深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。 作:名無しの兵六
仕事で精神ぶっ壊して何も手につかない状態で今まで投稿ができませんでした。完治はしてないので、投稿頻度は3年前よりも落ちると、思いますがどうぞよろしくお願いします。
出撃当日の格納庫では2機のメイヴに取り付けられた武装の最終チェックが行われている。武装の安全ピンを外すのは飛行甲板になる。
ガルーダ1には機長の八島中佐、後席には緊急補助員として瑞鶴、ガルーダ2には機長の有村中尉のみの搭乗となる。念のため夕張は同時出撃では無く第2陣となるガルーダ5の後席となる。
すでに無線中継・敵艦隊監視及び攻撃援護の支援任務につくガルーダ3、ガルーダ4は飛行甲板で発艦用意をすすめている。
「さて、諸君。私から何か特別に言うことは無い。ただ無事に帰還してくれ。」
「「「了解。」」」
愛機の横に立つ3人が敬礼する。それに俺はしっかりとした答礼をする。
「では、搭乗だ。」
八島中佐の静かな、だがよく響く声が騒がしい格納庫内を通り抜ける。すぐに瑞鶴と有村中尉はラダーを登り始める。俺はラダーに手をかけた八島中佐の肩に手を置き、彼の目を見て、
「頼むぞ。」
と一言だけ声をかける。中佐は頷き、自席に収まる。ラダーが取り外されトーイングカーが接続され舷側エレベーターへと2機のメイヴが移動を開始する。
そして、出撃間近となった航空艦橋に入る。皆が緊張しているのがわかる。
「閣下、おはようございます。出撃機体は今、格納庫からエレベーターで上がってきます。」
今回はお留守番であるガルーダ1フライトオフィサ、迫中尉が敬礼と共に声をかけてくる。頷きながら答礼し、舷側エレベーターが見える場所まで移動する。
飛行甲板に上がってきたエレベーターには2機のメイヴが主翼を折り畳み待機している。既にコックピットポッドは飛行位置にセットされている。
デッキクルーの誘導でガルーダ1から主翼を展開しながらカタパルトへと自走する。すでに支援任務のガルーダ3、ガルーダ4は発艦したあとで、飛行甲板ではジェット・ブラスト・ディフレクターが格納され始めていた。航空艦橋からは遠目に航跡を引きながら上昇する2機が見える。
視線を飛行甲板に戻すと、デッキクルーに誘導されながらガルーダ1、ガルーダ2がカタパルトへと向かう。デッキクルーの“停止”の合図でカタパルト上に停止した2機は発艦前の最後の確認をされている。
ジェット・ブラスト・ディフレクターが持ち上がるとエンジンの出力をあげたからだろう、甲高い音がここまで聞こえる。バタバタとエルロンや尾翼を動かし異常が無いことを確認すると、デッキクルーが発艦の合図を出す。
さらにエンジンの音が甲高くなり、まずはガルーダ1、続いてガルーダ2が発艦した。時刻は0600。作戦開始時間ピッタリだ。
発艦した2機はすぐに上昇を始め、さらには音速の壁をブチ破る。航空艦橋の窓ガラスが震える。既に電脳知性体が操縦しているんだから仕方がないか。無線からは瑞鶴の悲鳴にも似た叫び声が聞こえる。まぁ、無視だ無視。戦闘機の急上昇はジェットコースターとは比較にならんからなぁ。
さて、すでに巡航速度のマッハ1.75にて成層圏付近に到達しているはずだ。約2時間後に2機とも深海棲艦艦隊群と交戦状態に入る。それまで俺は航空艦橋で管制官たちの声を聞きながら2機の状況を知りながら、レーダーの輝点を眺めることしかできんなぁ。
今更なんだが瑞鶴の装備は基本的に艦娘としての標準装備である道着とミニ袴の上に飛行服を。またその上には近接戦闘パッケージのタクティカルベストを身に付けている。で最後に耐Gスーツだ。そして、足元には想定外を想定して推進艤装をつけている。
もちろんナイフ類やM6Hハンドガンもだ。両腕には
まぁ、つまり、脱出しても1個艦隊程度なら相手にできる・・・はず。うん、俺とジョンソン上級曹長が戦闘法を叩き込んだから問題ない。
目標の深海棲艦艦隊群がいるアダマン海だが沿岸国のミャンマーやインドネシアなどには既に戦闘行動を行う通知と許可をもらっている。というか、向こうから泣きついてきた。気持ちはわかるけどさぁ。まあ、貴重な海軍戦力を消耗できないしな。仕方ない。それでは航空戦力はどうかって?パイロットの養成期間とかかる金を考えろよと言いたい。
そんじゃ、時間まで港湾棲姫とお茶でもしてくるか。構ってやらんと拗ねるからなぁ。他の投降した深海棲艦は交代しながら“おおすみ”で休息をとっている。
港湾棲姫とのお茶をお互いに楽しみ2時間後に航空艦橋に再び上がる。
「状況は?」
「ガルーダ3、4は所定位置に着きました。映像も送られてきています。」
「メインモニターに映してくれ。」
「了解。」
航空艦橋のメインモニターにガルーダ3、4が現在撮影している映像が映し出される。思わず唸る。
「報告よりも多いぞ。C.I.Cの出原中佐には?」
「すでに報告済みです。」
「よし、『出原中佐、こちら湊だ。聞こえるか?』」
管制官との話しを打ちきり、ヘッドセットをつけて出原中佐を呼び出す。
『感度良好です。閣下。』
「『よし。敵艦隊群が報告よりも多かった。貴官の考えを聞きたい。』」
『フライトユニット装備でJセイバー・ハイマニューバ・モード特機2個小隊の全力投入を意見具申します。』
「『往路はよいだろうが、復路は?プロペラント・タンクを装備しても推進剤が持たん。』」
『脚があるのです。そのまま戦闘後は勝敗に関わらず陸に退避させます。』
「『陸に敵の注意を引きたくないな。・・・俺が投下ポッドでいくのはどうか?』」
『閣下の実力は分かっていますが、賛同できかねます。艦から離れすぎています。充分な支援ができません。それに、閣下と特機2個小隊では・・・。』
「『その先は言わんでいい。』」
俺の方が大事ということだろう。一応、生ける英雄なのだからな。代わりがいない。対して特機は損失が出ても補充がきく。政治か・・・。いや、世論か?まぁ、いい。
「『よし、沿岸国の大使館と領事館には苦労してもらおう。特機第1小隊、第2小隊、
『了解。では、ガルーダ5及び6の武装を一部変更しますか?』
「『ああ、そうだな。ガルーダへはこちらから指令を出す。格納庫で待機中の特機にはそちらから
「了解。」
命令を出し終わり、水分で喉を潤してからガルーダ1への通信ボタンを押す。
「『ガルーダ1、攻撃開始地点へは300秒後に到着する。問題は?』」
『こちらガルーダ1。メイヴが攻撃用意に入っています。マスターアームがオンになりました。搭載されている全てのミサイルが発射可能となりました。・・・っと、こいつは驚いた。閣下、メイヴは燃料の残っている増槽を投下弾として使うつもりです。目標の選定も終わったようです。』
「『上手くサポートしてやってくれ。』」
『はは。コイツ、ディスプレイに“お気遣い感謝します。”と出力しましたよ。』
「『処理能力には十分な余裕があるみたいだな。安心したよ。・・・さて、60秒前だ。無事に帰って来いよ。』」
『了解。』
そして、航空艦橋のディスプレイに映し出されるガルーダ1と2の輝点の上にエンゲージと表示され、攻撃が始まる。
先陣をきったのはおきまりのミサイルポッドだ。ガンダムGP03デンドロビウムのミサイルポッドを円柱形にしたようなモノで、指定高度になると数十発のマイクロミサイルを発射しながら、ポッド本隊は射出前に標的として選定された敵艦へと突っ込んでいく。ポッド本体の音速を超える衝撃と炸薬で大抵の標的は爆沈する。
んで、マイクロミサイルはIFFに応答しない電波を反射する熱源へと突っ込んでいく。なので、駆逐級に10発近くが命中することもある。逆に、敵の艦載機を殲滅することもある。まぁ、敵艦隊を混乱させるには良い武装だよ。
ガルーダ3、4から送信されてくる映像ではマイクロミサイルポッドの本体が敵空母級と戦艦級に命中し爆沈したことを確認できた。
高度を落としながらガルーダ1、2が通常ミサイルを発射する様子も映る。この通常ミサイルはエースコンバットのように対空はもちろん対地・対艦にも対応しているモノとなっている。妖精さんの技術えげつねぇ。ミクが凄いだけか?ちなみに着弾時は超々音速に到達している。衝撃だけで軽巡級までなら轟沈する。ま、炸薬もたっぷりだから戦艦級、空母級は轟沈はしないが誘爆しながらの爆沈だがな。
十数発のミサイルがそれぞれの割り振られた目標へと向かって行く。ちなみに深海棲艦艦隊群は混乱の中にあり、陣形が保てない艦隊もあるようだ。しかし、ミサイルはそれらを無視し、陣形を何とか保ち立て直ろうとしている艦隊の旗艦級に向かって行く。ミサイルの曳く航跡に気付き回避運動と対空砲火を打ち上げるがミサイルのような小型目標には意味をなさない。超々音速ミサイルはそれぞれの目標に到達し、破壊と死を同時にもたらす。
ガルーダ1、2の残りの武装はそれぞれが自衛用の翼上の通常ミサイルが4発と20mmガトリング砲のみだ。しかし、電脳知性体は先程の通信では増槽を使って攻撃するつもりだ。
映し出された映像には180度ロールをして急降下を始めるメイヴが2機。そして、またしても瑞鶴の悲鳴。しかし、今度は八島中佐達パイロットの呻き声も少し聞こえた。表示されたGは15Gだった。おいおい、メイヴのパイロットシートじゃ無ければ死んでいるぞ。そりゃあ呻き声も上げるよな。
そして、速度はすでにマッハ3を越してマッハ4に迫ろうとしている。そして、高度300mで2つの増槽を目標の戦艦級2体に機首を少しずらすことで命中コースに乗せる。マッハ4で自由落下していく増槽を追い抜き、高度150mをきるぐらいで機首を上げ、機体を海面と平行にする。衝撃波で海面が激しく飛沫を上げる。15Gを超える負荷にメイヴ2機の乗員の3人も呻き声を上げる。
そして、メイヴの電脳知性体はそんなもの関係ないとばかりに見事に目標へと命中した増槽へ機首を向けガトリング砲を十数発撃ち込む。焼夷弾も混ざっているそれはいともたやすく増槽を爆発させその熱エネルギーを目標へと叩き込んだ。そして、目標は爆炎に包まれ沈黙し、海面に倒れ伏した。
「『よくやった。ガルーダ1、2。帰艦コースに・・・』」
『PAN!!PAN!!PAN!!こちら日本国空軍機。全周波無線にて告げる。深海棲艦艦隊群の増援がアダマン海に出現!!空母機動艦隊18、戦艦打撃艦隊35、水雷艦隊48。付近を航行中の艦船および航空機は至急、退避せよ。各国海軍及び空軍は情報に注意!!』
帰艦の命令を出そうとしたらガルーダ3がPANを発した。内容は笑えないモノだ。特機の出撃準備をしていてよかったな。
『待って、海面が光っている!!艦娘が現れるわ!!今、私達が帰艦したら敵中に取り残されちゃう。提督さん!!私をメイヴから降ろさせて!!大丈夫、特機と夕張が来るまでは
おっと、これはいかんな。しかし、俺としては見知らぬ艦娘よりも部下である瑞鶴が大事だ。だが、
「『瑞鶴少佐、出撃を許可する。貴官の艤装は夕張少佐と共にガルーダ5で空輸する。60分耐えてくれ。』『八島中佐、瑞鶴少佐を降ろせるか?』」
『メイヴは降ろせると。』
「『よし、ならガルーダ2、3、4に援護させる。速やかに瑞鶴少佐を機外へ出撃させろ。』『ガルーダ2、3、4聞こえていたな。兎に角、敵の砲口をガルーダ1から外させるように機動しろ。』『総員に告げる。今の命令に返答は不要だ。すぐにかかれ。』」
航空艦橋から見える出撃前のガルーダ5、6だが特機小隊の入った投下ポッドをそれぞれが1個小隊ずつ翼下のパイロンにとりつけている。その作業と並行して舷側エレベーターで上がってきた瑞鶴と夕張の艤装を入れた投下ポッドもメイヴのもとへと運ばれていく。
艦橋内のメインモニターにはガルーダ2、3、4が臨時編隊を組んで深海棲艦艦隊群の上空で攪乱のために暴れているのがガルーダ1の機首カメラから映像が送られてきている。
その瑞鶴の搭乗するガルーダ1は3機とは離れ、高度を徐々に下げ高射砲の射程外で速度を急激に落とすのが戦術ディスプレイの輝点でわかる。高度は15m、対気速度は400km/h無いぐらいだ。まさか、着水して瑞鶴を降ろすとかしないよな。
そう思っていると、メイヴの機首カメラが急に頂天、つまり空しか映さなくなった。そして対気速度が50km/hまで落ちた。
『こちら、ガルーダ1。メイヴがコブラ機動で速度を落とした。エンジンの出力を調整して機首を上に向けヘリのホバリングのようにほぼほぼ静止状態だ。OVA“雪風”のアドミラル
『いけます。ヘルメットはどうしましょう?』
『適当に置いといてくれ。後は帰るだけだ。』
『了解。ヘッドセットをつけます。キャノピーを。提督さん、映像送ります。』
瑞鶴の言葉と共にヘッドセットのカメラがメイヴ後席からの映像を映し出す。搭乗員用ヘルメットを置き、シートベルトと耐Gスーツを外すさまもわかる。そして、メイヴのコックピットキャノピーが開くのも。
「『瑞鶴少佐、無理はするなよ。すぐに夕張少佐と特機2個小隊が増援として到着する。貴官は、顕現した艦娘と自分の身を守ることを最重要目標としろ。』」
『了解。瑞鶴、抜錨!!』
その言葉と共に瑞鶴がメイヴのコックピットポッドから飛び降りる。飛沫を上げながら着水をしてすぐに推進艤装を最大出力まで稼働させ40ノットオーバーで顕現した艦娘のもとへと向かう様子がカメラで送られてくる。
ちなみにメイヴは瑞鶴が離れてからすぐに最大推力で上昇してガルーダ2、3、4に合流すべく飛行を再開した。
『発砲炎を確認!!艦娘が顕現しました。』
ガルーダ2の有村中尉がメイヴの胴体下部カメラ映像と共に報告してきた。映像では2人の艦娘が背中合わせで主砲艤装を発砲しているのがわかる。映像の一片を切り取り2人の艦娘を拡大表示する。思わず呻き声が出た。
「球磨型軽巡の北上と大井か・・・。」
別に2人が嫌いだとかそう云うのは無い。しかし、練度の低い顕現したばかりの状態で深海棲艦艦隊群が目の前にいるのだ。せめて装甲がもう少し厚い重巡なら・・・。いや、俺が今なすべきことはそんな思考の海に沈むことではない。
「『瑞鶴少佐。顕現した艦娘は球磨型の北上と大井だ。』」
『っ!?了解!!敵艦隊の一部が見えてきたわ。ハンドガンでの狙撃で注意をこちらへ向ける。』
その言葉と共にヘッドカメラにはM6Hハンドガンを構える腕が映る。そして、発砲。1マガジン8発を撃ちきり、すぐにリロードをする。銃口から吐き出された12,7mmは敵の巡洋艦級に命中したのか火花が散る。弾かれたかと思うと直後に爆発した。どうやら最後の1発がウィークポイントの弾薬庫にでも命中したようだ。
そのまま、すれ違いざまに駆逐級をヒートナイフで切り裂き爆沈させる。瑞鶴の装備する近接戦闘パッケージにはヒートナイフの予備電源もあるので、途中でナマクラになることは無い。
敵にとっては思わぬところからの攻撃だったようで、北上と大井を包囲しようとしていた艦隊の足が鈍った。接近戦で敵を薙ぎ払いながら北上と大井に徐々に近づいていく。・・・空母の艦娘なのに、接近戦って何だ?とかは考えてはいけない。
『こちら、瑞鶴。北上さん、大井さん、聞こえる!?聞こえたら返事を!!』
しばらくの空白の後に、通信が瑞鶴に入る。
『こちら、北上。瑞鶴っち、おひさ~。70年ぶりかな?』
『もう、北上さん、しっかりしてください。瑞鶴さん、大井です。聞こえています。』
『お2人とも被弾状況を教えてください。』
『アタシは機銃弾が数発と至近弾で小破以下。大井っちは駆逐級の主砲が直撃しちゃって小破状態かな。』
『わかりました。提督さん、聞こえました?』
「『ああ、聞こえている。北上少佐、大井少佐、私は瑞鶴少佐の所属する柱島泊地の司令長官をしている湊海軍元帥大将だ。よろしく頼む。』」
現場に急行中のガルーダ5が通信の中継点となっているので、魔改造無線機を持たない2人にも届いているはずだ。
『おぉ、元帥閣下だって、大井っち。ドモドモ北上です。』
『もう、北上さん、上官なんですから口調には気を付けてくださいね。・・・大井です。』
「『現在、増援が急行中だ。北上少佐と、大井少佐は瑞鶴少佐の指揮下で後退しながら戦闘を継続してくれ。勿論、回避優先でな。瑞鶴少佐は両少佐のサポートを継続だ。』」
『『『了解!!』』』
海上はこれでヨシ。次はガルーダ1、2、3、4に通信を繋げる。
「『ガルーダは海上の3人に敵を近づけないように妨害を行なってくれ。こちらは映像とレーダーのみでしか状況が掴めん。八島中佐、現場指揮は頼んだ。』」
『了解。メイヴが自分の意思で飛んでくれるので指揮に専念できます。』
よし、俺は通信機のチャンネルを瑞鶴と夕張のみにつなげるように設定して命令を下す。
「『瑞鶴少佐、艤装を受け取ったら現場での艦娘指揮は貴官が取れ。夕張少佐は補助及び北上少佐と大井少佐の修復を完了させ、2人を戦線に復帰させること。以上だ。』」
『了解。補助艤装も?』
「『あるぞ。』」
『なら、大丈夫ね。夕張、待っているからね。』
『了解です。瑞鶴さんも。あと60秒で現着です。装備の最終確認を行います。青木大尉、大丈夫ですか?』
『夕張少佐、問題ありませんよ。メイヴも用意を完了したとのことで特機のポッドを投下後、降下を開始します。』
俺は、その無線の送信側のスイッチをオフにして、特機小隊の羽佐間中尉と橋島少尉へ通信を繋げる。
「『さて、諸君。あと30秒でポッドが投下される。気分はどうかね?』」
『特小101、問題ありません。』
『特小201、問題なし。』
「『よろしい。では、存分に暴れたまえ。』」
『『
その返事の数秒後にディスプレイのガルーダ5、6の輝点の上に“MSポッドドロップ”の文字が表示される。そして、特機小隊の輝点が6つ新たに表示される。
別のモニターには投下されたMSポッド下方視界の映像が6人分表示されている。高度が下がるにつれて最初は散発的だった深海棲艦艦隊群の対空砲火が密になっていく。
もちろん、被弾無しとはいかず特機小隊の隊員達の被弾報告があがってくる。それでも、本人たちが冷静なのはMS艤装のスターク・ジェガンを装備していることにあるのだろう。
『特小203より201へ。ポッドの損傷大。緊急離脱を行う。』
『了解。203、海上で会おう。』
特小203のポッドの外部映像が、頭部カメラの映像へと切り替わる。投下ポッドの中には火がまわり始めていた。すぐにポッドの“蓋”がエマージェンシーパージされ特小203は、ハイパーバズーカを両手に空中に躍り出た。3秒もしないうちに爆発音が響き、投下ポッドの残骸は海面へ特小203を追い抜いて墜ちていく。
高度1,500m。特小203はその高度から自由落下を開始する。そして、スターク・ジェガンのカメラ映像は
バズーカの弾頭は装甲目標を相手に考え、成形炸薬弾となっている。6発のミサイルの着弾と同時に、4発のバズーカ弾も重巡級4隻を仕留める。特小203はこのまま、敵艦隊群の右翼、インドネシア北スマトラ島側にて暴れるつもりらしい。
他の特機小隊の面々は無事に着水ができたようだ。特小101、102、103が瑞鶴たちの周囲に展開し壁として行動するつもりのようだ。203と離れた201、202は左翼側から右翼へと突っ切るつもりらしい。
そして、夕張は戦場から30km近く離れた海上にてガルーダ5の後席より出撃し、艤装を事前に投下していたポッドから取り出し、装備をしながら瑞鶴たちの下へと急いでいる。
『瑞鶴少佐!!ここは我々が抑えます。北上少佐と大井少佐を連れて夕張少佐の下へ。少佐の空母艤装と高機動パッケージ、修復剤と傷薬があります。』羽佐間中尉が言う。
『わかったわ!!羽佐間中尉、頼むわね。さぁ、北上さん、大井さん一緒にこっちへ来て!!』
『はいよー。』
『わかりました。』
北上と大井の推進艤装は柱島泊地での改良を受けていないので速度が出ない。それに気づいている瑞鶴は、正規空母艦娘としての16万馬力の大出力を発揮し、北上と大井の両少佐を小脇に抱えて一気に加速する。
『2人とも舌を噛まないでね。』
『先に言ってほしかったなぁ~。』
瑞鶴を追いかけようとした深海棲艦艦隊群の駆逐艦が爆(は)ぜた。羽佐間中尉のハイパーバズーカが直撃したからだ。スターク・ジェガンを装備した特機の3人が瑞鶴たちと深海棲艦艦隊群の間に立ち塞がる。
『ここから先はレンジャー徽章と空挺徽章、そしてスターク・ジェガンの名にかけて通さん!!』
読んでくださりありがとうございます。