そして狼谷さんも不在です!!(半ギレ
昼休み、いつものメンバーで夏休みに遊びにいくところを相談するために校舎の屋上に向かったところ、俺と式守で飲み物を買いにいくことになった。
そうなるとどうなるか?
「ふふふ、塩見風情が私に和泉さんのことで勝とうだなんて千年早いんですけど」
「は? 俺と和泉と犬束の友情を甘くみるなよ? 俺達三人の友情には桃園ブラザーズも白旗あげるから」
そう言いあってでこをぶつけあいながら階段を昇る俺と式守。
最初は他愛もない会話だった。いつメンの飲み物を購入していて和泉の飲み物で俺と式守の意見が別れたのだ。
清涼飲料水と言い張る式守。
このクソ暑い時期は炭酸だと言い張る俺。
そして両方買った俺達は和泉に選ばせることにしたのだ。
でこをぶつけあいながら階段を昇る俺達をみてドン引きしていたユーフォの黄前がいた気もするが、ドン引きされるのはいつものことなのでスルー安定である。
そして屋上のドアを開ける俺と式守。
「お待たせ」
「飲み物買ってきたぞぉ」
「お~う」
「あ、ありがとう」
「ありがと、みっちょん」
「ご苦労さん」
やっていたバスケを止める犬束と猫崎、八満の日傘にいれてもらいながらお礼を言ってくる和泉、そしてどこから上から目線の八満。
「猫埼はポカリで八満はコーラだったよね」
「ありがと~」
「暑い日はこれだよ」
式守から受け取った飲み物を開けて飲み始める猫崎と八満。
「塩見、俺と和泉の分は?」
「おお、犬束はこれな。『あったか~いコーンポタージュ』」
「暑い日にあったかいものとかお前頭おかしいんじゃねぇの?」
そう言いながらも受け取って律儀に飲み始めるあたりに犬束のいい人レベルが高いことをうかがえる。
「え、と。塩見くん。ぼくの分は?」
和泉の言葉に俺は視線だけで式守を会話する。
『敗ける準備はいいか?』
『は? そっちこそ敗けた時の言い訳を考えておくのよ』
そしていつもの表情を変えずに俺は和泉に問いかける。
「実は和泉が何飲みたいか聞くの忘れてさ」
「言ったはずの俺が暖かいコーンポタージュだったんだが」
犬束の突っ込みはスルー。
「とりあえず清涼飲料水と三ツ矢サイダー買ってきたからどっちがいい? 余ったほうは俺が飲むから気にしなくていいぞ」
「あ、そっか。言ってなかったね。でもボクが選んでいいの?」
「俺が先に選んだ場合お前の彼女である式守から折檻される」
会話の内容はとても酷いものであったが、『和泉の彼女である式守』という単語に照れている和泉は気にしなかった。
ひとしきり照れた後に和泉は口を開く。
「じゃあサイダーで」
その言葉に崩れ落ちる式守と完全勝利のポーズを決める俺。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!! 和泉はやっぱり炭酸でしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!! 恋人の欲しい飲み物もわからない酷い彼女はどこのどいつですかねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!??!!!?!?!?!? 未だに告白できていない告白童貞が何言ってるんですかぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
「え? え? え?」
「いつもの煽り合いだろ。放っておけよ」
突如始まった俺と式守の煽り合いに狼狽する和泉。そしていつものことだから放っておけと言いながら缶に入っているコーンと格闘している犬束。
とりあえず一回落ち着くと屋上会議の開始である。
「でもなかなか思うように休み被んねぇな」
「犬がバイトいれすぎなんだよ」
「束をつけろ!!」
「塩見は合宿があるんだっけ?」
「なんか関東大会に進んじゃってなぁ。超迷惑」
「いいことなんじゃないの?」
「ダメですよ和泉さん。こいつ人間性ゴミクズですから」
「それと同レベルの煽り合いをする式守さんも人間性クソなんじゃないですかぁぁぁぁ!!!!」
そして再び始まる俺と式守の煽り合い。和泉はおろおろしているが犬束達は慣れているのでスルーである。
「はい!! あたし海行きたい!!」
「お、いいなぁ」
猫崎の言葉に頷く犬束の同意の言葉。
「ちなみに塩見、お前は何か海で面白いネタねぇの?」
「親父の友人に連れられて揚陸艇で外国に不法潜入した話するか?」
「お前の人生どうなってんの?」
八満の言葉に即座に返したら犬束に半目で突っ込まれた。そういわれても俺が困る。何せ塩見家と仲野家、そして塩見三兄妹最後の一人である貴音叔母さんの四条家は世界各国のやばい組織から目をつけられているのだから硝煙の香りがする世界に連れていかれたのも一回や二回じゃない。
とりあえず深く突っ込んだらやばいことに気づいた犬束は話を変える。
「川のほうがよくね? 和泉は涼しいとこのほうが楽しいだろ。川でも泳げるし」
「あ~! 川もあり!!」
犬束と猫崎の言葉に焦ったのは和泉だ。
「ま、待って! 海に行きたいなら変に気遣わないで……」
「気なんか使うかよ」
焦った和泉の言葉を犬束は一刀両断。そして平然とした表情で言葉を続ける。
「みんなで楽しめるトコ行ったほうが楽しいから話し合ってんだろ」
「そ~だ、そ~だ」
これをマジで言えちゃう犬束と猫崎は本当にいい奴。俺は和泉の肩を軽く叩く。
「で、和泉はどこかいい?」
「ぼ、ぼくは……ぼくも川が……いいな」
「おっしゃ、川決定!! どこいく? アマゾンとか黄河攻めちゃう!?」
「塩見家的川は選択肢に入らないわよ塩見!!」
「というか塩見家的に川はアマゾンとか黄河になるのかよ」
「深堀すると怖い内容でてきそうだよねぇ」
式守の突っ込みに八満と猫崎がぼやく。
そして思い出したように猫崎は手を叩いた。
「そうだ!! 狼谷達も誘っていい?」
「猫崎ぃぃぃぃいぃぃ!!!!」
「え? ダメだった!?」
「ガム食うか?」
「いらない」
「あ、俺もらうわ」
「じゃあボクも」
猫崎のナイスすぎる提案にガムをプレゼントしようとしたが、即座に拒否されると男子組が持っていった。
そして猫崎は何か思い出すかのように口を開く。
「そういえば吹部って今年合宿やるんだって?」
「うん? ああ。なんかみんなやる気で超迷惑。俺はバックレるつもりだけど」
「クズの所業」
俺の発言に速攻で突っ込みをいれた式守と罵り合いをする。すると猫崎はつまんなそうに口を開いた。
「え~、塩見もでなよ。塩見いたらバレー部と吹部の合同合宿楽しそうじゃん」
「ちょっと待て猫崎」
「え?」
式守との罵り合いを即座にとりやめて猫崎の両肩を掴む俺。
「バレー部との合同合宿と申したか?」
「え、うん」
「ちょ、ちょっと待てよ……バレー部と合同合宿ってことは当然のように狼谷さんがいるだろうしなんだったら一緒に晩御飯食べたりお風呂上がりに火照った身体の狼谷さんがみれたりもしかしたら夜風にあたりながら月の下で会話するだなんて素敵イベントが発生する「落ち着きなさい塩見!!」眼がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
俺の妄想がやばい方向になっていくのを止めるために式守によって目つぶし(炭酸)によって俺はモップになるのであった。
「でも猫崎。なんで急にバレー部と吹部が合同合宿やることになったんだ?」
「なんか向こうの副部長が『サボり魔を確実に出席させるため』とか言ってた」
「塩見の生体が見透かされているな」
「ね」
「? なんでバレー部と合同だったら塩見は絶対にでるんだ? 和泉はわかるか?」
「ううん。でもあれじゃないかな。人数が増えたら楽しいからじゃ」
「お、なるほど」
「「マジかよこいつら」」
塩見周
合宿はばっくれ予定だったがバレー部と合同=狼谷さんもいるのを知って参加決定
狼谷さん
今回は不在
式守さん
和泉くんの欲しがる飲み物予想で塩見くんに敗北
和泉くん
とってもイイ子
犬束くん
今回は不幸指数低めのいいこという奴
猫崎さん
超絶体育会系だが塩見くんの狼谷さんの思いには気づいている。しかし狼谷さんの気持ちには気づいていない
スライム(八満)
塩見くんの思いにも狼谷さんの気持ちにも気づいているけど手助けする気ゼロ子ちゃん
そんな感じで久しぶりの更新です。
今回は夏休みに入る前の屋上での会議回。そして色々やばい情報がにじみ出てくる塩見家情報。いやぁ!! 犬束くんはいい奴ですねぇ!!(すっとぼけ
そしてオリジナル回である合宿編の予兆をいれておきます。