チキンハートの武偵生活 作:シオシオクレソン
あといつの間にかバーに色がついていました!皆様ありがとうございます!
ランキング100位!?うそぉ!?
本日より紅鳴館へハウスキーパーとして潜入することになっているアリアとキンジ、そしてなぜか後方支援担当の誠実が集まっていた。
「いやー今日は天気がいいねぇ。洗濯物がよく乾きそうだ。個人的には晴れって嫌いなんだけど」
「そうだな…。それはそうと誠実」
「なんだいキンジィ」
「なぜ俺は女装させられているんだ」
いつのまにやらキンジは銀河鉄道999のメーテルを黒髪にしたような美女に変身していた。否、変身させられていた。ちなみにアリアは茶髪のかつらをかぶって多少のメイクを施された程度だ。
「普通に考えてみたまえよ。君ら仮にもSランクの武偵だろ?そんな二人が臨時のハウスキーパーなんてしょぼい仕事をするだろうか。いや、するはずがない。ならなんでこの仕事を受けたんだ?ということになって警戒されるだろうから変装は仕方ないということでご納得いただきたいんです」
「どこが仕方ないんだ!変装する理由はわかった。だがだからと言って俺が女装する理由にはならないだろうが!」
キンジのいうことは間違っていない。間違っていないが言う相手を間違えている。それはもう致命的なまでに。
「プライバシーの保護とかいろいろあるからあえて誰とは言わないけど、とある人から『キンジを女装させてくれ』という依頼をされたんだ」
「理子だな!?理子なんだな!?」
「ははは、さあ笑え!」
「笑うか!」
黒幕を理子と断定したキンジの憤慨を後目に、ギターケースから取り出したデジタル一眼レフカメラを構えて笑顔を催促する誠実。ほんとコイツのギターケースはどうなっているんだ。
「そもそもお前と関わった日から前から悪かった運がさらに限界突破したんだぞ!?これくらいのストレス発散をさせてくれたっていいじゃないか!」
「絶対それがメインだろ!」
「ンッン~聞こえんな~」
◇◇◇
所かわって横浜ランドマークタワー。全国でも五指に入る超高層ビル。
「…理子、悪い子だ」
「ななな、なにやってんのよ理子!」
(ああこりゃだめだ)
その屋上で誠実は、こんなところに来てしまった己の失策を悟った。
「ごめんねキーくん。理子的にはロザリオが手に入ったら、欲しいカードは全部そろっちゃったの」
理子はニヤリと口元を歪めた。
「もう一度言うよ。理子、悪い子だ。でも俺は許すよ女性のウソは罪にならないからね」
(お前は何を言っているんだ)
キンジの発言に呆れつつ、誠実はロングバレルの
「まあなんとなくそんな気がしてたわ」
「とりあえずおとなしくしてた方がいいぜ。五体満足でいたいだろ?」
「…ねえ誠実、そんなもの使ったら防弾制服着てても死ぬわよ」
「大丈夫だよ。強烈なソニックブームで脳震盪を引き起こすだけだから」
「…」
白い目で見られた。かなり変態的な技術ではあるが、仮にも狙撃科のSランク。できないことはない。
「まあいいや、養殖用牝犬って言われたことある?」
「養殖用牝犬…?」
「泥水と腐った肉しか与えられないで、狭い檻で暮らしたことある?ほらよく悪質ブリーダーがやってるじゃん。それの人間版。想像してみなよ」
「な、何の話よ」
今まで笑みを浮かべながら話していた理子は、突然感情を爆発させる。
「ふざけんな!あたしはただの遺伝子かよ!あたしは数字か!違う違う違う!あたしは峰理子だ!5世を生むための機械なんかじゃない!」
一通り叫んで落ち着いたのか、また静かに話し出す。
「そんなものって訊いたよね。このロザリオはリュパン家の全財産を引き替えにしても釣り合う宝物だって、ご生前にくださった一族の秘宝なんだよ。だから理子は檻に閉じ込められてた頃も絶対にとられないようにずっと隠してたの」
ワルサーP99を握る力を強める。
「そしてある夜、理子は気づいたんだ。このロザリオ、いやこの金属は理子に力をくれるって!」
触手のように動く髪にナイフを握らせる。
「さあ、決着をつけよう、オルメス。お前を斃して理子は曾御爺様を超える!お前たちは、あたしの踏み台になれ!」
理子がそう叫んだ瞬間、電流が走るような音が響き、力なく倒れた。
「小夜鳴先生…!?」
下手人は東京武偵高校の非常勤講師、紅鳴館の管理人である小夜鳴であった。
「遠山君、神崎さん、そして妻鳥君。ちょっとの間動かないでくださいね」
小夜鳴がそういうと、後ろから二頭のオオカミ―――以前とらえたハイマキと同じコーカサスハクギンオオカミが現れた。
「前には出ない方がいいですよ。今の位置より少しでも私に近づくと襲いかかるように仕込んであります」
「よく飼いならされてるな。腕の怪我もオオカミと打った芝居だったってことかよ」
「あなたたちが紅鳴館でやっていた学芸会よりはマシだと思いますがね」
「…なあキンジィ。ないとは思うけどもしかして梅雨時で蒸し暑いからってカツラ脱いでるとこ見られたとかいうオチ?」
「…」
「おいこら無言で目をそらすな。そうなんだな、そうなんだな?沈黙は肯定だぞ?」
そうこうしているうちに、小夜鳴が理子の武器を放り捨てている。
「皆さんどうか動かないでくださいね。この銃、三十年前の粗悪品でして、トリガーが甘いんです。うっかりリュパン4世を殺してしまったらもったいないですからねぇ」
「どういうこと…? なんであんたが、リュパンの名前を知ってるのよ! まさか、あんたがブラドだったの!?」
「彼はもうすぐ此処に来ます。狼たちもそれを感じて昂っている」
アリアの問いに、小夜鳴は静かに答える。
「…なるほど、そういうことか」
その一方で、誠実の灰色の脳細胞は一つの答えを導き出した。
「理子に頼まれた後に個人的にあんたのことを調べていたんだが、アンタの出身だという学舎にアンタの記録はなかったし、戸籍にも小夜鳴徹なんて人物は存在していなかった」
「ほう」
「ブラド=小夜鳴かと一瞬思ったが、それなら理子が気付かないはずがない。そこで俺はこの答えにたどり着いた。小夜鳴徹というのは人間に擬態するための人格であると。これなら話したことも会ったこともないという話の辻褄も合うし、情報を共有できるのも説明がいく」
「やりますね、妻鳥君。狙撃科より探偵科のほうが向いているんじゃありませんか?」
そんな誠実の推理に、小夜鳴は称賛の声を上げる。
「まあここで講習と行きましょう。遺伝子とはきまぐれなもので、両親の長所が遺伝すれば有能な子。両親の短所が遺伝すれば無能な子になります」
理子の頭を踏みつけながら語り続ける。
「この4世はその失敗ケースといえます。残念なことに調べたところリュパン家の血を引きながら―――」
「やめ、ろ…そ、れ、を…言う…な――オルメスたちには…関係な…い」
「優秀な遺伝子が一切遺伝しなかったのです」
そういわれた理子は地面に顔を押し付けた。
「自分の無能さは自分が一番よく知っているでしょう、4世さん? 私はそれを科学的に証明したに過ぎません。あなたは初代リュパンのように1人で何かを盗むことができない。先代のように精鋭を率いたつもりでも、この通りです。無能とは悲しいですね。教育してあげましょう、4世さん。人間は、遺伝子で決まる。優秀な遺伝子を持たない人間は、いくら努力を積んでもすぐ限界を迎えるのです。今のあなたのようにね」
ポケットから理子のロザリオと似たような十字架を取り出し、理子の口に無理やり突っ込んだ。
「そのガラクタを昔していたようにしっかり口に含んでいなさい」
「いい加減にしなさいよ!理子をいじめて何の意味があるの!?」
小夜鳴の行為に堪忍袋の緒が切れたのか、怒りをぶつけるアリア。
「絶望が必要なんです、彼を呼ぶにはね。彼は絶望の唄を聞いてやってくる」
「理子に一度盗ませたのも深い絶望に叩き落とすためか」
「その通り。やはり聡いですねあなたは。まあそのおかげでいい感じになりました。遠山君しっかり見ていてくださいよ?私は人に見られていると掛かりがいいので」
小夜鳴が纏う気配がだんだんと変化していく。
「ウソ…だろ…?」
「そう、これはヒステリア・サヴァン・シンドローム。しばしの別れです。これで彼が呼べる…」
体が膨張していく。
「 さあ かれ が きたぞ 」
誠実
頭の回転は速いほう。
キンジ
女装させられた。なおすぐばれた模様。
アリア
変装したがカツラ脱いでばれた。
理子
原作通りブラドが加虐。
誠実くんが使うライフルは何がいいですか?
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SDMー R
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SVー98
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ウィンチェスターM1895
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IMI ガリル
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ブッシュマスターACR