チキンハートの武偵生活   作:シオシオクレソン

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うおおおお!筆がのらねぇ!

というより下痢が治らんという話なんですけどね。


無限罪編
回帰


「やっほーマーくん、ひさしぶりー!」

 

 SSRから帰ってきた誠実を出迎えたのは、本来ならばいないはずの理子だった。

 

「おー、ひさしぶりー。まあそんな長く会ってなかったわけじゃないけど。それと一つ言わせてもらおう、なんでここにいる?登校は明日だろ?」

 

「くふふー、なんででしょー?」

 

「理由はどうあれ理子が来ることは想定してなかったからご飯抜きね」

 

「えー!?」

 

「まったく…。来るなら来ると言えばいいのに」

 

「ぶー!それじゃサプライズにならないじゃん」

 

「突然出て来られたら反射的に撃っちゃうからやめなさい」

 

 背後を取られると無意識に腰のリボルバーを抜いてしまうほどに体になじんでいるようだ。どこぞの13もぶんなぐるだけで済ますというのにこの臆病者は…。

 

「まあそれはそうとなんか用があって来よったんでしょ?」

 

「そのとーり!さすがマーくん、察しが良くて助かるよ!」

 

「なんだかんだ付き合いながいしな。んで、要件は?」

 

「よくぞ聞いてくれましたー!じつはキーくんとアリアんが理子と一緒にドロボーすることになったんだ。だからマーくんはそのサポートをしてくれるぅ?」

 

「…は?」

 

 不幸にも、またしても厄介事に巻き込まれてしまった。やはり運命には抗えないようだ。

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

「はぁ…」

 

 現在キンジとアリア、そして誠実は理子に呼び出され、オタクの聖地たる秋葉原に足を運んでいた。

 

「なによ、溜息なんて」

 

「ただでさえ少ない幸運がなくなるぞ」

 

「もうどん底だから問題ないんですー。それよりもキンジ、知らないのかい?」

 

「なにをだ?」

 

「理子指定の店がメイドカフェであること」

 

「「…はあ!?」」

 

 今明かされる衝撃の事実。誠実の口から飛び出したその情報は、二人を驚愕させるのに十分すぎる威力があった。

 

「おいおいふざけんなよ。なんだってそんなとこに呼び出すんだ?」

 

「なんでも理子は常連らしいよ。色々手回ししてんのかもね」

 

「「…」」

 

 それっぽい情報に納得してしまった二人。

 

「はあ、やだなーメイドカフェ」

 

「なに?もしかしてメイド嫌い?」

 

「べつにそうゆうわけじゃないんだよ。ただ、ああいうとこにいる人ってだいたい輝いてるからさ、そういうのと対比すると自分が惨めで惨めで仕方なくなるんだよね。ああ、もうやだ…」

 

 足取り重い三人。特におおきなギターケースを背負った青年は、この世全ての悲しみを一身に受けているかのようだったという。

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

「「「おかえりなさいませご主人様、お嬢様!」」」

 

「うわあ…」

 

「実家もこんな感じね」

 

「さすが貴族」

 

 メイドたちにあっけにとられるキンジとは対照的に落ち着いているアリア。ついでに誠実も平然としている。目が死んでいるが。

 

「やっほーみんな元気ー?」

 

「いやどこが?こんな状態のキンジが元気に見えんならお前さんの目はただのガラス玉だね」

 

「きゃー!そんなに理子の目キレイ?じゃんじゃん見ていいよ!」

 

「そういう意味で言ってんじゃないんですけど!?」

 

 遅れて登場したメイド服姿の理子に、ネガティヴオーラを纏って抗議したがどこ吹く風。

 

「いやーごめんごめーん!でもいい体験でしょ?」

 

「どのへんがいいのか全然わかんないよ!」

 

 ボケ続ける理子。ツッコみ続ける誠実。傍から見れば夫婦漫才にしか見えないだろう。

 

「あーもーらちが明かない!ご用件はなんですか!?てかわざわざアキバのメイド喫茶に呼び出す必要なんざありゃしないでしょ、えぇ!?」

 

「もう、そんな怒んないでよ。とりあえず話はあっちでしよ?」

 

「…もうどうでもいいよ話が進むなら。理子がこんなんなのは前から知ってたし」

 

「ほめても何も出ないぞー?」

 

「ほめてなーい…。ああ、もうやだ死にたい…」

 

 怒りの炎鎮火、というよりは真っ白に燃え尽きた。誠実はこの世全ての悲観を背負った。

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

「それで?ほんとにどういう依頼なんよ。もったいぶってないではよ言って」

 

「んもー、マーくんたらせっかちだなー。まあこれから言おうと思ってたんだけどさ」

 

 一刻も早くメイドカフェのキラキラした雰囲気から逃れたい誠実は理子を急かす。

 

「今回二人には紅鳴館に潜入してあるものを取り返してもらうよ」

 

 紅鳴館と聞いて紅魔館が脳裏をよぎらないものがいるだろうか。いや、いるはずがない。(反語)

 

「あるものって?」

 

「お母様からもらったロザリオ」

 

「はあ!?なんでそんなものを私たちが―――ムグッ!?」

 

「はいちょっとお静かに」

 

 理子の割とどうでもいい(アリアの考えでは)ものを取ってこいという話にアリアは激昂し、突っかかろうするが、向かいに座っていた誠実が投げつけた呪符が口にくっつきしゃべれなくなる。

 

「あれはお母様が生きてた頃にくださった、大切なものなの。それなのにブラドは…!」

 

 うつむき、悲痛な胸の内を明かすように語る。

 

「…まあこの話は終わりにしよ!それよりマーくん、例のものは出来てる?」

 

「できてるよ」

 

 無理やり空元気で話を変えた理子に大した動揺も見せず、誠実はギターケースからノートパソコンと数枚のコピー用紙を取り出した。

 

「…なんだこれは」

 

「紅鳴館の見取り図と防犯装置のデータだよ。マーくんが一晩でやってくれました!」

 

「一晩どころか一日中かかったわ。式神とマルチタスクがなかったらできないね」

 

 誠実は強力な式神の使役が出来ない代わりに、大量に弱い式神を使えるのだ。ゆえにこういった情報収集においては他の追随を許さないほどの実力を持つ。ぶっちゃけ狙撃科から転科した方がいいと思うのだが。

 

「じゃあこれを使ってドロボー大作戦といこー、えいえいおー!」

 

「はあ…」

 

「それよりアリアを放っておくなよ」

 

「あ、忘れてた」

 

「ンムー!」




誠実
弱いけど式神めっちゃ使える。

理子
誠実を無理やり誘った…と思いきや誠実もノリノリだった。

キンジ
原作通り。

アリア
原作通り。

誠実くんが使うライフルは何がいいですか?

  • SDMー R
  • SVー98
  • ウィンチェスターM1895
  • IMI ガリル
  • ブッシュマスターACR

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