綺麗な君に恋をした   作:(TADA)

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豆まきに見えないかもしれませんが豆まきです


豆まき

 「お、塩見。ちょうどいいとこに来たな」

放課後、俺が用事を済ませて教室に戻ると、犬束が声をかけてきた。

 「話の内容はお前が持ってるアサルトライフルと関係ある?」

 「あるな」

そして犬束や数人のクラスメイトが持っているのは何故かアサルトライフルであった。

 「博士がモデルガン改造してくれてさ、BB弾の代わりに大豆を撃てるようにしてくれたんだよ」

博士というのはクラスメイトの渾名である。日夜怪しい開発物を作ってはクラスメイトで実験するクソ野郎だが、たまにこうして男の子の心をくすぐるナイスなオモチャを作ってくれることがある。

 「モデルガンの改造はわかるけど、何故に大豆?」

 「今日は節分だぞ?」

犬束の言葉に俺は少し考え込む。

 「……まさか豆まきのつもりか?」

俺の言葉に犬束はいい笑顔を浮かべた。俺は渡されたアサルトライフルを弄りながら口を開く。

 「豆まきのためにわざわざモデルガン改造するとかバカだろ」

 「なんだよ。やらないのか?」

 「やるに決まっているだろ……!」

俺と犬束は固く握手する。残念ながら男子高校生なんてバカばっかりである。

 「ルールはどうすんだ?」

 「学校全体でフラッグ戦か殲滅戦がいいって話をしていたんだけどよ、どっちがいいと思う?」

 「殲滅戦じゃね? フラッグ戦だとあっというまに終わって白けるかもしれないし」

俺はそう言いながら教室の後方の入り口に向かって銃口を向け、トリガーを引く。

 「うわ!」

そして流石は不幸に愛された男・和泉。タイミングばっちりで教室に入ってくる。だが、俺が撃った弾丸は和泉専用SP式守によってきっちり防がれた。

驚いた様子でこっちにやってくる和泉。

 「びっくりした。何やってるの?」

 「これから豆まきしようと思ってな」

 「……銃を使って?」

 「博士が改造してくれてな」

 「先生達に怒られるよ?」

 「俺達が怒られるなんて今更だろ」

和泉と犬束が会話をしている横で俺は式守に締め上げられていた。

 「和泉さんを撃つなんてどういうつもり?」

 「完全に事故なんだ」

 「それで許されると思う?」

殺されそうなので和泉の寝顔写真(盗撮)を見せて許してもらう。

 「和泉もやるか?」

 「うん、やろうかな」

 「流石、顔に似合わずノリがいい!」

犬束の言葉に和泉がホワホワした笑顔のまま承諾する。相変わらず見た目と中身が伴わない奴である。

 「塩見」

 「こちら式守様のアサルトライフルでございます」

式守の言葉に速攻でアサルトライフルを献上する。その行動に犬束を筆頭にしたクラスメイト達から『何やってやがる!?』表情を向けられるが知ったことではない。死なばもろともである。

渡されてアサルトライフルを首を傾げながらかちゃかちゃと弄りながら和泉は口を開く。

 「ルールはどうするの?」

 「塩見と話していて、殲滅戦でやるかって話になってる」

犬束の言葉に和泉はホワホワ笑顔で続ける。

 「楽しそうだね」

 「だろ? んじゃあそろそろやるか」

犬束の言葉に参加者全員でチーム分けする。

そして当然のように和泉の不幸が発動する。

和泉:グー

和泉以外:パー

 「じゃあ和泉一人な」

 「えぇ!」

犬束の容赦のないチーム分けに和泉が驚愕の声をあげる。

 「それじゃあ私が和泉さんのチームに入りますね」

そして当然のように式守が和泉のチームに入る。

 「じゃあ今から10分後に開始な!」

犬束を見る式守の目が完全に狩人になっているのを尻目に俺は宣言する。

 「塩見」

 「頑張れ」

 「助けてくれ」

 「超頑張れ」

犬束の言葉を俺は冷静に切り捨てるのであった。

 

 

 

 

 「危ないところだった……」

開始早々に3killかましてきた式守は犬束に押し付けて俺は逃亡に成功した(ちなみに和泉は開始早々にアサルトライフルが暴発していた

 「塩見くん?」

突然呼ばれたことに驚いてついアサルトライフルを向けてしまう。振り向いた先には驚いた表情の狼谷さんがいた。

そして狼谷さんに銃口を向けたという事実に俺はジャンピング土下座する。

 「塩見くん!?」

 「申し訳ございませんでしたぁ!」

 「いや! 私は気にしていないから顔を上げて!」

 「マジですいませんでしたぁ!」

 「本当に気にしていないから立ち上がって! 額を何度も廊下に叩きつけないでいいから!」

狼谷さんという女神に銃口を向けた罪……! 10000万回死んでも償いきれない……!

 「とりあえず顔を上げてくれるかい」

狼谷さんの言葉に俺は顔を上げる。すると狼谷さんの白いパンツが見えてしまった。

 「塩見くん!?」

なんていうか見てしまった罪悪感と見えた嬉しさで内心が滅茶苦茶になってしまったせいで再び額を床に叩きつけてしまう。

 「私は気にしていないから立ってくれないか?」

狼谷さんに促されて俺は立ち上がった。そして見てしまった。

廊下の角からこちらに向けてアサルトライフルを構えている式守の姿があった。

 「狼谷さん!」

 「なぁ!?」

俺が狼谷さんを抱きしめながら転がると同時に立っていた場所に大量の大豆が撃ち込まれてくる。俺は片手で狼谷さんを抱きしめながら片手で式守に向かって反撃する。

すると式守は即座に身を翻して逃亡を始めた。

 「し・き・も・りぃぃぃぃぃ!!!!!!」

俺だけが狙われたなら気にしない。だが、ここには狼谷さんもいた。

その罪万死に値する!!

 「ごめん狼谷さん! あとで謝るから!」

それだけ言い残して俺は駆け出す。

俺は顔を真っ赤にして凍っている狼谷さんに気づかないのであった。

 

 

 

 

狼谷は塩見が走り去ってからゆっくりと立ち上がる。顔が火照っていて落ち着かない。

狼谷は塩見に抱きしめられた場所を触る。

 (私は何をされた? 塩見くんに抱きしめられた? 本当に抱きしめられた? しかも助けてくれた? 塩見くんは私を抱きしめてくれて、私はそれを拒否しなかった)

 「それはもうセッ◯スなのでは……?」

 「狼谷、何があったか知らないけど言っておくよ。それはない」

 「成瀬」

いつの間にかやってきていたのは狼谷の友人である成瀬であった。

 「何があったんだい?」

 「ちょっとね」

 「愛しの塩見くんに抱きしめられたことが『ちょっと』なのかい?」

 「知っているんじゃないか……!」

相変わらずどこまで何を知っているかわからない友人である。

 「ちなみにこんな写真があるんだけど」

そう言って見せられたのは『狼谷を抱きしめながら真剣な表情でアサルトライフルを構えている塩見』の写真であった。

それを見て狼谷に電流走る……!!

 「いくらだい?」

 「樋口一葉一枚でどうだい?」

 「高い! 野口英世一枚にしてくれ!」

 「君にとってこの写真の価値はそれだけなのかい?」

 「ク!」

結果的に紫式部一枚で狼谷のスマホに写真が送られることになった。

狼谷は内心でテンション上がりながらスマホを仕舞う。

 「そういえば塩見くん達は何をしていたんだろう?」

 「ああ、豆まきらしいよ」

 「……アサルトライフル持って?」

 「アサルトライフル持って」

狼谷は内心で『相変わらずこの学校は頭がおかしい人が多いな』と思う。

 『式守ぃぃぃぃぃぃ!!!!』

 『塩見ぃぃぃぃぃぃぃ!!!! あなた和泉さんを撃ったわねぇぇぇ!!!』

そして遠くから幼馴染同士の『貴様が憎い!』と言った叫びが聞こえてくる。

 「……塩見くんと式守さんは仲が良いね」

どこか憎しみが篭った狼谷の声。

 (やっぱり私じゃ彼女に敵わないのかな)

そんな狼谷を成瀬は呆れたように見ているのであった。

 




狼谷さん
通りかかったらまさかのラッキータイム。そして二人のイチャイチャ(狼谷さん視点)を見せつけられて軽く病む

成瀬さん
塩見くんと狼谷さん双方の気持ちを知っているから呆れ顔。なお、真実を告げる気はない

塩見くん&式守さん
「「貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」

和泉くん
式守さんに守られていたが襲撃してきた塩見くんに撃たれた

犬束くん
狩りのように式守さんに追い詰められ射殺された。

豆まき参加者全員
試合後職員室前の廊下に正座させられた



お久しぶりに更新です。しばらく公募用ライトノベルを書いていたので二次創作自体を書いていませんでした。向こうが書き終わったのでまた書き始めるかもしれません

というか可愛いだけじゃない式守さんの二次創作増えないってどういうことですか!!
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