深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。 作:名無しの兵六
短いですが更新します。
宮口への口頭指導を行い、護衛艦隊と「おおすみ」のデータ・リンクを復活させた。中須少将の後任としてやってきた宮口が行なったのが護衛艦隊と「おおすみ」のデータ・リンクの切断等の引き離しだったからな。ドバイでの上陸のあと確かこう言ってたな。
「おおすみは艦娘や航空隊に加え降伏した深海棲艦も引き連れていますから、我々、護衛艦隊との連携は必要ないでしょう?こちらは輸送船団を守る事に集中しますのでお気になさらず。あぁ、そうでした忘れるところでした。艦娘による船団護衛だけは引き続きよろしく。」
とかだったかな。佐伯大佐も俺も呆れ過ぎて何も言えなかったな。ま、敵潜一杯のおかげでデータ・リンクが復活できたのは大きい。C.I.Cの出原中佐も喜んでいたからな。
さて、データ・リンクを再開したおかげでマラッカ海峡の入口でのガルーダから送られてくる戦闘映像も共有できるようになったわけだ。
「おおすみ」ではそれに加えて海上で戦闘している瑞鶴達や特機小隊のヘッドカメラ映像もある。
『103から101。バズーカが2丁ともカンバンです。ビーム・ライフルとビーム・サーベルによる近接戦闘の許可を。』
『101より103。許可する。102は103の援護を。』
『103了解。』
『102了解。』
瑞鶴を後方に下げるために壁となっている特機第1小隊の戦闘映像を映しているモニターに視線を向ける。3機のスターク・ジェガンが肩部ミサイルランチャーとハイパー・バズーカをパージし、軽装状態となりビーム・ライフルとビーム・サーベルでの戦闘を繰り広げている。
103が、ビーム・ライフルを連射しながら、戦艦級に接近しビーム・サーベルで、斬りつける。
『いくら装甲が厚かろうと!!』
103の一閃が戦艦級を真っ二つにする。103はジャンプして距離をとり、爆沈するのを見届けてから次の獲物に喰らいつく。
『北上さんの治療と修復が完了したわ。夕張、大井さんはどう?』
『あと2分ください。機関部と推進部の修復で終わります。』
『了解。北上さん、いけるかしら?』
『モチ。しっかり修復してくれたからね〜。頑張るよ〜!』
瑞鶴のヘッドカメラ映像には艦娘艤装用降下兼治療ポッドから北上が立ち上がり、海面に着水する様子が映されている。北上は艤装の各部の軽く動かし確かめる様にポッドの周りを周回する。
『よっし!機関良好!各部武装も問題なし!』
北上はやる気満々のようだな。瑞鶴はポッドの中からヘッドセットと近接戦闘パッケージ、高機動パッケージを取り出し北上へ渡す。
『北上さんこれは頭につけてくれる?・・・そうそんな感じ。それでこれを上半身に着て。近接戦闘用のナイフやハンドガンが収納されてるの。それで、これは足の推進器に装着ね。』
『ナイフと拳銃かぁ。使ったことないんだけど大丈夫かな?』
『ナイフとハンドガンは、艤装の弾薬が切れたときの保険よ。今回は使うことないと思うわ。』
『推進器のコレは何?』
『コレは高機動パッケージといって、簡単に言えば機動力が上がるわ。今回は、緊急回避のためだけに使ったほうがいいわね。慣れてないとケガしちゃうから。』
『了解〜。わかったよ。大井っちも聞いてたよね?』
北上がたずねると、ポッドから出てきた大井が夕張の手を借りてヘッドセットと2つのパッケージを装着していた。
『ええ、聞こえていました。大丈夫。やれます。』
『よし、じゃあ戦線に戻ろうかな。瑞鶴っちに許可を取ればいいのかな?』
『いや、私じゃなくて提督さんに聞いてみて。そのヘッドセットにマイクがついてるでしょ?そうその口元にある細いやつ。それマイクなのよ。ちなみに相手の音声とかは骨伝導のイヤホンで聴こえるからね。』と瑞鶴。
『了解、了解。あー、提督。聞こえてる?』
「『ああ、聞こえているぞ。』」
『そのさぁ、アタシと大井っちも戦線に復帰してもいいかな?』
「『少し待ってくれ。』『特小301、通信可能か?』」
深海棲艦を相手に突撃戦を行なっている特機第3小隊の橋島少尉を呼び出す。
『こちら301。可能です。』
「『先程、顕現した球磨型軽巡洋艦の北上少佐と大井少佐が戦線へ復帰の意見具申があった。瑞鶴少佐と夕張少佐のみでは2人のフォローは難しい。そこで第3小隊も北上、大井両少佐のフォローにまわってほしい。できるか?』」
『301了解しました。』返答と同時に直ぐに第3小隊のスターク・ジェガンがブースターを吹かしてジャンプし、深海棲艦を沈めながら瑞鶴達のもとへと移動を開始するのがヘッドカメラ映像でわかる。
「『頼んだ。』『北上少佐、戦線への復帰を許可する。大井少佐と共に先任の瑞鶴少佐の指揮下に入れ。以上。』『瑞鶴、特機第3小隊と合流してから攻撃を開始してくれ。』」
『わかったわ。提督さん。2人とも大丈夫ね?』
『了解〜。』『了解。』
北上と大井から返答ののちに瑞鶴を筆頭ととした4人は第3小隊と合流するため動き出す。
その様子を上空のガルーダ3からの映像で確認する。ガルーダ3、4は先発組だが、攻撃とは別に戦術偵察とECMの役割もあったため、攻撃兵装を減らし増槽を追加していたため残念料には余裕がある。ガルーダ5、6は逆に最大積載量のみならず最大推力でマラッカ海峡に向かった関係でそろそろジョーカー・フューエルの宣言がきてもおかしくない。
その時、ガルーダ1フライトオフィサの迫中尉が嬉しい報告を持ってきてくれた。
「閣下、通信がありました。マレーシア政府と空軍がスバン空軍基地からKC−130を飛ばしてくれたそうです。タイ政府と空軍にも話をつけたようでタイのプーケット上空でガルーダに空中給油ができるとのことです。」
「それは有難いな。是非とも両国に私の名前で感謝を伝えてくれ。ガルーダ5、6にはKC−130との合流時間を逆算して伝えるんだ。」
「しかし、燃料はよくても武装が・・・。」
「給油が終わり、戦闘空域に戻ればガルーダ3、4の代わりのECMを引き継いでもらう。そして、3、4には最大推力で帰艦し、兵装転換を行う。それに1、2がそろそろ帰艦する。八島中佐達には酷ではあるが、1、2を無人状態で再出撃させる。パイロットにとってはプライドが許さないだろうが、電脳知性体のみでも単純な攻撃なら可能なのが先刻証明された。」
「・・・了解。」
フライトオフィサとは言え迫中尉もウィングマークを持っているんだ。やりきれない感情があるんだろう。それでもその理不尽さを飲み込みマレーシア空軍とのやり取りに戻るのは流石と云うべきだな。
さて、マラッカ海峡での海戦はひとまず置いておいて、潜水艦のことだ。現在、船団護衛には武蔵を旗艦とし、次席艦を愛宕、次いで摩耶、翔鶴、大淀、吹雪、白雪がついているが、吹雪は潜水艦攻撃のために隊列から離れた状態だ。
また、
まぁ、もともと護衛艦隊の「そうりゅう」「うんりゅう」「はくりゅう」の3隻の潜水艦が哨戒任務にあたっているが、敵潜に関しては耳が多いほうがいいだろう。そう思っていると、
『こちら吹雪です。漣ちゃんが敵潜らしき水中音を探知しました。接近し確認します。マッピングとデータ・リンク行います。』
「『了解した。』」
吹雪から送られてきた敵潜がいるであろう位置が海図が表示されているモニターに映る。これは航空艦橋であるこちらと航海艦橋のC.I.Cでも同様になっている。
『こちら漣。敵潜は2隻です。攻撃しますか?』
「『許可する。データ・リンクだけは忘れないように。』」
『了解です。』
しばらくして目標地点にて吹雪達3人が爆雷を投下していく。今回も上手く仕留められたようで吹雪のヘッドカメラ映像に連続して2本の大きな水柱が上がる。3人はそれを見届けるとすぐに哨戒任務に戻る。
マラッカ海峡入り口で戦闘している瑞鶴のヘッドカメラでは、艦載機が弓から射られて深海棲艦へ空襲を行なっているのがわかる。第3小隊とも無事に合流できたようだ。
俺は深く息を吐きながら指揮官席に座る。大丈夫だ。今のところは。沿岸各国の協力も得られている。それにこの艦なら大丈夫。
座り心地の良い指揮官席にすわりながら"おおすみ"の基本スペックを改めて思い出す。ここまで実績を上げてしまったらもう輸送艦じゃないよな。全長298m全幅76mでカタパルト付き。航空機搭載型艦娘母艦とでもしとくかな。ちなみに"おおすみ"はこの中東への船団護衛でも改良が行われている改めて妖精さん技術スゲェな。次元波動エンジンは出力を上げられて九州と四国なら充分に賄えるようになったからなぁ。柱島泊地に戻ったら第0護衛艦隊の各艦も魔改造されるんだろうなぁ。
さて、マラッカ海峡入り口の敵性深海棲艦の数も順調に減っている。俺も指揮官としてもう一働きするかね。
50日のはずの任務が、オマーンへの救援等で4月帰国(予定)という長丁場になりました。
読んでくださりありがとうございます。