こんちわ湯たんぽです。
清水君のアンケート締め切りです。
結果は、、、、、、、。、、、、、、じゃん、清水君には、輪廻君に仕えて貰うことにしました。
結構直ぐに出ると思います。
それでは本編。
注意書き。
作者の過度な妄想、願望で出来てる。
作者の好きな物ばかり入ってる。
オリ主二重人格になるかも。
天野河、檜山に対するオリ主の態度がすごいから気をつけて。
天野河、檜山に対するアンチ、ヘイトがスゴいよ。
天の河、檜山が好きな物好きな方は閲覧をお控え下さい。
そろそろ天ノ川がオリ主に殺されそう。
輪廻君が何言ってるか解らなくても気にしないで。
東方要素が出てきたぞ!。
呼吸が出てきたぞ!
何か輪廻君のヒロイン十五人ぐらいになりそう!(現時点、後に更に増える。)
輪廻君むっちゃちーと。
それでもいいよと言う方のみご覧下さい。
輪廻が怒ってるよー、え?どれぐらいかって?
ユエとシアが抱き合ってへたり込んで、ハジメが倒れそうになるほど。
で、輪廻は怒りすぎて、ライセン大迷宮を破壊しようとしてるよー、え?破壊できないんじゃないかって?
多分大丈夫じゃない?違う世界の魔法使ってるし。
「《我は神を斬獲せし者・我は始原の祖と終を知る者・其は摂理の円環へと帰還せよ・五素より成りし物は五素に・象と理を紡ぐ縁は乖離すべし・いざ森羅の万象は須く此処に散滅せよ・遥かな虚無の果てに》黒魔改、イクスティンクション・レイ、八連。」
ドゴォォォォォォォォン
「行くぞォ」
「はい」
「……ん…」
空いた穴を通った、ハジメ達の目の前に現れたのは、宙に浮く超巨大なゴーレム騎士だった。全身甲冑はそのままだが、全長が二十メートル弱はある。右手はヒートナックルとでも言うのか赤熱化しており、先ほどブロックを爆砕したのはこれが原因かもしれない。左手には鎖がジャラジャラと巻きついていて、フレイル型のモーニングスターを装備している。
ハジメ達が、巨体ゴーレムに身構えていると、周囲のゴーレム騎士達がヒュンヒュンと音を立てながら飛来し、ハジメ達の周囲を囲むように並びだした。整列したゴーレム騎士達は胸の前で大剣を立てて構える。まるで王を前にして敬礼しているようだ。
だがしかし……その王らしき者は…
「ちょっとちょっとぉ、何してくれてんの!壊れちゃったじゃないの!」
「「「……は?…」」」
めっちゃ巫山戯てる奴だった。
「うるせぇぞミレディ・ライセン。それ以上ゴタゴタ喋ってると、消すぞ。」
「ん〜?ここ壊したのは君かな?、でもここを壊しただけでいい気にならない事だね、」
「じゃァ試してみっかァ?」
「はぁ〜これだから最近の若者は、何でそんなに喧嘩腰なのかねぇ。」
実にイラっとする話し方である。しかも、巨体ゴーレムは、燃え盛る右手と刺付き鉄球を付けた左手を肩まで待ち上げると、やたらと人間臭い動きで「やれやれだぜ」と言う様に肩を竦める仕草までした。普通にイラっとするハジメ達。道中散々見てきたウザイ文を彷彿とさせる。〝ミレディ・ライセン〟と名乗っていることから本人である可能性もあるが、彼女は既に死んでいるはずであるし、人間だったはずだ。
輪廻は取り敢えず、その辺りのことを探ってみる事にした。
「そいつは悪かったなァ。だが、ミレディ・ライセンは人間で故人のはずだろォ? まして、自我を持つゴーレム何て聞いたことないんでなァ……目論見通り驚いてやったんだから許せやァ。そして、お前が何者か説明しろ。簡潔になァ」
「あれぇ~、こんな状況なのに物凄く偉そうなんですけど、こいつぅ」
全く探りになってなかった。むしろド直球だった。流石に、この反応は予想外だったのかミレディを名乗る巨体ゴーレムは若干戸惑ったような様子を見せる。が、直ぐに持ち直して、人間なら絶対にニヤニヤしているであろうと容易に想像付くような声音で輪廻達に話しかけた。
「ん~? ミレディさんは初めからゴーレムさんですよぉ~何を持って人間だなんて……」
「オスカーの手記にお前のことも少し書いてあったぜェ。きちんと人間の女として出てきてたぞ? というか阿呆な問答をする気はないでなァ。簡潔にと言っただろう。どうせ立ち塞がる気なんだろうから、やることは変わらん。お前をスクラップにして先に進む。だから、その前にガタガタ騒いでないで、吐くもん吐けやァ」
「お、おおう。久しぶりの会話に内心、狂喜乱舞している私に何たる言い様。っていうかオスカーって言った? もしかして、オーちゃんの迷宮の攻略者?」
「ああ、オスカー・オルクスの迷宮なら攻略済みだァ。というか質問しているのはこっちだァ。答える気がないなら、消すぞォ? 別にどうしても知りたい事ってわけじゃなねェ。俺達の目的は神代魔法だけだからなァ」
輪廻がアルベルトを巨体ゴーレムに向ける。ユエはすまし顔だが、シアの方は「うわ~、ブレないなぁ~」と感心半分呆れ半分でハジメを見ていた。
「……神代魔法ねぇ、それってやっぱり、神殺しのためかな? あのクソ野郎共を滅殺してくれるのかな? オーちゃんの迷宮攻略者なら事情は理解してるよね?」
「質問しているのはこっちだァ。答えて欲しけりゃ、先にこちらの質問に答えろやァ」
「こいつぅ~ホントに偉そうだなぁ~、まぁ、いいけどぉ~、えっと何だっけ……ああ、私の正体だったね。うぅ~ん」
「簡潔になしろォ、オスカーみたいにダラダラした説明はいらねェ。」
「あはは、確かに、オーちゃんは話が長かったねぇ~、理屈屋だったしねぇ~」
巨体ゴーレムは懐かしんでいるのか遠い目をするかのように天を仰いだ。本当に人間臭い動きをするゴーレムである。ユエは相変わらず無表情で巨体ゴーレムを眺め、シアは周囲のゴーレム騎士達に気が気でないのかそわそわしている。
「うん、要望通りに簡潔に言うとね。
私は、確かにミレディ・ライセンだよ
ゴーレムの不思議は全て神代魔法で解決!
もっと詳しく知りたければ見事、私を倒してみよ! って感じかな」
「結局、説明になってねェ……」
「ははは、そりゃ、攻略する前に情報なんて貰えるわけないじゃん? 迷宮の意味ないでしょ?」
今度は巨大なゴーレムの指でメッ! をするミレディ・ゴーレム。中身がミレディ・ライセンというのは頂けないが、それを除けば愛嬌があるように思えてきた。ユエが、「……中身だけが問題」とボソリと呟いていることから輪廻と同じ感想のようだ。
そして、その中身について、結局ほとんど何もわからなかったに等しいが、ミレディ本人だというなら、残留思念などを定着させたものなのかもしれないと推測する輪廻。輪廻は、確か中村が降霊術という残留思念を扱う天職をだったなと、記憶を掘り起こす。しかし、彼女の降霊術は、こんなにはっきりと意思を持った残留思念を残せるようなものではなかったはずだ。つまり、その辺と、その故人の意思? なんかをゴーレムに定着させたのが神代魔法ということだろう。
ハジメは自分が探す世界を超える魔法ではなさそうだと、少し落胆した様子で巨体ゴーレム改めミレディ・ゴーレムに問い掛けた。
「お前の神代魔法は、残留思念に関わるものなのか? だとしたら、ここには用がないんだがなぁ」
「ん~? その様子じゃ、何か目当ての神代魔法があるのかな? ちなみに、私の神代魔法は別物だよぉ~、魂の定着の方はラーくんに手伝ってもらっただけだしぃ~」
ハジメの目当てはあくまで世界を超えて故郷に帰ること。魂だか思念だか知らないが、それを操れる神代魔法を手に入れても意味はない。そう思って質問したのだが、返ってきたミレディの答えはハジメの推測とは異なるものだった。ラーくんというのが誰かは分からないが、おそらく〝解放者〟の一人なのだろう。その人物が、ミレディ・ゴーレムに死んだはずの本人の意思を持たせ、ゴーレムに定着させたようだ。
「じゃあ、お前の神代魔法は何なんだ? 返答次第では、このまま帰ることになるが……」
「ん~ん~、知りたい? そんなに知りたいのかなぁ?」
再びニヤついた声音で話しかけるミレディに、イラっとしつつ返答を待つハジメ。
「知りたいならぁ~、その前に今度はこっちの質問に答えなよ」
最後の言葉だけ、いきなり声音が変わった。今までの軽薄な雰囲気がなりを潜め真剣さを帯びる。その雰囲気の変化に少し驚く輪廻達。表情には出さずに輪廻が問い返す。
「なんだ?」
「目的は何? 何のために神代魔法を求める?」
嘘偽りは許さないという意思が込められた声音で、ふざけた雰囲気など微塵もなく問いかけるミレディ。もしかすると、本来の彼女はこちらの方なのかもしれない。思えば、彼女も大衆のために神に挑んだ者。自らが託した魔法で何を為す気なのか知らないわけにはいかないのだろう。オスカーが記録映像を遺言として残したのと違い、何百年もの間、意思を持った状態で迷宮の奥深くで挑戦者を待ち続けるというのは、ある意味拷問ではないだろうか。軽薄な態度はブラフで、本当の彼女は凄まじい程の忍耐と意志、そして責任感を持っている人なのかもしれない。
ユエも同じことを思ったのか、先程までとは違う眼差しでミレディ・ゴーレムを見ている。深い闇の底でたった一人という苦しみはユエもよく知っている。だからこそ、ミレディが意思を残したまま闇の底に留まったという決断に、共感以上の何かを感じたようだ。
輪廻は、ミレディ・ゴーレムの眼光を真っ直ぐに見返しながら嘘偽りない言葉を返した。
「ゴミを掃除して、こいつらと家に帰ることだァ。」
「そのゴミって言うのは?」
「当然、帰るのを邪魔してきそうな、てめぇらの言うクソ野郎共に決まってんだろォ?」
「そっか、いやー長年の目的がようやく果たせそうだねーはァよかっ「お前は、なぜそのクソ野郎共を滅殺したいと思うんだ? 」え?」
「もう一度聞くぜェ?何故お前は神を殺したいと思う。民を守るためか?それとも仲間の想いからか?それとも…」
「復讐心かァ?」
「ッ!」
「復讐心からなら辞めといた方がいいぜェ」
「なんでそう言えるの?」
「俺が経験した事だァ、あいつに復讐したい、って思いはなァ、絶対に消えねェ、そいつを何度殺しても、別の世界線のそいつを殺しても、殺しても殺しても殺しても、何度でも甦る。復讐心ってのはそういうもんだァ。俺はそれを五百年繰り返してたがなァ、今でもその心は消えねぇ。」
「ご、五百年?五百年もずっとそれをしてたの?。」
「アァ。お前にはまだ分かんねぇだろうけどなァ、復讐心で憎んでる相手を殺すな。絶対に後悔するぜェ。」
「何で、憎んでる相手を殺して後悔するの?」
「さっきも言っただろォ?殺したら、またそいつを殺したくなる時が来るんだよォ。それが生きてる間はずっと続く。だから辞めておけって言ったんだ。」
「それでも、それでもあいつは殺さなくちゃいけない、民を守「それにお前は甘い。」え?」
「甘いんだよ、覚悟がなァ。だいたい何だ、守るべき奴らに敵対された程度で、やられたって、冗談にもならねェ。そんなに変えたいなら、そいつらを殺してでも、進め。」
「そんな事出来るわけ無いよ!」
「そうかァ、なら俺が代わりにして殺る。」
「なんでそこまでして、殺ってくれるのさ。」
「俺はお前を気に入った、それだけだ。俺は自分の気に入った奴に対して、協力は惜しまねェ、その方がおもしれェからだ。」
「だからお前も来い、」
「え?」
「だから、協力してやるから、お前も来いって言ってんだ。」
「でも私は、こんなんだし。」
ミレディはそう言って自分を指す。
「だったら、身体を作れば良いだけだろォ?」
ボトッ
「えぇぇぇ?私?」
「そして、魂をこっちの身体に移せば、着いてこられるだろォ?」(本当の笑み)
ストンッ
あれ?何かまたこの前聞いた事の有る、誰かが墜ちたような音がした気がするなぁ?。
「うん!そうだね。」
その後、ミレディを墜した、輪廻達は街に戻り、フェーレンに行くための依頼を受けに来た。
カラン、カラン
そんな音を立てて冒険者ギルド:ブルック支部の扉は開いた。入ってきたのは三人の人影、ここ数日ですっかり有名人となった輪廻、ハジメ、ユエ、シア+ミレディである。ギルド内のカフェには、何時もの如く何組かの冒険者達が思い思いの時を過ごしており、輪廻達の姿に気がつくと片手を上げて挨拶してくる者もいる。男は相変わらずユエとシアに見蕩れ、ついで輪廻に羨望と嫉妬の視線を向けるが、そこに陰湿なものはない。
ブルックに滞在して一週間、その間にユエかシアを手に入れようと決闘騒ぎを起こした者は数知れず。かつて、〝股間スマッシュ〟という世にも恐ろしい所業をなしたユエ本人を直接口説く事は出来ないが、外堀を埋めるように輪廻から攻略してやろうという輩がそれなりにいたのである。
もちろん、輪廻がそんな面倒事をまともに受けるわけがない。最終的には、決闘しろ! というセリフの〝け〟の部分で既に発砲、非致死性のゴム弾が哀れな挑戦者の頭部に炸裂し三回転ひねりを披露して地面とキスするというのが常だった。
そんなわけで、この町では、〝股間スマッシャー〟たるユエと、そんな彼女が心底惚れており、決闘が始まる前に相手を瞬殺する〝決闘スマッシャー〟たる輪廻のコンビは有名であり一目置かれる存在なのである。ギルドでパーティー名の申請等していないのに〝スマッシュ・ラヴァーズ〟というパーティー名が浸透しており、自分の二つ名と共にそれを知ったハジメがしばらく遠い目をしていたのは記憶に新しい。
ちなみに、自分の存在感が薄いとシアが涙したのは余談である。
「おや、今日は四人一緒……また増えてるじゃないか?」
「アァ、ちょっと事情があってなァ、それより明日にでも町を出るんでなァ。あんたには色々世話になったし、一応挨拶をとな。ついでに、目的地関連で依頼があれば受けておこうと思ってなァ」
世話になったというのは、輪廻がギルドの一室を無償で借りていたことだ。せっかくの重力魔法なので生成魔法と組み合わせを試行錯誤するのに、それなりに広い部屋が欲しかったのである。キャサリンに心当たりを聞いたところ、それならギルドの部屋を使っていいと無償で提供してくれたのだ。
なお、輪廻とユエとシアとミレディは郊外で重力魔法の鍛錬である。
「そうかい。行っちまうのかい。そりゃあ、寂しくなるねぇ。あんた達が戻ってから賑やかで良かったんだけどねぇ~」
「勘弁してくれやァ、宿屋の変態といい、服飾店の変態といい、ユエとシアに踏まれたいとか言って町中で突然土下座してくる変態どもといい、〝お姉さま〟とか連呼しながら二人をストーキングする変態どもといい、決闘を申し込んでくる阿呆共といい……碌なヤツいねぇじゃねぇか。出会ったヤツの七割が変態で二割が阿呆とか……どうなってんだよこの町わァ。」
苦々しい表情の輪廻が愚痴をこぼすように語った内容は全て事実だ。ソーナは言わずもがな、クリスタベルは会う度に輪廻に肉食獣の如き視線を向け舌なめずりをしてくるので、何度寒気を感じたかわからない。
また、ブルックの町には三大派閥が出来ており、日々しのぎを削っている。一つは「ユエちゃんに踏まれ隊」、もう一つは「シアちゃんの奴隷になり隊」最後が「お姉さまと姉妹になり隊」である。それぞれ、文字通りの願望を抱え、実現を果たした隊員数で優劣を競っているらしい。
あまりにぶっ飛んだネーミングと思考の集団にドン引きのハジメ達。町中でいきなり土下座するとユエに向かって「踏んで下さい!」とか絶叫するのだ。もはや恐怖である。シアに至ってはどういう思考過程を経てそんな結論に至ったのか理解不能だ。亜人族は被差別種族じゃなかったのかとか、お前らが奴隷になってどうするとかツッコミどころは満載だが、深く考えるのが嫌だったので出会えば即刻排除している。最後は女性のみで結成された集団で、ユエとシアに付き纏うか、ハジメの排除行動が主だ。一度は、「お姉さまに寄生する害虫が! 玉取ったらぁああーー!!」とか叫びながらナイフを片手に突っ込んで来た少女もいる。
流石に町中で少女を殺害したとなると色々面倒そうなので、輪廻は、その少女を裸にひん剥いた後、亀甲縛りモドキ(知識がないので)をして一番高い建物に吊るし上げた挙句、〝次は消す〟と書かれた張り紙を貼って放置した。あまりの所業と淡々と書かれた張り紙の内容に、少女達の過激な行動がなりを潜めたのはいい事である。
そんな出来事を思い出し顔をしかめる輪廻に、キャサリンは苦笑いだ。
「まぁまぁ、何だかんで活気があったのは事実さね」
「巫山戯た活気だなァ」
「で、何処に行くんだい?」
「フューレンだ」
そんな風に雑談しながらも、仕事はきっちりこなすキャサリン。早速、フューレン関連の依頼がないかを探し始める。
フューレンとは、中立商業都市のことだ。ハジメ達の次の目的地は【グリューエン大砂漠】にある七大迷宮の一つ【グリューエン大火山】である。その為、大陸の西に向かわなければならないのだが、その途中に【中立商業都市フューレン】があるので、大陸一の商業都市に一度は寄ってみようという話になったのである。なお、【グリューエン大火山】の次は、大砂漠を超えた更に西にある海底に沈む大迷宮【メルジーネ海底遺跡】が目的地だ。
「う~ん、おや。ちょうどいいのがあるよ。商隊の護衛依頼だね。ちょうど空きが後2人分あるよ……どうだい? 受けるかい?」
キャサリンにより差し出された依頼書を受け取り内容を確認するハジメ。確かに、依頼内容は、商隊の護衛依頼のようだ。中規模な商隊のようで、十五人程の護衛を求めているらしい。ユエとミレディとシアは冒険者登録をしていないので、輪廻とハジメの分でちょうどだ。
「連れを同伴するのはいいのかァ?」
「ああ、問題ないよ。あんまり大人数だと苦情も出るだろうけど、荷物持ちを個人で雇ったり、奴隷を連れている冒険者もいるからね。まして、ユエちゃん、シアちゃんも結構な実力者だ。一人分の料金でもう二人優秀な冒険者を雇えるようなもんだ。断る理由もないさね」
「そうかァ、んで、おめぇらはどうする?」
輪廻は少し逡巡し、意見を求めるようにハジメ達の方を振り返った。正直な話、配達系の任務でもあればと思っていたのだ。というのも、輪廻達だけなら魔力駆動車があるので、馬車の何倍も早くフューレンに着くことができる。わざわざ、護衛任務で他の者と足並みを揃えるのは手間と言えた。
「……急ぐ旅じゃない」
「そうですねぇ~、たまには他の冒険者方と一緒というのもいいかもしれません。ベテラン冒険者のノウハウというのもあるかもしれませんよ?」
「私も外は見てみたいなぁ〜」
「……そうですね、急いでも仕方有りませんし、たまにはいいんじゃ無いですか?」
輪廻は四人の意見に「アァ」と頷くとキャサリンに依頼を受けることを伝える。ユエの言う通り、七大迷宮の攻略にはまだまだ時間がかかるだろう。急いて事を仕損じては元も子もないというし、シアの言うように冒険者独自のノウハウがあれば今後の旅でも何か役に立つことがあるかもしれない、ミレディの言うようにたまにはゆっくり外を見てみるのもいいかもしれない。
「あいよ。先方には伝えとくから、明日の朝一で正面門に行っとくれ」
「わかったぜェ。」
輪廻が依頼書を受け取るのを確認すると、キャサリンが輪廻の後ろのユエとシアとミレディに目を向けた。
「あんた達も体に気をつけて元気でおやりよ? この子に泣かされたら何時でも家においで。あたしがぶん殴ってやるからね」
「……ん、お世話になった。ありがとう」
「はい、キャサリンさん。良くしてくれて有難うございました!」
「ありがとね〜、」
「あんたも、こんないい子達泣かせんじゃないよ? 精一杯大事にしないと罰が当たるからね?」
「んなこたァ、分かってるよォ。」
キャサリンの言葉に苦笑いで返す輪廻。そんな輪廻に、キャサリンが一通の手紙を差し出す。疑問顔で、それを受け取る輪廻。
「これはァ?」
「あんた達、色々厄介なもの抱えてそうだからね。町の連中が迷惑かけた詫びのようなものだよ。他の町でギルドと揉めた時は、その手紙をお偉いさんに見せな。少しは役に立つかもしれないからね」
バッチリとウインクするキャサリンに、思わず頬が引き攣る輪廻。手紙一つでお偉いさんに影響を及ぼせるアンタは一体何者だ? という疑問がありありと表情に浮かんでいる。
「おや、詮索はなしだよ? いい女に秘密はつきものさね」
「……アァ、ありがとなァ。」
「素直でよろしい! 色々あるだろうけど、死なないようにね」
謎多き、片田舎の町のギルド職員キャサリン。輪廻達は、そんな彼女の愛嬌のある魅力的な笑みと共に送り出された。
その後、輪廻達は、クリスタベルの場所にも寄った。ハジメは断固拒否したが、ユエとシアとミレディがどうしてもというので仕方なく付き添った……だが、町を出ると聞いた瞬間、クリスタベルは最後のチャンスとばかりにハジメに襲いかかる巨漢の化物と化し、恐怖のあまり振動破砕を使って葬ろうとするハジメを、ユエ達が必死に止めるという衝撃的な出来事があったが……詳しい話は割愛だ。
最後の晩と聞き、遂には堂々と風呂場に乱入、そして部屋に突撃を敢行したソーナちゃんが、ブチギレた母親に本物の亀甲縛りをされて一晩中、宿の正面に吊るされるという事件の話も割愛だ。なぜ、母親が亀甲縛りを知っていたのかという話も割愛である。
そして翌日早朝。
そんな愉快? なブルックの町民達を思い出にしながら、正面門にやって来た輪廻達を迎えたのは商隊のまとめ役と他の護衛依頼を受けた冒険者達だった。どうやらハジメ達が最後のようで、まとめ役らしき人物と十四人の冒険者が、やって来た輪廻達を見て一斉にざわついた。
「お、おい、まさか残りの5人って〝スマ・ラヴ〟なのか!?」
「マジかよ! 嬉しさと恐怖が一緒くたに襲ってくるんですけど!」
「見ろよ、俺の手。さっきから震えが止まらないんだぜ?」
「いや、それはお前がアル中だからだろ?」
ユエとシアとミレディの登場に喜びを表にする者、股間を両手で隠し涙目になる者、手の震えを輪廻達のせいにして仲間にツッコミを入れられる者など様々な反応だ。輪廻が、嫌そうな表情をしながら近寄ると、商隊のまとめ役らしき人物が声をかけた。
「君達が最後の護衛かね?」
「アァ、これが依頼書だ」
輪廻は、懐から取り出した依頼書を見せる。それを確認して、まとめ役の男は納得したように頷き、自己紹介を始めた。
「私の名はモットー・ユンケル。この商隊のリーダーをしている。君達のランクは未だ青だそうだが、キャサリンさんからは大変優秀な冒険者と聞いている。道中の護衛は期待させてもらうよ」
「……もっとユンケル? ……商隊のリーダーって大変なんだな……」
日本のとある栄養ドリンクを思い出させる名前に、ハジメの眼が同情を帯びる。なぜ、そんな眼を向けられるのか分からないモットーは首を傾げながら、「まぁ、大変だが慣れたものだよ」と苦笑い気味に返した。
「まァ、期待は裏切らないと思うぜェ。俺は輪廻だァ。こっちはハジメとユエとシアとミレディ」
「それは頼もしいな……ところで、この兎人族……売るつもりはないかね? それなりの値段を付けさせてもらうが」
モットーの視線が値踏みするようにシアを見た。兎人族で青みがかった白髪の超がつく美少女だ。商人の性として、珍しい商品に口を出さずにはいられないということか。首輪から奴隷と判断し、即行で所有者たる輪廻に売買交渉を持ちかけるあたり、きっと優秀な商人なのだろう。
その視線を受けて、シアが「うっ」と嫌そうに唸りハジメの背後にそそっと隠れる。ユエとミレディのモットーを見る視線が厳しい。だが、一般的な認識として樹海の外にいる亜人族とは、すなわち奴隷であり、珍しい奴隷の売買交渉を申し出るのは商人として当たり前のことだ。モットーが責められるいわれはない。
「ほぉ、随分と懐かれていますな…中々、大事にされているようだ。ならば、私の方もそれなりに勉強させてもらいますが、いかがです?」
「まァ、あんたはそこそこ優秀な商人のようだしなァ……答えはわかるだろォ?」
シアの様子を興味深そうに見ていたモットーが更に輪廻に交渉を持ちかけるが、輪廻の対応はあっさりしたものである。モットーも、実は輪廻が手放さないだろうとは感じていたが、それでもシアが生み出すであろう利益は魅力的だったので、何か交渉材料はないかと会話を引き伸ばそうとする。
だが、そんな意図も輪廻は読んでいたのだろう。やはりあっさりしているが、揺るぎない意志を込めた言葉をモットーに告げる。
「例え、どこぞの神が欲しても俺はその神を殺すぜェ……理解してもらえたかァ?」
片手でシアを抱き寄せもう片方の手で斬魄刀を突き付ける。
「…………えぇ、それはもう。仕方ありませんな。ここは引き下がりましょう。ですが、その気になったときは是非、我がユンケル商会をご贔屓に願いますよ。それと、もう間も無く出発です。護衛の詳細は、そちらのリーダーとお願いします」
輪廻の発言は相当危険なものだった。下手をすれば聖教教会から異端の烙印を押されかねない発言だ。一応、魔人族は違う神を信仰しているし、歴史的に最高神たる〝エヒト〟以外にも崇められた神は存在するので、直接、聖教教会にケンカを売る言葉ではない。だが、それでもギリギリの発言であることに変わりはなく、それ故に、モットーは輪廻 がシアを手放すことはないと心底理解させられた。
輪廻とが、すごすごと商隊の方へ戻るモットーを見ていると、周囲が再びざわついている事に気がついた。
「すげぇ……女一人のために、あそこまで言うか……痺れるぜ!」
「流石、決闘スマッシャーと言ったところか。自分の女に手を出すやつには容赦しない……ふっ、漢だぜ」
「いいわねぇ~、私も一度くらい言われてみたいわ」
「いや、お前、男だろ? 誰が、そんなことッあ、すまん、謝るからっやめっアッーー!!」
輪廻は、愉快? な護衛仲間の愉快な発言に頭痛を感じたように手で頭を抑えた。やっぱりブルックの町の奴らは阿呆ばっかりだと。そんな事を思っていると、背中に何やら〝むにゅう〟と柔らかい感触を感じ、更に腕が背後から回され輪廻 を抱きしめてくる。
輪廻が肩越しに振り返ると、肩に顎を乗せたシアの顔が至近距離に見えた。その顔は真っ赤に染まっており、実に嬉しそうに緩んでいる。
「……いいか? 特別な意味はないからな? 勘違いするなよ?」
「うふふふ、わかってますよぉ~、うふふふ~」
あくまで身内を捨てるような真似はしないという意味であって、周りで騒いでいるヤツ等のように〝自分の女〟だからという意味ではないとはっきり告げる輪廻だったが、シアには、まるで伝わっていなかった。惚れた男から〝神に渡す位なら神を殺す〟と宣言されたのだ。どのような意図で為された発言であれ、嬉しいものは嬉しいのだろう。
手っ取り早く交渉を打ち切るための発言が、いろんな意味で〝やりすぎ〟だった。ユエとミレディは、トコトコと傍に寄って行くと、そんな輪廻の袖をクイクイと引っぱった。
「何だァユエ?ミレディ?」
「ん……カッコよかったから大丈夫」
「そうそう、カッコよかったし大丈夫だよぉ」
「……慰めありがとよォ」
輪廻の心情を察し、慰めるユエとミレディに、輪廻は感謝の言葉を告げながら優しく頬を撫でた。気持ちよさそうに目を細めるユエとミレディ。
早朝の正門前、多数の人間がいる中で、背後に、白髪紅眼の部下を待機させ、背中に幸せそうなウサミミ美少女をはりつけ、両手には金髪紅眼と金髪蒼眼のこれまた美少女を纏わりつかせる男、十五夜輪廻。
商隊の女性陣は生暖かい眼差しで、男性陣は死んだ魚のような眼差しでその光景を見つめる。輪廻に突き刺さる煩わしい視線や言葉は、きっと自業自得である。
感想と高評価お願いします。
次回、フェーレンとウルと黒竜。
曇らせや愉悦部は好きですか?(今後の参考にしたりしなかったりする)
-
好き
-
大好き!
-
今までに見た曇らせを覚えているのか?
-
嫌い
-
嫌いすぎて吐きそう
-
ゴリラ
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