その間TRPGやってたり、ドラクエやってたり仕事してたりしました。
メタリックガーディアン、面白いよ?
あ、喀血卓様のらんしゃまは僕の憧れです。
「民間軍事企業、private military company、マーティネズセキュリティ社所属、アンタレス隊一番機……それがお前の本来の所属か」
手にした書類を机に落とし、目の前にいる女はそう呟く。その表情は相変わらず鉄面皮のまま。流石に、この程度では動揺しないか。
ある程度は覚悟をしていた事実であろう。
「ああ、そうだ。貴様も既に感づいていただろう。俺は、元戦闘機乗りだ」
「しかも、各国の軍事演習に参加しているPMCの、エース部隊の隊長と来たか」
「この国にも幾度か訪れた事はあったがね」
実際、この国の空戦の能力は侮れなかったのを覚えている。
「俄かには信じられない話だ。だが……」
「おれっちの事は知っているだろ? アンタレス隊3番機。こっちには765プロのライブで何度もフライトに来ているからな」
「……有名すぎる。あんな物好きが、こんな外見をしていたとはびっくりだ」
「どうどう? 案外若かったでしょ? いやっはー俺ってば結構あの機体だけにお金をかけているからねー」
他に使う金がないのかお前は。
「いやさーだってさーリーダーも俺も、元は孤児みたいなもんだろ? そりゃ、親兄弟でもいりゃー金を別に使う気分にでもなるんだけど」
「……俺に親はいたが」
「あれ? そうだっけ? まあ、似たよーなもんだろ」
随分と前にくたばっちまったがな。結局、答えを見つける事なんて出来なかったかもしれないまま。
俺が、それを知る事はもうないだろう。
「だが、どうして今になって正体を明かした? これからも、無関係を装えばいい物を……」
「こいつまで借り出して、これ以上本国が無関係でいられるわけもないだろう」
「それもそうだが、今まで頑なに明かそうとしなかった割には、あっさりと認めたものだな」
「貴様らがあまりに愚かなのが悪い。本来なら、俺達生徒……訓練生が戦闘に赴くなどあり得ない話のはずだ。謳われない戦争……あの時でさえも、たった一つの事で何人もの訓練生が命を落とした。実戦に訓練兵を駆りださなくても、こんな事は起きうる」
そう、あの時。灰色の進行で、新兵達は一部を残して死んだ。死んだんだ。何の突拍子もなく、通信指令室がいくつか間違えた『ゼロ』の為に八人もの人間が死んだんだ。
「以前の福音迎撃戦。結果として、俺は死んだ。ISと言う機体の特性上死にはしなかった。ただそれだけだ」
「……そのことは……」
「俺は言った筈だ。これ以上、無能な指揮官の命令に従う必要性を感じない、と。それに灰色が表立って行動を始めた以上、身分を隠してまでこんな所にいる必要性を感じなくなった。ただそれだけだ」
IS学園に対して、これ以上手を出すのなら相応の覚悟をして貰わなければならない。
初夏の一件、ドイツのベルカ兵器、福音暴走、学園祭の灰色乱入、そして今回の本格的な武力投入。
これ以上、この学園に対して攻撃を行うと言うのならば、別箇の機関が動かざるを得ない、事実を置いておかなければならない。手を出すには、高すぎる代償を見せつけて置かなければならないのだ。
「……そもそも、この学園の生徒たちに帰還指示は出されていないのか?」
「一件も来ていないが、それがどうかしたのか?」
「……本当にISと言うものに関わる連中の脳味噌はプリンか何かで出来ていると言う事を再確認できただけだ」
此処で本国に呼び戻しもしない、と言うのは頭の悪い発想だ。
不可侵領域だか、なんだか知らないがそんな物で、救援が来ないとなんて馬鹿げた話だ。
「どう見る?」
「あー、多分お前が前に話してたあれ、露見してるっぽい」
「中にSがいると?」
「前々からその可能性がなかったわけじゃないしな」
「生徒と教師が結託している可能性は十分にあり得るだろう」
「この内部にいる連中を精査出来ているとは思えねーし、あの楯無って頭の悪い奴らが泳がせている可能性も否定はできねーが、随分とデカイ鯨でも狙っているのかねー?」
「……分を弁えろと、忠告しておこう。只の生徒会長風情がお遊びを楽しんでいる場合ではないのだ」
日本人がロシアの代表候補? ふざけた話もあったものだ。
自分自身の祖国を捨ててでも守り抜きたいものがある? 笑わせてくれる。結局自分自身がそれを捨てている事に気がつかないという、典型的な状況だ。
自分自身に酔っているのは頭の悪すぎる馬鹿の姿だ。
こうなってきたら一国のIS代表程度の話じゃない。国連が警備をよこす話だ。
それがいつまでたっても本国に連絡がこないという事は、何らかの圧力がかかっているという証拠。
それとも押し付け合っているのか?
「いずれにせよ、静観を決め込むというわけにもいかない。いい加減に本国の名を出さなくてはな」
「同感だね。うちの名前はそれなりの盾にはなってくれるはずだ。それに、こうなったら連中から運用費を持って来れるし」
「いつもどおり自分たちの手が遅かったのが問題だ、とでも言っておこう。後始末も連中に任せればいい」
「ほんじゃ、ま。俺は本国に帰って報告しておくよ。ここにいる連中は平和ボケの最たるものであり、危機管理能力は非常に乏しく、自らの職務も全う出来ない、屑の掃き溜めだ、と」
頼んだよ。
「待て、まだ返すとは言っていないだろう」
「こう言っているが?」
「君が僕と一晩を共にしてくれたら、考えてあげるよ。ミス、チフユ」
それだけ言い残すと、チョッパーは部屋を後にした。
さて、それじゃあ俺も席を外させて貰おうとするかね。
「待て」
「なんでしょう、織斑教諭」
「今日は弟の誕生日だ。一応、顔くらいは見せてやってくれ」
「……言われなくともやりますよ。連中はどうやらあんたの弟にお熱の様だからな」
俺はそう言うと、織斑家目指して飛ぶ。最早ISの制限など知った事か。連中の無能っぷりに此方が合わせていては、ミスが増えていく。
あたりは既に、夜の帳は降り切り、月明かりに星空。頬をなでる風は既に肌寒く、秋の訪れを告げているかのよう。
もうじきに秋も通り過ぎ、凍えるような冬が来るのだろう。
織斑家の前に降り立つと、玄関のチャイムを鳴らす。
家の中から騒がしい声が聞こえてくるが、その中に織斑一夏の声は聞こえない。
早い所あの馬鹿を視界に収めたい所だ。
「おい、お前達」
扉を開いて勝手に中に入る。
「織斑一夏は何処にいる」
「な、何よあんた!」
「織斑一夏は何処にいると聞いたんだチャイニーズ」
「あんたに教えると思う?」
臨戦態勢か。
生憎だがお前の相手をするつもりもない。
溜息を吐くと、俺は外へ出る。どうせ、近くのコンビニか自販機だろう。
面白くもない。
案の定、近くの自販機には二人の人影があった。
一人は役立たずの塵。
そして、もう一人は見知らぬ……いや、ある意味よく見知った顔がそこにいた。
「織斑マドカだ」
その言葉が聞こえた。その次の瞬間に、そいつは拳銃を織斑一夏に向けていた。
ISを緊急展開、同時に俺はあるシステムを起動した。
織斑マドカとやらと、織斑一夏が驚愕の声を上げる。
それもそのはず、放たれた銃弾はその中空で運動を停止しているのだから。
「頭を下げろ」
俺の言葉に従い、すぐさま頭を下げる織斑一夏。次の瞬間に停止していた銃弾は、運動を再開し背後の塀をえぐる。
「面を見るのは初めてだな、雌鶏。てっきり逃げちまったもんだと思ってたぜ?」
「貴様……やはり邪魔をするか」
「よくよく見てやれば、尚の事腹の立つ面構えをしているじゃあねぇか。お前は一体何者だ、灰色」
無言のまま答えない織斑マドカ。
「大人しく投降しろ。七つの核がお前達の墓標のはずだ。大人しく墓の下に戻っていろ、灰色!」
「断る」
それを言うと、ISを展開する。
させるかよ。銃を連続で発砲、そいつの逃走を阻む。が、そいつも同時にISを展開し、そのまま逃走。
……クソッたれ、市街地でこれ以上発砲は避けるべきだ。いや、本来市街地での戦闘行為そのものが間違っている。
こんな所で襲撃してくるとは……何を血迷ったか、灰色。
本当に戦争を起こす気か?
精々数機の機体を手に入れた程度で。
相変わらず、連中の思考回路は理解に苦しむ。
いや、それ以上に……。
「あの阿呆面は忘れられんな。どういう事だ、織斑一夏」
「俺が聞きてぇよ……」
「無事か! 一夏!」
尻もちをついていた織斑一夏が立ち上がると同時に、銀髪のドイツ軍人が唐突に現れた。
随分と遅かったな。
「少々遅かったなゲルマン。敵機はすでに撤退したあとだ」
「貴様……何があった」
此方を睨みつけてくる。当然か。俺の情報は恐らくはあの女教師を介してこいつらに開示されている。
正規の軍人が、俺達(渡り鳥)を警戒するのは極々自然なことだ。
「何も糞もない。今日のあの糞ったれが、のこのこと現れただけだ」
「サイレントゼフィルスのパイロットか!」
「ああそうだよ。しかも腹の立つ面をしてやがった。なぁ? 織斑一夏」
俺のその言葉に対して、無言で返答をする。だろうな。考えたくもない事だ。自分の最愛の肉親と同じ面が、自分の事を殺しに来たんだ。
気味の悪い三流映画のシナリオでも見ている気分にもなる。
「もう戻れ、織斑一夏。この件についてはこれ以上考えるな。そして今後一切、軽薄な行動は慎む事だ。でなければ、お前を額縁越しに眺めなきゃならん事になる」
「あ、ああ……」
「所で、どうしてお前がここにいるのだ。黒兎」
確か俺の視界に映っていたのは、この馬鹿一人だけだったような気がするのだが。
「貴様には関係のない話だ、渡り鳥」
「予想はつくがな。しかし、ドイツ軍人もなかなか純情乙女だったというわけか」
「っ、関係ないと言った筈だ!」
本当にからかい甲斐のある小娘だ。本当の黒が見たら、一体何と言うだろうな。
〈それも、強者の証〉か? 全く、茶番もいいところではないか。
まぁ、今はどうでもいい事、だ。
「お前達はさっさと戻れ。あそこにいれば連中も容易には手を出せまいよ」
腐ってもワンオフの集合だ。現状把握している連中の戦力ではそうそう安易に手を出してきたりはしまい。
少なくとも相応の損害を覚悟しなければならないだろう。実力はさて置いて、数の力と言うものはそれだけ大きいという事だ。
……尤も、こいつらに連携を求めるのは少々酷な話かもしれないが。
「おまえは来ないのか?」
「……お前は相変わらず空気を読まないな。そこにいる黒兎を見て、何とも思わなかったのか」
「騒ぐ人間が増えて良いじゃないか。それにお前も俺の事を助けてくれたんだし」
「そうする必要性があったからだ」
「それだけか?」
「慣れない人間がそんな事をするな。それ以外に、何の理由がある」
「いや、お前って、なんだかんだ言っているけど、最初の頃と比べて態度が柔らかくなったよな」
……気のせいだろ。
「夏場に殴られておいてよくもまぁ、そんな台詞がはけたもんだ」
「あれは俺が悪いんだろ。確かに、お前の言う通りにしておけばよかったかも、って思ったからな」
「……気に入らないな」
「何がだよ」
「そうやって自分の意見を変えてまで、俺の事を引き入れようとするお前の態度が、だ」
「人間は日々進歩していく生き物、違うか?」
したり顔でそんな事を言ってくる織斑一夏。
本当に、気に入らない。
「貴様らの退化なら眺めてきたがな」
「冗談だろ。これでも成長しているんだぜ」
「だったらその成長の証を、少しでも見せて貰いたいものだ」
それだけ言い残して俺は立ち去る。わざわざあいつの誕生日を祝ってやるだけの義理も、俺にはない。
それに、これ以上の護衛は必要ないだろう。
ここから先は、連中だけで十分だ。流石に、この数のワンオフを相手に手を出して来れるほど、連中の戦力は高くないだろう。
尤も、相手がリボン付きやイエローだった場合は話が違うがね。
流れ着いた星は、世界を狂わせ数々の悲劇を生み、そしてその数だけ英雄を生み出してきた。
世界は一巡した。人々が望んできた世界に近くなったのだろうか。
それこそ、まさにGOD only knowsと言うわけか。
というわけで特に進展があるわけでもなく、淡々と所属やらなんやらが明らかになっただけでした。
多分、このくらいの文字数のほうが読みやすいのかなぁ。