チキンハートの武偵生活 作:シオシオクレソン
是非解いてみてくださいね!
あ、感想で全部書いちゃだめですよ。答え合わせになる程度で。
本日はキンジとともに
『おい!ガトリング砲持ってるなんて聞いてないぞ!』
「こっちも
『おいおい、あんなもん食らったらミンチだぞ!?それまで持ちこたえられるわけあるか!』
「仮にもSランクなんだから頑張りんしゃい!」
『お前もSランクだろ!』
「うひゃぁあぶねぇ!髪の毛持ってかれたぁ!」
◇◇◇
「ひどいものをみた」
「お前はいいだろ、無傷だし」
「ああ、確かにあたくし無傷ですのよ。それは認めよう。だけど
「おい9条どこいった」
「不幸な事故だったということにすればいい、おわかりいただけただろうか?」
「いただけねーよ。さっき蜂の巣って言ってただろ、どうやったらそれが不幸な事故になるんだよ」
「そりゃぁあれですよキンジくん。火薬庫にパチンコ玉詰め込んで爆破」
「証拠隠滅ってレベルじゃねえだろ!そこまで行くと爆弾テロだ!」
任務を終え、帰路に就く二人。キンジの方は無傷とはいかず、左腕に包帯を巻いている。
「とりあえずその話は側溝にでも捨てといて、今日の晩飯どうする?でかい仕事終わらせたんだし多少豪勢にしてもいいでしょ」
「捨てるな話を。そうだな…あ、すき焼きが食いたいな。せっかくだし白雪も呼ぶか」
「おうそうしろそうしろ、よべよべー。今更だし」
白雪がキンジたちの寮に入ってくるのはもはや暗黙の了解だ。おおっぴらに文句をいうやつはもう男子寮にはいない。
「ねぎはあったはずだから牛肉と白菜と豆腐買ってくるわ。先帰って鍵開けといて」
「わかった」
物騒な話を墓地に送り平然と夕食の話をはじめるこの切り替えの早さよ。キンジは寮に帰り、誠実は買い出しに走る。
「すっき焼っきすっき焼っき~。ザンギリ頭をたたいてみればー文明開化の音がするー。あれ?こっちは牛鍋か?そういやすき焼きと牛鍋ってどう違うんだ?」
すき焼きは煮焼きするものだが、牛鍋は単に煮ているものだ。似てるようでちがうんです。
ヘェーラロロォールノォーノナーァオオォー
アノノアイノノォオオオォーヤ
「やべ着メロこのままだったわ」
おかしな着メロが鳴る大量のおまもりのついたケータイを開く。表示されたのは誠実にとっても意外な人物の名だった。
「はーいもしもし?いやーそっちから電話かけてくるとは思わんかったっすよ。やっぱりやるんです?」
『―――――――』
「そんなに執着せんでもいいんじゃないんすか?しんどいですよその道は」
『――――――?』
「ふふ、おk把握。了解です。いろいろと手をまわしておきますよ。報酬は実家宛でよろしゅうおねがいしますわ」
『―――――――』
「はいはい、あの子と一緒にしないでくだせーね。契約は守って、どうぞ」
『――――――?』
「そっちも大概じゃないすかやだなーもー。正義の味方なんてがらじゃないですよ。ばっさりやるほうが性に合うんすよ」
『―――――――』
「いわれるまでもなくよろしくするっすよ。あぁ、アフターケアになんかよこしといてくださいね。俺じゃそこんとこどうにもならんのでね。それとなにかの縁で母にあったら、もういっぱいだから拾ってくんなって言っといてください」
『――――――?―――――――』
「はーい、さいなら。――――さん」
◇◇◇
「うーい、買ってきたぜー」
大量の買い物袋を持った誠実の帰還である。ちなみに買い物袋はすべてエコバックだ。
ちきゅうにやさしいめんどりくん。
「おう、遅かったな」
「ごめんね誠実君、私も買い出しに行けばよかったよね」
「いや俺貧弱だけどこのくらい持てる程度には鍛えてるけど?あと肉屋で松阪牛売ってたから買ってきたぜ。たんとお食べ」
「え、高かったでしょ!?いいの私なんかが食べて?」
「いーのいーの食っちゃって。こないだお祓いしてくれたお礼も兼ねてるから」
「そっか、ありがとう誠実君!」
「よかったな白雪」
「うん…!」
危険な任務から無傷で帰ってきて浮かれているのか、奮発して高級品を購入してきた。Sランクゆえにかなり金には余裕があるのである。
「よーし、ちゃっちゃと晩飯作ろうや」
「割り下はできてるよ。私焼き豆腐作るね」
「はいありがとう。キンジはガスコンロ物置から持ってきて食器並べて」
「わかった」
こうして平和な日々は過ぎていく。いつ崩れ去るとも知らずに。
◇◇◇
「いやーとんでもねーなおい。またマスコミが来てるぜ」
「追い返してくれ。今は兄さんについてなにも話したくない」
「へいへい、了解。それにしても無粋な連中だなー、肉親がいなくなって傷心中だってのに、わざわざ傷をえぐろうとするなんてさ」
遠山金一が豪華客船の爆発事故で海に消えて一週間。マスコミは未だにキンジに取材しようと躍起になっている。
「兄さん…」
キンジは遺品である金一のバタフライナイフを握りしめる。
「おーいキンジィ。思いを馳せるのは結構だけどもメシはちゃんと食べなよ。死因栄養失調とかお兄さん泣くぜ?」
キンジはここ最近自分から食べようとしていない。仕方がないので誠実が無理やりリビングまで引っ張ってきて、白雪が食べさせてやっとだったと言えば分かるだろうか。なおこのとき白雪がちょっとトリップしていたのは内緒である。
「…そうだな。また白雪に食わせてもらうわけにもいかないしな」
ベッドからのそのそと起き上がる。
「そうそうお前宛に手紙来てたよ。後で読んどけなー」
「手紙?」
「そうだよ、ほれ」
封印のされた白い封筒を手渡す。
「差出人は…遠山金一!?」
「そうそう、例のあれの前に書いたみたいだね。ごたごたしてて手紙あるの忘れてたわ」
「なんで俺に手紙を…?」
「さあね。こないだでかい任務受けたからかもね。あ、メシは後でもいいぞー」
手紙にはこう書かれていた。
キンジへ
たまたま聞いたのですが、危険な任務に行ってきたようですね。怪我はしてませんか?
兄として危ないことをしてほしくないのですが、それが君の心根から決めてのことなら、
はげんでくれと言うしかないのかもしれません。私は知っての通り武偵としてかの毛利の三本矢の誓いを立てたり
論文を読んで医学を学んだりもしましたが、おそらく一番必要なのは自分の視界の内で苦しむ誰かを救うこと。
君がその手で救うために動いてくれるなら幸いです。でも、それでもいつか禍福は糾える縄の如しと言う通り、
禍が降りかかることになるでしょう。そんな時は一歩のぼらずに五歩下がってでも落筆点蠅できるよう努めよう。
ギリギリまで頑張ってみよう。そうすればきっと新たな視点が見つかり、暗雲をも割断しうるでしょう。
たとえ国を敵に回しても、きっとキンジなら大切な何かを守り抜くでしょう。その強さをキンジは持っている。
あなたの兄はそう思っています。今はまだ心の奥底に眠ったままの宝石が目覚めた為らば、
晴天の太陽のように、まわりを照らすでしょう。
露ひかる
名もなき山の
つゆけきを
畝広がりて
芦屋そまりゆ
金一より
「…うーん」
「なんか詩的というか暗号的というかよくわかんない手紙だな。五歩って下がりすぎじゃない?あと最後の和歌とかつゆがかぶっちゃって変な感じになってない?」
「そうだよな…五歩下がる…」
「うんじゃま、俺はもどるわ」
「ああ。…もどる……!…まさか、そういうことか!」
◇◇◇
「はー…難解な手紙だった…」
戻った誠実は朝のお父さんのようにソファにふんぞり返りながら新聞を読んでいた。
「それにしても、大変なことになったなぁ」
彼の持つ新聞の一面は、
誠実
暗躍する料理できる系ヘタレ。実は探偵科の方が向いてる。
キンジ
朝起きたら兄が英雄になってた。たぶん引きこもりはすぐに脱する。
白雪
良妻賢母な大和撫子。意外と誠実と波長が合う。
金一
英霊(死んでない)になったお兄さん。手紙についてはきかないで。
誠実くんが使う拳銃は何がいいですか?
-
マテバ2006M
-
コルト・パイソン
-
トーラス・レイジングブル
-
RSH-12
-
ドッペルグロック