深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。   作:名無しの兵六

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久しぶり(2週間ぶり)の12連勤(中)は疲れますねぇ。


第100話 電脳知性体

 さて、ペルシャ湾に錨を下ろして1週間が過ぎた。赤道付近だからそんなに寒くはないが、もう3月に入っている。輸送船団の各船も腹の中を入れ替えて日本へと戻る準備が出来つつある。

 

 ただし、復路の護衛艦隊の司令官も宮口なんだよなぁ。なんとか別の人物を送ってもらえないか上申したが駄目だった。国内も余裕がないとのことだ。まあ、艦娘を駐留させるための泊地や基地の新設で将官が足りてないからなぁ。仕方がない。ああ、第1次首都圏防衛海戦でも将官や佐官級が結構な人数が戦死したもんなぁ。

 

 そんで、帰国の前に大使館のレセプションに参加してほしいとの打診が外務省からあった。中東諸国のお偉いさん方がミョルニルアーマーの勇姿が見たいんだと。ふざけんなよ害務省。

 

 そんなこんなで帰国の途につくことになった。陣形は往路と変わらず、“おおすみ”が遊撃戦力として行動できる配置になっている。投降した深海棲艦たちだが、港湾棲姫は専用部屋で、他の()たちは3交代で“おおすみ”艦内で休息をとり、それ以外は金剛以下艦娘たちの監視下のもとに“おおすみ”と並走してもらっている。

 

 で、俺は“おおすみ”C.I.C内で頭を抱えている。

 

「出原中佐、どう思う?」

 

「どうもこうもないでしょう。我々が先陣を務めなければ輸送船団と護衛艦隊に深刻な被害が出るかと。」

 

「はあ。『マラッカ海峡の手前、アダマン海南東にて複数の深海棲艦艦隊群の動きを確認。』か。ガルーダ隊を超長距離偵察に出したかいがあったと云うべきか・・・。」

 

「航空攻撃で仕留めますか?」

 

「現在はアラビア海中域で、ここだ。深海棲艦艦隊群が確認されたのが、ここ。往復でも8,000km。しかも、戦果確認をしてもらわんといけんからな。戦闘行動を含めると30分以上は滞空してもらわんといかん。」

 

 海図の表示されている液晶パネルに口に出した情報を表示しながら話しを進める。

 

「そして、継戦戦力として俺と特機を投下したとして、まあ、弾薬がつきても近接戦闘で粘るよ。しかし、推進剤が持たない。下手に陸地に向かえばそこが攻撃される可能性が跳ね上がる。」

 

「・・・ガルーダ隊に威力偵察を命じますか?敵の詳細がわかるかと。」

 

「う~ん、どうするか・・・。米軍の偵察衛星が使えればなぁ。」

 

「絶対に対価を求めてきますよ。」

 

「そこが問題だ。第1次首都圏防衛海戦後に第7艦隊も引き揚げようとしたぐらいだしな。」

 

「あの時は、焦りましたねぇ。」

 

「ホントに。第7艦隊司令が上申してくれたおかげで、日本の防衛力を維持できたようなもんだからな。まあ、米国防総省(ペンタゴン)からは、見返りにF-2Bのノックダウン生産を求められたからな。それとASM-2の売却だったか。」

 

「まあ、内閣はよくやってくれたと小官は思います。」

 

「そうだな。総理と内閣の各大臣はよくやってくれた。害務省と背広組が勝手に話しをすすめていたのには腹が立ったがな。」

 

 ため息交じりに言葉を吐きだすと、少し気が楽になった。付き合わされた出原中佐には申し訳ないがね。

 

「さて、愚痴はここまでにして、現実問題としてガルーダ隊による反復長距離攻撃しか方法がないだろう。投降した深海棲艦たちを危険には(さら)すことはできない。」

 

「はい。護衛艦隊に預けるのも不安があります。」

 

「せめて、艦隊司令が宮口で無ければなぁ。」

 

「同意します。」

 

「ま、やっこさんは降格と左遷が決まっているからな。それで良しとしよう。」

 

「そうなんですか?やはり原因は先日の襲撃時の対応ですか。」

 

「おう。統合幕僚長から直々におしえてもらった。ま、それはおいといて、だ。ガルーダ隊は“おおすみ”の直掩に2機は必要となる。となれば当然、残りの4機が攻撃隊となるが、直掩の2機もずっと飛び続けられるわけではない。交代が必要だ。と、なると必然的に2機は“おおすみ”で休息のために待機してもらわんといかん。」

 

「要するに数が足りないと?」

 

「そうだ。」

 

「しかし・・・。あ、そういえば参考として拝見した小説版とアニメ版の“戦闘妖精 雪風”では、雪風が単独での戦闘行動をとる描写がありましたよね。あれは、実現は不可能なのでしょうか?」

 

「確かに搭載されているコンピュータは、雪風と同等かそれ以上ではあるな。・・・、無人でやらせてみるか?」

 

「その価値はあるかと。八島中佐たち搭乗員の意見も聞いてからですが。」

 

「よし、航空艦橋に移動する。八島中佐たちにも召集を。」

 

「了解。」

 

 

 航空艦橋にはすでに八島中佐達が集まっていた。

 

「忙しいところすまんな。楽にしてくれ。」

 

 確認された深海棲艦艦隊群に対しては、とりあえず航空機による反復攻撃を行う予定であることを伝える。

 

「そこでなのだが、メイヴの無人による運用を試してみようかと思う。」

 

「ふむ、我々、搭乗員はお役御免ということですかな?閣下。」

 

 八島中佐が彼の部下では質問しにくいことを言う。部隊を率いる者の見本だな。

 

「いや、違う。貴官らの疲労軽減のために考えているところだ。例えば、上空直掩、偵察、ガルーダ隊のみによる単純な攻撃等だな。このくらいなら搭載コンピュータが学習しているだろう?」

 

「はい、閣下。仰る通りです。しかし、アレは単なる戦闘コンピュータではないように我々は考えております。報告書にも時々記載をしていたかと。」

 

「ああ、確か『知性体的な出力を行うように見受けられる。』だったか。はん。ますます、神林長平先生の“雪風”原作に近くなってきたと思っていたところだ。電脳知性体か・・・。で、実際にどうかね?」

 

「最初から完全な無人はやめるべきかと。コンピュータに任せるにしても機長席には搭乗員を必ず乗せて運用すべきです。フライトオフィサも操縦ができるので、搭乗員は12人体制で運用できます。」

 

「休息の問題は?」

 

「今でも充分ですよ。旨い飯と上質な寝床を用意してもらっているのですから。」

 

「確認されている深海棲艦艦隊群への攻撃は?」

 

「十分に可能です。」

 

 他の搭乗員たちも同意するように頷く。

 

「よし、わかった。明朝0600よりコールサイン“ガルーダ1”“ガルーダ2”による超長距離攻撃を開始する。」

 




ジャンルが艦これなのにむさいオッサンばかりで艦娘が出て無い・・・。
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