IS Another ZERO   作:XXI

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学園祭でーす。
おじさんの青春時代には模擬店なんてものはありませんでしたーっと。

さて、亡国企業の登場です。秋さんの登場です。蜘蛛って蟹の味がするらしいですね。食べたくはないですけど。
いや、珍味としてなら一度だけ食べてみたい気も……。猿の頬肉もうまいと聞きますし。世界不思議発見はいい番組でした。ウルルン滞在記も。
因みに復活してほしい番組はどっちの料理ショーです。

あ、まだA10の出番はありませんよ?次回で猛威をふるいます。


学園祭

そうして学園祭当日がやってきた。

今日までクラス展示の準備をしながら学園内の警備体制を確認してきたが……あまりよろしくない。

今までの警備体制と何ら変化ないじゃないか。今まで通り何の変化もない防衛体制。教師たちのスクランブルもかけられるような状態では無い。

おまけに外から一人知り合いを学園内に呼べるとあって、身分確認はいつもよりもざる。

強襲はともかく、情報が流れていく。それはもう雨どいみたいに。

まぁ、誘い込んでいるのではないのか、とすら思えてきた。

情報程度は物の数じゃない、と言う奴か? ものがない限り、情報が漏れた所で大した事はないとでも思っているのだろう。

まぁ、だからこそ俺が知り得る事実もあるわけだが。

そして俺は学園内を探し回る事もなく、クラス展示の手伝いをしている。

 

「いらっしゃいませお嬢様方。どうぞ此方へ、御席までご案内いたします」

 

そんなこと言いながら頭がゆであがったままの女どもを席に案内する。

何で俺がここでこんな事をしていなければならないのだろうか。

面倒くさい。給仕の仕事なんて世界で一番俺に向いていない仕事のはずだと言うのに。

溜息を吐きながら、てきぱきと仕事を続ける。

まぁ、あの馬鹿みたいに客に餌付けされるなんて馬鹿なゲームはない扱いになっている。

そろそろ交代の時間だ。

 

「さて、それじゃあ先に休憩に入らせて貰う」

 

馬鹿がやっぱり馬鹿騒ぎを起こしていたので、それを横目に俺は教室の外に出た。

さてはて、どこへ向かおうか。

とりあえず校門前まで向かおうか。

不審者がいたりしたら怖いからな。

 

「あの、少々お時間、宜しいでしょうか」

 

校舎の玄関までやってくると、女に声をかけられる。

 

「織斑、一夏さんでしょうか?」

「……貴女は?」

「失礼しました。私、こういったものです」

「みつるぎ、渉外担当……?」

「ええ、是非とも男性IS操縦者である貴方に、わが社の製品を使って頂きたく」

「なるほど、それで織斑一夏に接触を図って来た、と言う訳ですか」

「では、貴方は織斑さんでは無いのでしょうか?」

「ええ、まぁ。生憎と自分もISなんて言う呪われたものを扱っていますが」

「まぁ! では貴方が二人目の……」

「ご存じなかったのですか?」

「お話だけは。ですが実際にお顔を拝見させて頂くのは初めてなので……」

「正直、自分はISの兵器に関しては素人でね。あまり詳しくはないんだ」

「まぁ、でしたら此方のカタログを」

「いえ、カタログは。生憎と機密扱いにされているのでね。易々と規格外の兵装を積む訳には」

「わが社の製品を是非とも使ってほしいのです!」

「……では、貴女方が使っている銃弾の規格値をお教え願えますか?」

「え……それは……」

 

パラパラと自分のカタログを開く渉外担当どの。

 

「商品の売り込みに来ているのに、そんな程度の事も把握していないようでは信用に値しませんね。まぁ、次の機会があったら考えて置きましょう」

 

そう言い残すと、俺はそいつに背中を向けた。

まぁ、まともな人間じゃあないのは確かだ。こりゃまた、アクティブな不審者な事だ。

偽物の名刺は破り捨てておく。

差し詰め俺達にすり寄ってうまい汁でも吸いにきた羽虫だろうが……普通に考えたら、そうだろうな。

だが、厄介な事にこれまでの事からこういった手合いは絶対何か腹に何かを抱えているのだと言う事がわかってしまう。

こんなイベント事で声をかけてくる人間なんて何か問題を持っているに決まっている。何らかのアクションを起こしている時点で、問題を抱えていると考えた方がいい。

どうせ此処で一つ問題を潰した所で、次から次へと問題は舞い込んでくる。

どうせなら、これ以上問題が潜り込まない方に注力した方がいいな。

そして一つだけ忠告しなくてはな。

 

「そして残念ですが、織斑一夏の回答も同じだと思いますがね。まぁ、何の目的かは知りませんが、あまり派手を起こさない事をお勧めますよ。五体満足でいたいのならね」

 

貼り付けた風な笑顔が少し歪んだ。

成程、血の気は多いって奴か? 内心では男に媚び諂う事を酷く毛嫌いしているのだろうな。誰でも、同じだ。

それに、正規の人間でもなさそうだ。

自社の製品の詳細を知らない渉外担当がいるだろうか。これは何らかのトラップだ。それに、俺では無く、白式を狙っている?

だとすれば成功率の高い方を選択したと言う事なのだろうが。

一応、織斑一夏に教えておこう。

手にケータイを呼び出し、メールを送る。内容は、そうだな……「不審人物がいる、注意しろ」くらいで十分か。

情報を引き出すのが目的なのか、果てさてわからないけれど。

一瞥すると、そのまま校庭に出る。

学生達の模擬店が校庭内を埋め尽くす。クレープにたこ焼きお好み焼きにいか焼き。お祭りの出店、しかも食い物屋限定と言った所か。

のんびりと校門前までの道筋を歩いて行く。

今のところ平和な光景だ。先程の女以外、特にこれと言った不審人物は見当たらない。強いて言うなら男女でいちゃいちゃしている連中が目につく。

平和だ。平和か。

正面ゲート前、そこで見知った顔を見かけた。何やらチケットを握り締めている。ああ、あのチケットをあの白いのから貰ったのか。流石に俺の友人を呼ぶ訳にはいけない。

あの人が来たら、酷い目にあってしまう。間違いなく、周囲を教師諸君に囲まれた挙句、銃口を向けられてしまうだろうな。

溜息を吐きながら、その人間に向けて俺は声をかける。

 

「久しぶりだな、五反田弾。妹はいい加減、この学校を諦めたか?」

 

赤髪の長身、そこそこ整った顔の男子高校生、五反田弾がそこにいた。

 

「お、本当に久しぶりだな!」

「お前がここにきている、と言う事はチケットを貰ったのはあの馬鹿か?」

「ああ、もう一人来たがっていたんだけどな」

「そうか、だったら俺の分を渡した方が良かったか?」

「え、お前誰にも渡してないのか?」

「俺の知り合いなんて呼んだら、スパイを疑われてしまう」

「どんな知り合いだよ……あ、そう言えばお前、臨海学校の時に一夏を殴ったみたいだな」

 

おや愚痴っていたか。これは心象がよくないだろうな。

 

「そりゃあいつのお陰で僅かな時間だがMIAだったんだ。許せるほうがおかしいだろう」

「MIA?」

「あー、戦闘中行方不明の事だ。ようは死にかけたって事だ」

「まぁ、あいつって結構、周りの事がみえない所があるからな。いい薬になったんじゃねーの?」

「だったらいいんだけどな。まぁ、色々と気をつけろよ。この学園、一学期からトラブル続きだ。下手をすれば死人が出る可能性があるほどに」

「おう、気をつけて置く。死にたくないしな」

「まぁ、そこそこに楽しんでいけ。他の学園では出来ない事もあるぞ。目の保養にもなるかもしれんしな」

「あ、そうだ。あいつ見なかったか? 俺の事案内するとか言って置きながら俺の事ほっぽり出してやがる」

「あいつなら女に囲まれで鼻の下伸ばしていたぞ」

「やっぱりか! くぅ~あいつばっかり女に囲まれやがって!」

 

悔しがっていると一人の女子生徒が俺達に声をかけてきた。

 

「そこの二人……あら、貴方」

 

手にファイル、眼鏡をかけた女子生徒、布仏虚が俺達に声をかけてきた。

 

「貴方、何でこんな所にいるのかしら。教室での模擬店は?」

「ちょっと休憩でね。こんな恰好は息が詰まってしまって」

 

随分と疑われているな。まぁ、本来は此方の方が正しいと思うのだがね。

 

「貴方、一応チケットの確認をさせてもらえるかしら?」

「おいおい、俺が誘い込んだスパイみたいな言い方やめてもらえないか?」

「その疑いがあるから行うのです……あら、織斑君が配布者なのね……」

「俺とあいつが共通の知人を持っているのが意外か?」

 

チケットを確認して眉に皺をよせて言う。学園に二人しかいない男子が情報を共有しないととでも思ったのだろうか。

 

「さっき言った事が分かったろ? これで俺の知り合いなんて話になったら織斑千冬が常に隣にくっつかれてしまう」

 

苦笑交じりにそう言うと、弾の表情を見る。

おや、これは。中々、面白い事になりそうだな。

 

「おい、五反田弾。何を呆けてやがる」

「はッ! あ、いや……別に……」

「まぁいいさ。ほら、これで分かっただろ。俺は結構な有名人なんだよ」

 

と言うよりも、お前は何を呆けてやがる。

 

「そう言えば貴方は見回りか? 布仏先輩?」

「そんな所ね。貴方のような不審者を校内にのさばらせておくわけにはいかないの」

「随分な言いようだな。俺は別に悪い事を何もしていないのにな」

「貴方のような不良生徒が、よくもぬけぬけと」

「そりゃあ価値観の違いって奴だ。お人形さん遊びと、ロボットバトルが好きな程度の違いさ」

「野蛮な……」

「男に対しての侮辱かな?」

「貴方のその発想が野蛮だと言っているのです」

「おやおや、オランウータンを用いた実験の事を知らないのか?」

「猿と人を比較すると言う発想が、既に野蛮だと言っているのです」

 

やれやれ、人類の進歩をそんな言葉で流すなんてな。

そちらの方が十分に野蛮だと思うがね。

 

「まぁ、好きに言うといいさ。五反田、そう言えばお前、妹はどうしたんだ?」

「ああ、あいつならお前に向かってものすごい怒ってたぞ?」

「フン、それだけの図太さがあるのなら安心だな。今日は楽しんでいけ、あいつと待ち合わせしていたんだろう? あいつの事だ、女どもに捕まっているんだろうな。それじゃあな」

「あ、おい。お前は一緒に行かないのか?」

「一緒に行く理由があるのか?」

 

そう一瞥すると、俺は足早にそこから立ち去った。何、二人きりにしてやっても問題はないだろう。

そう言えば、何処かのクラスが中々面白い出し物をしていたな。

爆弾解体ゲームなんて言う代物。試しにやってみるのも面白いかもしれない。

中々、IS学園であると言う事を思い出させてくれる内容だ。

パンフレットを確認して、展示しているクラスに向かう。

クラスに入ると爆弾を模したモジュールを出される。成程成程、中々凝っているな。

てきぱきと配線を処理していく。仕上げに二本の配線。実際にこんな配線があるわけじゃないのだが……。

まぁさっくりとクリアして、俺はそこを後にした。何やらあっという間に攻略した事に驚きを隠せていないみたいだが。

パズル感覚に楽しめて良かったと思うが……難しく作ったつもりだったのか? こんな物で難しく作っても面白くないと思うがね。

展示をのんびりと眺めていると呼び出しを食らった。

なんでも流石に限界が来たらしい。そんな事、俺は知ったことではない。自分たちの采配ミスだろう。

溜息を吐きながら俺は教室に戻り、給仕の仕事に戻る。ああ、五月蝿い。女の嬌声なんて、こんな所で聞きたくはない。

プライベートでもないと言うのに。

溜息を吐きながら仕事をしていると件の馬鹿から連絡がきた。何やらイベントを起こすからそのつじつま合わせとして来て欲しいとの事だ。と言うよりも、あいつ俺の番号を一体いつ調べたんだ。一応、新規のものではあるが……。

……無視してしまおうか。まぁ、少しは羽目を外しても楽しんでもいいんだろうか。

と言うよりもは羽目を外し過ぎている気がするんだがな。

 

「おい、一体何を始めるんだ?」

 

俺は呼び出された場所で、楯無に向かってそう尋ねた。

 

「演劇よ、観客参加型の」

「冗談は良い」

「ま、ある意味本当の事なんだけどね」

 

観客参加型の演劇なんて、聞いた事がない。一体何の目的なのだろうか。

 

「不審者が学園内に潜り込んでいるわ。単独で、ね」

「ああ、そいつなら恐らく俺と織斑に接触するだろうな。問題はそこから」

「そう、心当たりがあるのね。それをあぶり出す為のイベントでもあるの」

「これが、か?」

「一夏君にはこの演劇で一人になって行動して貰う。彼には王子様役、その王冠には女子にだけとある特典を付けて、狙ってもらう」

「ほう、連中の事を理解した方法、と言うわけだ」

 

女子だけの特典、連中なら血眼になってそれを奪いに来る。

それに対して逃げる織斑一夏は自然と一人になってしまう。

そこに不審者が現れる、と言うわけか。成程なあいつは常に人目がある所にいる。人目につかない所に一人でいる訳だから、そのチャンスに、痺れを切らして現れる。それが罠だとも気づかずに。

確かに、結構効果的な作戦だとは思うが、そんな罠に引っ掛かるとも思えないがね。

 

「成功するのか?」

「別に成功する事が目的じゃないもの。失敗しても別に構わないわ。何もなければそれに越したことはないし」

 

それだけの事を考えているのか……ならいいだろう。

 

「それで、俺は一体何をすればいいんだ?」

「君には織斑君が一人になるように仕向けてほしいの。ちなみに、貴方の同室チケットも景品に入っているからね?」

「……まぁ、しかたないか」

 

溜息を一つ、俺はその作戦に乗っかる。

それじゃあ、連れてくるからスタンバイよろしく……なんて言うとそいつは織斑一夏の所まで行ってしまった。

やれやれ、食えない女だ。用意された衣装に俺は着替える。本当にどうしてこんな衣装を用意していたんだ。

もともと、ここでやる事を考えてはいたけれど、愉快なエキストラが紛れ込んでしまったが為に作戦を変更したのか。

中々柔軟な発想だが、あまりいいとは言えない手段だな。元からシャットアウトするべきなのだが……。

それとも、織斑一夏を餌に、この学園そのものが罠なのか?

そしてダミーの撒餌として生徒たち、と言った所か。いや、そんな特大の餌だな。

しばらく舞台袖で待機していると、劇中劇が始まる。

 

「昔々ある所にシンデレラと言う少女がおりました」

 

成程、シンデレラか。灰被り姫。有名な話だ。

 

「否、それは最早名前では無い。幾多のダンスパーティーを抜け、群がる雑兵を薙ぎ倒し、灰塵をまとい戦場をかける最強の兵士達。彼女らの事を畏怖をこめてこう呼称される、シンデレラ、と!」

 

素晴らしい解釈だな、おい。

 

「今宵もまた、血に餓えたシンデレラ達の宴が始まる。隣国の皇子の王冠に仕込まれた軍事機密を狙い、少女達が舞い踊る!」

 

これがスタートの合図か。

初めに飛び出してきたのは、龍だった。その手に少し大ぶりの刃物を持っている。中国の武装、投擲武器にもなる物だったか?

 

「もらったぁ!」

 

飛び出してくる彼女に体勢を崩しながらも回避した一夏。

声を上げるから、居場所がばれるんだよ。

 

「早くその王冠をよこしなさいよ!」

 

そう言ってパンダ女は、手に持つ武器を一夏めがけて投擲する。

やれやれ、助け舟でも出してやろうかね。俺は両手に剣を呼び出して、あいつの前に躍り出て、投擲されたその武器を弾き飛ばした。

 

「……あんたは!」

「今回はこいつの身辺護衛役って所だ。さて、俺を出し抜く事が出来るかな? 灰被りの少女達?」

 

軽く挑発をすると、そいつはこちらに向かってきた。

 

「今回はあんたが相手でも引く訳にはいかないのよ!」

「お前達が彼我の実力を正確に把握して対処できたことがあったか?」

 

そう言ってやる。弾いた武器を拾って俺に刃を向けてきた。中々派手な動きをしてやる。

……どうしてかな、こいつらは生身の方が強い気がしてしまうのだが。

レーザーポインタが呆けている一夏の方に動いている。いや、それは照準の補助に使うものじゃあないんだがな。

片手の剣を量子化させ、拳銃を代わりに呼び出して、そいつがいるであろう場所へ発射する。当然、命中はしていない。狙ってもいないのに、当たるわけがないだろう。

 

「あんたISを使うなんて卑怯よ!」

 

ISの能力は使っているが、別に使っているのは通常の対人兵器なのだけれどな。

銃剣鎚他と言った所か。それ以外の装備の必要性を感じないからな。

俺はその言葉に返答する事無く、中国娘に斬りかかる。

どうせ白人女は俺の威嚇射撃にビビってポイントを移動しただろうしな。次に射撃をするのは一体何分後になるだろうな。尤も、どうして自分の位置がばれたのかを考えない限り、位置はどんどんとばれていくな。と言うか、どうしてレーザーポインタが下から迫ってくるんだ。あれか? 下からゆっくりと銃口を向けているのか? 通常のライフルと比較して非常に長いスナイパーライフルを?

いやいや、アサルトライフルであるという可能性もありうる。この距離だ。取り回しを鑑みると、カスタムを施したアサルトライフルが有力か。何故レーザーポインタをつけているんだ。この距離なら選択ミスだろうに。

 

「くっ……抜けない……!」

 

当たり前だ。抜かせるものか。また、白人女のポインタが視界に入る。その方向から一を逆算。その場所に拳銃を打ち込む。頼むから拳銃の射程に入ってくるなよ……。

数度ほど、そのやり取りが繰り返されると、今度はシャルロットが現れて、一夏を別の場所へ連れて行く。おいおい、護衛がしにくくなるんだ。勘弁して欲しい。が、この中国娘、面白い戦闘術を使う。

飛んで跳ねて、まるで曲芸師のような戦闘スタイル。

応戦しながら一夏たちが逃げ去った所へ行く。が、そこでは電撃を浴びていた一夏と、戦闘を行っていた兎達。何というシュールな光景だろうか。

いや、俺にとっては比較的好都合なのだが……。

まぁ、ここまでは予想通りの状況か。想定はしていただろうな。彼女たちの心理状況ではこうなるだろうな。まぁ、俺に目標を移させておこうか。

三人に拳銃を向けて発砲。

 

「おいおい、雁首揃えて俺にまた喧嘩を売りに来たってのか?」

 

目線で挑発する。

確実に俺に視線が来ている。

 

「うろたえるな、先ずはあいつをやらなければならないだろう。五人なら……」

「五人ならどうにでもなると思っているのか? 屑どもが。ISでの戦闘は生身での戦闘に直結する。戦術も戦闘スタイルもズブの素人に、俺を倒せると思っているのか?」

 

二振りの剣を逆手に構えて俺は連中と対峙する。

 

「さてそれじゃあ、これから一般参加も始めまーす。それじゃあがんばってね?」

「ああ、頑張らせて貰うよ……!」

 

舌舐めずりを一度して、状況を再確認する。

その他有象無象は適当にやってくれるとして、目の前にいるこの五人。個々の戦闘能力は俺に劣っている。だが、単純な足し算と人数では俺に勝っている。

これをどう落としていくかが、問題となる訳だ。

正直に言って道場剣道の雑魚とド素人狙撃手は恐ろしくない。問題なのは特大のナイフを持った中華娘と、盾を持った妾の娘、それと黒兎だ。

一人は単純だからどうにかなるとして、フランスドイツが厄介だ。

だから先に潰す。

黒兎に接近、切り抜けようとする。が、それはナイフで防御される。成程良い動体視力だ。だが、小柄な体とナイフで完全に防御する事なんて出来る訳ない。

俺はそのままラウラを力任せに吹き飛ばす。

逆らわず、吹き飛ばされるラウラ。剣を量子化、そして銃を呼び出し照準を付ける。

発砲する数瞬前に、盾を持ったフランスが割り込む。それによって俺の銃弾は防がれる。

しまった同じ訓練弾ならゴム弾では無くペイント弾にしておけばよかった。

そんな些細な後悔をしていると、早くも反応ありとの連絡がきた。

この時点での接触か、状況的には最ッ高だな。

俺はすぐに撒く事は出来ない混戦状態、あの馬鹿は傍観するつもりだろう。

あいつを接収するには十二分すぎる余裕だ。逃走に全力を注げばいいだろうが。

視界の端にはすでにその存在はない。だったら、逃げる。

腰にくくりつけていたスモークグレネードを使う。ピンを引き抜きそのまま床に落とす。

視界が白に染まりつける。

 

「なんだ!」「スモークグレネードか! 姑息な真似を!」「どこに行く気よ!」「逃がさないよ!」「これでは狙いが……!」

 

声が聞こえる。まぁ、とっとと逃げさせてもらうがね。

いや……と言うか、この煙で困惑しているあたりが、もう何とも言い難いのだが……。本当にあれだ、平和ボケしているとしか言いようがない。

まぁいい、とにかくあいつの所に向かわなければならない。

舞台袖から降りて、冠に仕込んでおいた発信器の場所へと向かう。場所は更衣室か。なるほど、カマでもほられるのか? そっちのケがありそうだったが。

ガタン、と更衣室の中から音がした。何か、肉の塊がぶつかったような鈍い音。

 




さて、どうしてせっしーはレーザーポインタなんて代物を使っているのでしょうかね。
あんなものは脅し程度にしか使えないものなのに。
まいっか。
もうどうでもよくなったッス。SAN値がピンチです。もう一時的狂気の域です。不定の狂気には少し足りない程度です。
多分前も書いたかもしれませんが、主人公の生身での戦闘スタイルは銃剣鎚士です。その中でもヴィクトルの戦闘スタイルで行っています。
パパガーさんなので、無論のこと強いです。次回はA10さん登場です。
地味ですが、能力は升クラスです。機動力がないのが欠点ですが。
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