深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。   作:名無しの兵六

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第11話 佐世保鎮守府防衛戦(甑島沖海戦・その2)

『こちら鹿屋基地第1航空群第1航空隊第11飛行隊、コールサイン“ジュピター”。ハープーンを持って来た。どこに撃ち込めばいい?』

 

「『こちら湊准将。現在この海域での指揮を()っている。ジュピターには南に展開している敵艦隊群へ攻撃を。敵の退路を断つ。間違っても高度を下げるな。近づきすぎるな。対空砲の餌食になるぞ』『川内、鹿屋基地からハープーンが届いた。南の敵艦隊群を圧するから、北上(ほくじょう)の勢いが強まるぞ。気を付けろ。』」

 

『了解!!みんな、聞いてたね。気合いを入れなおすよ!!』

 

『了解。攻撃を開始します。』

 

 南の空に一瞬だけ光が(とも)る。十数秒後には、海面にいくつもの火球ができた。結構な数が命中したらしい。

 

「『よくやった“ジュピター”素晴らしい戦果だ。』」

 

『ありがとうございます。補給後、再度出撃します。では一時帰還します。グッドラック。』

 

『その役目、我々が引き継ぎます。遅くなりました。築城基地第8航空団第6飛行隊、コールサイン“アーチャー”です。ASM-2の射程に敵艦隊群を捉えました。これより攻撃を開始します。』

 

「『“アーチャー”可能なら南に展開している敵艦隊群への攻撃を願う。』」

 

『了解。』

 

 そして、また火球ができる。いやはや、既存兵器もまだまだイケるな。“アーチャー”も補給のため基地に戻る。しばらくは、俺と川内率いる艦娘艦隊のみだ。予想通り、敵は北上(ほくじょう)速度を上げてきた。そうはさせん。

 

 今、佐世保基地からはCH-47JA“チヌーク”に搭乗した重巡を中心とした遊撃艦隊2艦隊と、海上は戦艦艦娘を中心とした通常艦隊、艦娘艦隊の混合打撃艦隊が南下中だ。ヘリボーン艦隊は、あと30分ほどか?打撃艦隊は足の遅い戦艦がいるから3~4時間後だろう。

 

 ふむ。折角の少数での迎撃戦だ。増援が来るまでに接近戦をしておこう。アサルトライフルをガーディアン・シールドに懸架し、ビーム・サーベルを構える。ヘルメットのライトとピンクの光線を(ほとばし)らせているビーム・サーベルのおかげで、深海棲艦どもの注意が俺に向く。それでは、行くとしようか。

 

 ブースターを最大出力で吹かしながら、敵を切り払っていく。装甲の厚い戦艦だろうが薄い駆逐艦だろうが、分け隔てなく簡単に溶断していく。敵の(まと)う雰囲気が変わってきた。それは“恐怖”と“焦り”だ。それもそうだろう。人間1人と1個艦娘艦隊に北上(ほくじょう)を阻止されているのだから。

 

 まあ、そんなことは関係ない。俺はただ沈めるだけだ。あー、しかし何体沈めたんだ。頭部カメラの記録映像を確認すればわかるんだろうけど。

 

「ミク。俺って何体ぐらい沈めた?」

 

「えーっと、戦艦が32、重巡が68、軽巡が56、駆逐が87ですねー。補給艦・輸送艦は後方の方に展開しているみたいですねー。センサーの範囲広げます?」

 

「いや、今のままでいい。川内たちは?」

 

「善戦してますよ。でも、流石(さすが)に疲労が見え始めているみたいですね。」

 

「よし、一度、川内たちと合流する。」

 

 そして、俺は一気に川内の近くまで跳ぶ。着水点にいた、戦艦タ級を串刺しにして沈める。

 

「いやあ、噂には聞いてたけど凄いね。1人で200体以上沈めるなんて。増援の必要あったのかな?今、向かっている艦娘()たちの活躍の場なくなっちゃうねぇ。」

 

「呑気に言っているが、結構被弾しているな。小破、いや中破程度か。」

 

「さすが戦う提督。よくわかるね。他の艦娘()たちも似たような状況だよ。あと、燃料と弾薬が心許(こころもと)ないかな。」

 

「なら、退け。命令だ。ここで、お前たちが沈んでは意味がない。」

 

「だけど、甑島に五島列島が近すぎる。ここは命に代えても・・・。」

 

 “パンッ”と川内の頬に平手打ちする。

 

「こんなところで、命を捨てるな。無駄にするな。大丈夫だ。敵は俺が止める。それに、ヘリボーンが来たみたいだ。ここから5km北の地点に反応を検知した。だから、今日はここまでだ。いいな。」

 

「了解。川内艦隊、整備と補給のため退きます。」

 

「よし、後退を援護するから背後は気にするな。さあ、行くんだ。」

 

「死なないでね。准将。」

 

「“第2次首都圏防衛海戦の英雄”を舐めるな。」

 

 そう言って、川内たちと別れる。俺は、敵に突っ込み、川内艦隊は敵から追撃を受けずに粛々と後退していく。ビーム・サーベルとガーディアン・シールドを構え直す。

 

「さあ、まだ終わりじゃねえぞ。深海棲艦ども。」

 

 深海棲艦にとっての悪夢は、まだ終わっていない。




見てくださりありがとうございました。


次回は近いうちに投稿します。
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