チキンハートの武偵生活   作:シオシオクレソン

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今回誠実くんは戦闘しません!
だって誠実くんは裏でイロイロやるのが似合ってるから!




曇天

 キンジは行ってしまった。アリアを救うために。

 

「せめて一言いれてほしかったなあ!完全に乗り遅れちゃったよ!まあ俺飛行機苦手だから不幸中の幸いかもしれないね!…いややっぱりキンジを一人で行かせたのはまずいかな…でも俺がいっても足手まといかもしれないし…」

 

 誠実は置いて行かれた。空での戦闘には参加できません。(悲しみ)

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 武偵殺しによってハイジャックされた旅客機の中。誘われたキンジとアリアは、カウンターに腰掛けるキャビンアテンダント…に変装した武偵殺しの姿を捉えた。

 

「今回も、きれいに引っかかってくれやがりましたねえ」

 

 変装メイクをマスクのようにはがしていく武偵殺し。

 

「Bon soir.キンジ」

 

 マスクの中から現れた顔に、彼らは覚えがあった。そう、理子だ。

 

「アタマとカラダで人と戦う才能ってさ、けっこー遺伝するんだよねぇ。武偵高にお前たちみたいな遺伝系の天才がそれなりにいる。もちろんそうでないのもいるけど……でも、お前の一族はとびっきり特別だよ、オルメス」

 

「あんた…一体何者っ!?」

 

 理子は心底愉快そうに答える。

 

「理子・峰・リュパン4世。それが理子の本当の名前」

 

 リュパン4世。すなわちフランスの大怪盗、アルセーヌ・リュパンの曾孫だ。

 

「でも…家の人間はみんな理子のことを『理子』とは呼んでくれなかった。お母さまが付けてくれたこのかっわいー名前をね。呼び方がおかしいんだよ」

 

「おかしい…?」

 

「4世、4世、4世、4世!どいつもこいつも、使用人どもまで4世さまってさ…理子をそう呼ぶんだよ。ひっどいよねぇー」

 

「そ、それがどうしたってのよ。4世のなにが悪いって──」

 

 アリアがその言葉を口にした途端、理子は笑みを消し、烈火のごとく憤った。

 

「悪いに決まってんだろ!あたしは数字か!?DNAか!?あたしは理子だ!数字じゃない!」

 

 その迫力に、キンジもアリアも言葉を失う。

 

「曾お爺さまを超えなければ、あたしは一生あたしじゃない、『リュパンの曾孫』として扱われる。だからイ・ウーに入ってこの力を得た。この力で、あたしはもぎ取るんだ、あたしを!」

 

「待ってくれ、お前はなにを言ってるんだ!?オルメス、イ・ウーってなんだ、『武偵殺し』は…本当にお前の仕業だって、そういうのかよ!?」

 

「あ、『武偵殺し』?あんなのただのプロローグ、ただのお遊びよ」

 

 キンジの言葉に興が冷めたのか、淡々と語りだす。

 

「オルメスの一族にはパートナーが必要なんだ。曾お爺さまと戦った初代オルメスには、優秀なパートナーがいた。だから条件を合わせるために、お前をくっつけてやったんだよ」

 

「何もかも計画通りってわけか」

 

「うーんそうでもないよ?バスジャックでチームまで組ませてお膳立てしたのに、キンジがアリアとくっつききらなかったのは、予想外。―――理子がやったお兄さんの話をするまで動かなかったのは意外だったなー」

 

 今の一言でキンジの頭に血が上った。

 

「くふふ、ほらパートナーさんが怒っているよ?一緒に戦ってあげなよー。あ、そうだ。いいこと教えてあげる。キンジのお兄さんは理子の恋人なの!」

 

「いい加減にしろ!」

 

「キンジ、落ち着きなさい!挑発に乗っちゃだめ!」

 

 怒りのあまり、アリアの声も届かない。ベレッタを握る手に力を込める―――その瞬間、銃声が一発。M92Fが破壊された。

 

「ノン、ノン。ダメだよキンジ。今のお前じゃ、戦闘の役には立たない。それにそもそもオルメスの相棒は戦うためのパートナーじゃないの。もっと頭を使わなきゃ」

 

 いつの間にかワルサーP99を握っていた理子。アリアはそんな隙だらけに見える彼女に向かって飛び出す。

 

「アリア、二丁拳銃が自分だけだと思っちゃダメだよ?」

 

 スカートの内側からもう一丁のP99を取り出し、構えた。

 

「このッ!」

 

「あはははは!」

 

 激しく、そして優雅。お互い至近距離から銃弾を放つ。銃を持つ手を弾き合う。

 

「キンジ!」

 

 弾数で劣るガバメントを使うアリアが弾切れを起こすのは必然。それゆえに彼女は、理子の腕を両脇で押さえたのは正しい判断だと言えるだろう。

 

「双剣双銃。奇遇よね、アリア。理子とアリアは色んなところが似てる。家系でしょ、キュートな姿もそう。それと二つ名」

 

「え…?」

 

「あたしも持ってるのよ、双剣双銃の理子。でもアリア、アリアの双剣双銃は本物じゃない。お前はまだ知らないこの力のことを!」

 

 理子が超能力者でなかったならば。

 

「うあっ…!」

 

 理子のテールが突如うごきナイフを握る。アリアは右からの一撃は凌いだものの、左のナイフに側頭部を切られた。

 

「あはははっ! 歳月が経ち過ぎちゃったのかもねぇ、お爺さま。こいつ、パートナーはおろか自分の力すら使えてない。勝てる! 勝てるよ! 理子は今日、理子になれる! あは、あはは、あははははは!」

 

 はるか上空、荒れ狂う暗雲を行く機内に、理子の笑い声が響いた。

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 理子が爆弾で壁に穴をあけて逃走し、ジェットエンジンにミサイルを撃ち込まれた。アリアとキンジは機体を着陸させるため、パイロットのいないコックピットで操縦桿を握っていた。

 

『あー、あー、聞こえますか?』

 

「ああ、聞こえてるぞ」

 

 無線から誠実の声が聞こえる。

 

『ならいいや、今そっちどうなってる?』

 

「パイロットが負傷して、エンジンが壊された」

 

『えぇ…一応飛べてるんだよね?』

 

「ああ。でもメーターの数値がどんどん減ってるな」

 

『燃料漏れてるじゃねえか!』

 

 武藤の声も聞こえてくる。ジェット機の操縦などやったことがない二人にとって、車輌科Aランクの彼は心強い援軍だ。

 

『その様子だとあんまり長く飛べなさそうだな。最悪だねほんと』

 

「ああ、確かに俺一人なら最悪だな。でもアリアが隣にいるから最高だ」

 

「はあ!?な、なにいってんのよバカキンジ!」

 

『ちくしょう!こんな時に惚気かよ!あとで轢いてやる!』

 

 通信機の向こうはどうやらにぎやかになっているようだ。

 

『あー…剛気にかわって現状説明するぞ?いま羽田空港は自衛隊がいて使えない。防衛大臣が撃墜許可したらしい。おおかた東京に落ちたら大変だー、とでも思ってるんだろうね。そん時の音源入手したからあとでマスコミ各社にばらまいてやる!』

 

 どうやら誠実は防衛大臣の判断にご立腹なようだ。

 

『まあいいや、さっき言った通り羽田は無理。で、他に着陸できそうなとこはどこにあると思う?』

 

「…空き地島か」

 

『もともと空港造る予定だったらしいし、そこが一番良いんじゃないかな?あ、灯りについては今みんなが勝手に運んでるからご心配なく。仲間を信じ、仲間を助けよだし』

 

「…そうだな、ありがたい」

 

『おうおう、ありがたがってくれ。このあと絶対反省文書かされるよー』

 

 学校の備品を勝手に持ち出すのだから当たり前だ。だが乗員乗客を救うためならば、安い代償と言えるだろう。

 

『まあ操縦するのはそっちだから。おーい剛気ー。キンジたちにジェット機の操縦方法教えてやってー』

 

『おう!』

 

 武藤の指導の下、無事着陸に成功したキンジとアリア。ちなみに防衛大臣はマスコミ各社と民衆からバッシングを受け、辞任したという。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 

 

「ヒィィィ!反省文50枚なんて聞いてねえよ!チクショウ!キンジのやつ轢いてやるぅぅぅ!」

 

「ああもう、今日は厄日だぁぁぁ!」

 

 




誠実
置いていかれて反省文書かされる羽目になった人。ブ、ブラド戦ではめっちゃ活躍する予定だから!(震え声)

キンジ
原作通り理子と対戦。やっぱり主人公ダネ!

アリア
原作通り理子と対戦。結構重傷だと思う。

理子
武偵殺し。下着姿でスカイダイビングとかヤバイと思いませんか?

剛気
車輌科Aランクの頼れる人。反省文キツイっす。

誠実くんが使う拳銃は何がいいですか?

  • マテバ2006M
  • コルト・パイソン
  • トーラス・レイジングブル
  • RSH-12
  • ドッペルグロック
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