深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。   作:名無しの兵六

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第21話 検体搬送と召喚命令

「先ほどぶりだな。湊少将。それと、ご苦労様。貴官のおかげで損害が最小限に抑えられた。うちのヘリボーン艦隊もみんな無事に帰還中だ。」

 

 横須賀鎮守府敷地内に着地するなり、横須賀鎮守府司令長官の長野大将が自ら出迎えてくれた。背後には長野大将隷下の提督たちが“気を付け”の姿勢で待機している。

 

「どうも、長野大将閣下。このような格好ですので、敬礼が出来ないことをお許しください。」

 

「いや、気にしないでいいよ。しかし、コイツが新しい深海棲艦か。だいぶ、人に近いな。ふむ、艦載機と魚雷を積んでいるということだったが・・・。」

 

「ええ、艦載機は100機以上で、魚雷も普通に撃ってきましたし、投げつけてもきましたよ。また、尻尾の艤装の主砲は戦艦並みでした。速力は巡洋艦並み。要は高速戦艦ですな。装甲厚は、ビーム・サーベルで止めを刺したのでわかりませんでしたが、人の部分と尻尾の部分は別の系統で動いているようでした。」

 

「100機だと!?正規空母の艦娘よりも多いではないか!?それに、高速戦艦並みの速力。ううむ。恐ろしいな。遠距離偵察を行う際は重装備の艦隊を編成すべきか・・・。いや、すまんね。足を止めさせてしまって。遺体を搬送するヘリはヘリポートで待機中だ。案内は・・・。」

 

「あ、覚えているので大丈夫です。それでは、失礼いたします。」

 

「うむ、それではな。」

 

 長野大将と提督たちの敬礼に見送られ、ヘリポートへと向かう。ヘリポートに着くと、チヌークが2機と、UH-60JA“ブラックホーク”が2機。そして、レンジャー徽章をつけた陸軍の2分隊。それを率いる陸軍中佐が敬礼をしてきた。

 

「陸軍中央即応集団中央即応連隊第1中隊の神山中佐であります。新型深海棲艦の検体の輸送護衛の任につくよう命じられました。」

 

「このような格好で答礼ができず申し訳ない。海軍柱島泊地司令長官の湊少将だ。早速だが検体はどの機体へ運べばいいかな?」

 

「はい、あちらのチヌークへお願いします。また、少将閣下には幕僚監部への召喚命令が出ておりますので、もう片方のチヌークへお願いいたします。」

 

「了解、それでは、少し離れてくれ。・・・よっと、こんな感じでいいかな?尻尾があるからうつ伏せだが。」

 

「問題ありません。それでは、我々はこれで、失礼いたします。」

 

 敬礼をされたので答礼をする。すぐに彼らはそれぞれのブラックホークに搭乗し、1機のチヌークと2機のブラックホークは飛び立っていった。さて、俺も行きますか。残された1機のチヌークに乗り込み、

 

「大尉、よろしく頼む。」

 

「はい、閣下。」

 

 ふう、ようやく一息つける。ミョルニルアーマーは脱ぐのが面倒くさいから着たままで行ってやろう。戦場帰りをすぐ呼びつけるとは、真護叔父さんも人使いが荒い。いや、他の幹部か、現場を知らん“背広組”だろう。“背広組”だったら嫌みの1つでも言ってやるか。いや、口で勝てる気がせん。まぁ、防衛省につくまで休んでおこう。

 

「ミク、アーマーロックしてくれ、少し休む。」

 

「了解ですー。」

 

 そうして、束の間の休息を味わった。夢を見た。深海へと沈んでいく夢。バラバラになった俺の身体とともに。そして、海底に着くと同時に深海棲艦たちが群がって来て、俺の身体を貪り喰らう。やめろ、俺はまだ死なん。死んでたまるものか!!

 

「海斗さん!!」

 

 ハッと目が覚める。ミクによって起こされなければ、俺は夢の中で最後にどうなっていたのだろうか・・・。とりあえずは、

 

「着いたのか?」

 

「着陸アプローチに入ったみたいですよー。」

 

「わかった。アーマーロック解除。・・・よし。動くようになった。大尉、接地しなくてもよろしい。この高さなら、降下しても問題ない。ロードマスター、後部ハッチを(ひら)け。降りる。」

 

「了解。」

 

「送り届けてくれてありがとう。」

 

 その言葉と同時にヘリポートへ向けて飛び降りた。着地をすると、目を丸くしている“背広組”の連中がいた。チッ、やはりこいつらか、俺を呼んだのは。

 

「柱島泊地司令長官の湊少将だ。幕僚監部への召喚命令が出ていると横須賀鎮守府で連絡を受けた。このまま、幕僚監部へ出頭すればよろしいか?」

 

 フリーズしている“背広組”を押しのけ、“制服組”の海軍少佐が出てきた。

 

「ご案内いたします。どうぞ、こちらへ。」

 

 少佐の後をついて歩いていく。庁舎内に入ってからバタバタと“背広組”の連中が着いてきた。少佐は歩く速度を速めた。“背広組”とはどんどん距離が離れる。そして、幕僚監部についた。ついに“背広組”は追い付けなかった。フンッ!!安全なところでヌクヌクしているからだ。前線に放り込みたい衝動に駆られる。

 

「閣下。ヘルメットだけはお外しください。」

 

「おお、そうだな。少佐、ありがとう。」

 

「いえ、それでは、準備はよろしいですか?」

 

「ああ。大丈夫だ。」

 

 少佐は俺の返事を聞き、扉をノックする。

 

「湊少将をお連れしました。」

 

「どうぞ。」

 

 幕僚長閣下の声が聞こえる。少佐が扉を開けてくれる。室内に入る。さて、何を言われるのかね。




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