とある炎剣使い達は世界最強   作:湯タンポ

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BLEACHで一番好きなキャラは藍染惣右介、どうも湯たんぽです。

超久しぶりに連日更新でござる。

最終話までは連日更新の予定です。

もう話すこと無くなってきたんですけど……あ、そだ、一年ほど前からわたくしお風呂にハマっていまして、何処か良いお風呂があったら教えて下さい!


ではどうぞ!


因みに輪廻君のテーマ曲は前前前世です。私も好きな曲です。








第二十八話 クソ野郎は何があってもクソ野郎。

 

 

 

「オラァ!死ねェ!」

 

ドゴッ!

 

「ガハッ!……それくらいで俺は死な無い!喰らえ!」

 

ドシュッ!

 

「ガッ!…死んどけクソ之河がァ!」

 

ドスッ!

 

「クソ!いい加減に倒れろ!トドメだ十五夜!」

 

ザシュッ!

 

 

「ガぁッ!……クソ野郎……が」

 

そう言って地面に倒れ込んだ輪廻に、天之河が追撃を下す。

 

 

ザクッザクッザクッザシュッドシュッグサッ。

 

 

何度か剣を振り下ろすと輪廻の目から光が失われた。

 

 

その傍らには涙を流し立ち尽くす紫の姿があった。

 

 

「ごめんなさい……輪廻さん……ごめんなさい」

 

 

紫はそう言いながら彼の亡骸を凍らせ、封印の術式を付与した。

 

 

そして輪廻は幾度目かの封印をされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

話を少し戻そう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

あの時、輪廻の技を受ける寸前、紫が一筋の涙を流した。

 

 

それに気付いた輪廻の刀の加速がほんの一瞬、刹那にも満たぬ時間鈍る。

 

 

その一瞬が明暗を分けた。

 

 

彼の刃がそのまま紫を切り裂く瞬間、何処からか人影が現れ、その刃を止める。

 

 

「…流石イレギュラー、と言った所でしょうか、凄まじい威力ですね。」

 

その人影は美しい女だが、その美しさが逆に人形の様な印象を持つ。

 

「チッ!木偶人形(ノイント)がよ」

 

 

そして、その女はクソ野郎……つまりエヒト(ラスボス())の兵隊の1人だ。

 

 

よく周りを見ると、一人の男を囲うように、ノイントと同じ容姿を持つ女達が重装備で数万人並んでいた。

 

 

「で?何でてめぇがその真ん中に居るんだよ、天之河(・・・)。摩虎羅はどうした。」

 

輪廻がそう言うと真ん中にいた男……天之河が前に出て来てこう言った。

 

「何だ?俺の事がそんなに気になるのか?まぁ仕方ないな、俺は彼女達に慕われるような男だからな。ちなみにさっきの化け物ならもう倒したぞ。」(天之河)

 

「何かお前すっげぇキモくなったな、エヒトでも乗り移ってんのか?」(輪廻)

 

「え!?あ、ああ、よくわかったな!」

 

「なんでお前が驚いてんだよ!!」

 

輪廻が全力でツッコんだ後、紫の方を見て言った。

 

「おい、あいつらを殺ったら次はお前だ。覚悟しておけよ?」

 

「あら、それは怖いですわね……。では私もあなたを殺す準備をしておきますわ。」

 

そして輪廻と天之河は同時に動き出す。

輪廻は無数の斬撃を放ち、周りの使徒達が死傷者を出しつつもそれを全て受けきると、今度は天之河が突っ込んで来る。

 

「チッ!時間切れか!もうあんま力も残ってねぇな!」

 

卍解が解けたことに愚痴りながらも、輪廻はそのまま刀を構えた。

 

「せやァァ!!!!」

 

対する天之河は聖剣を振り上げ、輪廻に斬り掛かる。

 

「フンッ!」

 

しかし輪廻はその攻撃を避けるどころか、逆に掴み取り、そのまま背負投げをする。

 

「ガハッ……」

 

地面に叩きつけられた天之河だったが、すぐに起き上がり再び斬りかかる。

そこから二人はお互いに傷付きながらも戦い続ける。

 

「いい加減死んどけや!この雑魚がァァ!!!」

「貴様こそさっさと倒れろ!!このクズ野郎ォォ!!」

 

そして遂に決着の時が訪れる。

輪廻は、最後の一撃を放つため大きく振りかぶる。

対する天之河は、全身全霊の力を込めて迎え撃つ。

 

「これで終わりだァァァ!!!」

「負けるかァァァァ!!!」

 

輪廻の最後の一閃により、天之河の首が落ち、それと同時に輪廻自身も倒れる。

 

「……ハァ……漸くめんどせえのが死んだか。」

 

輪廻はそう呟くが、まだ終わりでは無い、と言うかこれは前哨戦みたいな物だ。

 

 

「あら、もう終わったんですの?まだ掛かると思ったんですけれど……。まぁいいですわ。」

 

何せまだ数百万の使徒と、面倒臭い大妖怪が待ち構えているのだから。

 

 

「クソが!そう言えばまだまだ残ってやがったなぁ!……まぁいい、まとめて皆殺しゃあいいか。」

 

勢い良く起き上がった輪廻はそう言うと大量の使徒に刀一本で突っ込んで行った。

 

「死ねオラァ!てめぇら全員バラバラ死体だァ!」

 

 

今の輪廻はまさに鬼神と呼んで差し支えない、敵の血飛沫を浴びながらも使徒達斬り殺していく。

 

無論彼女達とて弱い訳では無い。紫と藍の援護の中、接近して何とか戦おうとしているのだが、近づいた瞬間に切り殺されるので戦闘にすらなっておらず、ただの蹂躙と何ら変わらない。

 

 

そして漸く半分程の使徒を倒し終えた輪廻は、ゆっくりと紫と藍の方に歩いていく。

 

「やっと終わっ……」

 

その時、突如として輪廻の体が500メートル程吹き飛んだ。

 

「あ"?一体何が起きやがった……?」

 

輪廻は体を起こしながらそう言い、先程まで自分が立っていた場所に目を向ける。

 

そこには、先程輪廻が殺した筈の天之河が立っており、此方へと聖剣を向けている。

 

そして、天之河は輪廻を睨むとこう言った。

 

「先程は良くもやってくれおったな!

……だが同時に感謝するぞ、何せ我はこの肉体を手にする事が出来たのだからな!」

 

そう言って天之河(エヒト)は輪廻に向かって駆け出した。

 

「おいおいマジかよ、首が落ちて生きてるとかどこの不死身主人公だよ……まぁ俺が言えた事じゃねえが……しかもあの感じだと完全に乗っ取られた感じか?まぁ元々どっちもそんなに変わんねぇが……。」

 

そう言いつつ、輪廻も天之河(もうそのままでいいか)を迎え撃とうとする。

 

「だがお前は脅威となる、全知全能は我だけで良いのだ!死ねェェ!!」

 

天之河がそう叫びながら聖剣を振るうが、輪廻はそれを難なく避ける。

 

「オイオイ、お前そんなんじゃ当たらねぇぞ?もっと本気で来いよ。剣振り始めたての餓鬼か?」

 

輪廻が煽るが、天之河は聞こえていないのか、それとも無視しているのか、ひたすらに聖剣を振り続ける。

 

「ッチ、つまんねぇな。」

 

輪廻はそう言うと、天之河の攻撃を避けながらその腕を切り落とした。

しかし、切られた箇所からは直ぐに新しい手が生えてくる。

 

「再生持ちとかチートだろ、でも俺もそんなに言えないんだよなぁ……。」

 

そう呟きながらも輪廻は次々と天之河の腕や足を斬り落としていく。

 

「無駄だ!!貴様ごときに我が負ける事など無い!!」

 

そう叫ぶ天之河を無視し、今度は心臓を貫く。

 

「その言葉そっくりそのまま返すぜ。」

 

輪廻はそれだけ言うと、天之河の頭を踏み潰す。

 

そして、オマケとばかりに指を鳴らし、魂ごと焼却したのであった。

 

「さて、次はてめえらだ。さっさと死にやがれ。」

 

輪廻はそう言い、残った使徒達に斬りかかって行く。

 

「「「ギャァァァァ!!」」」

「煩えんだよ雑魚共が!」

 

そう言いながら、もはや人の言葉を失って向かってくる使徒達の首を跳ねる。

 

「「「アァァァァァ!!!」」」

「黙れってのが分かんねえのかァァ!!」

 

そしてまた一人、使徒の首が飛ぶ。

 

「チィ!数が多過ぎるな……個々の強さは大したもんじゃねぇが、このまま一匹ずつ狩ってたら時間が足りねェ。……使いたくなかったが仕方ない、解放するか。」

 

彼はそう言うと、刀を携えたまま動かなくなった。

 

勿論その隙を逃すまいと、いく千もの敵が輪廻の周りに群がる。

 

そして、彼女達の刃が彼を捉える寸前、輪廻はその名を紡いだ。

 

 

 

「卍解 三式 夜叉の残火」

 

 

その瞬間、輪廻の周りに群がっていた半径数十メートルに居た使徒は蒸発した。

 

 

「さァ、とっとと終わらすぜェ!」

 

 

そうして輪廻は殺戮を続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、紫と藍はとある準備を進めていた。

 

「……藍、貴女は良いの?こんな事をして。」

 

紫のそんな問いに対し、藍は思わず準備の手を止めて答えた。

 

「……私だって本当はこんな事したくありませんよ!……でも、私は紫様の従者です、紫様がやれと言うのであれば私は何でも致します。……たとえかつての恩師である輪廻様を殺すことでも。」

 

己の従者のその叫びに、紫は目を背け、言い訳がましい言葉を重ねる事しか出来なかった。

 

「ごめんなさい、貴女にこんな事を手伝わせて……勿論嫌よね、たとえ一時でも好きになった人を殺せなんて言ってるんだがら………」

 

そして、紫も準備の手を止め、こう呟いた。

 

「………最低ね、私って。」

 

「いえ、紫様だけが悪いわけではありません。悪いとすれば、全てはあの男のせいですから。」

 

藍は紫を慰めるようにそう言った。

 

「ありがとう藍、じゃあ、そろそろ始めましょうか。輪廻が来る前に終わらせないと。」

 

紫は覚悟を決めた表情でそう言い、再び作業を始めた。

 

「はい……これで私も最低な女の仲間入りですね…。」

 

そして、二人は輪廻が使徒達を殺し終えるまでに、必死に準備を進めていった。

 

 

「オラァ!これで終わりだクソ共がァ!!」

 

そう言いながら、輪廻は最後の一人の頭を斬り飛ばした。

 

「ったく、雑魚過ぎて途中で飽きたわ。……さて、残る2人は何処に……」

 

そして、血を払った刀を鞘に収めながらそう呟いた瞬間だった。

 

ザシュッ

 

「あ"あ"?」

 

輪廻が背後から突き刺されたのは。

 

「なんで…テメェがいやがる…天之河。魂ごと焼却した筈だ…。」

 

輪廻は信じられないものを見たような目をしながらそう呟いた。

 

「フハハッ、残念ながら我はまだ死んでおらんぞ?それにしてもまさか我がここまで追い詰められるとはなぁ……。だが、それも此処までだ。お前を殺すまで我は死ねん様だ。」

 

そう言うと、天之河は突き刺さったままの剣を抜くと同時に輪廻を全力で蹴り飛ばした。

 

輪廻はバウンドボールの様に跳ねながら弾け飛び、壁に激突した。

 

軽く300メートルは飛んだ輪廻は、頭から血を流し、ふらつきながらも何とか立ち上がったが、そこで自分の違和感に気付いた。

 

(傷が再生しねぇな……運動能力も落ちてる上に軽度の脳震盪、能力が殆ど発動できねぇ……こりゃあいよいよ持ってやべぇな……)

 

そして、周りをよく見渡して見ると、そう遠く無いところに紫と藍の姿があった。先程から妙に力が出ないのも2人が関係してるであろう。恐らく特殊な結界でも張っているのだろう。

 

そう考えていると、耳障りな奴の声が辺りに響いた、どうやら近づいて来たことに気付かぬ程この体はポンコツになった様だ。

 

「どうだ?これが我が力、この世界では『ちーと』と言うらしい。そして、我の能力は『不死』ではなく、『不滅』、つまり、永遠に死ぬ事はないということだ!」

 

そう高笑いする天之河を見て、輪廻は心底うんざりした顔を浮かべてこう言った。

 

「ああそうかよ……それで?その内生物と鉱物の間の存在になって考えることでもやめる気か?」

 

すると、天之河は再び馬鹿にした様な笑みを浮かべながらこう返した。

 

「ククッ……いずれはそれも良いかも知れんな?……まぁそれはともかくとして、まずは貴様に引導を渡してやる。覚悟しろよ?我を侮辱し、殺した罪は重いぞ?……さぁ、今度こそ死ね!」

そう叫ぶなり、天之河は輪廻に向かって一直線に走り出した。

それに対し、輪廻はため息を吐きながらこう言った。

 

「俺を殺したきゃ殺すが良いさ、殺せるもんならな、こちとらテメェより強い奴なんざ何度も戦って来てんだよ!!……それに俺は死ぬ時は好きな女の膝の上って決めてんだ、こんなとこで死ねるかよ!」

 

そう言い放つと、輪廻は刀を構え、迎撃態勢に入った。

 

そして、遂に両者の距離がゼロになり、両者は互いの刃をぶつけ合った。

ガキンッ!という金属音が鳴り響き、次の瞬間、輪廻は天之河の背後に回り込み、その首に刀を突き立てた。

しかし、輪廻の攻撃は天之河の首に届く前に何かによって防がれていた。

 

「チィッ!!めんどくせぇ術式かかってんな!!」

 

そう言いながら、輪廻は一度天之河から離れ、体勢を整えようとした。

だが、それがいけなかった。

 

なんとバックステップ回避での着地ミスで、足を捻ったのだ。

 

普段の輪廻なら絶対に起こさないミス、だがこの時、輪廻は脳震盪を起こして居たのだ、そもそも動けること自体奇跡に近かったのだ。

 

「フハハハッ!馬鹿め!貰ったぞ!」

 

無論そんな特大の隙を逃す訳もなく、輪廻の腹を刺して、そのまま勢いよく壁に叩き付けた。

 

「ゴホッ……クソッ……油断したぜ……。」

 

そう言いながら、血を吐き出す輪廻に対し、天之河はニヤリと口角を上げながらこう言った。

 

「ククッ……ようやく敗者らしくなってきたじゃないか?もっと楽しませてくれよ!」

 

そして、天之河は更に追撃を加えようと、輪廻の胸倉を掴み上げ、拳を振り上げた。

 

「フンッ!」

 

ドゴッ!

 

その瞬間、天之河の腹に凄まじい衝撃が走り、テニスボールの様に吹き飛んだのである。

 

 

「ぐっ!?何が……」

 

天之河はそう言って立ち上がると、自分の腹部に視線を落とした。そこには、輪廻が放った蹴りの跡が残っていた。

 

「テメェの相手はもう飽きたわ。」

 

そう言って、輪廻はゆっくりと立ち上がり、刀を構えた。

それを見た天之河は怒りの形相を浮かべながら叫んだ。

 

「貴様ァア!!!」

 

そして、今度は天之河が輪廻に向かって駆け出し、剣を振るった。

しかし、その攻撃も輪廻は難なく受け止め、逆に蹴り飛ばした。

 

そして、距離を離した瞬間、輪廻が刀を解放しようと構える。

 

その瞬間天之河が叫び、その内容に輪廻は舌打ちしながら刀を鞘に戻すしか無かった。

 

「卍解 四式……」

 

「待て!この娘達がどうなっても良いのか?」

 

「……チッ!」

 

 

そう言って天之河が指差す先には、なんと縛られたレミアとミュウが紫達に連れられていた。

 

「パパ!」

 

「輪廻さん……」

 

ミュウとレミアが彼を呼ぶ間に、彼女達は天之河のすぐ側へと連れて来られていた。

 

 

「さあ、この娘達を助けたくば、持っている武器を全て捨てろ、今すぐにだ。」

 

 

 

 

天之河の言葉を聞き、輪廻は内心かなり焦っていた。

 

(クソッ!あそこまで近いと助けることは不可能だ……チッ!)

 

「早くしろ!」

 

 

そう怒鳴り付ける天之河に輪廻は全力で脳を働かせて思考する。だが結果はこのまま武器を捨てる事が最善だと出る。

 

そうして輪廻が悩む中、ミュウが声を上げた。

 

「パパッ!ミュウの事なんて気にする事ないの!だからこの変な人たちを倒して!」

 

「黙れ!貴様はただ黙って人質になっておれば良いのだ!」

 

バチンッ!

 

その声に苛立った天之河がミュウを叩くが、ミュウは痛さに声を上げる訳でもなく、ただ目尻に涙を浮かべながら天之河を睨み付けた。

 

 

「なんだその目は?お前も死にたいのか?」

 

そう言いながら、天之河は手に持った剣をミュウの首に突き付けた瞬間、輪廻は迷うこと無く刀を後ろに放り投げた。

 

「……これでいいンだろ。」

 

「パパ……ッ!」

 

それと同時に輪廻はそう言って両手を挙げた。

 

「ククッ!最初から素直にしていれば良かったものを……。おい!」

 

そう言うなり、天之河は輪廻の腕を掴みあげ、無理矢理引き摺って行った。

 

「テメェ、何をするつもりだ?」

 

「決まっているだろう?殺し合いだよ。」

 

そんな事を吐かした天之河に、輪廻は呆れた様な顔でこう言った。

 

「ハッ!素直にリンチって言えよ。」

 

「…まだ口の聞き方がなってない様だな…」

 

それを聞いた天之河は、苛立ったようにそう言ったが、突如天啓を得たかのようにニヤリと笑った。

 

「いい事を思い付いたぞ、十五夜輪廻、貴様自分の娘を殺せ。」

 

 

 

それは普通の人間ならとても思い付きそうも無いことであった。

 

 

「……どういうつもりだ?」

 

「クハハハッ!簡単な話だ。貴様の娘が死んだら解放してやる。ソイツの母親も一緒にな」

 

そんな言葉にたいして、輪廻は即答した

 

「ふざけんじゃねェ、んな事する訳ねぇだろうが。」

 

しかし、天之河はその答えを予想していたようで、続けておぞましい事を言った。

 

 

「で、あろうな。ならばお前が刺されろ。その娘の母親にな!」

 

 

それを聞いたレミアはビクッと身体を震わせ、こう言った。

 

 

「わ、私ですか…?」

 

「ああ、そうだ。彼奴が死ぬ寸前迄刺してもらう、無論奴は頑丈だからそう簡単には死なんだろうがな。安心しろ、トドメは我が刺す。」

 

「そ、そんな事出来るわけが……」

 

レミアのそんな拒絶の言葉に対し、天之河は何も無いかのようにこう言った。

 

 

「ならば貴様の娘を犯し尽くした上でバラバラにして殺す。貴様の目の前でな。」

 

「……ッ!?」

 

その余りにも酷い内容に、レミアは恐怖のあまり言葉を詰まらせた。

 

「テメェ、自分が何言ってるか分かってンのか?」

「当然であろう?娘が犯され殺されるよりはマシではないか?」

「……チッ!もういい。」

 

そう言って輪廻は諦めた様に歩き出した。

そしてその先にある物を見て、天之河はニヤリと笑った。

 

何故なら輪廻が歩き出した先にはレミアが居たのだから。

 

レミアの前に着いた輪廻は、恐怖のあまり座り込むレミアの手にナイフを握らせてこう言った。

 

 

「すまねぇなレミア、頼む。」

 

「…嫌…嫌です、貴方を殺したくなんてありません!ようやくミュウを一緒に育てられる人と出会ったと思ったのに……!そんな人を殺したくありません!」

 

 

しかし、尚も拒否を示すレミアにイラついた天之河は、ミュウの近くへと寄ってこう言った。

 

 

 

「さあどうするんだ、男を殺して娘を守るのか、それとも男を殺さず娘を見殺しにするのか!早く選ばないとどちらも殺すぞ!」

 

それに焦った輪廻が早くしろと叫び、ミュウは自分が全て受けるとレミアを止めるために叫ぶ。

 

 

「レミア!」

 

「ママ、辞めてなの!」

 

 

「うるさい!黙れぇい!!」

バチンッ!

「キャウッ!」

 

その音と共に、ミュウが悲鳴を上げ、レミアは涙を堪えながら、覚悟を決めた目で天乃河を睨み付けた。

 

「……分かりました、やります。」

 

そうして天之河は満足げに笑うと、ミュウに向かってこう言い放った。

 

「さあ、見逃すなよ、お前の母親が父親を殺す所をな!」

 

「い、嫌なの!」

 

 

「……やってくれ、レミア。」

 

「……いきます!」

 

そうして、レミアは輪廻に言われた通り、その手に持つナイフで輪廻を刺し貫いた。

 

「グッ!ガァッ!……そうだ……それで良い……ッ!」

 

涙を流しながら輪廻を何度も何度も刺す。

 

ザシュッ!ザクッ!ドシュッ!グサッ!ドチュッ!グチャッ!

 

「パパぁっ!!!」

 

「ハハッ!素晴らしいぞ貴様ら!さあ娘よ、お前は何も出来ぬまま父親を見殺しにするのだ!これ程愉快な事もそう無いぞ!?」

 

 

 

余りの惨状に、ミュウは思わず目を背けた。するとその先に紫と藍が立ち尽くしていた。

 

「お姉さん達助けて!お姉さん達もきっとパパがあんな事になってるのは嫌なはずなの!」

 

二人がこの光景を望んでない事を悟ったミュウは、二人に必死に助けを求めた。

 

 

「……ごめんなさい、ミュウちゃん、確かに私達もあんな事は嫌だけど……あれは私達が望んだ事なの。」

 

しかし、紫はそんな事を言いながら立ち尽くすだけだった。

それを見たミュウは絶望し、遂には泣き出してしまった。

 

「うわあああん!!どうして誰もパパを助けようとしないのぉ!みんな嫌いなの、大っきらいぃ!!!もう嫌なの!何も見たくない!何も聞きたくないの!」

 

そんなミュウに対して、天之河は嘲笑うかの様に言った。

 

「クハハッ!愚か者共め!これが奴らの選んだ結末だ!かつて暴虐の限りを尽くした男ですらも、過去の仲間からこんな形で裏切りを受けて死ぬのだ!やはり仲間や家族など要らぬ存在だったという訳だ!」

 

 

 

その言葉を聞き、ミュウの中で何かが崩れた音が聞こえた気がした。そしてそれと同時に、今まで感じていた恐怖心すら消えてしまった。

 

(……もう嫌なの……何も感じたくないの……)

 

そして、天之河の言葉を聞いた輪廻はこう呟いた。

 

「…そんなひねくれてっから…仲間が居ねぇんだろ……仲間がいようが家族がいようが裏切られるのが人間だ。」

 

「フンッ、負け犬が何を言おうが最早意味はない!さあレミアよ、最後の仕上げをしろ!」

 

そしてレミアは涙を流しながらも輪廻の首筋にナイフを当てた。

 

「輪廻さん……」

「気にすんな、これで良かったんだよ。そもそも自分でまいた種だ、お前らが無事なら俺はそれでいい。」

「ごめん……なさい……ありがとうございます……。」

「ああ、じゃあ……またな。」

「ええ……さようなら、輪廻さん。」

 

そう言ってレミアは輪廻を刺し貫いた。

 

しかし、輪廻は何故か笑っていた。

 

それは確信しているからだ、もう少しで最強の部下と嫁が来ると。

 

 

そして、まだ輪廻は死なない、いや、致命傷だが、まだ身体を動かせる。

 

輪廻はそこまで思考するとゆっくりと立ち上がり、天之河へこう言った。

 

「…なぁ天之河、いやエヒトか?まぁどっちでも良いが……最後に男同士どつき合おうぜ。」

 

「ほう、面白い。良かろう、死に損ないの戯言に付き合ってやる。」

 

そうして二人は拳を構え、互いの顔目掛けて同時に放った。

 

バキッ!ドゴォン!! 二人の拳がぶつかり合い、凄まじい衝撃波が辺りを襲った。

 

「チィッ!しぶといな!」

 

「そりゃこちとら死に損ないだがな、生きてるうちは幾らでも戦えんだよ!」

 

そうして何度も殴り合う二人。その度に衝撃と轟音が巻き起こり、やがて天之河の顔に焦燥感が見え始めた。

 

「何故だ!?私は完璧なはずだ!なのに貴様らは何時まで経っても倒せん!」

 

「ハッ!その程度で完璧なんて、烏滸がましいんだよ、死ねオラァ!」

 

ザシュッ!

 

「ふん!付き合いきれんわ!」

 

だが天之河は殴り合うことを承諾したにも関わらず、途中でそう言って剣で斬り伏せたのだ。

 

「…がぁッ!……どおりで…快く承諾してくれた訳だ…」

 

そして、輪廻はそう言って今度こそ倒れて動けなくなった。

 

「フハハハッ!これでトドメだ!!」

 

天之河はそう言って動けない輪廻を何度か突き刺す。

 

ザシュッ!ドシュッ!

 

「……ガハッ!……クソ野郎は…最後までクソ野郎だったな……、ユエ……ハジメ…あとは頼ん――」

 

グシャッ!

 

 

……その言葉を最後まで言うこと無く、輪廻の目からは光が喪われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在に戻る。

 

 

 

紫が涙を流しながら輪廻の死体の処理を始めようとした時、天之河は高らかに笑い始めた。

 

 

「クハッ、クハハハ!遂にやったぞ!!この世界で唯一我より上位の存在を殺す事が出来た!……これも偏に貴女のお陰だよ、八雲紫。」

 

「………そうですか。それは良かったですわね。」

 

紫の返事には覇気がなく、まるで抜け殻のようであった。

そんな様子を嘲笑うかのように、天之河は言葉を続けた。

 

「さて、邪魔者は消えた事だし、早速貴女の力を貰おうかな。」

「……好きにして下さい。もうどうでもいいんですもの。」

「では遠慮なく頂こう。」

 

天之河はそう言って紫の胸に手を置いた瞬間、その手が弾かれた。

 

「……なんのつもりだ、八雲紫。今お前は好きにしろと言った筈だが。」

 

 

「私好きにしろとは言いましたが…抵抗しないとは言っておりませんわ。……そしてどうでもいいと言ったのは貴方との契約の事です。」

 

「ほぅ、ならば抵抗すれば良いではないか。別に死ぬ訳でもないしな。」

 

「いえ、そんな事は関係ありません。ただ単に私が嫌なだけですから。」

 

「……そうか、なら仕方がない。少し痛めつけてやるとしよう。」

 

そう言って天之河が何かの魔法を発動しようとした時だった。

 

 

 

「おい!これはどういう状況だ…!」

 

「何で……輪廻が倒れてるの?」

 

 

最強の援軍が到着したのは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 







今月のなかば位にありふれのくじの景品が届く予定なんすよねぇ、いや楽しみだわァ。

この作品が終わったら暫く休もうかな〜って思ってます。一二ヶ月ストック貯めてから書こうかなって。


まぁアフターは普通に書くつもりですけどね。




あ、そう言えばアンケート答えて下さると、次に書く作品の順番を決める参考になりますので是非お願い致します。


後優しい方感想くだちい。


3

曇らせや愉悦部は好きですか?(今後の参考にしたりしなかったりする)

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