頑張っていきます!
光がコスモスと出会ってから3年が経った。
ウルトラマンと同化した事もあり、光の身体能力は人間としてはありえない速度で向上していた。
勿論同化した事だけが理由では無い。
一つは光本人が手にした力をしっかり使いこなせるように日々鍛錬を怠らなかった事。
これには、この地球に来ていたとあるウルトラマン達が稽古をつけてくれる事も関与している。
もう一つはこの三年間でよく分からない怪物に襲われることが多く、それらとの戦闘を通じて戦いを学んだ事だろう。
コスモス曰く「力に惹かれて襲ってきている」らしい。
その甲斐もあり、今の光はコスモスに変身せずに力の一部を見に纏う術まで掴んでいた。
が、基本は16歳の高校2年生だ。
普段は学校に通い、ありふれた青春を満喫しているのである。
今も親友である
「あー…おっぱい揉みてぇ…」
一誠のアホな発言が澄んだ青空に吸い込まれていく。
「まーたそんなこと言って…そんなんだから女子に嫌われんだぞー。」
「うるせぇ‼︎モテ男のお前になにがわかるんじゃい‼︎」
「「そうだそうだ!」」
やれやれと光は頭を掻きながら3バカトリオの怒号(と言ってもジョークレベルのやつ)を聞き流す。
火達が通うこの学校、駒王学園は少し前まで女子校だった。
それ故に共学になった現在も、比率でいえば女子の方が多く在籍している。
光としては家から近いことなどもあり選んだ学校だが…
「ちくしょう…この学校に入れば数少ねぇ男子としてモッテモテのスクールライフのはずだったのによぉ〜」
…とまあ、一誠的にはこんな理由だったらしい。
なんともアホくさい理由だが、その思い一つでそこそこ難関である駒王学園に入学したんだから侮れない。エロスは偉大らしい。
「イッセー達はさぁ、もうちょいエロトークとか控えれば多少モテると思うよ?性格はいいんだしさ。」
「「「断る‼︎」」」
「ここまで来ると尊敬の域だね…」
(思春期の地球人とは…理解し難いものだな…)
光(と中にいるコスモス)も呆れてものも言えないらしい。
「さて…と。」
「んぉ、おい松田、どこ行くんだよ?」
急に立ち上がった松田に一誠が尋ねる。
「…ぬふぅ」
こちらに振り向くと、松田はフニャけたニヤつきとともにサムズアップを向けた。
「うぉぉぉ…ここは天国かよぉ…」
「すげぇっしょ!今朝たまたま見つけちまってよぉ〜」
松田と元浜は現在、体育館裏の壁に開いていた小さな穴から女子剣道部の更衣室を覗いている。
1人だけお預けを食らっている一誠を横目に、光は少し離れたところから3人を眺める。
勿論覗き待ちとかではなく、3人が暴走し始めたら止めるために付いてきているのだ。
(平和だなぁ…)
そんな事を思いながら少し視線を外した間に、女子部員達が一誠を鬼の形相で取り囲んでいる。
どうやら覗きがバレたらしく、2人に置いていかれてしまったらしい。
(…平和だね、コスモス。)
(…そうだな。)
ぎゃぁぁぁぁ⁉︎っと言う一誠の悲鳴を聞きながら、光とコスモスはその様をただ見つめていた。
「ちくしょう…ボコられるにしてもせめて少しだけ覗きたかった…」
「どんまいイッセー。」
夕陽に照らされながら、一誠は殴られた頬をさする。
なんて事ないいつもの帰り道…だと思っていた。
「あ…あのっ!」
「「ん?」」
歩道橋を歩いていると、いきなり後ろから呼び止められた。
振り返ると長い黒髪の少女が息を切らして立っていた。
「ひ…兵藤 一誠君ですよね…?」
「えっ、俺?」
いよいよ他校(制服違うしそうだろう)の女子にまでなんかしたのかと思ったが、頬を紅く染め瞳を潤ませる少女を見て、光は何かを察した。
「イッセー、俺先に行くわ。んじゃ!」
「えっ…お、おい!」
ポンっと肩を叩いてから光はその場を後にする。
数秒後、背後とんでもない声量の一誠の叫び声が聞こえてきた。
ちなみにこの世界ではウルトラマンネオスまでは映像作品として存在している設定です。