深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。 作:名無しの兵六
教導を1530までで終了した俺は、残りの教導については、霞に任せることにした。とりあえず、柱島の演習海域をいっぱいに使って、実践演習をするという。「ほどほどにな。」と言って、工廠に戻る。すると、明石が、
「一応、4人分の建造が終わりました。中身が艦娘か艤装かはまだ、わかりませんけどね。」
「まあ、とりあえずは、ご対面といこうじゃないか。」
「はい、では開けます。」
4基の建造ポッドが開く、最初の2基からは、おそらく駆逐艦、3基目からは、軽巡洋艦か?そして、4基目からは艤装からして空母の艦娘たちが出てきた。
「初めまして。自分がこの柱島泊地司令長官を務(つと)める湊 海斗中将だ。それぞれ、自己紹介を頼む。」
「特型駆逐艦“曙”よ。って、こっち見んな!!この糞提督!!」
おおう、いきなりの罵倒。これは、霞や満潮に近いものを感じるな。
「私は叢雲。あんたが司令官ね。ま、せいぜい頑張りなさい。」
うん、頑張りますとも。
「はーい、お待たせ?兵装実験軽巡、夕張、到着いたしました!!」
元気があってよろしい。しかし、兵装実験艦の夕張か、明石と話しが合いそうだな。
「航空母艦、鳳翔です。ふつつか者ですが、よろしくお願い致します。」
おお、空母だ。やったね。しかも、日本初の実用空母の“鳳翔”ときた。期待できるな。
「うむ、4人ともよろしく頼む。それと、諸君らは現時点で少佐の階級を与えられる。では、これより、泊地の設備や各部屋なんかを案内しよう。艤装を外して、着いて来てくれたまえ。」
そうして、4人を引き連れ、執務棟や食堂に娯楽室、講堂兼体育館、グラウンド、憲兵隊舎、艦娘寮、入渠室、備蓄倉庫などを見てまわった。
「どうだったかな?何か不明な点などは無かったか?」
「はい。」
おずおずといった感じで鳳翔が小さく手を挙げる。
「ん、なんだい、鳳翔少佐。」
「その・・・、戦闘とかとは全く関係ないのですが、厨房に入るには許可が必要なのでしょうか?」
「ふむ、一応は責任者は間宮になっているが、別に構わんよ。出入り自由だ。ただ、消費した食材などは、厨房のホワイトボードに書いてくれると助かる。自分からもあとで間宮と伊良湖に話しておこう。」
「わかりました。ありがとうございます。それと、もう一点あるのですが・・・。」
「どうぞ。」
「私たちに階級をつけて呼ぶのはやめていただけないでしょうか?何か他人行儀な気がしまして。」
「わかった。ほかの3人をそれでいいのかな?」同時に頷く3人。
「では、公の場以外では、階級を付けずに呼ばせてもらおう。それと、口調だが、自由でいいぞ。他の艦娘たちにもそのように許可を出している。他に質問はあるかね?無い?ならばよろしい。もし、今後、生活していく中で困ったことやわからないことがあったら、先輩の艦娘や憲兵、自分に聞いてくるといい。それでは、工廠にもどり、訓練を終えたみんなを迎えようじゃないか。」
そう言って、工廠に向かう。工廠内から視える海域に続々と人影が現れてきた。その姿を見ている4人を工廠において、明石に「後のことは霞に任せると伝えてくれ」と言うと、俺は食堂に向かう。
食堂に入り、厨房に向かうと、今日の分の歓迎会の準備をしていた間宮と伊良湖が気づいて、簡単なお茶と茶菓子を出してくれた。俺は、それを戴きながら、今日の朝食時に思ったことを伝えた。つまり、大型艦用の量を用意したメニューが必要ではないかということだ。間宮と伊良湖の2人ともすでにそれには気づいており、明日の朝食分からは対応ができるとの事だった。そして、今夜の歓迎会も昨日の歓迎会での用意した食事の量の減り具合を鑑(かんが)みて、多くするとのことだった。流石はプロだ。ん?ちょっと違うか。まぁ、いいさ。
それと、鳳翔が厨房を使いたいようだということも伝えておいた。それに関しては、間宮と伊良湖ともども問題なしということだった。早速伝えてあげよう。そのほうが気持ちよく厨房を使えるだろうし。
さて、それでは、執務室に戻るか。1715までまだ時間がある。執務室に入るとシャンプーの良い香りが漂って来た。霞がすでに秘書艦席に座って作業をしている。シャンプーの香りは霞からだった。
「早かったね。ちゃんと髪は乾かしたのか?」
「ちゃんとしたわよ。私は他のみんなより被弾が少なかったからね。今頃、私のペイント弾を浴びたみんなは反省会よ。」
「そんなにかい?」
「ええ、まだ人型の利点を生かしきれてないわね。どうも、艦の頃の記憶に引っ張られるみたい。」
「ふーむ、なら、訓練がまだ必要だな。実戦には耐えられか?」
「まあ、この前の海戦でも動けてはいたから、大丈夫だとは思うわ。」
「そうか、まあ、やらせてみないとわからないことではあるな。そういえば、鳳翔たちはどうした?」
「1715に執務室に出頭するように伝えたわ。また、私が連れて食堂に向かえばいいのよね?」
「そうだな。お願いする。」
「しかし、歓迎会続きね。」
「仕方ないさ。メンバーが増えるわけだから。」
「まあ、本人たちも嬉しそうにしてくれるから、いいのかしら。」
「なんか問題が起きても、責任を取るのは俺だから気にしなさんな。」
「気楽ね。」
「命がかかってないからね。」
そんな感じで駄弁(だべ)りながら、霞と書類仕事を進めていく。1715のチャイムが鳴るまではすぐに感じた。チャイムが鳴り終わったと同時に執務室の扉がノックされる。
「どうぞ。」
「失礼します。」
と言いながら鳳翔、夕張、叢雲、曙の4名が入室してきた。鳳翔に厨房の利用許可を間宮と伊良湖から貰ったことを伝え、あとは霞に任せる。「霞から話を聞くように」と言い、執務室を出て食堂へ向かう。
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次回は近いうちに投稿します。