綺麗な君に恋をした   作:(TADA)

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とある野球漫画のキャラが名前だけでてきます。

それと響け!ユーフォニアムのキャラががっつり出てきますのでクロスが苦手は方はお気をつけください


球技大会

球技大会である。男子は野球とサッカー、女子はバレーボールとバスケである。

 「おい、塩見。いつまで黒板睨んでいるんだよ」

 「犬束は許せるのか? 和泉が野球を引いた瞬間に俺と犬束の名前を書いた委員長の暴挙に」

 「諦めろよ」

すでに悟りを開いた表情を浮かべる犬束、ため息を吐く俺、苦笑している和泉。

俺たち仲良し!!

 「和泉さん」

その声に三人で振り向くと張りきった猫崎に髪を弄られた式守がいた。式守の視界には和泉しか映っていないし、和泉の視界にも式守しか映っていない。その事実に俺と犬束は砂糖を吐くジェスチャーをする。

 「女バレ、11時35分からなんですけど、男子野球は何時からですか?」

 「あ、ごめん。まだ見てないや」

そして式守に連れられて試合時間を確認しに行く和泉。俺と犬束は二人でトイレに向かう。

 「そういや和泉が『今日は式守さんをかっこよくサポートするんだ』って張りきってたな」

 「サポートをするってかっこいいか?」

 「本人がかっこいいと思うならかっこいいんじゃないか」

 「それより塩見の和泉の物まねクオリティ高くね?」

 「式守の奴の前でやると鍛えられるぞ。犬束もやってみるか?」

俺の言葉に体の前でバッテンマークを作る。言った俺もあまりお勧めしない。和泉に関してはガチな式守は他人の和泉物まねにも妥協しない。徹底的に鍛えられる。

 「……!? この気配は!?」

 「何言ってんだ?」

犬束とつれしょんしてから廊下に出ると、俺の狼谷さんセンサーが反応する。そちらに振り向くと体操服姿の狼谷さんとついでに成瀬さんと夢月もいた。

 「お、狼谷達じゃん。お~い!」

 「犬束ぁぁぁぁ!!!」

 「あん? なんだよ?」

 「ガム食うか?」

 「お、食う食う」

大きな声で狼谷さんたちを呼んだ犬束にご褒美のガムをあげつつ三人がやってくるのを待つ。

そして体操服姿の狼谷さんが俺の前にやってきた。

 「やぁ」

 「はい! いくら出したら体操服を売ってもらえますか!?」

 「え?」

自分の頬に自分で張り手をかます。成瀬さんは爆笑していて夢月の視線が痛い。そして犬束はガムを膨らませていた。

 「塩見くんたちは試合何時からだい?」

その言葉に俺は速攻で土下座した。

 「え!?」

 「申し訳ござらぬ!! この塩見!! 自分の試合時間を把握していなかったでござる!!」

 「なぁ、仲野、塩見の頻繁に出る意味不明な行動ってどうにかなんねぇの?」

 「お母さん曰く『塩見の血がそうさせるから止めるのは無理や』って言ってましたね」

焦る狼谷の隣で呑気に会話している犬束と夢月がいた気がするが無視する。

そこに笑いながら成瀬さんが会話に混ざってきた。

 「ちなみに塩見くん達の試合は11時20分からだよ」

そして悪そうな笑みを浮かべる成瀬さん。

 「狼谷、私たちは試合が入っていないし応援に行くかい?」

 「!? ああ、そうだね。塩見くん達の応援に行こうか」

狼谷さんの言葉に俺のボルテージが上がっていく。

 「和泉くんも野球なのかい?」

そしてその言葉に俺は轟沈した。

 「え? え? え?」

 「気にするなよ狼谷。塩見の意味不明な行動なんていつものことだから」

そうだよなぁ!! 好きな相手が野球しているところをみたいだけだよなぁ!! そ・れ・で・もぉぉぉぉ!!

 「犬束ぁぁ!!」

 「あ、なんだよ」

俺は犬束の肩を掴みながら話しかける。

 「ピッチャー変わってくれ」

 「別にいいぞ」

俺の頼みにあっけらかんと即答する犬束。実は初戦から優勝候補が相手なので全員やる気がないのだ。

犬束の言葉にガッツポーズを浮かべる俺、それを呆れた様子で夢月が突っ込んでくる。

 「周、やりすぎないようにね」

 「それは保証できない」

 

 

さて、そんな感じでいざ試合開始である。ピッチャーは俺、キャッチャーは犬束。不幸が発生して何が起こるかわからない和泉はレフトに封印である。

そしてマウンドには俺と犬束。

 「結構人集まったな」

 「すまない…!! 俺がイケメンで本当にすまない…!!」

 「黙れよ残念イケメン」

母親に似た俺はイケメンである。口を開けばキチガイとも吹奏楽部の部員から言われたりするが、俺のイケてるフェイスへの僻みだと思っておく。

そして俺は観客をぐるっと見渡す。

見つけた。

そこにいたのは体操服姿の狼谷さん。

 (たとえ君が見に来たのが和泉だって構わない)

 「ここでかっこいいところをみせれば俺にもワンチャン……!!」

 「お前何言ってんの?」

 「おっと」

つい欲望が口から零れていた。

 「サインは全部塩見任せでいいのか?」

 「おお、大丈夫だ。つっても俺も球種はフォークしかないけど」

 「投げれるだけでも十分だろ」

それだけ確認すると犬束はホームベースのほうに戻る。

そして審判が試合開始の宣言をする。一球目は決まっている。俺が犬束に出すサインはど真ん中のストレート。俺のサインに犬束は一瞬だけ驚いた表情を浮かべるがすぐに楽しそうにミットを構える。

そして俺は大きく足を振り上げ、言うところのマサカリ投法で思いっきりミットに向けて投げ込む。

150kmを超えるストレートはどでかい音を立てて犬束のミットに突き刺さった。

静まりかえるグラウンド、唖然とする相手バッター。俺はグラブを向けながら口を開く。

 「仲野光輝仕込みのピッチング……!! 打てるものなら打ってみろや……!!」

 

 

 

野球の試合は大盛り上がりを見せている。何せピッチャーである塩見がバッター三人を三球三振におさめている。さらにはその三人は全員が野球部だ。

その姿に狼谷の乙女心がキュンキュンしている。というか塩見のピッチャー姿に乙女心が止まらない。

 「いやはや、たきつけておいてなんだけど……塩見くん、すさまじいね」

流石の成瀬もこの結果に苦笑いである。そして塩見の野球の実力を知っている夢月は呆れたようにため息を吐いた。

 「周は小さい頃からお父さんが所属している東京スーパースターズの選手に鍛えられていますから。だからやりすぎないように言ったんですけど……」

 「まぁ、それで自重するんだったら塩見くんじゃないよね」

成瀬の言葉に狼谷は内心で頷いておく。視線は塩見から外さない。恋する乙女的にこんなかっこいい姿を見逃すことはできない。

ちなみにそんな塩見は一番バッターなのか4本の金属バットを纏めてふっている。そして一本を残してネクストバッターサークルに向けてそれを放り投げた。

 「花は桜木、男は塩見、超スーパースターの登場だぁ!」

 「あれも元ネタはあるのかい?」

 「岩鬼正美選手ですね。うちの家族も周も岩鬼選手や山田選手には特にかわいがってもらいましたから」

夢月の言葉に狼谷は内心でメモしておく。なにせ塩見に関する情報だ。全てが最重要機密である。

投げられたバットが次のバッターである犬束に直撃して軽く乱闘になっているのも狼谷フィルターを通すと『塩見くんかっこいい』になっている。

恋は盲目である。

そして改めて塩見がバッターボックスに入り、ピッチャーが第一球を投げる。アウトコースのストレート。塩見はそれを見逃さない。

 「グワァラゴワガキーン!!!!!」

塩見の叫びと共に白球はライナーのあたりでホームランゾーンに突き刺さった。

 「やった!!」

思わず歓声をあげた狼谷に暖かい視線を向ける成瀬と夢月。その視線に気づいた狼谷は一度咳払いしてから口を開く。

 「塩見くんが最高にかっこいい」

 「狼谷、本音が出ちゃってる」

成瀬の突っ込みに狼谷は顔を真っ赤にしてうつむいてしまう。

 「うわ、塩見先輩すっご」

 「うん、私ただの頭のおかしい先輩だと思ってた」

 「それは酷いですよ久美子ちゃん」

そして狼谷達の隣で塩見について語っている一年生女子三人組。狼谷的にどんな関係か気になるが、そこで普通に話しかけることができたらコミュ障(小)を卒業済みである。

そこで頼りになるのが胡散臭い笑みがトレードマークの成瀬である。狼谷がその三人と塩見の関係が気になっているのを見越して三人に話しかける。

 「君たちは塩見くんの後輩かい?」

成瀬の言葉に一番小さい娘から久美子ちゃん呼ばわりされていた女子生徒は挙動不審になり、その姿に狼谷はちょっと共感する。

 (突然話しかけられるとビビるよね)

しかし、まったく気にしない人間もいる。

 「吹奏楽部の先輩です! 私たちは低音で塩見先輩はサックスでパート違いますけど!!」

短髪でボーイッシュな雰囲気の女子生徒は元気よく答える。

成瀬はうんうんと頷いている。

 「低音パートの一年生ってことは、加藤葉月ちゃん、黄前久美子ちゃん、川島緑輝(サファイア)ちゃんだね」

 「「サファイア?」」

思わず狼谷と夢月の声がはもる。それにサファイアと呼ばれた女子生徒は小さくなりながら手を挙げた。

 「あの~、サファイアというのは緑の名前です。ですが緑と呼んでいただけると嬉しいです」

その言葉に狼谷と夢月はなるほどとうなずく。どうやら自分のキラキラネームが嫌らしい。本人が望むならやることは一つである。

 「よろしくサファイアちゃん」

 「緑の話聞いていましたか!?」

夢月の言葉に愕然とした表情を浮かべるサファイア。爆笑する成瀬。ドン引きしている黄前を見て狼谷は言わなくてよかったと思った。

 「うわ、塩見先輩と全く同じ反応だ」

 「待って、黄前さん。それは酷い侮辱です」

 「彼女は仲野夢月。塩見とは従妹だよ」

 「「「ああ、道理で」」」

 「納得されてしまいました……!!」

納得する後輩組。愕然とする夢月。納得されたことに不服そうな夢月であるが、狼谷からしてみたら羨ましい案件である。

 「それより、先輩達……え~と」

 「ああ、私は成瀬、こっちのイケメン美人が狼谷、こっちの人妻もどきが仲野だよ」

 「成瀬さん、私の紹介おかしくないですか?」

 「たまに塩見くんの家に行って家事しているんだから間違っていないだろう?」

 「狼谷さん!! それは塩見のおじさんとおばさんがいない時に弟や妹達も一緒に行っているだけですから!! 何もありませんから!!」

 「仲野の言うことだ、信じるよ」

問い詰めようとし両肩に置いていた手を放す狼谷。

 「そういえば部活での塩見くんはどうなんだい?」

 (ナイス成瀬!)

前々から部活での塩見を知りたかった狼谷であったが、元来の人見知りでそれもうまくいかなかった。

というか同じ部活のバレー部でもコミュニケーションとるの大変なのに別の部活とか不可能である。

後輩三人組は顔を見合わせるとおずおずと黄前が手を挙げる。

 「はっきり言って大丈夫ですか?」

 「後で塩見くんに怒られないか心配しているんだね? 安心したまえ。密告するようは真似はしないさ」

成瀬の言葉に三人は顔を見合わせると加藤が代表して口を開く。

 「他の男子の先輩と突然『Vamos!』って叫んだと思ったら音楽流して野球拳始めたので頭おかしい人だと思いました」

 「ああ、それだったらこの学校だったら普通だから安心したまえ」

成瀬の言葉にマジ驚愕顔を浮かべる黄前が狼谷には印象的だった。

 「あ、サックスの演奏レベルはすごい高いですよね。緑は初めて聞いた時『一人だけプロがいる』って思いました。って!? え? なんで緑は狼谷先輩に頭を撫でられるんですか!?」

 「ああ、気にしなくていいよ」

塩見を褒める後輩はいい子。狼谷の中でそれは真理である。

加藤、サファイアと発言したので自然と視線が最後の一人である黄前に集まる。少しだけ視線をさまよわせた黄前はおずおずと口を開く。

 「本人にやる気はないですよね。あすか先輩も『塩見はサボりのエキスパート』って言ってました」

 「……まぁ、否定できないよね」

成瀬の言葉に狼谷も頷く。

 「だが、塩見くんがやる気を出すとああなる」

狼谷がそう言ってグラウンドを指さす。

そこには三振ショーを繰り広げる塩見の姿であった。

 「基本能力はすごい高いんだよ。滅多にそれを出さないだけで」

 「才能の無駄遣い……!!」

黄前が思わずこぼした言葉に狼谷は大きく頷くのであった。




塩見くん
基本スペックバカ高い主人公。狼谷さんにかっこいいところを見せようと本気出した。

狼谷さん
塩見くんのことならなんでも知ろうとするヒロイン

成瀬さん
今日も元気に狼谷さんとアシスト

仲野夢月
塩見くんと同じ扱いを受けて屈辱

犬束くん
試合後しばらく手が痛かった

和泉くん
「わぁ、塩見くんすごいなぁ」

式守さん
和泉くんの試合を見れず、試合を見てももらえずガチ凹み。それを塩見くんに煽られてぶちぎれ

加藤葉月、黄前久美子、川島緑輝
塩見くんの吹奏楽部の後輩




そんな感じで原作の球技大会編です。
ストーリーの展開上男子はソフトボールから野球に変更。その結果和泉くんにいいところを見せられなかった式守さんもいますが、仕方ない。
この作品のメインヒロイン狼谷さんだから!!

それとクロス作品が増えました。野球に関するキャラはドカベンという野球漫画のキャラクターです。
ドカベンは野球漫画の最高峰。異論は認める。

そして響け!ユーフォニアムから低音パート三人娘も登場。どうやら吹奏楽部男子’sは塩見菌に侵されている模様。
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