とある炎剣使い達は世界最強   作:湯タンポ

13 / 41
こんちわ湯たんぽです。

何か清水君のアンケート、めっちゃ白熱してますねぇ(他人事じゃねぇ)まぁ多分、アンケート結果によって決めると思います。と言うわけで、投票よろしくお願いします。


注意書き。

作者の過度な妄想、願望で出来てる。
作者の好きな物ばかり入ってる。
オリ主二重人格になるかも。
天野河、檜山に対するオリ主の態度がすごいから気をつけて。
天野河、檜山に対するアンチ、ヘイトがスゴいよ。
天の河、檜山が好きな物好きな方は閲覧をお控え下さい。
そろそろ天ノ川がオリ主に殺されそう。
輪廻君が何言ってるか解らなくても気にしないで。
東方要素が出てきたぞ!。
呼吸が出てきたぞ!
何か輪廻君のヒロイン十二人ぐらいになりそう!
輪廻君むっちゃちーと。

それでもいいよと言う方のみご覧下さい。


第7話 ハウリアの事情

 

 

「私の家族も助けて下さい!」

 

 峡谷にウサミミ少女改めシア・ハウリアの声が響く。どうやら、このウサギ一人ではないらしい。仲間も同じ様な窮地にあるようだ。よほど必死なのか、先程から相当強くユエに蹴りを食らっているのだが、頬に靴をめり込ませながらも離す気配がない。

 

あまりに必死に懇願するので、ハジメは仕方なく……〝纏雷〟をしてやった。

 

 

 

「アババババババババババアバババ!?」

 

 電圧と電流は調整してあるので死にはしないが、しばらく動けなくなるくらいの威力はある。シアのウサミミがピンッと立ちウサ毛がゾワッと逆だっている。〝纏雷〟を解除してやると、ビクンッビクンッと痙攣しながらズルズルと崩れ落ちた。

 

「そろそろ行くぞォ」

 

「はい、全く非常識なウザウサギだ。

ユエも行くぞ?」

 

「ん……」

 

 ハジメと輪廻は何事もなかったように再びバイクに魔力を注ぎ込み発進させようとした。

 

 

 

 しかし……

 

 

 

「に、にがじませんよ~」

 

 

 

 ゾンビの如く起き上がり輪廻の脚にしがみつくシア。流石に驚愕したハジメと輪廻は思わず魔力注入を止めてしまう。

 

 

 

「お、お前、ゾンビみたいな奴だな。それなりの威力出したんだが……何で動けるんだよ? つーか、ちょっと怖ぇんだけど……」

 

「……不気味」

 

「うぅ~何ですか! その物言いは! さっきから、肘鉄とか足蹴とか、ちょっと酷すぎると思います! 断固抗議しますよ! お詫びに家族を助けて下さい!」

 

 

 

 ぷんすかと怒りながら、さらりと要求を突きつけるシア。案外余裕そうである。このまま引き摺っていこうかとも考えたハジメだが、何か執念で何処までもしがみついてきそうだと思い直す。血まみれで引きずられたまま決して離さないウサミミ少女……完全にホラーである。

 

 

 

「ったく、何なんだよ。取り敢えず話聞いてやるから離せやァ。そしてさり気なく俺の外套で顔を拭くんじゃねェ!」

 

 

 

 話を聞いてやると言われパアァと笑顔になったシアは、これまたさり気なく輪廻の外套で汚れた顔を綺麗に拭った。本当にいい性格をしている。イラッと来たハジメが再び肘鉄を食らわせると「はぎゅん!」と奇怪な悲鳴を上げ蹲った。

 

 

 

「ま、また殴りましたね! 父様にも殴られたことないのに! よく私のような美少女を、そうポンポンと……もしや殿方同士の恋愛にご興味が……だから先も私の誘惑をあっさりと拒否したんですね! そうでッあふんッ!?」

 

 

 

 なにやら不穏当な発言が聞こえたので蹲うずくまるシアの脳天目掛けて踵落としをするハジメ。その額には青筋が浮かんでいる。

 

 

 

「誰がホモだ、ウザウサギ。主には敬意は抱いているが、恋愛では断じてない!っていうか何でそのネタ知ってんだよ。ユエと言いお前と言い、どっから仕入れてくるんだ…? まぁ、それは取り敢えず置いておくとして、主がお前の誘惑だがギャグだが知らんが、誘いに乗らないのは、お前より遥かにレベルの高い美少女がすぐ隣にいるからだ。ユエを見て堂々と誘惑できるお前の神経がわからん」

 

そう言ってハジメはチラリと隣のユエを見る。ユエはハジメの言葉に赤く染まった頬を両手で挟み、体をくねらせてイヤンイヤンしていた。腰辺りまで伸びたゆるふわの金髪が太陽の光に反射してキラキラと輝き、ビスクドールの様に整った容姿が今は照れでほんのり赤く染まっていて、見る者を例外なく虜にする魅力を放っている。

 

 

 

 格好も、ハジメと出会ったばかりの頃の様なみすぼらしい物ではない。前面にフリルのあしらわれた純白のドレスシャツに、これまたフリル付きの黒色ミニスカート、その上から純白に青のラインが入ったロングコートを羽織っている。足元はショートブーツにニーソだ。どれも、オスカーの衣服に魔物の素材を合わせて、輪廻が仕立て直した逸品だ。高い耐久力を有する防具としても役立つ衣服である。

 

 

 

 ちなみに、ハジメは黒に赤のラインが入ったコートと下に同じように黒と赤で構成された衣服を纏っている。これはユエ作だ。当初、ユエはハジメにも白を基調とした衣服を着せてペアルック気味にしたがったのだが、流石に恥ずかしいのと、自身の髪が白色になっているので全身白は嫌だとハジメが懇願した結果、今のスタイルに落ち着いた。

 

 

 

 そんな可憐なユエを見て、「うっ」と僅かに怯むシア。しかし、ハジメには身内(主の嫁)補正が掛かっていることもあり、二人の容姿に関しては多分に主観的要素が入り込んでいる。つまり、客観的に見ればシアも負けず劣らずの美少女ということだ。

 

 

 

 少し青みがかったロングストレートの白髪に、蒼穹の瞳。眉やまつ毛まで白く、肌の白さとも相まって黙っていれば神秘的な容姿とも言えるだろう。手足もスラリと長く、ウサミミやウサ尻尾がふりふりと揺れる様は何とも愛らしい。ケモナー達が見れば感動して思わず滂沱の涙を流すに違いない。

 

 

 

 何より……ユエにはないものがある。そう、シアは大変な巨乳の持ち主だった。ボロボロの布切れのような物を纏っているだけなので殊更強調されてしまっているそれ凶器は、固定もされていないのだろう。彼女が動くたびにぶるんぶるんと揺れ、激しく自己を主張している。ぷるんぷるんではなくぶるんぶるんだ。念の為。

 

 

 

 要するに、彼女が自分の容姿やスタイルに自信を持っていても何らおかしくないのである。むしろ、普通にウザそうにしているハジメが異常なのだ。変心前なら「ウサミミー!!」とル○ンダイブを決めたかもしれないが……

 

 それ故に、矜持を傷つけられたシアは言ってしまった。言ってはならない言葉を……

「で、でも! 胸なら私が勝ってます! そっち女の子はペッタンコじゃないですか!」

 

 

 

〝ペッタンコじゃないですか〟〝ペッタンコじゃないですか〟〝ペッタンコじゃないですか〟

 

 

 

 峡谷に命知らずなウサミミ少女の叫びが木霊こだまする。恥ずかしげに身をくねらせていたユエがピタリと止まり、前髪で表情を隠したままユラリと二輪から降りた。

 

 

 

 ハジメは「あ~あ、馬鹿なウサギだ。」と天を仰ぎ、無言で合掌する。ウサミミよ、安らかに眠れ……。

 

 ちなみに、ユエは着痩せするが、それなりにある。断じてライセン大峡谷の如く絶壁ではない。

 

 震えるシアのウサミミに、囁ささやくようなユエの声がやけに明瞭に響いた。

 

 

 

―――― ……お祈りは済ませた? 

 

―――― ……謝ったら許してくれたり

 

―――― ………… 

 

―――― 死にたくなぁい! 死にたくなぁい! 

 

 

 

「〝嵐帝〟」

 

 

 

―――― アッーーーー!! 

 

 

 

 突如発生した竜巻に巻き上げられ錐揉みしながら天に打ち上げられるシア。彼女の悲鳴が峡谷に木霊し、きっかり十秒後、グシャ! という音と共にハジメ達の眼前に墜落した。

 

 頭部を地面に埋もれさせビクンッビクンッと痙攣している。完全にギャグだった。その神秘的な容姿とは相反する途轍もなく残念な少女である。ただでさえボロボロの衣服? が更にダメージを受けて、もはやただのゴミのようだ。逆さまなので見えてはいけないものも丸見えである。百年の恋も覚める姿とはこの事だろう。

 

 

 

 ユエは「いい仕事した!」と言う様に、掻いてもいない汗を拭うフリをするとトコトコと輪廻の下へ戻り、二輪に腰掛ける輪廻を下からジッと見上げた。

 

「……おっきい方が好き?」

 

「俺かァ?俺は別にどっちでも良いがなァ、強いて言うなら、お前が好きだなァ。」

 

その言葉にユエは顔を赤らめ

 

「……その言葉はずるい……」

 

と、言い、輪廻の後ろに座り、背中に顔を埋めた、その直後痙攣していたシアの両手がガッと地面を掴み、ぷるぷると震えながら懸命に頭を引き抜こうとしている姿を捉たハジメは。

 

 

 

「アイツ動いてるぞ……本気でゾンビみたいな奴だな。頑丈とかそう言うレベルを超えている気がするんだが……」

 

「…ん」

 

 

 

ズボッという音と共にシアが泥だらけの顔を抜き出した。

「うぅ~ひどい目に遭いました。こんな場面見えてなかったのに……」

 

 涙目で、しょぼしょぼとボロ布を直すシアは、意味不明なことを言いながらハジメ達の下へ這い寄って来た。既にホラーだった。

 

 

 

「はぁ~、お前の耐久力は一体どうなってんだ? 尋常じゃないぞ……何者なんだ?」

 

 

 

 ハジメの胡乱な眼差しに、ようやく本題に入れると居住まいを正すシア。バイクの座席に腰掛けるハジメ達の前で座り込み真面目な表情を作った。もう既に色々遅いが……

 

「改めまして、私は兎人族ハウリアの長の娘シア・ハウリアと言います。実は……」

 

 語り始めたシアの話を要約するとこうだ。

 

 シア達、ハウリアと名乗る兎人族達は【ハルツィナ樹海】にて数百人規模の集落を作りひっそりと暮らしていた。兎人族は、聴覚や隠密行動に優れているものの、他の亜人族に比べればスペックは低いらしく、突出したものがないので亜人族の中でも格下と見られる傾向が強いらしい。性格は総じて温厚で争いを嫌い、一つの集落全体を家族として扱う仲間同士の絆が深い種族だ。また、総じて容姿に優れており、エルフのような美しさとは異なった、可愛らしさがあるので、帝国などに捕まり奴隷にされたときは愛玩用として人気の商品となる。

 

 

 

 そんな兎人族の一つ、ハウリア族に、ある日異常な女の子が生まれた。兎人族は基本的に濃紺の髪をしているのだが、その子の髪は青みがかった白髪だったのだ。しかも、亜人族には無いはずの魔力まで有しており、直接魔力を操るすべと、とある固有魔法まで使えたのだ。

 

 

 

 当然、一族は大いに困惑した。兎人族として、いや、亜人族として有り得ない子が生まれたのだ。魔物と同様の力を持っているなど、普通なら迫害の対象となるだろう。しかし、彼女が生まれたのは亜人族一、家族の情が深い種族である兎人族だ。百数十人全員を一つの家族と称する種族なのだ。ハウリア族は女の子を見捨てるという選択肢を持たなかった。

 

 

 

 しかし、樹海深部に存在する亜人族の国【フェアベルゲン】に女の子の存在がばれれば間違いなく処刑される。魔物とはそれだけ忌み嫌われており、不倶戴天の敵なのである。国の規律にも魔物を見つけ次第、できる限り殲滅しなければならないと有り、過去にわざと魔物を逃がした人物が追放処分を受けたという記録もある。また、被差別種族ということもあり、魔法を振りかざして自分達亜人族を迫害する人間族や魔人族に対してもいい感情など持っていない。樹海に侵入した魔力を持つ他種族は、総じて即殺が暗黙の了解となっているほどだ。

 

 

 

 故に、ハウリア族は女の子を隠し、十六年もの間ひっそりと育ててきた。だが、先日とうとう彼女の存在がばれてしまった。その為、ハウリア族はフェアベルゲンに捕まる前に一族ごと樹海を出たのだ。

 

 

 

 行く宛もない彼等は、一先ず北の山脈地帯を目指すことにした。山の幸があれば生きていけるかもしれないと考えたからだ。未開地ではあるが、帝国や奴隷商に捕まり奴隷に堕とされてしまうよりはマシだ。

 

 

 

 しかし、彼等の試みは、その帝国により潰えた。樹海を出て直ぐに運悪く帝国兵に見つかってしまったのだ。巡回中だったのか訓練だったのかは分からないが、一個中隊規模と出くわしたハウリア族は南に逃げるしかなかった。

 

 

 

 女子供を逃がすため男達が追っ手の妨害を試みるが、元々温厚で平和的な兎人族と魔法を使える訓練された帝国兵では比べるまでもない歴然とした戦力差があり、気がつけば半数以上が捕らわれてしまった。

 

 

 

 全滅を避けるために必死に逃げ続け、ライセン大峡谷にたどり着いた彼等は、苦肉の策として峡谷へと逃げ込んだ。流石に、魔法の使えない峡谷にまで帝国兵も追って来ないだろうし、ほとぼりが冷めていなくなるのを待とうとしたのである。魔物に襲われるのと帝国兵がいなくなるのとどちらが早いかという賭けだった。

 

 

 

 しかし、予測に反して帝国兵は一向に撤退しようとはしなかった。小隊が峡谷の出入り口である階段状に加工された崖の入口に陣取り、兎人族が魔物に襲われ出てくるのを待つことにしたのだ。

 

 

 

 そうこうしている内に、案の定、魔物が襲来した。もう無理だと帝国に投降しようとしたが、峡谷から逃がすものかと魔物が回り込み、ハウリア族は峡谷の奥へと逃げるしかなかった。そうやって、追い立てられるように峡谷を逃げ惑い……

 

 

 

「……気がつけば、六十人はいた家族も、今は四十人程しかいません。このままでは全滅です。どうか助けて下さい!」

 

 

 

 最初の残念な感じとは打って変わって悲痛な表情で懇願するシア。どうやら、シアは、輪廻やユエやハジメ、東方組等と同じ、この世界の例外というヤツらしい。特に、ユエと同じ、先祖返りと言うやつなのかもしれない。

 話を聞き終った輪廻達は特に表情を変えることもなく端的に答えた。

 

「めんどくせェ」

 

「断る」

 

 

ハジメと輪廻の端的な言葉が静寂をもたらした。何を言われたのか分からない、といった表情のシアは、ポカンと口を開けた間抜けな姿で輪廻をマジマジと見つめた。そして、輪廻とハジメが話は終わったと魔力駆動二輪に跨ろうとしてようやく我を取り戻し、物凄い勢いで抗議の声を張り上げた。

 

「ちょ、ちょ、ちょっと! 何故です! 今の流れはどう考えても『何て可哀想なんだ! 安心しろ!! 俺が何とかしてやる!』とか言って爽やかに微笑むところですよ! 流石の私もコロっといっちゃうところですよ! 何、いきなり美少女との出会いをフイにしているのですか! って、あっ、無視して行こうとしないで下さい! 逃しませんよぉ!」

 

 

 シアの抗議の声をさらりと無視して出発しようとする輪廻の脚に再びシアが飛びつく。さっきまでの真面目で静謐な感じは微塵もなく、形振り構わない残念ウサギが戻ってきた。

 

 

 

 輪廻が足を振っても微塵も離れる気配がないシアに、ハジメは溜息を吐きながらジロリと睨む。

 

 

 

「あのなぁ~、お前等助けて、俺に何のメリットがあるんだよ」

 

「メ、メリット?」

 

「帝国から追われているわ、樹海から追放されているわ、お前さんは厄介のタネだわ、デメリットしかねぇじゃねぇか。仮に峡谷から脱出出来たとして、その後どうすんだよ? また帝国に捕まるのが関の山だろうが。で、それ避けたきゃ、また俺を頼るんだろ? 今度は、帝国兵から守りながら北の山脈地帯まで連れて行けってな」

 

「うっ、そ、それは……で、でも!」

 

「俺達にだって旅の目的はあるんだ。そんな厄介なもん抱えていられないんだよ」

 

「そんな……でも、守ってくれるって見えましたのに!」

 

「……さっきも言ってたな、それ。どういう意味だ? ……お前の固有魔法と関係あるのか?」

 

 

 

 一向に折れない輪廻とハジメに涙目で意味不明なことを口走るシア。そう言えば、何故シアが仲間と離れて単独行動をしていたのかという点も疑問である。その辺りのことも関係あるのかとハジメは尋ねた。

 

 

 

「え? あ、はい。〝未来視〟といいまして、仮定した未来が見えます。もしこれを選択したら、その先どうなるか? みたいな……あと、危険が迫っているときは勝手に見えたりします。まぁ、見えた未来が絶対というわけではないですけど……そ、そうです。私、役に立ちますよ! 〝未来視〟があれば危険とかも分かりやすいですし! 少し前に見たんです! 貴方が私達を助けてくれている姿が! 実際、ちゃんと貴方に会えて助けられました!」

 

 

 

 シアの説明する〝未来視〟は、彼女の説明通り、任意で発動する場合は、仮定した選択の結果としての未来が見えるというものだ。これには莫大な魔力を消費する。一回で枯渇寸前になるほどである。また、自動で発動する場合もあり、これは直接・間接を問わず、シアにとって危険と思える状況が急迫している場合に発動する。これも多大な魔力を消費するが、任意発動程ではなく三分の一程消費するらしい。

 

 

 

 どうやら、シアは、元いた場所で、輪廻達がいる方へ行けばどうなるか? という仮定選択をし、結果、自分と家族を守るハジメの姿が見えたようだ。そして、ハジメを探すために飛び出してきた。こんな危険な場所で単独行動とは、よほど興奮していたのだろう。

 

 

 

「そんなすごい固有魔法持ってて、何でバレたんだよ。危険を察知できるならフェアベルゲンの連中にもバレなかったんじゃないか?」

 

 

 

 ハジメの指摘に「うっ」と唸った後、シアは目を泳がせてポツリと零した。

 

 

 

「じ、自分で使った場合はしばらく使えなくて……」

 

「バレた時、既に使った後だったと……何に使ったんだよ?」

 

「ちょ~とですね、友人の恋路が気になりまして……」

 

「ただの出歯亀じゃねぇか! 貴重な魔法何に使ってんだよ」

 

「うぅ~猛省しておりますぅ~」

 

「やっぱ、ダメだな。何がダメって、お前がダメだわ。この残念ウサギが」

 

「馬鹿としか言いようがねェ。」

 

 

 呆れたようにそっぽを向く輪廻にシアが泣きながら縋り付く。輪廻が、いい加減引きずっても出発しようとすると、何とも意外な所からシアの援護が来た。

 

 

 

「……、連れて行こう」

 

「ユエ?」

 

「ユエ?どうしたァ、頭の病気にでも掛かったかァ?」

 

「!? 最初から貴女のこといい人だと思ってました! ペッタンコって言ってゴメンなッあふんっ!」

 

ユエの言葉にハジメは訝しそうに輪廻はとうとう頭が飛んでったか?と心配するように、シアは興奮して目をキラキラして調子のいい事を言う。次いでに余計な事も言い、ユエにビンタを食らって頬を抑えながら崩れ落ちた。

 

 

 

「……樹海の案内に丁度いい」

 

「あ~」

 

「そういう事かァ、とうとう頭に病原体が住み着いたのかと思ったぜェ。」

 

 

 確かに、樹海は亜人族以外では必ず迷うと言われているため、兎人族の案内があれば心強い。樹海を迷わず進むための対策も一応考えていたのだが、若干、乱暴なやり方であるし確実ではない。最悪、現地で亜人族を捕虜にして道を聞き出そうと考えていたので、自ら進んで案内してくれる亜人がいるのは正直言って有り難い。ただ、シア達はあまりに多くの厄介事を抱えているため逡巡するハジメ。

 

 

 

 そんなハジメに、輪廻は逡巡を断ち切るように告げた。

 

 

 

「俺達は最強なんだろォ?ならちょっとした厄介事なんて、大した事ねえだろォ。」

 

 

 それは、奈落を出た時のハジメの言葉。この世界に対して遠慮しない。3人が居れば最強であると。ハジメは自分の言った言葉自分の主に返されて苦笑いするしかない。

 

 兎人族の協力があれば断然、樹海の探索は楽になるのだ。それを帝国兵や亜人達と揉めるかもしれないから避けるべき等と〝舌の根も乾かぬうちに〟である。もちろん、好き好んで厄介事に首を突っ込むつもり等さらさらないが、ベストな道が目の前にあるのに敵の存在を理由に避けるなど有り得ない。道を阻む敵は〝殺してでも〟と決めたのだ。

 

 

 

「そうですね。おい、喜べ残念ウサギ。主がお前達を樹海の案内に雇わせてもらう事を許可して下さった。報酬はお前等の命だ」

 

 確かに言っていることは間違いではないが、セリフが完全にヤの着く人であるである、それも幹部級の。しかし、それでも、峡谷において強力な魔物を片手間に屠れる強者が生存を約束したことに変わりはなく、シアは飛び上がらんばかりに喜びを表にした。

 

 

 

「あ、ありがとうございます! うぅ~、よがっだよぉ~、ほんどによがったよぉ~」

 

 

 

 ぐしぐしと嬉し泣きするシア。しかし、仲間のためにもグズグズしていられないと直ぐに立ち上がる。

 

 

 

「あ、あの、宜しくお願いします! そ、それでお二人のことは何と呼べば……」

 

「ん? そう言えば名乗ってなかったか……俺はハジメ。南雲ハジメだ」

 

「十五夜輪廻だァ。」

 

「……ユエ」

 

「輪廻さんにハジメさんとユエちゃんですね」

 

 

 

 3人の名前を何度か反芻し覚えるシア。しかし、ユエが不満顔で抗議する。

 

 

 

「……さんを付けろ。残念ウサギ」

 

「ふぇ!?」

 

 ユエらしからぬ命令口調に戸惑うシアは、ユエの外見から年下と思っているらしく、ユエが吸血鬼族で遥に年上と知ると土下座する勢いで謝罪した。どうもユエは、シアが気に食わないらしい。何故かは分からないが……。例え、ユエの視線がシアの体の一部を憎々しげに睨んでいたとしても、理由は定かではないのだ!

 

「取り敢えずウサギは俺んとこに後ろに乗れェ」

 

そうしてシアが輪廻の後ろに乗り、爆走すること十数分。

「!輪廻さん! もう直ぐ皆がいる場所です! あの魔物の声……ち、近いです! 父様達がいる場所に近いです!」

 

「うるせェ聞こえとるわァ! 飛ばすからしっかり掴まってろやァ!」

 

輪廻とハジメは、魔力を更に注ぎ、二輪を一気に加速させた。壁や地面が物凄い勢いで後ろへ流れていく。

 

 そうして走ること二分。ドリフトしながら最後の大岩を破壊した先には、今まさに襲われようとしている数十人の兎人族達がいた。

 

 

 

 

 

 





ハウリア合流まで行けなんだ。

と言う訳で次回はきっとハウリア合流編

感想と高評価よろしくぅー

お休みなさい。

曇らせや愉悦部は好きですか?(今後の参考にしたりしなかったりする)

  • 好き
  • 大好き!
  • 今までに見た曇らせを覚えているのか?
  • 嫌い
  • 嫌いすぎて吐きそう
  • ゴリラ
  • いいぞもっと書け
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。