でも作者は狼谷さんが大好きでこの作品を書き始めたんです。信じてください
さて、テスト前になって部活も中止状態になった時、多くの学生は何をするか。部活中止を機会に遊びに行ってテストの点数を生贄に捧げる学生もいるだろう。俺や犬束も普段の行いを見ていればテストなど放り投げて遊びに行ってるように思われるが、実際のところは違う。
「あぁ!! もう勉強やだぁ!!」
「犬束、何分持ったよ」
「すげぇぞ、3分だ」
猫崎の叫びに俺と犬束は突っ込む。さて、いつも連んでいる面々の中で和泉と式守は当然のようにテストの点数がいい。というか学年トップクラスだ。
そして意外かもしれないが次に点数がいいのが遊ぶの大好き犬束である。犬束の奴遊ぶの大好きなくせにサボりは嫌いというよくわからない性格である。
そして猫崎と八満は赤点スレスレ。ちなみに俺は平均点くらいである。
「勉強やだぁ、つまらなぁい。遊びたぁい」
机に突っ伏しながら嘆く猫崎。それに犬束は呆れたようにため息を吐いた。
「勉強教えてくれって言ったの猫崎達だろ」
「その代わりにジュース飲み放題を奢ってやってるだろ」
「ファミレスの飲み放題って不味いよな」
「わかる」
八満の言葉に俺と犬束は飲み放題から持ってきたジュースを飲みながら会話する。
俺達が勉強しているのは学生の味方ファミレスである。
「つうか勉強見て欲しいって頼むんだったら式守に頼めばいいんじゃねぇの」
犬束の最もな言葉である。だが、それはできない。
「犬束、式守の奴は愛しの和泉とお勉強タイムだ」
「Oh……」
「そんなみっちょんの幸せタイムを邪魔したら……」
「生きていられたらいいよな」
俺の言葉に犬束は外国人みたいな反応をし、猫崎は机に突っ伏しながらガタガタ震え、八満も無表情にガタガタ震えていた。
まぁ、式守が友人である犬束達に何かをするとは思えないけどな。
え? 俺に対して? 容赦のない制裁が待っているよ。
「でもさぁ、犬が成績優秀って納得いかないんだけど」
「束をつけろ」
「キャラに合ってないよな」
「猫崎も八満も教えてもらう立場だって理解してるか?」
猫崎と八満が犬束弄りを始めたので、俺は呆れながらジュースに口をつけながらお店の入り口を見る
ちょうど入店しようとしている狼谷さんと成瀬さんがいた。
(ゴボッファァ!!!)
「うぉ!?」
「八満!?」
俺の吹き出したジュースは正面に座っていた八満に直撃した。焦った様子で備え付けの紙ナプキンをとる犬束、ハンカチを取り出す猫崎。
それを受け取って無表情に顔を拭きながら八満は口を開いた。
「ここが現実で良かったな。同人誌の世界だったら塩見はケツの穴が掘られてるところだ」
「八満、何言ってんの!?」
「マジかよ、相手役誰だよ」
「犬か和泉」
「なんかよくわからないうちに流れ弾をもらったんだが」
八満の言葉にさらにカオスになる俺達の机。店員さんから受け取った布巾で八満を拭いたり机を拭いたりしたりすると、笑いながら狼谷さんと成瀬さんがやってきた。
「や、塩見君達も勉強会?」
「正確に言えばそこのバカ二人の勉強会」
「言われてるよ八満、塩見」
「猫崎と塩見だろ」
「お前らだよ」
「「そんなバカな」」
そこで『なんてこった表情』をできるお前らの神経が不思議だよ。
「私達も一緒にやっていい?」
成瀬さんの言葉に俺は電流走る……!! これはひょっとして狼谷さんが隣に座ってくれるパターンじゃないか!!
俺の全神経が狼谷さんの動きに集中する。猫崎や犬束が何やら会話をしているようだが俺の耳に入らない。
そして狼谷さんが動き出す……!!
(キタ!!)
その動きは俺の隣に座る動きであった。
「え〜と、塩見くん、隣に失礼させてもらっていいかい?」
「はい!! 一万円でいいですか!!」
「え?」
とりあえず自分の頬を思いっきり殴っておく。
「全然座ってくれていいです。狭かったら犬束を床に座らせますよ!!」
「おい」
文句を言おうとした犬束には思いっきり肘鉄を入れて黙らせておく。
「どうぞ」
「え〜と、うん。お邪魔するよ」
そういって俺の隣に狼谷さんが座ってくる。
もはや俺の内心でスーパーフィーバータイムである。スマホを取り出して机の下で式守に『俺の隣に狼谷さんが座ってる。勝ったな、風呂入ってくる』と送っておく。
お〜、お〜、隣の狼谷さんからとてもいい匂いがしてくる。
「え、と。塩見くん?」
「はい!! いくら払えば延長してもらえますか!!」
「え?」
とりあえず自分の頬を思いっきりぶん殴っておく。成瀬さんは爆笑しているし、犬束達の冷たい視線が痛い。
「それでなんでしょう?」
「いや、和泉くん達は一緒じゃないのかと思ってね」
そして熱暴走していた俺の頭は一気に冷却された。
そっすよねぇ、俺達のところに来たのは和泉がいるからかもしれないからですよねぇ。
とりあえず和泉に『モゲロ』とLINEを飛ばしておき、狼谷さんの方を見る。
超絶美人さんが俺の視界一杯に広がった。
顔が真っ赤になるのを自覚する。言葉を出そうとしても言葉にならずに口をパクパクさせてしまう。
そして不思議そうに首を傾げた。
「なんだい?」
「落ち着け犬束ぁぁぁぁ!!!!」
「イッテェェェェェェェ!!!!」
とりあえず破壊力抜群だったので犬束を思いっきり殴っておく。
「何しやがる!?」
「お!? オコですか!? オコですか!? 甘いですねぇ!! 私は激オコインフェルノプンプンドリームですよ!?」
「「落ち着け」」
胸ぐらの掴み合いに発展した俺と犬束だったが、猫崎と八満に水をぶっかけられて物理的に冷やされる。
布巾を持ってきた店員さんの目が怖くなってきたので大人しく席に着く。
「あ〜、と。何の話だったっけ?」
「はぁぁぁぁぁぁ!? 犬束お前!! 狼谷さんの質問忘れるとか痴呆ですかぁぁぁぁぁぁ!?」
「うぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
俺の軽い煽りにぶちギレる犬束。即座に乱闘が開始されそうになるが、店員さんが投げてきたメニューが壁に刺さったのを見て大人しく席に座る。
そんな俺と犬束のやりとりを見て狼谷さんは笑っている。
「仲がいいんだね」
「そういやなんで俺と塩見って仲良くなったんだ?」
「あれだろ。和泉の不幸繋がり」
「「「あ〜」」」
クラスでも和泉の不幸処理は何故か俺と犬束である。そのせいで式守が犬束に対して強いライバル心を抱いているのは完全に余談である。
それからは特に変化なく勉強を始める。成瀬さんは学年トップ。狼谷さんも普通に優秀なので俺と犬束も教わる立場になっている。
「あ、そうだ」
そして成瀬さんが何かいいことを思いついた表情になった。
「せっかくだからみんなの連絡先を交換しようよ」
what!? MAZIDE!! みんなってことは狼谷さんとも連絡先交換できんの!?
成瀬さんはこっちの反応なんか無視するように全員と連絡先を交換していく。その流れで狼谷さんも交換を始める。
そして狼谷さんが俺の方を見た。顔を赤くしている。
「え、と? 交換してもいいかい?」
「はい!! 優しくお願いします!!」
「え?」
とりあえず余計なことを言った自分を思いっきり殴っておいた。
狼谷は自分の部屋でベッドに倒れこむ。握りしめているのは塩見の連絡先が入ったスマホ。
(まさか彼と連絡先を交換できるなんて……)
思わず顔がにやけてしまう。発端を作った成瀬にご飯を奢ることになったが、塩見の連絡先が手に入るなら安いものだ。
とりあえず日課である部屋に貼ってあるポスター(塩見くん渾身のキメ顔ポスター)を拝みつつ、塩見の連絡先を見る。
自然とにへらと笑みが溢れた。
(え? これってもういつ連絡してもいいんだよね? だって連絡していいから連絡先を交換したわけだし間違ってテレビ電話機能とか使って彼の顔を見てしまったり……)
狼谷は一人でテンション上がってベッドで足をバタバタさせる。
その瞬間にスマホに通知が来た。差出人を見て狼谷は急いで起き上がる。
塩見から『今日はありがとうございました。また機会があったら一緒にやりましょう』と来ていた。
なんかおまけで連絡先を交換した面々からも似たような連絡が来ている気がしたが、狼谷はそれを無視して塩見からの連絡を削除しないように保護し、勉強机に座る。
用意するものはシャーペンとノート。
「返信を考えないと……!!」
塩見くん
既読無視されたと思ってどん凹みしていたらすごい丁寧な文章が送られてきてテンションアップ
狼谷さん
文章作るのに二時間かかった
犬束くん
貧乏籤が多い
猫崎さん
あんまり勉強教わっていないことに気づいて焦る
八満さん
「塩見と狼谷ってまさか……」ニュータイプばりの第六感
成瀬さん
狼谷さんに対して完璧なアシスト
そんな感じで更新です。着実にキャラが崩壊していく狼谷さん。でもこんな狼谷さんも可愛いと思うんだ。というか狼谷さん可愛いんだ。
一応、この作品は原作に沿って進んでいっています。今後も特殊イベントが入らなければ原作沿いで進んで行きます。どっちかって言うと原作のサイドストーリーですかね
ところで可愛いだけじゃない式守さんの二次創作が増えないのは何かのバグですか?