東方小説番外編集   作:Lan9393

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二つが混ざってます(想鵐・瀬良が移動)

理桜変態注意報。


幻想招待録・散々的のハロウィン

霊夢Sido

 

「トリック・or・トリート!」

 

何の催しかはわからないけれど、緋乃が急に手を広げて謎の呪文を唱えた。

頭や腕、胴体、足にかけて、ほどけかけた包帯が巻かれている。右目は何でかはよくわからないけど紅く光る。

服は着てなくはないけれど、黒いタンクトップに黒いジーンズを着ていた。

なんの格好なのかしら?

 

「あ、やっぱ伝わんねーか。お菓子くれなきゃイタズラするぞっ」

「・・・なんの催し?」

「ハロウィンだぜ、ハロウィン!子供が大人から菓子をもらえる日さ。本来ならもっと言い伝えとかあるらしいけど知らねー」

「はろ・・・うぃん・・・。へぇ。ま、あげないけどね」

「へぇ?それでいいのか?」

 

ニタリ、と緋乃は笑んだ。

何か言っていたかしら?なんか・・・大切なことを・・・。

 

「ええ。私が甘味や食糧を渡すと思う?」

「じゃあ、イタズラだな」

 

私は選択を間違えたらしい。一個でもいいかと聞いて、渡せば良かったのに。

どうやら・・・どうやら、私は緋乃を甘く見ていたようだった。

 

「ほら、いくぜ?」

「え、ちょ!?」

 

緋乃が私を押し倒した。

包帯を引きちぎり、抵抗を抑えるためかそれで私の腕を縛る。所詮包帯・・・と思っていたがバカだった。

幾重も重ねられていたらしい包帯はそれなりの強度を持っていて、少しばかり締め上げられる。

 

「紫とキス一個で交換して手に入れた能力を思い知ったか?」

「・・・?今、なんて」

「あああああいや何でもない気にするな」

 

するとそんな時、ドンガラガッシャーンという音が境内に響き渡る。何かが落ちたようだ。

そこを見やると、二人の男がいた。

一人は眠たげな青年。そしてもう一人は・・・ファッションとやらだろうか、モグラの帽子をかぶったやつ。

 

「・・・あれ?ここ、幻想郷じゃん。なんだ、身構えちゃったよ・・・ん?誰?」

「いや、こっちのセリフなんだが。・・・俺は篠崎緋乃。お前らは?」

「緋乃か。ええっと・・・」

 

そいつ(眠たげなやつ)は私を一瞥する。期待するように、じぃっと。

 

「ほら、さっさと自己紹介しなさいよ。私は霊夢。・・・まあ、幻想郷がわかるんなら、他の幻想郷からきたんでしょうけど」

「・・・やっぱり、別の幻想郷なんすか」

 

モグラ帽子は口を開いた。羽ばたいた黒い羽はあのガセ新聞記者、射命丸のものと似ていた。

私は頷く。

 

「あ、申し遅れたっすね、オイラは園瀬良」

「瀬良・・・」

「んで僕が白野想鵐。よろしく、二人とも・・・ん?緋乃?」

「想鵐・・・か?」

 

緋乃と想鵐の様子がおかしいのだけれど。

お互い見合ったまま、静止した。

 

「「あああああ!!!!」」

 

途端、大きな声をあげて指を差し合う。

瀬良はハテナを浮かべながら笑っていて、私はただ二人を見ているだけしかできない。

 

「あの苦労性の想鵐!」

「あの公平な緋乃君!・・・そして、ここはもうハロウィンなんだ?」

「そうだな。ちょうどいい、親友たちに会いに行こうぜ!」

「へえ、彼らもここに?そして、ハロウィンをやってるんだ・・・」

 

想鵐が額に手を当てため息をついた。緋乃はケラケラと笑う。

・・・私の前でそんな笑い、したことないのに。

 

「召喚『砂暗』!・・・さて、いこっか」

 

札を構えた想鵐が凛とした声で言い放つと札は燃え、それから黒い鳥の形になる。

なかなか面白い札ね。紫が考えたのかしら?

緋乃が驚いたように目を丸くする。

 

「!なんだこりゃ!霊夢たちもいこうぜ!」

「私はパス。めんどいもの」

「菓子もらえるのに?」

「・・・やっぱいくわ」

 

食費には変えられないわね。

私は緋乃のそばにいく。

 

「あ、オイラは飛ぶよ、アニキ」

「了解、じゃあ・・・・琴羽君のとこにいこうかな」

「魔理沙の家だな」

「魔理沙かぁ・・・」

 

砂暗というらしいそいつに私、想鵐、緋乃が乗り込む。

瀬良は大きく羽を広げ、飛び上がった。

少々道のりは短いものの、普段乗らない鳥の乗り心地は最高であった。

 

 

想鵐Sido

 

  まさか、ここで友人と会うとは・・・ 。しかも変わりない様子で。

僕は少し笑えてしまう。

ミイラ男に仮装した緋乃君を見やる。緋乃君は砂暗の上から見える景色にあんぐりと口を開けていた。

霊夢も、心なしかそわそわしているようだ。何だか落ち着きない。

 

「落ちたら助けられないからね」

「うおい?!なんでだよ?!」

 

緋乃君は前かがみの状態からグンっとこちら側に体を持ってきた。

さて、無視して景色に目をやる。

そろそろ魔法の森だ。アリスの家も近いし・・・。

 

「アリスのところには誰がいるんだ?」

「?ああ、詩季がいるぜ。ついでに見ていくか」

「うん。よろしくね」

 

魔理沙の声が聞こえた気がする。砂暗に急降下を指示する。

二人に合図を送る。

真下に急降下を始めた砂暗。緋乃君がうるさい。

 

「よし、到着。ここで待ってて、な」

 

小さく鳴いた砂暗を置いて魔理沙の家を訪れた。

 

「あ、いねぇ。アリスの家行ったか」

「じゃあそっち行こう。あれ?瀬良ーー?」

「アニキ、ごめんっす。妖怪の山いかせてくださいっす!」

「ああ、了解。じゃあ後で!」

 

瀬良が僕に一言言って山の方へ行ってしまう。

本当に瀬良は山の人たち好きなんだね。・・・ここの人たちは、僕らを知らないっていうのに。

 

「じゃあいこうか」

 

☆  ☆  ☆

 

  豪邸の前に着く。

中からワイヤワイヤと賑わっているような声が聞こえる。

 

『トリック・or・トリート♪お菓子くれなきゃイタズラするぞっ』

『そんな・・・お菓子なんて持ってませんよ?』

『そっか。じゃあイタズラだねっ』

『ふぇ?・・・・キャアッ?!』

『妖夢さんの下着ゲット~』

『理桜さん!また変なことを・・・!変態さんに改名したのち切り刻まれたくなければ返してください!』

『い~や~よ~。だってこれイタズラだもん~』

『あーーー!!!こんなことならお菓子持ってくるべきでした!!』

『そもそもイタズラで下着って・・・なに、サラシじゃない。まだあなたそれ卒業してなかったの?』

『ぶらじゃーというのは、少々・・・気が乗らないので』

『理桜くん・・・』

『え?なに?琴羽くん?期待した?』

『し、してないよ!!ま、まさか!君の行為がセクハラになることはわかってるよね?!』

『しーらんぺー』

『コトハ、マスパイルカ?』

『いらな・・・ぎゃぁああああああ!!!!』

 

・・・わぁ、もう知り合いと思いたくない。 

緋乃君も同じように思っていたようでため息をついていた。

霊夢の耳には緋乃君の手。聞こえていないようだ。

僕は仕方ないと思いながらベルを鳴らす。

チリーンという音が僕を癒してくれる・・・。

 

『詩季、出なさい』

『はいはい、お待ち~』

 

しばらくしたのち、詩季君が顔を出す。

 

「あ、想鵐と篠崎夫婦。いらっしゃい」

「やぁ、詩季君」

「よ。楽しそうだな」

「私が嫁入り・・・?」

 

詩季君と軽く挨拶をする。

すると、詩季君は「ん?」と首を捻る。

そして僕をじぃっと見る。

 

「・・・」

「・・・」

「・・・?」

「お、おい!兄さん、琴羽さん!想鵐!想鵐が来た!!」

 

ドタバタガッシャンキィンドカーン。

↑              ↑          ↑       ↑

焦る          ぶつかる   刀      爆発

・・・なんだか安易に想像できるよ。どうしてだろうね。

友人たちがトーテムポール(?)のようになりながらこちらを見た。

 

「「そーーーーうむぅううううう!!!!」」

 

詩季君と理桜君が飛びついてくる。

重量感は男二人分のそれ。

な、仲いいなぁ、お二人とも・・・。流石兄弟。

 

「や、いやちょ!!重い、死ぬ!!」

「ごめ、ごめんなぁあ!一人にしてよぉお!」

「いや詩季君!落ち着いてよ!」

 

詩季君が僕の肩に目元を擦り付ける。

あれ?理桜君が大人しい・・・?

僕が視線を下にすると、そこには。

 

「・・・・理桜君!?」

「・・・っ」

 

理桜君は静かに涙を流していた。

唇を噛み締めて、嗚咽を堪えて僕のジャージに顔をうずめていた。

こんな大人しく泣く子だっけ・・・?と思ってやめる。

これは理桜君なりの配慮なのだ。

 

「ご、ごめんなさい二人とも、落ち着いて・・・!」

「久しぶり。ずいぶんな再会だね」

「琴羽君・・・」

 

やっと起き上がれた僕の近くには苦笑してる琴羽君の姿が。

口元を抑えて笑いを抑えているようにも見えた。

声をあげて助けを求める。・・・しかし、その声は突然のひんやりとした殺意によって邪魔された。

 

「・・・・はい?」

「理桜さんを・・・・」

 

妖夢の声だった。やや期待して探す。

近くに刺さった刀らしいひんやりとしたものが方向を変えた。

こちら向きになっている。刀を抜いた妖夢がこちらに詰め寄る。

 

「・・・・っ?!」

 

僕はすぐ口笛を吹く。理桜君らを退けて、来た砂暗に乗り込む。

 

「秋兎は紅魔館だ!」

「ありがとう、緋乃!あとで博麗神社に行くよ!」

「おう!」

 

そして僕はアリスの家から立ち去った。

・・・まさか大切な人から殺されかけるとは。あれ?

僕、死にたがりじゃなかったっけ?

なんで、命の危険を察知して逃げちゃったんだ?

というかそもそも妖夢はなんで怒っていたんだ?

よくわからないことはあるが、とりあえず紅魔館へ行こう。

 

「・・・危なかったなぁ」

 

☆  ☆  ☆

 

  門の前。

僕は寝ている美鈴を起こそうとつつく。

 

つん、つん。

「ひゃぁ?!」

 

飛び起きた美鈴に、僕は声をかけた。

できるだけフレンドリーに、気だるげにしたらダメだ。

僕はやや上目遣いで美鈴を見る。

キョトンとした顔。・・・なんか、安心した。

 

「初めまして、白野想鵐ともうします。ここに、神居秋兎君はいますか?」

「神居さん?・・・・・・・いたんじゃないでしょうか?ん?あ、咲夜さーん。神居さんはー」

「・・・?お客様?まあいいわ。神居ね。呼んでくるわ」

 

咲夜は能力を使って秋兎君を召喚してくださいました。

秋兎君?その腕の物騒な装置は?

 

「・・・想鵐か」

「や、秋兎君」

「・・・久しぶりだ。・・・咲夜さん、少し話をしても」

「今日のあなたの仕事は終わってるから安心して。ほら、いってきなさい」

「ありがとうございます。では・・・・」

 

僕の腕を引いて、秋兎君は紅魔館から出た。

どこへ行くんだろう?

 

「今、アリスの家d「もう行きました」・・・そうか」

 

しょんぼりしたように秋兎君は肩を落とした。

うう、そこまで傷つかなくても・・・。

 

「まあいい。どうせ次は博麗神社だろう?行こうか」

「あ、うん。行こう」

 

僕は地面を圧迫してまで飛び上がった秋兎君を砂暗で拾い、僕も乗り込んで博麗神社へと戻った。

 

☆  ☆  ☆

 

  博麗神社へ行くと、もうそこに緋乃君と霊夢、瀬良がいた。

なんで緋乃君、ボッコボコになってるの?

そして瀬良・・・幸せそうだね。

思えば、今日はハロウィンなんだよね。

 

「緋乃君、霊夢!」

「ん?」

「なによ」

「トリック・or・トリート!」

 

「「!!」」

 

まさか、言われるとは思うまい。

僕は両手を差し出す。

二人は顔を見合わせたあと、苦笑しながらクッキーとチョコレートを自らの手のひらに乗せた。

 

「ほーれ、お菓子だぞ」

「さっさと受け取りなさい」

 

瀬良を見る。瀬良は、ただ「良かったっすねー」と言った感じで見ていた。機嫌がいいんだな、ホント。

 

「ありがとう、二人とも!」

 

僕はそれを受け取る。

ハロウィンの日に、彼らと再会できたこと。

僕はこの日を忘れないよ。だって、だって————

 

 

 

——枯らしたくない世界が、もう一つできたから。




4500ピッタリですってよ奥様

想鵐「僕らの関係性がわかった短編だったね」
緋乃「うーん、ハロウィンか?」

・・・一応ハロウィンだよ。

緋乃「そ、そうか。大体妖夢はなんで」

自分がさせたことのない顔をさせたから。

緋乃「・・・」
想鵐「好きな人が初めて怖いと思った瞬間」
緋乃「確かにな・・・。じゃあそろそろ締めるか」

ですねー。次はクリスマス!!
サンタ様!サンタ様ーーー!!!

緋乃「ちなみに、今、博麗軍VS妖怪軍っていうので、昔の武士達・将軍のお話しを考えているらしい。それはこの短編に一話で投稿するらしいから、楽しみに待っててくれ」
想鵐「ではでは~!」
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