声優は誰!? どこまでやるの!? 狼谷さんは出る!? 円盤も買わなきゃ!!
そんなテンションで書いたので原作ヒロイン(式守さん)もこの作品ヒロイン(狼谷さん)が出てきません
なんでや!!
「おっす、待たせたな和泉」
「あ、塩見くん」
俺が待ち合わせ場所に到着するとほわほわした友人である和泉がすでに待っていた。
「あれ? その手に持ってるのはなに?」
「ああ、父親の店に行って晩飯もらってきた」
「わぁ!! 塩見くんのお父さんの料理できるんだ!!」
「和泉、俺の父親一応個人営業の飲食店やってるから」
俺の言葉に「あ、そうだった」といった表情を浮かべる和泉。だいぶ前に説明した気もするが、たぶん忘れたのだろう。
まぁ、俺も頻繁に父親の職業がなんなのかわからなくなるから理解できる。なんであの人普通にテレビに呼ばれて出てんの? タレントなの?
「犬束は?」
「もうそろそろ……あ、来たよ」
「お~っす」
そこにやってきたのは待ち人たる犬束。
「あん? それなんだ犬束」
「ああ、これバイト先からもらってきた賞味期限がやばいジュース。これだけあれば一晩足りるだろ」
犬束のにかっと笑顔とその言葉に俺はサムズアップ。犬束も笑顔でサムズアップ。
「んじゃ行くかぁ」
そして歩き出す。和泉と犬束も一緒になって歩き始めた。
きっかけは些細な話題だった。昼めしの時に和泉は「今日は式守さん女子会やるんだって」っていうほわほわ発言に俺と犬束が「じゃあ男子会やっか!!」ってノリで急遽決まったのである。
とは言っても俺は部活、犬束もバイトのために和泉は一度帰宅してから合流となった。
「でも急にお家に行って大丈夫?」
「ああ、うちなら大丈夫。母親の友達の飲兵衛お姉さま集団はお店で呑んでいたから家は安全だ」
「違う、和泉が言いたいのはそうじゃない」
なんと。てっきり和泉が心配したのはうちに頻繁に現れる母親の友人である飲兵衛お姉さま集団の「まぁまぁ、高校生になったんだから一杯だけ……そういっぱいだけだから」という面倒な絡みがあるのかと心配したのかと思ったら違ったらしい。
それからしばらくは雑談しながら歩く。頻繁に起こる小さな和泉の不幸で犬束が傷つくのを俺が嘲笑って胸倉のつかみ合いが発生したりするが俺達の中ではいつものことである。
そして家に到着する。
「ただいま~」
「いや、家に誰もいないんだろ? わざわざ言うか?」
「あ、お帰りなさい」
「「え!?」」
和泉と犬束の驚愕の声。まぁ、わかる。俺の会話内容から家には誰もいないと思っていたんだろうな。
しかし、リビングから出てきたのは銀髪のロングヘアーを持った妙齢の美人女性。
「え? え? え?」
「あ~と、塩見、どちらさま?」
混乱している和泉と直球に尋ねてくる犬束。
だが、正直に説明を始めると塩見家のキチガイっぷり(主に叔母)が露呈されるので、対外的に使っている説明をする。
「同居人の双海詩音さん。俺が赤ちゃんの頃からいるからもう一人の母親って感じ」
俺の言葉に微笑んで口を開く詩音母さん。
「周くんと仲良くしてくれてありがとうございます。今日はゆっくりしていってくださいね」
「「あ、はい」」
詩音母さんの言葉に女性耐性が低い和泉と犬束はそれだけで顔を赤くする。
俺? 俺は小さい頃から母さんと詩音母さんを筆頭に無駄に顔だけはいい人たちのおかげで慣れている。
「ところで詩音母さん。締め切りやばいんじゃなかったの?」
「ええ、とてつもなくやばいので私は三上さん家に逃げます。携帯は置いていくので何かあったら唯笑さんの携帯にお願いします」
「はいよ~」
それだけ言うと詩音母さんは急ぎ足で家から出ていく。
和泉は不思議そうに首を傾げ、犬束は半眼で俺を見てくる。
「詩音母さんは小説家でな。結構売れっ子作家でしょっちゅう締め切りがやばくなるから頻繁に逃げ回るんだ」
俺が詩音母さんの筆名を言うと、和泉が驚いた表情を浮かべた。
「わぁ!! 僕が好きな作家さんだったんだ!!」
「それ聞いたら詩音母さんも喜ぶよ」
「その本人は新作の締め切りから逃げたようだが?」
「担当さんも慣れてるから駅で捕獲されるかもなぁ。まぁ、上がれ」
そう言いながら俺は二人を先に部屋に行かせる。俺はリビングでコップと食べ物をつまむ箸をとってから自分の部屋に上がる。その時にリビングに置き去りにされた詩音母さんのスマホが鬼のように震えていたのは見なかったことにする。
そして部屋に入って手慣れた様子で準備していた和泉と犬束の小机に料理とコップを置く。するとそこに犬束が持ってきたジュースが注がれ、三人でコップを掲げる。
「「「かんぱ~い」」」
そして始まる晩飯。和泉の食は細いが、俺と犬束は食べ盛りの高校生。みるみるうちに持ってきた料理が俺達の胃の中に入っていく。
「ほんと、塩見の親父さんの料理旨いよな。店にはいきたくねぇけど」
「? どうして?」
犬束の言葉に和泉がもきゅもきゅ食べながら尋ねる。俺はその姿を写真にとって式守に煽りlineをいれながら説明する。
「父親の店は俺が生まれる前から母親の友人の飲兵衛お姉さま集団の行きつけでな。俺や関係者がいくともれなく酒を飲まされる。ビールは最低5杯から、アルコール度数10℃を超えるものは2杯飲み切るまで逃がしてくれない」
「……僕たち未成年だよ?」
「残念ながらあの人達にそんな当然の現実は通用しない。ちなみに犬束は日本酒呑まされてダウン。飲兵衛お姉さまたちの玩具にされた」
「わぁ!! 犬束くんが女装してる!!」
「塩見ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
たぶん犬束的に忘れたい過去かもしれないが、あのお姉さま集団に気に入られたのが運の尽きだと思ったほうがいい。たぶんバイト先バレたら揶揄いに行く人ばっかりだから。
「んじゃ、食べるのも一段落したし、何かゲームでもやるか?」
「お、いいな」
「何やろうか」
俺の言葉に乗り気になる犬束と和泉。それに対して俺は笑顔で告げる。
「桃鉄とドカポン、どっちがいい?」
「なんでお前は笑顔で友情破壊ゲームを勧められんの?」
「何を言う、大人数集まった時の定番ゲームだろう」
「いや、それは否定しないけど、最下位が決まっているもんだろ」
「は? なんで?」
俺の言葉に犬束は黙って和泉を指さす。
「……すまん、和泉」
「いや!! 大丈夫だよ!! 流石の僕でもゲームくらいは不幸にならないよ!! ……たぶん」
「本人が断定できないのが悲しいよな」
「それな」
和泉の言葉に犬束が呟くのと俺が頷くのであった。
気を取り直して犬束がゲーム類が放り込んである棚をガサガサ漁る。
「しかし、塩見の家のゲーム機類すげぇな。見たことないのもある。これはなんだ?」
「ファミコン」
「塩見くん、これは?」
「メガドラ」
「……犬束くんはわかる?」
「さっぱりだ。八満だったらわかるのかもなぁ」
犬束はそう言うが、たぶん八満もわからないと思う。なにせ俺達が生まれる前のゲーム機だから。
「あ、だったらポケモンやるか。一番最初のジム突破までのタイムアタックで」
「お、楽しそうなぁ」
「それならできそう」
「よっしゃ、じゃあこれな」
「「待って」」
俺が手渡したものに速攻で物言いをつけてくる二人。
「どうかしたか?」
「いや、この弁当箱みたいなサイズのこれはなに?」
「なにって言われても初代のゲームボーイだが?」
「うお、マジかよ……初めてみた」
「本当にあるんだね……」
犬束と和泉が歴史的遺物を見たようなことを言っているが、塩見家ではバリバリ現役だし、頻繁に父親と叔母が遊んでいるのも見かける。
「で、これがソフト。俺が緑、犬束が赤、和泉が青でいいだろ」
「ポケモンまで初代かよ……」
「流石にソフトの電池切れててセーブはできないからもっぱらタイムアタックで遊ぶようだけどな」
発売から何十年もたっているのでセーブ機能は死んでいるのである。
「うわぁ……絵がギザギザ……」
「ドットも酷いな」
「これが昔のゲームだ」
二人の呟きに俺が突っ込む。
「あ、やっぱり最初は三匹から一匹選ぶんだ。僕、ゲームってあまりやらないからわからないんだけど、初心者は選ばないほうがいいポケモンとかいる?」
「初心者で最初のニビジムまでだからな。ヒトカゲが一番おすすめだな」
「あ、じゃあ僕はヒトカゲでやろうっと」
和泉の反応に邪悪な笑みを浮かべる俺。それを胡散臭く思ったのか犬束はスマホで攻略情報を調べてから俺を半眼でみてきた。
「塩見、お前ってやつは」
「勝負の時にライバルに助言を求めちゃダメだよな」
「?」
ちなみに俺と犬束はゼニガメを選んだ。
結果はどうなったか?
「ヒトカゲもポッポもビードルもコラッタも勝てない……」
「割とヒトカゲを選んだ時点でニビジムは詰む。レベルを上げてきりさくを覚えさせなきゃ勝負にもならんよ」
「で、でも最初のジムで苦労したんだから次のジムは楽だったり……?」
「残念……次のハナダジムは水タイプ……!!」
「ヒトカゲが何をしたっていうんだ!!」
和泉の嘆き節である。そうこう言っても和泉は初代ポケモンにはまったのかニビ以降もぴこぴこやり始めた。
「あ、塩見ってファイアーエムブレムって持ってるか?」
「ああ、一応シリーズはほとんどやってる」
犬束の問いに俺が答える。
「バイト先の人に勧められてさ、素人でもやれる奴やらしてくんね?」
なるほどなるほど。素人でもやれるファイアーエムブレムね。
「トラキア776だな」
塩見くん
犬束くんのトラキアプレイを見て愉悦
和泉くん
初代ポケモンにはまって塩見くんから本体とソフトを借りた
犬束くん
クリアした後にトラキアがシリーズ屈指の難易度であることを知って半ギレ
式守さん
女子会の最中に塩見くんから定期的に和泉くんの写真が送られてきて悶えた
詩音母さん
駅にて担当編集に捕獲された
祝!!式守さんアニメ化決定!!
めでたい気持ちを込めて書き上げました!! きっとアニメ放送後は二次創作もぶわぁぁぁっと増えるって期待してます!!
原作で女子会の最中に塩見くん達仲良し男子組は男子会を開催。男子会=ゲーム大会になるのは当然だと思ってます。そして素人相手に平然と外道行為をする塩見くん。
FE素人にトラキアやらせるとか鬼畜の所業。
ちなみに和泉くんがヒトカゲなのは「なんか和泉くんはリザードンが似合う。イケメンリザードンが和泉くんを守って欲しい」と思ったため。
そして作中に出てくる双海詩音はメモリーズオフというゲームのヒロインです。作者が書いている俺が美優にプロポーズするまで(塩見くんの両親の話)でも出てきます。