深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。   作:名無しの兵六

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第15話 出撃

 上田少佐の告げた内容に機内の空気が張り詰める。ほう、流石の一航戦。赤城は取り乱すことなく自分の艤装の確認を始めた。コックピットに向かうと上田少佐から声をかけてきた。

 

「勘が当たりましたね。閣下。」

 

「当たってほしくは無かったがね。通信は何処からだい?」

 

「横須賀鎮守府です。現在、当機は浜松上空を通過中です。」

 

「了解した。『横須賀鎮守府応答せよ。こちら柱島泊地司令長官の湊少将。』」

 

『こちら、横須賀鎮守府大野中佐です。第2潜水隊群第4潜水隊SS-505“ずいりゅう”が接敵し、報告しました。』

 

「『“ずいりゅう”はどうした?』」

 

『攻撃後は潜航して退避するという通信を最後に現在、通信不能です。』

 

「まあ、潜水艦だからな。潜航したら通信できなくなるわな。『現在、こちらは浜松上空を通過中。空中出撃し、敵艦隊に攻撃を開始する。以上。』」

 

『了解。当鎮守府と呉鎮守府でも艦娘艦隊、通常艦隊の進発を進めております。すでに、ヘリボーン艦隊は離陸済みです。到着まで持ちこたえてください。幸運を。』

 

「『ありがとう。』上田少佐。俺は此処から出撃する。」

 

「了解。安納中尉、後部ハッチを開けろ。湊少将が出撃する。『キャリアー18。こちらキャリアー07。湊少将が当機より出撃する。接触に気を付けろ。』」

 

 後部ハッチが開き、キャリアー18が進路を変更するのが見える。

 

『キャリアー18、了解。』

 

「少将!!大丈夫ですよ!!ご武運を!!」

 

「ありがとう。少佐。赤城少佐。君たちについては追って命令を伝える。それまでは大人しく柱島泊地まで向かうこと。いいな。」

 

 赤城の肩に手をおいてしっかりと伝える。

 

「はい、わかりました。」

 

「よし!!安納中尉行ってくる。」

 

「戦果を期待します。ご武運を。」

 

 安納中尉とグータッチをして、

 

「では、出るぞ。行くぞ、ミク。」

 

「りょーかいです。」

 

 後部ハッチから飛び降りる。十分チヌークから距離を取ったら、ブースターを吹かしチヌークを追い越して一路深海棲艦の艦隊群へ向かう。武装はいつも通りといえばいいのだろうか、右手にMA5D アサルトライフル、左手にガーディアン・シールド、背中にM45D タクティカルショットガン、腰はロング・レンジ・ビーム・ライフル。あとは、M6H ハンドガンにビーム・サーベルだ。

 

 さてさて、いつも通りにアサルトライフルからロング・レンジ・ビーム・ライフルに持ち替える。先手必勝ってね。会敵するまで柱島泊地に通信を入れる。すぐに、

 

『こちら柱島泊地坂本大尉です。』

 

 霞でも大淀少佐でもなく坂本大尉が出た。

 

「『坂本大尉。湊少将だ。なぜ君が?霞少佐や大淀少佐はどうした。』」

 

『はっ、お2人とも赤電話が鳴りましたので、工廠にて艤装をつけ出撃準備中です。』

 

「『了解。それなら、2人に直接連絡しよう。ありがとう。大尉。』」

 

 一旦、通信を切り、周波数を合わせ直し霞を呼び出す。

 

「『俺だ。湊だ。現在、帰還中のチヌークから空中出撃し、敵艦隊へ接近中。そちらはどうだ?』」

 

『こっちは今、私の艤装がつけ終わったところよ。緊急出撃は初めてだから大淀少佐は少し手間取っているわね。今回の作戦が終われば緊急出撃の訓練した方がいいかもね。で、何か命令かしら?』

 

「『現在、2機のチヌークが4人の艦娘を乗せて柱島泊地へ向かっている。この4人は、吹雪型駆逐艦の2番艦“白雪”と4番艦“深雪”。天龍型軽巡洋艦2番艦“龍田”。赤城型正規空母1番艦“赤城”だ。彼女らと作戦海域へ行く途中で合流してほしい。彼女たちにはヘリボーンしてもらう。』」

 

『搭乗員割りは?』

 

「『白雪、深雪、龍田がコールサイン“キャリアー18”。赤城がコールサイン“キャリアー07”に分乗している。』」

 

『それなら、私と大淀少佐がキャリアー07に作戦海域に行く途中でピックアップしてもらって、作戦海域の近くまでみんなでヘリボーンした方が良くないかしら?』

 

「『確かに、そうだな。確認しよう。』『こちら湊少将。キャリアー07、柱島泊地に行く途中の海域で霞少佐と大淀少佐をピックアップし、その後ヘリボーンは可能か?』」

 

『こちらキャリアー07。可能です閣下。』

 

「『それなら、よろしく頼む。』『霞、湊だ。キャリアー07の了承がとれた。以降はキャリアー07と連絡を密にするように。それと、ヘリボーン艦隊の旗艦は霞が(つと)めろ。君が艦娘として積んだ戦闘経験を生かせ。』」

 

『了解しました。霞少佐、旗艦の任につきます。』

 

「『武運を。以上だ。』」

 

『少将こそ、武運を祈ります。』

 

 霞との通信を終え、ロング・レンジ・ビーム・ライフルを構え直す。

 

「さて、ミク。そろそろ、深海棲艦がセンサーに引っかかってもいいんじゃないかな?」

 

「ですねー。あ、エコーがありました。精度は落ちますが、もうちょっと範囲を広げます。・・・うわぁ、凄い数ですねぇ。ディスプレイに表示します。」

 

「うおっ、凄いな。この数は。隙間が無いじゃないか。でも、この距離ならビーム・ライフルで狙えるか。」

 

「大気での減衰を考えても、最大出力で撃てば戦艦級でも沈めますよ。」

 

 ロング・レンジ・ビーム・ライフルを構え、センサーと連動させながら照準を合わせる。

 

「当たれ!!」

 

 ビームが大気を切り裂いて、深海棲艦群に向かう。そして、閃光。直後に爆発音。開戦の合図は上手くいったようだ。俺は、ヘルメットのなかで(わら)った。




見てくださりありがとうございました。

次回は近いうちに投稿します。
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