいの人影――――一人はエメラード、そのほかの四人は?

 

「・・・うわ、本当に捕まえてる」

「なんだよ、あたしたちが走った意味はないってか?」

 

ジルシーア、魔理夢、秦羅、迅真の四人だった。

どうやらエメラードと一緒に合流したらしい。

 

「・・・なあ、これをてっぺんに持っていきたいから手伝ってくれよ」

「そうだな。運ぶか・・・頑張れ、γ」

「いや、手伝えよ迅真君や!絶対振り切られるから!」

「ったく・・・しかたないな・・・。秦羅も手伝えよ」

「俺は逃げたら追うからいい」

「そうか」

 

迅真が椛の腕をとると、椛は「フ――ッ!」と威嚇する。しかし、それは彼には通用しなかった。

 

「・・・はー、助かった助かった」

 

γが少し安心したように息を吐き、迅真がつかんでないほうの腕をつかむ。

 

「魔利。無事にγを探せたんだ」

「まね・・・そのあと、すぐに合流されちゃったわけだけど」

「でも、助かった。・・・とりあえず、てっ辺に向かいましょ!」

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「さて・・・。無事に伝えられたかな・・・?」

「大丈夫だよ!魔利だもん!」

 

柚姫は胸を張りながらそういう。と、創哉は苦笑して、「なんでだ」という。

 

「あれ、ジルシーアさんと魔利さんじゃないですかね?」

 

絆が空を指さすと、彼らの目の前に魔利が速度を落として降りてくる。ジルシーアも同様だ。

 

「ただいま!」

「椛を無事捕まえたわ!電気椅子だって?さっさと済ませちゃいましょ!」

「だな・・・んで、椛たちは?」

 

夜月が問うと、ジルシーアが後方を指さした。

ドドドド、という音、そして「待て!」という声。

なんとなく察した夜月は「捕まえた・・・?」とつぶやきながら二人を見ると、二人はしまったという表情をしていた。

 

「・・・逃げたの・・・?」

「まったくもう・・・なにしてるんだか」

 

やれやれと魔利は箒を持ったまま呆れて木にもたれかかる。

秦羅と迅真が椛を追いかける中、ほかの面々はてっぺんを見に来ていたグループと合流し、少々話しているようだった。

 

「ちっ」

 

秦羅が舌打ちしたのが見えた。

すると彼の姿が見えなくなり、皆が驚きに目を丸くする。

 

「おい、捕まえたぞ!」

 

彼の声が聞こえる。

秦羅は椛の首根っこを掴み、皆のもとへ歩いてきていた。

 

「おっ。お疲れ様、秦羅。そのまま持ってきてくれ」

 

夜月が彼に駆け寄ると、秦羅が夜月に椛を渡す。

 

「うお、暴れだした・・・」

「とりあえず、これで座らせるだけなんだな。お疲れ様だ、散策組」

 

☆  ☆  ☆

 

(なーんか、嫌な予感がする)

 

顔をゆがめた魔利が考えるようなしぐさをしながらあたりを見渡す。

周りは捕まえられたと盛り上がり、夜月は困ったように椛を羽交い絞めにしていた。

椛は比較的落ち着いているようで、暴れ出す気配はないだろう。

 

(なんでだろ・・・)

「あれ、魔利!どうしたの?」

 

考えていた魔利のもとに柚姫が駆ける。

それに気づいた魔利は、「ああ、いや」と誤魔化すようにあいまいな答えをする。

なんとなくムッとした柚姫は首を傾げながらさらに問おうと口を開いた、その瞬間。

 

「ウガウッ!!」

「!?急に暴れるな・・・ッ」

 

椛は夜月の拘束を振り切り、駆け出す。

話していた二人のほうへ剣を向け、一つ飛び上がって袈裟を仕掛けようとした。

 

「うわぁっ!」

 

殺気のようなものに気づいた柚姫が声を上げて驚く。

 

「柚姫!」

「このっ・・・!」

 

魔利が箒を椛に向けて構えるも、剣先は柚姫を狙って振り下ろされていく。

それを刹那に手のひらで止めた閃鬼が、その時に生じた振動を響かせ、思い切り剣をへし折った。

 

「まったく。弱いものに斬りかかるなんて・・・。危ないね」

「せ、閃鬼さん!」

 

へたり込んでしまった柚姫が、閃鬼がやれやれと折った剣を放り投げたのを見て声を上げる。

嫌な予感とは、このことだったのかと魔利は溜息をついた。

実力者がいるようで安心する。

こういう風に何も言われず収集された際彼らはあまり弾幕ごっこ等をしないので、実力はよくわからないのだ。

 

「だ、大丈夫だった?柚姫」

「うん、大丈夫」

 

ガツンッ!

そんな音がして、二人はそちらの方を向く。

すると、夕闇が手に持っていた凶器で椛の頭を殴りつけた。

椛が痛みにうなっている時に一星や霊夜が電気椅子に押さえつけ、咲人がベルトをつける。

桜が手に持っていたスイッチを押した。

 

ビリリリリリッ!!!

「うがぁああああああ?!・・・あふ・・・・・・」

 

かくん、と彼女の意識が落ちる。

それを見た一行は椛狩りの終了だと安堵の息を吐く。

 

すると、急にズボリとツタのようなものが地中から現れた。

 

「よっこいしょ」

 

そのツタから現れたようにも見えた青年が椅子を持ちあげた。

 

「それじゃ、ありがとう。彼らに宴会の場所を案内させるよ」

 

そう告げて、彼は去っていってしまう――――――と。

彼らの意識もまた、少しずつ消えていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

☆台本形式入ります

 

 目が覚めると、そこは建物の中だった。

質素といえば質素。しかし、その部屋はけして狭くはない、むしろ広い方だろう。

 

霊羅「・・・ここはどこですか」

琥珀「遅かったですね。先に失礼してますよ」

 

彼らが視線をやると、そこには琥珀とフィラムがいた。

二人はすでに出されていたらしい料理に手を付けているようだ。

 

創哉「いなかったのはここにいたからか・・・」

琥珀「まあ、そうですね」

夕闇「はーっ、疲れた~」

 

 

夕闇が彼らの近くで座り込む。

すると、どこからか現れた葉月と衛が言葉をこぼす。

 

葉月「えーっと・・・これから宴会なのですが。ご自由になさってどうぞ。帰りたい時はお呼びください」

衛「僕が部屋の外にいるので、何かありましたらどうぞ~!」

葉月「あ、そうそう。宴会の際は基本このメンバーで固まっていてください。ほかのグループに顔出しに行ってもかまいませんけれどね」

 

と、霊羅に紙を手渡した。

そこにはグループ分けとでかでかと書かれていて、名簿のようにA・B・C・Dと振り分けられていた。

それに目を通した霊羅は葉月の言葉に疑問を抱く。

 

霊羅「それじゃあ・・・このグループ分けの意味は?」

葉月「天魔様の気まぐれのため・・・?」

一星「そんなもんに付き合えってのか」

衛「うちの天魔様だからねぇ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆  ☆  ☆

 

Aグループ

:柚姫・彩華・桜・夜月・咲人・琥珀・フィラム・忠介

 

柚姫「お酒飲む?」

彩華「いや・・・未成年が何言ってるのよ」

桜「そうだよ。ほら、夏に真っ先に没収されたじゃない」

柚姫「うぅ・・・みんな飲むかなって思っただけなのに・・・」

 

しゅぼんとうつむく柚姫に、桜は「あっ」と声を上げ、どうしようとあわあわと手を忙しなく動かす。

彩華ははぁと溜息を吐き、柚姫の持ってる酒を取り上げ、近くの机に置く。

 

琥珀「・・・もらうけど、いいですか?」

 

琥珀が彩華の肩をたたき、そう問いを投げかけた。

彩華は一瞬何のことかと首をかしげるも、彼の持っている酒に目をやり、その内容を理解した。

それは先ほど彩華が回収した酒であり、机においてあったものだ。

 

彩華「え?いいけれど・・・飲むの?」

琥珀「まあ、それはいいじゃないですか」

 

それに不思議そうに返す彩華は、逆に聞くも彼は微笑みを浮かべただけではぐらかし、近くにいたフィラムのもとに腰を下ろした。

そこで彼女と話をしているようだが、ここからでは会話が聞き取れない。

柚姫が顔を上げたのを見て、彩華は彼らのもとに行くこととした。

 

彩華「失礼、ちょっといい?」

 

二人に近寄って、彩華は声をかけた。

フィラムは表情を引き締め、少しおびえたように縮こまり、琥珀はゆっくりと彩華を見上げる。

 

琥珀「・・・・・・えっと、なにか?酒でしたらもう私・・・開けてしまいましたが」

彩華「ああ、それはいいの。ただ、二人で話すんだったらせっかくなんだし、混ぜてもらおうかなって。邪魔だった?」

琥珀「・・・フィラム、どう?」

フィラム「・・・その・・・琥珀が・・・いいのなら」

琥珀「でしたら、どうぞ」

 

弱弱しいフィラムの言葉の痕、うなずいた琥珀の了承を得、彩華はその場に座った。

フィラムの緊張は解けないらしく、彩華のほうをちらりと見ては、ふいと視線を逸らしてまた縮こまってしまう。

琥珀は困ったように眉を寄せ、「すいません、フィラムは人見知りで・・・」とフォローの言葉を入れる。

 

彩華「気にしてないわ。ただ・・・やっぱお邪魔だったかしら?」

琥珀「いや、それは・・・。まあ、こういう場でも皆さんとお話しないと失礼ですよね・・・」

彩華「話したくないなら話さないでいいんじゃない?私もあそこの騒がしい緑とかナルシストっぽいのとはあまり関わりたくないし」

琥珀「そこまではっきり・・・。フィラムに影響が出るやつは遠慮なくぶっ殺しますけど」

彩華「・・・私よりひどくない?」

琥珀「そうですか?」

フィラム「・・・琥珀、琥珀」

琥珀「ん?」

フィラム「・・・この人、大丈夫そう?」

琥珀「・・・・・・・・・」

 

琥珀は彩華と少々話したのち、フィラムに袖を引かれてから、彩華を凝視した。

はてなを浮かべる彩華はフィラムの言葉の意味が分からず、「どうしたの?」と聞いた。

 

琥珀「・・・わからない。腹の底で何を考えてるか知れないしな」

彩華「そこまでひどい人間に見える?」

琥珀「・・・リアさんに追い立てられる輝さんを見て面白そうに笑ってた人が何を言いますか」

彩華「え?私が嫌がることをしてたわけじゃないもの。面白いことを笑わずしてどうするって言うの?」

琥珀「そういうのが・・・まあいいです」

彩華「なによ・・・。それだったら、そこの柚姫のほうがバカっぽくて話しやすいんじゃないかしら」

 

彩華は先ほど自分がいたところを指さして、そこにいる柚姫の姿を教える。

琥珀とフィラムはその姿を視認し、「ばか・・・」とつぶやく。

 

 一方、残された人たちは。

 

柚姫「な、なんであの人達飲んでるのかな・・・」

夜月「琥珀たちか・・・。ん?なんで彩華まで混ざって・・・まあいいか」

桜「おいしいんだろうねぇ・・・」

忠介「未成年には飲ませないんじゃなかったのか?」

咲人「え?どういうことですか?」

忠介「彩華、飲んでるぞ?」

 

三人「彩華(さん)!!!!????」

柚姫「あ、いっちゃった」

忠介「そんな未成年に飲ませたくなかったのか・・・?」

柚姫「なんかね?さっきグループ分けの時天狗さんたちが来て、『もし未成年が酒を飲むような行為をしたら、そのグループ全員にペナルティが与えられる』って」

忠介「そりゃ必死にもなるわ」

 

 

 

 

 

 

 

☆  ☆  ☆

 

Bグループ

:虎太郎・輝・一星・リア・エメラード・霊夜・夕闇

 

夕闇「あ、俺琥珀んとこ行ってくるわ」

リア「いってら~」

 

夕闇がしばらくして席を立つ。

それを笑顔で見送るリアに輝が声をかける。

 

輝「いっていいの?」

エメ「みたいだな」

輝「じゃあ私も心也のところに」

リア「君はダメ♪」

輝「ひぃ!ひどい差別だ!」

 

リアががっちりと輝の肩をつかみ、逃げられないようにと手の力を込める。

「いたいよ」と非難の声を上げる輝を無視してリアはエメラードに話しかけた。

 

リア「あ、ここに居なくてもいいよ?これからいじるだけだし」

エメ「そうか?じゃあほかのメンツとしゃべってる」

輝「助けてよ!」

 

 そんな叫びを聞いているのか聞かぬふりをしているのか、虎太郎と霊夜、一星はこちらへ歩いてきたエメラードに軽く挨拶する。

 

エメ「よっす。ここいいか?」

霊夜「もちろん。二人は?」

エメ「仲良くしてたからおいてきた」

虎太郎「あとで恨まれるぞ・・・」

一星「本当にリアは輝をいじるの好きだなぁ・・・」

エメ「そろそろあいつは新規開拓をするべきだと俺は思う」

 

やれやれとエメラードは酒の満ちた杯を傾ける。

虎太郎はちらりと残された二人のほうを見て、苦笑する。

 

虎太郎「さすがに残すのはかわいそうな気がするんだけど」

エメ「じゃあ連れてくりゃいいじゃねえか」

一星「おっ、リアが輝に酒飲ませた」

霊夜「一星・・・冷静に言ってる場合か?酔いつぶれてリアに何かされたらどうするんだよ」

エメ「そのときゃ俺らで止めようぜ」

虎太郎「止められるかなぁ・・・」

 

虎太郎の遠い目をしたままの言葉に三人が噴き出すと、虎太郎もつられて笑った。

そんな中、見られている側の輝はそんな男性陣の生暖かい目に耐え切れず、「助けてよ!」と叫び散らしたのは、ほかのグループには聞こえることもないだろう。

 

 

 

 

 

 

☆  ☆  ☆

 

Cグループ

:爽香・心也・迅真・霊羅・秦羅・魔理夢・叶瀬

 

爽香「えっと、どうぞ・・・」

迅真「助かる」

 

迅真の持っている杯に爽香が恐る恐る酒を注ぐ。

それをくいっと飲み干した迅真は、つまみに手を伸ばした。

 

心也「なあ、迅真ァ・・・。未成年が飲んだら怒られるんだぞ?罰ゲームだってよ?」

迅真「そうだなァ・・・」

叶瀬「気にすることはないだろう・・・まさに外道だな」

霊羅「あなたたち、普通に飲んでるじゃないですか・・・」

 

がっくりと肩を落とした霊羅の肩をたたいた秦羅は、「少しばかり同情する」とうなずいた。

 

魔理夢「なんであの天狗、そんなことを言ったんだろうなぁ?」

爽香「法的な意味で・・・とか?」

心也「でも、常識なんて無いに等しい(?)幻想郷だぞ?幻想郷住まいの人なら、宴会=飲むぜヒャッホイになるだろ」

 

身振り手振りを交えながら、心也が説明する。

その説明に、魔理夢が首を傾げながら身振り手振りを交えて問う。

 

魔理夢「ヒャッホイ?」

心也「ヒャッホイ」

 

同じく身振り手振りを交えて返す。

なんとなくそれが気に入ったか、魔理夢が「ひゃっほい・・・」とつぶやきながら同じ手振りをしたのを、苦笑した霊羅が押しとどめる。

心也の説明に霊羅はなだめるような口調で言った。

 

霊羅「そうですけど・・・まあ・・・。でも、言われたことですし、ね?」

心也「罰ゲームは嫌だからなぁ・・・。どんな罰ゲームなんだろう?」

爽香「前の夏といえば、早口言葉でしたもんね」

心也「そうそう!」

 

懐かしむように爽香は酒を注いだ杯に手を伸ばそうとして、その手を秦羅にたたかれる。

「さっき罰ゲームの話をしてただろう」と諭され、爽香は苦笑して手を引っ込めた。

そんな中、迅真が独り言のように、

 

迅真「どんな罰ゲームでも、命令されるのは嫌いだし・・・突っぱねる」

((((え、ちょ、何言ってんの))))

 

堂々とそう言い放つ迅真に、心也と魔理夢、爽香と霊羅が同じことを思う。

迅真は早々に杯を酒で満たし、心也たちにも酒を注いでいた。

宴会では飲まないと損・・・そんな意識がそうさせるのだろうか。

 

秦羅「さっきの天狗たちの話を聞いていたが・・・罰ゲームは決まってないらしいぞ。本当にあるのかは知らないが」

魔理夢「決まってたら全力で止めるところだったぜ」

心也「えー。つまんないなぁー」

爽香「わかってたらどうするつもりだったんですか・・・」

心也「ひかりんを餌食に・・・」

爽香「・・・輝さん・・・・・・」

 

 

 一方、夕闇は・・・。

 

夕闇「・・・なにしてるの?」

琥珀「さあ・・・。彩華さんと酒飲んでたら向こうから同じグループの人たちが来て、彩華さんから酒を奪っていった」

彩華「ちぇっ。彼らが罰ゲームを用意してるなんて知らなかったわよ」

フィラム「・・・すごい、形相だった」

 

三人が口ぐちにそういうのを、夕闇は相槌を打ちながら聞いていた。

確かに、彩華の手元には杯がない。その代わり、ジュースの入ったコップが握られている。

彼らのそばで胡坐をかいて、口を開いた。

 

夕闇「へ~・・・・・・で、なにしてるの?」

琥珀「酒飲んでる」

フィラム「ご飯食べてる・・・」

彩華「一応しゃべってる」

夕闇「そっかぁ・・・・・・・・・三人とも仲良くなったの?」

二人「さあ」

フィラム「・・・琥珀による」

夕闇「・・・何もないなら、まあいいんだけどさぁ」

 

なんともまあマイペースに会話を進める三人に、夕闇はため息交じりにそうつぶやいた。

 

☆  ☆  ☆

 

Dグループ

:魔利・創哉・閃鬼・ジルシーア・絆・卿也・γ

 

 皆は、その異変に目を丸くした。

まず最初に口を開いたのは金髪の少年。

結っていたリボンが手元にはらりと落ちてきて、つい声を上げた。

 

魔利「・・・・・・なに、これ」

 

自分から出た声はいつも聞いていた声よりも少し低くて、髪を触る。

短い。

短いのだ。

 

魔利「うそ・・・」

創哉「うわっ、なんだよこれ・・・」

 

隣から聞きなれない声がする。魔利はおそるおそるそちらを見やった。

女だった。

 

閃鬼「・・・・・・確認しよう。誰が誰か」

創哉「俺は創哉。・・・お前は絆か?なんとなく変わってなさそう」

絆「ちょ!そんなに変わってませんか?!」

卿也「γもお前・・・変わったな」

γ「ははは、なんとなくこれは心が折れるぞ・・・。女性陣はここは二人だけだったからな、なんとなく把握できる」

ジル「赤い髪が私、金髪が魔利だものね」

 

ジルシーアは複雑そうな表情で、自らの体を触る。

ため息がついこぼれるのも仕方ないことだろう。

 

絆「どうやら・・・。ほかのグループも同じことになってるみたいですね。今さっき、僕らと同じタイミングで変わったみたいです」

閃鬼「趣味が悪いな・・・」

卿也「でもまあ、いいんじゃねえの?ずっとってわけじゃないだろ」

魔利「なんでそんな楽観的でいられるの?」

卿也「だってそうだろ。このまま俺らを帰したらいろいろ大変なことになるだろ?」

創哉「それもそうだな。というか、このまま帰してほしくない」

 

苦笑した創哉が卿也の意見を肯定し、呆れたように机にうなだれた。

 

魔利「・・・・・・趣味が悪いわ」

ジル「本当にね」

γ「悪いが、その顔で女口調は中々にきついぞ。オカマくsあぁああああああああああ!!!!目つぶしッ?!!」

魔利「・・・」

ジル「・・・自業自得ね」

γ「どこから?!どこからだ!俺様の目を突きやがったのは!!!」

 

γはキョロキョロとあたりを見渡しながら、文句をブチブチといった。

それが美少女なのが少々もったいないところだ。

 

絆「まあまあ落ち着きましょうよ、ね」

創哉「とりあえず天狗共に何事かと抗議しに行くぞ」

閃鬼「異議なし」

ジル「どうせほかのみんなもやってるでしょ。行くわよ!」

魔利「はぁ・・・。あとでまた髪結ばなきゃ・・・」

 

じたばたともだえる美少女γを置いて、ほかの六人は動き出す。

 

γ「あっ!ま、待てよ!俺様を置いていくなよ!」

 

――――

 

部屋の外で、最初集まったときのように大勢の人が集まっていた―――一つだけ違うとすれば、性別が違うことだろうか。

男女比率が真逆になっている、それは一目見てわかることだ。

 

柚姫「男の子になっちゃったね彩華」

彩華「そうね・・・」

夜月「ショックがでけぇ・・・」

桜「あはは~ちっちゃい子のほうが落ち着いてるってどういうことなのかな、ねえ咲人ちゃ・・・あ、ごめんね」

咲人「ああ・・・いいんですよ、大丈夫です」

桜「目が虚ろだよ?!」

 

リア「輝くん・・・ぷぷっ」

輝「もう私どうすればいいのか・・・」

リア「いじられるといいよほらこっち向いてー」

輝「撮るの!?」

エメ「誰も助けないのか?」

一星「写真写っちゃ悪いじゃん」

虎太郎「なんかもうリアが嬉々としてるから入れなくって」

霊夜「・・・自分たちのことなんかもう関係ないよね・・・」

四人「あの二人が面白いから」

 

秦羅「・・・」

霊羅「・・・」

叶瀬「女だな」

爽香「女の人ですね・・・女の子?」

魔理夢「どっちでもいいじゃねえか、女だったら」

心也「大丈夫、かわいいよ」

二人「フォローになってない・・・」

 

魔利「私たちよりもちょっと悲惨だった」

創哉「これは・・・なぁ・・・」

絆「・・・」

卿也「絆の違和感の無さを除けば、俺らは普通の部類だったってことか」

γ「目が・・・美少女を見れねぇ・・・」

卿也「お前そんな奴だっけか」

γ「いや、なんとなく」

閃鬼「冗談言ってる暇あったらさっさと目を元に戻せ」

γ「無茶言わんでくれよ閃鬼」

 

 

 そのグループから外れて、三人は外にいるといっていた天狗たちのもとに行っていた。

 

迅真「なんか・・・申し訳ない」

ジル「あなたたちにも被害が及んでたなんて・・・」

衛「いえいえ、いいんですよ~」

葉月「まあ・・・よくあることですし」

忠介「あるのかよこえぇな」

 

少女となった葉月と、少年になった衛が笑った。

忠介は自分の口角が意味もなく吊り上がるのがなんとなくわかった。

 

忠介「・・・んで、これを起こしたのはそこの鴉天狗なわけか」

 

三人がため息をついて、天狗二人組の視線の先にいる植物に乗って笑ってる青年を見る。

 

瀬良「どうもどうも!オイラは天魔の瀬良っす。以後よろしく頼むっすよ、皆さん!」

 

植物に触れ、種に変化させながら彼は自己紹介した。

 

琥珀「なんでこんなことを始めたんですか?」

夕闇「こはwww琥珀ちゃwwwwwwマジwwwww」

 

その六人のもとに近づいてきた琥珀が問うと、その隣にいたフィラムが不安そうに夕闇を見やる。

遠くで大爆笑する夕闇の笑い声が琥珀の耳に届いた瞬間、

ボキッ

 

琥珀「お前が俺をからかうな」

夕闇「サーセン」

瀬良「あはは~。元に戻してほしいっすか?」

ジル「当たり前でしょ」

瀬良「っすよね~・・・・・・それじゃ、と・・・ジルシーアさん、コレを皆さんの前で宣言して、始めてください」

 

瀬良がジルシーアに手渡したのは、何かが書かれた紙と人数分の札が入ったかごだった。

 

ジル「なんで私が?!」

瀬良「そこにいたからっすかねぇ・・・。とりあえず、ちーちゃん、葉月。いくっすよ」

衛「はーい!」

葉月「では、失礼します」

瀬良「みんなの迎えは、とある賢者さんに頼んでますから、安心してくださいねー」

忠介「安心できるか・・・?」

迅真「正直に言うと信用ならない」

ジル「まったくね・・・」

 

残された三人がそれぞれつぶやくと、「しかたないな」と嘆息してジルシーアが手をたたいた。

皆が注目したところで、ジルシーアが声を上げる。

 

ジル「えーっと、王様ゲーム、始めます!」

柚姫「王様ゲーム?!やるの?」

リア「いいねぇ」

輝「リアが王様にならないことを祈る」

 

ジルシーアの言葉に、三人が反応を示す。

 

琥珀「・・・見学でいいか」

フィラム「こ、琥珀!」

一星「あ?でも、人数分あるし、お前も参加しろってことだろ・・・やろうぜ」

フィラム「琥珀・・・」

琥珀「そうですか。しかたないですね・・・」

絆「人数分ですか?やけに準備がいいですね」

ジル「さっき天魔に渡されたのよ・・・ほら、やりたいならやりましょうよ!」

心也「やりたいんだねジルシーア」

ジル「・・・」

 

☆  ☆  ☆

 

席順

 

【挿絵表示】

 

 

ジル「それじゃ、始めていくけど・・・・・・・・・王様が何人出たら終わりにする?」

柚姫「うーん・・・五人くらいでいいんじゃない?」

ジル「五人ね。了解、じゃあ、かごを振ってっと・・・。はい、取ってって」

 

~~

注意:王様ゲームですが、会話文が多めになるので注意してください。

 

創哉「よし、いいか?―――――――王様は誰ですか!」

 

☆一回目

柚姫:28  虎太郎:17  爽香:4  魔利:1  彩華:8

輝:15  心也:19  創哉:26  桜:24  一星:20

迅真:12  閃鬼:16  夜月:25  リア:23  霊羅:22  

ジルシーア:14  咲人:5  エメラード:6  秦羅:10  絆:9

琥珀:3  フィラム:21  夕闇:18  霊夜:27  卿也:王

魔理夢:7  叶瀬:2  γ:11  忠介:13

 

 

卿也「お、俺だな」

創哉「王様や。命令しとくれ」

輝「どんな命令にするの?」

卿也「季節外れっちゃ季節外れか・・・まあいい」

全「?」

 

皆が首をかしげると、王様の札を持った卿也が告げる。

 

卿也「18番!冥界に肝試しに行ってこい。妖夢と幽々子さんの頭をちょっと軽く本当に軽く叩いて帰って来いよ」

夕闇「あー・・・俺かぁ・・・それでいいの?」

卿也「おう」

夕闇「二人を殺して帰ってくるとかじゃないんだね。了解」

卿也「お前本当に物騒なこと言うのはジョークなのか?」

夕闇「ジョークなんだろうなぁ。じゃ、いってきまーす」

 

夕闇はその場を立ち上がって早々と部屋を出ていってしまった。

 

卿也「・・・帰ってくるよな?」

柚姫「さすがに帰ってこないことはないと思うけど」

叶瀬「ダーク。肝試し・・・なのか、さっきの指令は」

卿也「お化けの出そうなところに行くのが肝試しだろ?」

 

卿也の言葉に、叶瀬は溜息交じりに「こいつは・・・」とつぶやいた。

 そしてしばらくたつと、部屋に入ってくる人影。

 

夕闇「帰ってきたぞ~!ちゃんと命令はこなしたよ、安心しろ!」

卿也「お疲れさん。じゃ、次行こうか」

彩華「それじゃ、かごの中身をちゃんと振って・・・・・・次の王様は誰ですか?」

 

☆二回目

 

柚姫:1  虎太郎:3  爽香:5  魔利:24  彩華:2

輝:14  心也:16  創哉:19  桜:27  一星:7

迅真:21  閃鬼:26  夜月:8  リア:10  霊羅:23

ジルシーア:25  咲人:18  エメラード:王  秦羅:13  絆:28

琥珀:20  フィラム:6  夕闇:15  霊夜:12  卿也:9

魔理夢:11  叶瀬:4  γ:17  忠介:22

 

エメ「俺だな」

桜「なんだ、エメラードが王様かぁ」

柚姫「なんか安心だね」

エメ「え?なんでだよ」

 

桜と柚姫の反応に、エメラードは目を丸くした。

化け物っぽい緑いろが王様で安心だって?そんな感じに思っていることだろう。

 

柚姫「だって、無茶ぶりしないじゃない!」

爽香「前は輝さんにセクハラまがいなことをした上に、ほかの人にも殴られてたけれど・・・」

エメ「爽香氏、そいつぁ俺の傷をえぐるぜよ」

爽香「しかたないですね、自業自得です♪」

エメ「ハッ、爽香氏が将来すごい奴になる気しかしなくって冷や汗かくぜ・・・んで、命令だっけ?」

 

周りはうなづいた。

 

エメ「じゃあ、14番の人は1番の人からここにある彩華さんの能力で色がカバーされた激辛料理をあーんして食うってことで」

彩華「なんでか知らないけれどこき使われました」

柚姫「彩華・・・。誰にあーんすればいいの?」

輝「え?私激辛料理食べるの?」

エメ「じゃあ柚姫、この二つの皿。どっちか選んでくれ」

柚姫「う、うん・・・つまり、激辛と、激辛じゃないのがあるんだね!」

 

エメラードは立ち上がり、どこからか取り出した二つの皿を柚姫の目の前に出した。

柚姫はその左側の皿をとり、スプーンをしっかりと持った。

そのまま座っていた輝のもとへ歩いていき、中身を掬う。

 

柚姫「ひ、輝さん、行くよ!激辛だったらごめんね!」

輝「おう、どんと来い!」

 

おそるおそるといった様子で、柚姫の持つスプーンが輝の口に運ばれた。

すると、輝の表情が明るくなる。

 

輝「あ、おいしい」

柚姫「よかった~」

輝「もう一つのほうが激辛みたいだね・・・・・・んん?リア、なんで立って・・・」

リア「そのもう一つのほう頂戴~」

エメ「ん?食いたいのか?」

リア「うん、食いたそうだったから」

輝(どっちにしろ私は激辛を食うはめになるようだ)

 

リアはもう一つの皿を受け取ると、まっすぐ輝のもとへ向かおうとして―――忠介に止められた。

 

忠介「とりあえずさぁ・・・次いかね?」

輝「だ、だね!」

魔理夢「んじゃあ次は・・・っと。誰が王様だ?」

 

☆三回目

 

柚姫:26  虎太郎:13  爽香:王  魔利:24  彩華:19

輝:5  心也:22  創哉:20  桜:18  一星:12

迅真:14  閃鬼:11  夜月:23  リア:15  霊羅:28  

ジルシーア:17  咲人:16  エメラード:1  秦羅:7  絆:8

琥珀:10  フィラム:25  夕闇:3  霊夜:9  卿也:4

魔理夢:6  叶瀬:27  γ:2  忠介:4

 

爽香「あ、私が王様ですね」

虎太郎「はぁ?!」

 

ガタガタ、と隣の虎太郎が飛び上がる。

 

魔利「こら、虎太郎」

心也「よーし、命令言っちゃっていいよ~」

爽香「えっと・・・じゃあ、15番さん。左右隣の人から全力ビンタを受けてください!」

リア「ヒッ」

創哉「自業自得だな。左右隣・・・霊夜と彩華か」

彩華「そうみたいね」

霊夜「なんか・・・すまない」

リア「あはは、大丈夫大丈夫!」

 

リアは冷や汗をかきながら、申し訳なさそうにする霊夜に手を振って答える。

 

彩華「とりあえず、さっさとやっていい?」

リア「え、待って心の準備が」

 

彩華が立ち上がってリアの目の前に出てくると、リアは首を振りながら制止した。

右手を振り上げるとその腕をつかんで、必死に「ちょ、まっ」と声を上げる。

 

彩華「いいから」

リア「いやあの・・・なんか嬉しそうじゃな」

彩華「そーい」

 

パァンッ

彼女のビンタがリアの頬にヒット。

リアの肩が震える。

 

迅真「思いっきりいったな」

 

客観的にそれを見ていた迅真が言葉を漏らす。

 

咲人「手加減とかはしないんですか・・・」

爽香「手加減したら罰にならないですしね」

魔理夢「ばつ?」

ジル「・・・輝のこと?」

輝「・・・・・・・・・・・・・・・ッ」

一星「さすが輝、なんだか喜んでる」

夜月「今までの屈辱が・・・」

絆「そこまでいじられてるのが苦しかったんですかね・・・」

 

しばらくして、頬を抑えてたリアが顔を上げて叫び散らす。

 

リア「思ったより痛い!」

彩華「痛くなかったら罰ゲームにならないし。ほら、霊夜さんもパパーンと」

リア「音的にそれ往復ビンタだよね?!」

霊夜「・・・往復がいいかな?」

リア「遠慮しときます!」

 

霊夜が心配した表情で問うと、リアは全力で首を振った。

桜と柚姫がそれを見て爆笑し、何をやっているんだと呆れる琥珀と叶瀬、秦羅。

 

秦羅「・・・霊夜、さっさと楽にしてやれ」

霊夜「あ、了解」

リア「殺さないでね?!」

霊夜「大丈夫だ。ただの平手だし・・・」

魔理夢「おいアニキ!遠慮はいらない、全力でやってやれ!」

リア「余計なことは言わなくていいんだよ魔理夢さん!!」

 

しかたない、と嘆息した霊夜が構えをとる。

ぎゅっと目をつむったリアに痛みが襲う。

 乾いた音。それは、彩華のよりは痛いが、比較的優し目に加減された平手。

男女の差、そう思うことにしたリアは「次行こうよ~」と若干涙ながらに言う。

 

 

リア(次から、痛い目見ないようにいじるの抑えめにしよう・・・・・・多分)

 

霊羅「それでは・・・次の王様は誰ですか?」

 

☆四回目

 

柚姫:15  虎太郎:21  爽香:1  魔利:11  彩華:14

輝:23  心也:4  創哉:17  桜:28  一星:25

迅真:2  閃鬼:19  夜月:10  リア:24  霊羅:16

ジルシーア:6  咲人:13  エメラード:3  秦羅:22  絆:王

琥珀:9  フィラム:18  夕闇:20  霊夜:12  卿也:7

魔理夢:27  叶瀬:8  γ:26  忠介:5

 

絆「あれ、僕ですか」

魔利「ほらほら、絆。命令しちゃってしちゃって!」

絆「うーん・・・そういえば、近々ハロウィンですね」

桜「だねぇ・・・ん?まさか?」

絆「18番さんと、28番さんと、4番さんは、ハロウィンの仮装・・・そうですね。黒猫、魔女、カボチャ(カボチャパンツ等でジャックオアランタン風を装う)の仮装をしてもらいましょうか!」

 

絆が笑顔でそう言うと、それを聞いて、三人がびくりと反応する。

そして、自分の手元の札を確認し――――――声を上げた。

 

桜「ひっ」

心也「はー?!パス!ひかりんにさせたげて!」

輝「遠慮します!」

フィラム「え、えっと・・・その・・・」

琥珀「異議あり。フィラムにそんなことをさせられないです。夕闇を提供します」

夕闇「ごめん俺も無理!」

 

琥珀と心也が手を上げて抗議する。

しかし、笑顔の絆は何も言わない。

輝と夕闇が文句を言うと、選ばれた二人は「あ?」と威嚇するような表情をする。

 

柚姫「こらこら、脅さないでくださーい!王様の命令は絶対ですよ~!」

創哉「あきらめろ。桜、心也、フィラム――いや、琥珀か」

琥珀「・・・・・・その手にあるカメラはなんです」

忠介「ん?せっかくの女子の仮装だ、撮って残しておいたらあとあとの笑い話になるかなと――――――うおう」

 

刀の一突き。忠介の手元にあるカメラは床に刺さった刀によって縫い止められ、使い物にならなくなってしまった。

忠介は「あちゃー」と声を上げながら、その刀を抜いて桜に渡す。

 

忠介「俺に当たったらどうするんだよ」

桜「当ててないから大丈夫だよ、万事抜かりない」

忠介「そういう問題なのだろうか」

桜「多分・・・で、どうする?誰がどの仮装・・・を・・・・・・ねえ、なんで私に真っ先にカボチャパンツ渡してくるの?」

心也「大丈夫、似合うよ・・・はい、フィラム。猫さん着てね。琥珀イチコロだよ」

フィラム「・・・」

 

ちらり、とフィラムは仮装を片手に琥珀を見やる。

琥珀は不思議そうな顔をしてから、「着てきなよ」と催促した。

「わかった」と小さくつぶやいてうなずいたフィラムがみんなが集まっている部屋からいち早く出ていった。

二人もそれに続く。

 

~~

 

心也「絆!!!これどこで入手した?!?!」

絆「さ、さあ・・・?あ、心也さん。お似合いですよ」

心也「ふッッッッッざけんな!フリフリすぎて言葉もねえわ!」

絆「フリフリがいけないのでしょうか・・・?比較的抑えられた服だとは思いますが・・・」

心也「絆のアホ!」

絆「なぜに僕が罵倒されるのですか?!」

 

心也が着用していたものはよくある魔法使いの帽子(の先端に、白いふわふわ)に、短めの黒いケープを肩もとにかけ、その胸元のリボンをしっかり結んでいる。それに咥えて袖にフリルが使われたシャツ、そして膝上くらいのスカート(ちなみに、これにもフリルがふんだんに使われている)。

ちゃっかりとその手には杖のようなものが握られている。

つかつかと歩み寄った心也は絆の頭をその杖で軽く叩く。

 

心也「なんでこれ着た俺!」

咲人「選んだのは心也さん・・・」

心也「咲人、言っちゃダメ」

桜「心也、そのスカート中短パンじゃん。いいじゃない」

心也「あ、桜も終わったの?」

桜「フィラムもね。ふふ・・・仮想の定義を見失うよ」

 

桜はカボチャをモチーフにしたキャスケットと、オレンジ基調のコート、オレンジと黒の縞々のカボチャパンツ。腰に巻かれた黒い布が腰でリボンに結ばれてるのが目立つような気もする。

フィラムは猫耳がフードについた黒いパーカーのような衣装。ミニスカートに巻いてあるベルトには鈴がついており、腰付近にアクセサリーとしてついている黒く細い猫の尻尾がたらりと垂れていた。

帽子を深くかぶった桜が、不敵に笑むと、隣でびくびくしていたフィラムが泣きそうな顔でフードを握った。

そんなフィラムのもとに言った琥珀がフィラムを抱きしめ、「大丈夫?」と問う。

その問いには、こくりとうなずいた。

 

桜「ごめんね、・・・ちょっと心也がハッスルしちゃって・・・」

心也「だってかわいかったからさぁ・・・」

γ「まるで親父の発言である」

 

パシャとシャッター音が鳴る。

それにいち早く気づいた心也が近くにいたγのこめかみをグーでゴリゴリし始める。

 

心也「己は撮りおって・・・」

γ「やがてこれを全幻想郷に売り捌く!そして俺様は一躍有名となるのだ!そう!皆から『γ様』と称えられる日も遠くないたた心也悪かった俺が悪かったから俺様の顔が変形する強さでゴリゴリするな」

心也「なあ、絆、これいつまでー?」

絆「え?」

 

絆が首を傾げた。

心也と桜は表情がかたまる。

 

桜「着替えてくる」

心也「そうだなフィラムも着替えよ」

フィラム「・・・う、うん」

柚姫「せっかくの命令だし、時間食うのもあれだからゲームが終わるまででいいんじゃないかな?!」

心也「・・・柚姫」

柚姫「・・・・・・だってかわいいんだもん(´・ω・`)」

桜「絆は?」

絆「じゃあそれで」

 

苦笑しながら、女性陣の気迫に押されがちな絆はうなずく。

二人は溜息をついて、自分の席に座った。

 

叶瀬「・・・まさに外道だな。それじゃあ、最後の王様は誰だ?」

柚姫「そっか最後か!!!それじゃすぐに終わっちゃうよ!!」

二人(だから許可したのに)

琥珀(それまでフィラムが見られるわけか居心地悪いな)

 

☆五回目

 

柚姫:3  虎太郎:12  爽香:1  魔利:20  彩華:7

輝:24  心也:15  創哉:23  桜:9  一星:13

迅真:14  閃鬼:王  夜月:26  リア:8  霊羅:27

ジルシーア:5  咲人:21 エメラード:2  秦羅:11  絆:28

琥珀:16  フィラム:19  夕闇:6  霊夜:17  卿也:10

魔理夢:25  叶瀬:22  γ:4  忠介:18

 

閃鬼「俺が王様か・・・じゃあ命令するぞ」

虎太郎「イエッサーボス!」

創哉「どうぞなんなりと」

卿也「もう最後だと思ってなんでもおっしゃってくだされ」

夜月「おい、お前ら・・・テンションがおかしいぞ・・・」

霊夜「あとダーク、それ言っちゃっていいの?自分が当たるかも・・・」

卿也「大丈夫だ!」

 

卿也への言葉に、卿也は親指を立てて返答した。

ノリのおかしい三人の言葉に、閃鬼はニヤリと笑みを浮かべた。

 

閃鬼「なんでもいいんだな?じゃあ・・・・・・さっきの宴会で酒を飲んでいた未成年の罰ゲームを考えて執行してもらう・・・か」

柚姫「あれ?閃鬼さんがするの?」

閃鬼「だって天狗やらないし」

一星「まあそりゃそうだな。んで、数字は?」

閃鬼「27、7、4、16・・・・・・バラけさせては見たが、どうだ?」

霊羅「僕と」

彩華「私と」

γ「俺と」

琥珀「私ですね」

 

Aグループ面々「おい未成年者飲酒犯!!!」

(彩華と琥珀とフィラム除き)

彩華「さて、罰ゲームを考えましょうか」

霊羅「あ、あはは・・・いいんでしょうか?」

γ「いいだろ。王様が決めた数字の人だし」

琥珀「・・・彩華さん、自分が得する罰ゲームはダメですよ?わかってますね?」

彩華「・・・・・・・・・わかってるわよ?」

 

~~罰ゲーム思案班作業中~~

 

柚姫「なんだか、今まさに運命の瞬間がって感じがするね」

創哉「そうか?」

卿也「どうせγのことだしなぁ・・・」

魔理夢「あいつのことだしなぁ・・・」

霊夜「なんとなく二人が想像してるのがわかった」

夕闇「あのメンツならきっとみんなが嫌がる罰ゲームを用意してくれるな。その上、琥珀ちゃんの能力で逃げられない!」

咲人「疲れないのがいいですね」

桜「飲酒したのはうちは彩華でしょ?ほかの班は?」

一星「Bは輝とリアが。あと・・・夕闇は飲んでた?」

夕闇「教える義理はないねぇ」

叶瀬「俺んとこは迅真と心也が飲み合いだな」

迅真「断る」

魔利「まだ何も言われてないわよ・・・あ、こっちは問題ないわ。ジルシーアが見てたしね」

 

ふむ、と桜がメモを取りながら、「これをあの人たちに提出すればいいのか」とうなずいた。

そのメモを覗き込みながら、フィラムが「未成年だってわかるの?」とこわごわと問いながら首を傾げた。

夕闇がその姿を見て、目を見開いている。

 

夕闇(フィラムが琥珀ちゃん関係なしに話しかけた・・・?!)

桜「あー、それは勘。とりあえず飲んだ人を吊り上げるの」

フィラム「そ、それでいいの?」

桜「あはは、まあいいのいいの」

夕闇(成長してる・・・のかな)

 

桜と会話を終えたフィラムは瞬時に夕闇の背中に隠れた。

それを見た桜が苦笑しながら、帰ってきた罰ゲーム思案班にメモを提出した。

 

琥珀「これはどうも・・・ほら、霊羅さん、発表」

霊羅「あ、うん・・・えっと、それじゃあ飲酒者は今すぐ元の世界に戻るために力を貸してくれる賢者さんに喧嘩を売ること。あ、仮装をしている人は着替えていいからね」

桜「今すぐ着替えてきます!」

心也「んじゃ、ちょっくらすませt」

琥珀「今すぐ」

γ「賢者に」

彩華「喧嘩を売る。ほら、心也さん行くよ。えーっと、あとは迅真と輝さんとリア」

 

桜やフィラムとともに別室へ移動しようとした心也。

琥珀により、枷がつけられる。その足は途端に動かなくなった。

ビッターンッ!と心也の顔面が床にぶつかる。

γが目の前で笑う。進めなくなった。

その襟首をつかみながら、彩華は笑う。

 

 

迅真「賢者に喧嘩を・・・・・・面白そうじゃねえか、行こう」

輝「ちょ?!私の場合、とばっちりなんだけど?!」

リア「GO~!」

輝「主犯!こら!なんだかうれしそうに私を引きずるなぁ!」

心也「彩華さん?俺が悪かったからこの恰好でひっぱるのは・・・その、さすがに短パンはいててもね?スカートあぶっ。急に離すなよあぶねーな!」

彩華「心也さん」

心也「はい」

 

 

~~~~~

 

緋乃「なあ、お前ら帰りたくねぇの?」

柚姫「ううん、帰りたい」

創哉「文句はそこの飲酒者に言え。俺らは無罪だ」

夜月「さて。俺らを早々に帰してくれ・・・何も聞かねえから」

緋乃「ったく・・・それじゃあ、同じ世界の人たちでまとまって帰ってくれ。べっこで帰ると保証しねえぞ」

リア「性能は上がったの?」

緋乃「いや、前と同じだ」

 

緋乃が胡坐をかきながら断言する。

だめじゃんと肩を落とす柚姫が、虎太郎らの手を取って、真っ先にスキマに向かって走る。

 

柚姫「それじゃあお先に失礼します!ばいばい!」

虎太郎「おっとっと。じゃあな~!」

爽香「ああ・・・また・・・。さようなら、皆さん!」

魔利「おいてかないでよ、三人とも!」

彩華「・・・そして魔利は私がいることに気づかず入っていく、と・・・・・・あ、では」

 

五人がスキマに入っていくのを確認すると、夜月が動き出した。

 

夜月「それじゃあ、お次は俺らで。またな!」

リア「はぁ・・・もっといじれればなぁ・・・まあいいか!ミスティアいるし~」

霊羅「ほら、ジルシーアさん、行きましょう」

ジル「はいはい。じゃあね」

輝「不吉なこと言い残していかないでよ!ほら、心也、帰るよ」

心也「やだ!この姿で帰りたくない!服!服ゥ!」

輝「だだこねてねぇで帰るぞ心也」

心也「アッハイ」

 

夜月らに続いて、文句を言う心也を引きずって輝が入っていく。

その様を見ていた面々は、(輝って・・・実は強い?)と首を傾げる。

 

エメ「俺もかーえろっと」

絆「・・・ん?別々の世界の人がまとまって帰る・・・この場合はどうなるんでしょう?」

忠介「多分それぞれの世界に送られるんじゃね?」

秦羅「そうであることを願うばかりだな」

 

苦笑した四人が入っていく。

と、そこでフィラムを抱きしめたままの琥珀が夕闇の耳をつかみながらスキマの前に移動してくる。

それを見た緋乃が「どうした」と問うた。

 

琥珀「・・・間違いなく、私たちの世界に行けるんでしょうね?」

緋乃「まあ、保証はする。絶対ではないけどな」

琥珀「そうですか。夕闇、フィラム、いきましょう」

緋乃「じゃあのー・・・・・・あり?お前さんらは帰らんのか?」

 

三人を見送った後、緋乃は不思議そうに残った十一人を見やった。

 

咲人「いや・・・なんとなく、怖くて」

緋乃「そうかそうか。大丈夫だ、いっくぞー」

咲人「ちょ!?おさないでくださ――――うわぁあ?!」

緋乃「よし、無事送還された・・・はずだ!」

霊夜「なんて強引な・・・」

魔理夢「それで本当に無事だったすごいな」

 

緋乃が咲人の背中を押す。

と、咲人は急だったためか抵抗もせず、そのままスキマの中へ身を投じた。

その様子を見ていた霊夜と魔理夢が苦笑する。

 

迅真「無事ではあるようだな」

閃鬼「そうだな・・・帰るか」

迅真「それじゃあ失礼するぞ、賢者」

緋乃「俺に言うなよ!」

 

迅真が閃鬼とともにスキマに入っていく時に発した言葉に緋乃が食って掛かるも、それに帰す人はもういなかった。

むっすと不機嫌になった緋乃が次に行く人を見やった。

 

卿也「んじゃまあ俺らも行きますか」

叶瀬「・・・ずっと意識してなかったが、γ、お前はどうするんだ?」

γ「は?!行くところは同じだぞ?!」

四人「・・・・・・なんだ」

γ「おいごら、この天下無双であるこのウルトラスーパーハイデラックスγ様が一緒じゃ不満ってか?!」

魔理夢「ながっ・・・まあいいや。とりあえずいこうぜ、アニキ」

霊夜「ああ、そうだな。それじゃあ、賢者さん。天魔にお世話になりましたと伝えておいてください」

緋乃「え?ああ、そうか。のう、了解」

魔理夢「じゃ、先に失礼!」

叶瀬「まさに外道だな・・・」

卿也「それ、今意味あるのか?」

γ「あっ!俺様を置いていくな―――ッ!」

 

五人が姿を消すと、「それじゃあ行くかぁ」と創哉がスキマの前に立った。

 

創哉「あ、お前さっき『天魔に言うの?めんどくね?』って思った?」

緋乃「思ってねぇよ?」

桜「ふふ、視線が泳いでるよ。一星、いこ」

一星「おう」

創哉「じゃあな」

 

手を振って創哉がスキマに入った瞬間、それがブゥゥンと音を立てて閉じる。

 

「よし、俺の出張仕事はおしまい、と。つか・・・なんであいつはここに呼んだんだ?」

 

「呼ぶんなら俺んとこでいいのに・・・・・・いや、寂しいとかそういうわけではなく、藍にどやされるだけで、特に何の意味もないんだが・・・」

 

「・・・まあいいか。今回は成功って言うことで、橙にも土産話をしてやれるな」

 

「帰るか、俺の世界に」

 

 

 

 

 その部屋で音が鳴った瞬間、そこには誰もいなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今は秋の真ん中頃だろうか?自分が管理する区域の『四季』は把握してるつもりだが、それ以外の場所はどうなってるかなんて俺には知る由もない。

紅葉が山を彩り、青々としていたその木々も姿をガラッと変える。

 

 『以前と変わらぬ様子の友がいた』

 『以前出会わなかった新たな人がいた』

 彼はそう言っていた。

 しかし、「知っている人がいて少し安心したな」とも口走っている。

 顔も名も知らぬ人より、一度出会い、顔を知った人のほうが信用できる――そういうものではないだろうか。

 

 なんだか、変なことを語ったな。

 俺も自らの仕事に戻るとしよう。

 部下たちも姿が戻ったし、彼らも普通の業務に移れる。

 

 さて、前言撤回して今日はたっぷり休んで、明日から精を出すことにする。

 おや?部下たちの声が聞こえるけれど・・・・・・今は無視しよう。

 あとでお小言は聞く。

 

 皆が騒いで、少しばかりは親睦を深められたのではないか?

 

  そんな、秋の日。




というわけで、いかがだったでしょうか(白目
思ったより日にちが過ぎまして、私も危ないなと思いながら、椛狩りが終わったあたりからやる気を出しました。
遅いのはわかっています。
手抜き感があるのも否定しません。
当初合ったイメージから、明らかにかけ離れてるんですもの。

 そして、未成年か否かのほうは、・・・・・・本文中に書きました通り、とりあえず飲んだ人を罰するシステムにしました。
王様の命令とずれていますが・・・まあ、そこらへんは気にしないでいただけるとありがたいです。
 王様ゲームは実際に(すっごい雑な)札を作ってシャッフルしてやってます。できるだけ王様もあてられる人もばらけるように、と札とさいころを最大限活用させていただきました。
 リアくんの輝さんいじりがとてもしつこい回になりました。ヴェルドール様、水崎嗚呼様には深くお詫び申し上げます。

ネタ提供は以下の通りです。ありがとうございました。
片桐黒夜 白夜様→王様ゲーム・ロシアン食事(少々改変)・男女反転
ヴェルドール様→肝試し
yuttii♪様→仮装

 活動報告でいろいろミスがありましたが、参加者様、ご参加ありがとうございました!
キャラ崩壊、キャラが空気、申し訳ありません!
「このキャラが今のところセリフ少ないな、なら入れよう」という感じでやっていましたが、結局変わってないような気もします・・・。
夏企画の話がちらほら上がってましたが、話の展開的に入れるとつながりやすかったから入れていただけで、特に何の意味もありません。
呼び方、しゃべり方・・・不安がありますが、投稿いたしましたので、「あ、これは変えなきゃまずいな」と思ったもの以外は変更いたしません。

ではでは、秋企画、これで終わりとなります。
もう一度。参加してくださった方々、ありがとうございました!
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