チキンハートの武偵生活   作:シオシオクレソン

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私は昔、手相占いをしたら頭脳線が見つかりませんでした。ナゼダッ!


魔剣(デュランダル)
雰囲気


 SSRに寄った帰り、誠実は買い物をしてエコバックを携えながら廊下を歩いていた。

 

「キンちゃん…キンちゃん…」

 

「うわぁ…こりゃやばい…」

 

 黒いオーラを纏った白雪を発見。誠実は予見した。アリアと会わせたときに起きるであろう惨劇を。

 

(何としてでも止めねばぁぁぁ!)

 

 幸い白雪の攻略方法はわかっている。

 

「ちょいちょい、白雪。なんか深刻そうだけどどうしたのさ」

 

「キンちゃん…あ、誠実君。こんにちは、あれ?もうこんばんはかな?」

 

「こんばんはって大体5時過ぎから使うらしいから、こんばんはなんじゃないかな?」

 

 滑り出しは良好。問題はこの後だ。

 

「ねえ誠実君、キンちゃんの部屋にほかの女の子が入り込んでるって聞いたんだけど、知らない?」

 

 そう、これ。

 

「ああ、いるね。居候みたいなのが一人」

 

「へぇー…」

 

 ごらんのとおり肯定した途端、どす黒いオーラを発しだした。内心ガクブルしている誠実だが、己の平穏のために説得を試みる。

 

「落ち着け落ち着け、やばいオーラ出てますよ!」

 

「はっ!ご、ごめん」

 

「別に謝られるほどのことでもないし。それに入り込んでるって言ってもほんと何もしてないからね、そいつ。それに比べて白雪はちゃんと家事やってるからキンジにとっても大助かりだと思うぞ?」

 

「き、キンちゃんが大助かり…?私がいれば…?」

 

(よっしゃかかったぜヒャッハー!)

 

 説得に応じてくれそうな気配を察知した誠実。心の中ではフィーバーしていることだろう。

 

「そうそう。そもそも幼馴染の大和撫子とぽっと出の居候じゃあ、好感度が違いますよー」

 

「えへへ…そんなあキンちゃん…」

 

(…さっそくトリップしてるなー)

 

 キンジとくっつける可能性をにおわせた途端、白雪は妄想の海にどっぷりと浸かってしまった。

 

「それにたとえ居候の子だろうとやさしくする人なら、きっとキンジも好きだと思うよ?」

 

 誠実 の かいしん の いちげき!

 

「好き…!?キンちゃんが…!?」

 

「そうそう!」

 

 どうやら誠実の平穏は守られそうだ。

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

「この泥棒猫ー!」

 

「なんなのよあんた!」

 

 やっぱりダメでした。

 

「はいどうどう!白雪ストーップ!我々の部屋で暴れないでくださーい!」

 

「落ち着けアリア!こんなところで暴れるな!」

 

「放して誠実君!キンちゃんをあの泥棒猫から助けなきゃ!」

 

「だから落ち着きなさい!お前さんがここで暴れたらキンジに多大なる迷惑がかかるんだぞ!?」

 

「き、キンちゃんに迷惑!?そ、そんな!私はただキンちゃんを助けようと…!」

 

「だからそれがだめなんだってば。部屋で暴れちゃダメなんだってば。そもそもアリアはキンジの仕事仲間だから白雪が心配してることなんてなにもないヨ。ほんとだよ?」

 

「ほ、ほんとに?」

 

「ほんとほんと。ルームメイトの俺が言うんだから間違いない。メンドリクンウソツカナイ」

 

 キンジの事となるとやはりチョロい白雪。これなら誠実でも言いくるめられそうだ。

 

「そもそもあの子はぽっと出、君は幼馴染。君はあの子より有利。あの子よりキンジのこといろいろ知ってる。OK?」

 

「うん、そうだよね!私がキンちゃんのお嫁さんなんだから!」

 

 そこまでは言ってない。そんなことはだれも言ってない。

 

(…もうどうにでもなーれ☆)

 

 白雪の思考に追いつけず、ついに誠実の脳がオーバーフロー。誠実は考えるのをやめた。

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

「やばいやばいやばいやばい!」

 

 この日、誠実は切羽詰まった表情をして全速力で走っていた。尋問科の綴先生呼び出されたため、なのだが普通に考えてここまで急ぐのはおかしい。ならばなぜこうなったの。理由は単純、早く来なければ蘭豹とレキを差し向けると脅してきたのだ。教師がそんなことするな!とかいってもそういう先生だから仕方ない。仕方ないは魔法のことば。

 

「しつれいしまぁぁぁす!」

 

 ズドーン!

 

 誠実は勢いそのままに、扉を吹き飛ばし入室。高澤淳介風のかっこうで床に倒れ伏した。

 

「は、早めに来ましたよ…」

 

「そうだねー」

 

「え、えっと誠実君はなんでそんなに急いで来たの…?」

 

「あれ?白雪?なんで?じゃないや理由ね、いや綴先生に早く来ないと蘭豹先生とレキ差し向けるぞ的なことを…はっ!?ま、まさか!?」

 

「くっくっく…」

 

 とんでもない事実を察してしまった誠実は、謀ったな!?とでも叫びそうな形容しがたい表情を浮かべた。

 

「えーっと…妻鳥誠実、Sランク武偵。絶対半径(キリングレンジ)は3415メートルで全武偵の中でも五指に入る。中学時代は―――」

「アーアーキコエナイキコエナイナニモキコエナイナニモキキタクナイマッタクモッテキキトレマセーン!」

 

 途中まではおとなしく聞いていた誠実であったが、中学生時代の話に入った途端、顔を青くして耳を両手でふさぎ、大声で叫び始めた。よほど聞きたくない、または聞かせたくない話なのだろう。

 

「そんなに嫌がる話でもないのになー」

 

 そんなに嫌がる話だからこんなになっているんだろうが、そんなツッコミを入れるものはいない。

 

「それより誠実。白雪の護衛をしたらどうだぁ?」

 

「護衛?なんで必要なんですか?白雪ってそんなの必要なほど弱くないでしょ?」

 

 呼び出されて早々に護衛任務に就くように勧められた。白雪はSSRのAランクであるため、本来ならば護衛など必要ないはずなのだが。

 

「いやぁ相手が普通ならいらないんだけど、今回普通じゃないんだよなー」

 

「普通じゃない?どういうことですか?あ、そこで覗いてる二人もなかなか非常識ですよ?」

 

「…気づいてたのね」

 

 誠実が指さす先、排気口からピンク髪の少女、アリアが這い出てきた。

 

「それはそうとアンタSランクだったのね、知らなかったわ」

 

「いや、この学校のSランクなんて数えるほどしかいないじゃないか…。俺なんてキンジのルームメイトくらいの認識しかされてなかったのか…ははっ」

 

 一応Sランクの自負があった誠実であったが、アリアの知らなかった発言でネガティヴモードに突入した。そもそも前に言ったはずなのだが…。

 

「俺なんてどうせ、どうせこの程度の存在なんだよ…」

 

「落ち着け誠実!だれもそこまで言ってない!」

 

 結局誠実が正気を取り戻すまで話が進むことはなかった。

 

 




誠実
キリングレンジ3415mなヘタレスナイパー。ちなみに狙撃の最長記録は3540mだそうです。

白雪
キンジ大好きさん。誠実とは結構親しくしてる。直接会うまでは名前しか知らなかった。

キンジ
誠実ほどではないけど自己評価低め。ヒスってなくても強め。

アリア
何度も言われてたのに誠実がSランクであることを覚えていなかった。一種の誠実の才能かもしれない。

誠実くんが使うライフルは何がいいですか?

  • SDMー R
  • SVー98
  • ウィンチェスターM1895
  • IMI ガリル
  • ブッシュマスターACR
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