東方小説番外編集   作:Lan9393

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想鵐がいます。
久遠くんはいません。
本編で想鵐が出てたら久遠も入れられたんですがね・・・。


散々的:バレンタイン

想鵐Side

 

  朝から女性陣の視線が痛いのはなぜだろう。

僕は人に気づかれないようにため息をついた。

どうしよう、これ・・・。

目の前におかれた、とても大きい包みを見上げる。

誰が作ったんだろう。そして、なぜ包みは動いているんだろう。

開けるべきか。しかし先ほどからこれ、「出して」と訴えてるんだよな。

・・・放置推奨。砂暗に頼んで、部屋に運んでもらおうか。

 

――――――――――――――――――

 

瀬良Side

 

  オイラは、そんな兄貴をみて笑う。

 

「いやあ、鈍感っていうかなんていうか!なんで声でわからないんすかね」

「瀬良それすっごく趣味悪い」

 

霊夢が近くで同じものを見ていた。

オイラは暴言をいただき、とても歓喜したい思いに駆られた。

え?Mって?

残念、予想通りいった笑みだ。

 

「なんでですか!ねえ、霊夢さん」

「なによ」

「オイラと駆け落ちしませんか・・・—————ッ?!」

 

霊夢さんの真っ正面に立ち、その手を握って言えば、上下から激痛。

前にいる霊夢さんは足を・・・急所に叩き込むし、後ろにいたらしい早苗さんは大幣を思い切り振り下ろしてきた。

その痛みにもう悲鳴すら出ない。

 

「なにいってるんですか、もう」

「早苗さん、オイラがバカになったらどうするんすか」

「元からでしょ」

「霊夢さんもそーいう!まったく、本気でバカになったら早苗さんに責任とってもらいますよ~」

「ふぇぇ?!」

 

早苗さんが真っ赤になる。

・・・へぇ、俺の前でそんな顔するんだ?

久しぶりにこんな気分になった。

早苗さんを抱え上げる。

 

「ちょ、瀬良さんっ!降ろして!」

「・・・嫌だね。俺の前で真っ赤になるな」

「無理難題ですっ」

「そうか」

 

俺がそのまま飛び立つと、背後からため息。

 

 

「———それを治さないとどうにもできないわよ、瀬良」

 

・・・知ったことか、と俺は嘲笑した。

 

――――――――――――――――――

 

想鵐Side

 

  しばらく縁側でのんびり。

さっきまで来てた女性は僕にチョコと、「霊夢がいないようだから帰る」という言葉を残して帰っていった。

・・・チョコはついでといわんばかりだったけれど。

そんなに嫌われてたっけ。あ、でもチョコをもらえるだけマシかな。

甘味は霊夢を釣るのに使えるし、頭を使う時に食べるといいしね。

瀬良にそう言うと、「イベントの趣旨理解してるんすか?」と信じられないという表情で言われる。

それに笑顔で答える。

「チョコレート会社の陰謀に国民がのっかるイベント」、と。

次の瞬間、ハリセンで叩かれたよ。うん。

 

「・・・あーあー、なんたって、みんな僕に渡してくるんだか」

「あら、遅れちゃったかしら」

 

境内に足を踏み入れてきた人物に視線を向けると、僕は声をかける。

 

「アリス」

「ほらチョコ」

「どーも。あ、霊夢はいないよ」

 

アリスにそう言うと、彼女は困ったように肩を竦めた。

 

「あなたに会いにきたのよ。どうせ、それは魔理沙とかあたりの言い訳でしょ」

「なんでわかったの・・・」

「魔理沙とレミリア、咲夜、・・・妖夢あたりはいいそうね」

 

苦笑しながらアリスが予想を述べる。

僕はそれに手を上げて答える。

 

「残念。妖夢はまだきてない」

「そうなの?残念ね、本当に」

「・・・余計なお世話」

 

少し熱い顔をジャージにうずめて、後ろに倒れこむ。

アリスが隣に座ったのを確認。

こちらを見て暖かい笑みを浮かべている。

 

「・・・その、なに見てるんだ?」

「悪い?」

「悪くはないけれど、あの・・・」

「ふーん?なにかしらねー」

「意地悪いな、今日のアリスは」

「気のせい」

 

ポスッと僕のひたいにおかれた上海を抱き上げる。

「バカジャネーノ」と罵倒してくる上海をうりうりする。

こう、うりうり。

 

「さ、私はそろそろ帰るわ。霊夢の視線が痛いもの」

「へ?霊夢?・・・あっ」

「あんた、瀬良からの贈り物開けてないみたいね。それと、アリス何しにきたのよ」

「今日が何の日か忘れてなければわかるはずよ。じゃあね」

 

アリスが上海を回収して、霊夢の方を見て告げると、去って行った。

霊夢は嫌そうに表情を歪めて手でアリスを払うような仕草をする。

 

「しっしっ!」

「うん、ありがとね」

 

僕は純粋にチョコの礼を言う。

そして、霊夢の方を見上げる。

 

「ところで、瀬良からって?」

「あのおっきい箱よ。声が聞こえる」

「・・・あれ、なんなの?」

「あなたにとってはとてもいいプレゼントよ。多分」

 

不機嫌そうに霊夢はぴょいと飛んで神社の中へ入って言った。

僕も神社の中へ上がりこむ。

 

「ひゅあああ!?ちょ、霊夢さん、やめっ!」

「オラ、さっさと出てきなさいよ。箱がデカイから出れませんなんて言わないわよね?」

「いいません、いいませんけど、蹴るのはやめて!」

「さっさと出る!」

「ひぃいい!」

 

・・・なんで誘拐してるのかな。

箱を置いた部屋へいくと、箱が倒れていて、そこから妖夢が這い出ている状況。

霊夢は今まさに倒しました、と証明するような位置に足があった。

蹴り倒したのかい。

 

「お、お邪魔してます」

「あっ、うん」

「なんだ、案外反応薄いわね。チョコ漬けにした状態で持ってくれば良かったか」

「やめてください!」

 

反省の色が見られない霊夢に妖夢が食ってかかる。

僕はそれを見て少し安心した。

なんだ、妖夢に嫌われてないみたいだな。

 

「想鵐さんもなにか・・・想鵐さん?」

「ん?」

「いえ、何だか放心してたようなので。あ、それとよければ手のリボンをとっていただけますか」

 

妖夢の言葉に、無意識に僕はリボンを枯らしていた。

さらさらとリボンが砂になる。

 

「・・・っ!!妖夢、無事!?」

「へっ?あ、はい、大丈夫です」

「よかった・・・。ごめん、能力使っちゃった」

「別に咎めるつもりはありませんよ」

「・・・」

 

霊夢の視線が僕を貫く。

次、使ったら滅されるのかな・・・なんて思って。

すると、目の前に箱が提示される。

 

「・・・なに、これ」

「チョコですよ!想鵐さんの分です!」

「えっ」

 

少しだけ「妖夢からはもらえない」なんて考えが脳内をよぎったのに、こんな幸せが・・・。

しまった。後で不幸が倍返しになってくるかな・・・。

 

「ありがとう、妖夢」

「はい、ゆっくりお食べください!」

「うん・・・」

「さて、妖夢、この箱片付けるの手伝いなさい」

 

霊夢が会話に割ってはいる。

妖夢はそれにすぐさま反応し、「はいっ!」と元気良く返事した。

二人が箱に襲いかかるのを横目に見ながら、チョコを一粒口にした。

 

——すこし、苦味があったが、それに勝る甘さが口内を支配した。




想鵐、妖夢がヒロインだと主張中。
よかったね、霊夢さんが中心になんなくて。

久遠「うーん・・・まあ、そうだね。アリスさんも目立ってたけど」

それは、話を告げるためだという風に。


・・・想鵐が書きたかっただけなんだ!!(クワッ

久遠「そうだね。そうじゃなかったら、きっと先輩じゃなく、俺が出てたかもだし」

・・・うーん。

久遠「あれ?!悩むの?!」

まあまあ、そうですね、あはは。

久遠「棒読みだこれ・・・。ねえ、瀬良たちは?」

・・・いちゃついてんじゃないでしょーか。

久遠「そ、そっか。じゃあここいらで締めるかな」

うん、そうだね。

ではー!
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