珱Sido
緋乃さんの病院に姉妹さんがたが来てから数日後。
白衣をきたまま、緋乃さんが私のお店へと訪れた。
琴羽さん共々、目を丸くして緋乃さんを見る。
「よっ、お前ら。暇そうだな」
「あ!緋乃さん!」
「やぁ。奥さんと仲良くしているかい?」
緋乃さんの言葉に、皮肉そうに笑って茶化す琴羽さん。
私は拭いていたカップを置いて挨拶をする。
「まーな。いつまでもウジウジして結婚できない奴とは違うんだ」
「・・・言わないで」
「あはは・・・」
緋乃さんはドヤァというように腰に手を当てて琴羽さんを見下ろした。
「んで、珱は?」
そう言われ、私はビクリと身構えてしまう。
何も言えず、店内には静けさが残った。
「・・・す、すまん」
「大丈夫です。・・・出会いはありませんから」
私は脱力した腕を組んで、緋乃さんから視線を外す。
笑みを作るも、きっとそれは笑みじゃないだろうなぁ。
「お、おう・・・」
「・・・緋乃、バカ」
何ともいたたまれない空気になりました・・・。
私は、気が滅入りながらも、客人に向けてのお茶を淹れる。
緋乃さんはすでに座っており、その前にお茶を淹れたカップを置いた。
それにきづいた緋乃さんは、カップを持ち上げて、飲み始めた。
「・・・うまい」
「どうも・・・」
「さすが、珱さんだよね」
「奥様や彼女さんに怒られますよ・・・?」
「・・・あー、いーのいーの」
「うん、器量はあるしね!」
「了承得てないんですね・・・」
「「うん」」
「・・・はぁ」
そんなお二方に、ついため息がでる。
その時に、ケータイが鳴る。
もちろん、私のものではない。
「・・・あいよー」
「はい」
渋々といったところか、お二人は電話に出る。
すると、顔が曇る。
「うぐっ・・・珱の所だ」
「あ、あはは・・・ご、ごめんごめん」
(やっぱり怒られてるじゃないですか・・・)
目の前で慌て始める知り合いを見て、私は笑みをこぼす。
「え、ちょ!?そ、それは勘弁っ!勘弁だって!」
「ひぃっ!?さすがにそれはだめだってばっ!」
次第に声の大きさも変わって行く。
たいへんですねぇ・・・。
「わ、わかった、戻る!戻るからっ!」
「帰ります!急いで帰らせていただきます?!」
(・・・・やっぱり帰るんですねー)
ケータイをしまって、お二人は荷物をまとめる。
「「ごめんっ!帰る!お茶ありがとう!!」」
「はい!またのご来店をお待ちしております♪」
「おう!」
「あ、うん!」
お二人はそのまま歩いて去って行った。
「・・・はぁ。幸せそうだなぁ」
私は無意識の間に、木刀を握りしめた。
「理桜、さん」
目を閉じる。
すると、ケータイが鳴った。
「あ、はい、黒宮です」
「・・・え?これから?」
「ええっとっ・・・はい、空いてます」
「わ、わかりました。で、ではまた」
「・・・・・・な、何で急に?」
ケータイを閉じて、珱は期待と困惑に目を泳がせていた。
いやこっちは深い意味無いですはい。
ただ純粋に、珱さんに男ができるフラグだよひゃっほい!ってだけです。
ちなみに二人の奥さんは誰でしょうか。
僕にもわかりません。
で、では~