深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。   作:名無しの兵六

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第22話 昇進その2

「湊少将、まずは深海棲艦群の殲滅による上陸阻止および新型深海棲艦の検体の確保、ご苦労だった。ああ、姿勢は楽にしてよろしい。ヘルメットとシールドは・・・。置いたら机が潰れるな。そのまま、保持しておいてくれたまえ。」

 

「幕僚長閣下のご理解が早くて助かります。」

 

「森原少佐も案内ご苦労様でした。ところで他の迎えに行った事務官たちはどうしたのかね?」

 

「はっ。湊少将閣下の降下に驚きまして、固まっていたので時間の無駄だと思いまして放っておきました。」

 

「ふむ。統括官と首席参事官は今後このような事が無いようにしていただきたい。」

 

「「わかりました。」」

 

「それでは、森原少佐は退室してもよろしい。」

 

「はっ。失礼いたします。」

 

 彼女は綺麗に敬礼をして退室していった。さて、何を言われるのかな。周囲のお偉方の表情からして悪いことではなさそうだ。

 

「さて、湊少将なにから話すかな。まずは、通信でも言った通り現時点をもって中将へ昇進だ。おめでとう。」

 

「閣下、それはないのでは?小官は自分の任務を全うしただけであります。」

 

「貴官が挙げた戦果はそれほどなのだ。大人しく昇進したまえ。さあ、新しい階級章を受け取りたまえ。」

 

「はっ。ありがとうございます。」

 

 中将の階級章を受け取る。すると、ミクが出てきてミョルニルアーマーに付けてある少将の階級章を外し、中将の真新しい階級章を付けてくれた。

 

「それと、陛下のお耳に貴官の活躍が入ってな。勲章を授けるべきとご意見を(おっしゃ)ったそうだ。旭日大綬章(きょくじつだいじゅしょう)だそうだ。式典は日程調整のうえ後日、伝えられる。」

 

「は?いや、いきなり大綬章は・・・。」

 

「貴官の気持ちもわからんではないが、戴いておくことだ。いいな。」

 

「了解しました。」

 

「よろしい。今回もよくやってくれた。今後は艦隊運営が本格化するだろうが、頑張ってもらいたい。何か質問はあるかね?無い?ならば、退室してよろしい。柱島泊地へ戻りたまえ。」

 

 敬礼をして退室をする。さて、柱島泊地へはどうやって帰るかな。ヘルメットを装着する。同時に、ディスプレイに柱島泊地への最短経路を表示する。ふむ、跳ぶほうが早いか。だが、人口密集地を横切るな。よし、海路に変えよう。

 

 防衛省のヘリポートから跳び、早速東京湾に着水してブースターを吹かし高速移動を開始する。大小さまざまな船でひしめき合っているが、その間を間隔を十分に開けて縫うように海上をホバー移動する。横須賀鎮守府に帰還する艦娘艦隊と通常艦隊ともすれ違った。お互いに敬礼をして通過した。通常艦隊は手空きの者達が帽振れをしてくれた。

 

 さて、もうそろそろ柱島泊地だ。通信を10分前には入れてあるから工廠にはスムーズに入れるだろう。ん?センサーに反応?この大きさは人だな。海上でこの反応ということは艦娘だろう。12人ぶんの反応がある。強化された視力で水平線を見やると霞を中心に柱島泊地の第1艦隊、第2艦隊の艦娘たちが立っていた。

 

 俺の姿を認め、会話ができる距離まで近づくと、金剛が「Burning Love!!」と言って手を広げ飛びついてきた。俺は金剛をそのまま抱きしめる。金剛のそれを合図にみんなが寄ってきた。最後に霞が寄って来て、

 

「おかえりなさい。無事に帰って来て何よりだわ。」

 

「ああ、みんなも無事そうで良かった。霞、ありがとうな。」

 

「フ、フン。お礼を言われる筋合いはないわ。私は自分の職責を果たしただけよ。」

 

「その当たり前のことをするのが中々に難しい。誇っていいぞ。」

 

「そ、そう?なら、素直に受け取らせてもらうわ。あら、昇進したのね。中将ねぇ。大将でも良かったんじゃないかしら?」

 

「それは、御免被る。仕事量と責任がこれ以上増えるのは嫌だからな。」

 

「ムー。テートクゥー。私たちのことを忘れてもらっては困りますヨー。」

 

 金剛が俺の腕の中でむくれながら言ってくる。他の艦娘もジト目になっている。

 

「君たちのことを忘れたわけではないよ。ただ、霞は初期艦娘として、秘書艦として俺を支えてくれているからね。どうしても頼ってしまうんだよ。」

 

「なら、これからは私たちを頼りなさい。」

 

「満潮姉さん・・・。」

 

「ああ、そうさせてもらおう。さ、工廠に艤装を置いて損傷している者は入渠してくること。それで、全員が揃ったら、食堂で歓迎会をしよう。」

 

 そう言いながら、みんなが艤装を外すのと一緒に俺もミョルニルアーマーを外す。すると、加賀がジッと俺を見ていた。

 

「どうした?加賀。」

 

「いえ、素敵な二枚目の提督で嬉しいわ。」

 

「お褒めの言葉、ありがとう。でも、彼女いない歴=年齢の28歳だから、気のせいだよ。」

 

「えー、テートクはカッコイイですヨ!!」

 

「はいはい、そんなことはいいから、早く入渠して傷を癒してきなさい。わかったね。」

 

「リョーカイ、デース。」

 

 俺は、ミョルニルアーマーを見ながらミクに呟いた。

 

「いい()たちだ。俺たちが守ってやらんとな・・・。」

 

「そうですねー。普通の人間と艦娘の関係と逆転しているようですけど、それだけの力がありますからねー。」

 

「ああ、誰も死なせん。そこでだ、ミク。ミョルニルアーマーの色を変更したい。」

 

「どのような感じで?」

 

「全身は黒色で、首とかの装甲の末端部分は金で縁取った深い赤色でお願いしたい。」

 

「目立ちますよ?」

 

「それで、いい。敵の攻撃は俺が引き受けるさ。」




見てくださりありがとうございました。

次回は近いうちに投稿します。
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