深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。 作:名無しの兵六
シンと静まり返った幕僚監部の中で、最初に口を開いたのは幕僚長だった。
「つまり、ミクさんは他の鎮守府にいる妖精にお願いという
「はい、できますよ~。」
「できるそうです。」
「今後は控えるようにお願いしてほしい。それが難しいのなら貴官の許可を得るようにしてほしい。」
「いいですよ~。海斗さんの言う事なら聞きます。」
「小官の言う事なら聞くそうです。」
「そうか、ならばよかった・・・のか?まぁ、いい。取り敢えず話しは此処までだ。全員ご苦労だった。あぁ、湊少将はこのあと、私の執務室に来るように。」
それを合図に室内にいる全員が起立して幕僚長に敬礼する。無論、俺も。お偉方が退室していくのを尻目に俺は、最後まで室内に残り幕僚長とともに退室し、執務室へ向かう。部屋へ入るなり、
「海斗君お疲れさま。」
「
「甥との小休憩を咎める者などいないさ。茶でも入れよう。適当に腰掛けておいてくれ。」
そう、言われ応接用のソファーに腰かける。ミクには専用のハンカチを敷いて金平糖を置く。すぐに真護叔父さんは3人分湯呑と急須を持って来た。そして対面に座る。
「ミクさんはどのくらい飲むかな?」
「少しでいいですよー。ありがとうございます。」と言い頭を下げる。
「少しでいいそうです。それとお礼を言っています。」
「うん、“視えて”いるからね。動きでわかるよ。しかし、さっき初めて容姿を見たけど、他の妖精さんとは違うよねぇ。他の妖精さんは艦娘の誰かしらと似ていたりするし、工廠とかで働いている妖精さんたちも、どこの鎮守府でも同じ格好だしねぇ。まあ、他の妖精さんに指示を出せるのだから特別な妖精さんなんだろうね。」
「ですね。俺も死の淵から生き返らせてもらいましたから。」
「全く、海斗君が一度死んで異形の姿になって甦ったという報告を受けたときは、兄さんと義姉さんになんて話せばいいかと思ったよ。」
「でも、人間離れした身体能力にはなりましたよ。オリンピックに出場できれば、メダルを取れるくらいにはなりましたね。」
「全くだ。ミョルニルアーマーだっけ?あれを装備すれば1人で敵を殲滅するなんて、それにビーム・ライフルにビーム・サーベル!!まさか、生きているうちに見られるとは思わなかったよ。」
「叔父さんのガンダムのDVDコレクション見まくってましたからねー。影響を受けるのは必然ですよ。」
「だったら、ガンダムの姿でもよかったじゃないか。なんでマスターチーフ?」
「いやぁ、人間にとってヒーローで敵にとっての悪魔ってマスターチーフしか思い浮かばなかったんですよ。」
「“連邦の白い悪魔”とか“踊る黒い死神”とかでもよかったじゃないか。」
「まあいいじゃないですか。強力な戦力となる駒が手に入ったんですから。」
「軍人思考だねぇ。」
「軍人ですから。」
ハハハと2人で笑い、それが休憩の終わりの合図となった。どちらともなくソファーから立ち上がり、お互いに敬礼をし、
「さて、湊少将。先程も述べた通り、4人の艦娘と柱島泊地に帰還したまえ。」
「了解しました。」
「無理はするなよ。」
「それは、保証できませんな。」
「貴官は“英雄”だ。戦死してもらっては困る。」
「死にませんとも。」
「貴官の活躍を祈る。」
「ありがとうございます。では。」
俺は、ミクを右肩に乗せ幕僚長執務室を後にした。さて、4人の艦娘を迎えに行こう。横須賀鎮守府かな?
「そうですよ~。」
「思考を読んだ!?」
「そんなわけないじゃないですか。雰囲気で判断しただけですよ。」
「そう・・・。それじゃあ、横須賀鎮守府に向かうかな。チヌークはまだいるかな~。」
「いなければ?」
「電車と歩きかタクシー。」
「少将の威厳もへったくれも無いですね。」
「28の若造に威厳を求めないでおくれ。」
ミクとの会話を楽しみながら、ヘリポートに向かう。すると、朝に乗ってきたチヌークがいた。よかった。パイロットたちは、機体の点検をしていた。
「やあ、朝ぶりだね。横須賀鎮守府に行きたいんだが、頼めるかい?」
「准将、あっ、昇進されたんですね。おめでとうございます。少将閣下。幕僚長直々の命令で、本日は閣下の空飛ぶタクシーとして使ってください。それに横須賀鎮守府は元々の飛行予定に入っていましたから問題ありません。また、横須賀鎮守府では1機のチヌークと合流予定です。」
「ああ、それは、艦娘たちを乗せるためだね。」
「おお、艦娘さん方に会えるのですか。期待しても?」
「本人たちが嫌がらない範囲で声をかけるくらいだったらな。」
「ありがとうございます。」
そう言って、敬礼をして彼は操縦席へ向かう。俺はその姿に苦笑しながら席に着いた。そうして、チヌークは横須賀鎮守府へ向かって飛び立った。
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