深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。   作:名無しの兵六

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第27話 日常の夜

 食堂についた俺は、間宮と伊良湖に準備状況を尋ねる。まあ、入った時点で食事の準備などほとんどすんでいたから、確認を兼ねてだね。

 

「どうだい、準備は順調かな?」

 

 厨房に入り、間宮に尋ねる。

 

「はい、提督。今回は、お酒もお出しします。と云ってもビールのみですけど。」

 

「いやいや、ビールだけでも十分だと思うよ。どうやって手に入れたんだい?時間が無かっただろうに。」

 

「非番の憲兵さん達が定期船で岩国の街まで行って買ってきてくれたんですよ。今後は港町にある商店さんから定期的に仕入れるようにしたいですね。」

 

「なるほど、あとで坂本大尉に礼を言っておこう。しかし、ふむ、確かにそうだな。呉鎮守府からの補給物資は必要最低限のモノだからなあ。食事は兵站の基本であるし、士気にも関わる。食堂に仕入れるモノは1週間分をリストに(まと)めて、提出してほしい。そうすれば、経費で仕入れることができる。」

 

「わかりました。来週の月曜日には提出できるようにしますね。ところで、味見されます?」

 

 うむ、魅力的な申し出だが、

 

「いや、ありがたい申し出だがみんなと一緒にいただこう。」

 

 しかし、間宮よ。距離が近くないかい?というか胸が当たっているんだが。君の豊満な胸は、童貞には刺激が強い。と、そこに扉が開き、憲兵たちと金剛たちが入室してきた。俺は、そっと間宮から離れて、坂本大尉の所に向かった。

 

「坂本大尉。今日は君の非番の部下たちに間宮がお世話になったようだ。ありがとうと伝えておいてくれないか?」

 

「わかりました。伝えておきます。しかし、今晩も美味しそうですね。」

 

「まあ、間宮と伊良湖が腕によりをかけて作ってくれたからね。楽しんでくれよ。」

 

「はい。」

 

 その後は、定位置に向かい、マイクを握る。1745になった。霞たちはすでに扉の前で待機しているはず。咳払いを一度して、

 

「これより、今回、召喚建造によって顕現してくれた4名の艦娘の歓迎会を始める。霞少佐、入室してくれ。」

 

 霞を先頭に鳳翔、夕張、叢雲、曙と入ってきた。それぞれの席の所で立ち止まる。

 

「では、1人ずつ自己紹介をしてもらおう。まずは鳳翔少佐からだ。」

 

 そうして、4人全員が1人ずつ自己紹介を始める。間宮と伊良湖に目配せし、4人のグラスに飲み物を注いでもらう。最後の曙が自己紹介を終え、席に着く。

 

「それでは、新たな仲間たちに乾杯!!」

 

「「「「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」」」」

 

 みんなの乾杯の声が食堂に響く。さて、食事を最初に取りに行くのは鳳翔たちからだ。先日と同じく俺は最後に取ると言っているので、鳳翔たちが取り終えたら、他のみんなも食事を取るために席を立っていく。

 

 今回は酒 (と云ってもビールのみだが)があるので、アルコールが欲しい者は、早々にビールに手を付けていた。俺は下戸なので、ビールは断りソフトドリンクで楽しんでいる。鳳翔と間宮、伊良湖は早速、仲良くなったようだ。楽しそうに話しをしている。

 

 そんな感じでみんなの食事の光景を眺めていると、料理を盛った皿を目の前に置かれた。

 

「私のchoiceデース。テートクの好みだと良いのですガ・・・。」

 

 料理を持ってきてくれた金剛がモジモジとして言ってくる。可愛いな。オイ。

 

「ありがとうな。金剛。」

 

 そう言いながら頭を()でると、「ふわあ・・・。」と言って顔がとろけた。本当、可愛いな。教導していた時の鬼気迫る凛々(りり)しい表情とは打って変わって、力が抜けた表情は物凄く可愛い。中学から男子校で防大での喪男の俺には眩しすぎる。世のモテる男たちなら、ここで口説いたりすんだろうなあ。

 

 そんな、俺と金剛の様子を見ていたのであろう。夕張と明石が物凄い勢いで来て、

 

「「私も頭を()でてください!!」」

 

 と言ってきたので、金剛には一旦、離れてもらい、右手で明石、左手で夕張を()でた。明石には「艤装の整備や工廠関係ありがとな。」と声掛けし、夕張には「これらからよろしく。したいことがあったら何でも相談してくれ。」と声掛けをした。2人とも力の抜けた表情で「「ふわぁい。」」と返事?をした。

 

 2人を()で終わると、今度は間宮と伊良湖が()でて欲しいと言ってきた。2人の後ろには霞と曙を除いた残りの艦娘たちが列を作っていた。えっと、全員、()でないといけない感じかな?これは。

 

 最後の赤城と加賀を撫で終わると、霞がグラスを持って近づいてきた。

 

「乾杯よ。」

 

 俺もグラスをもち、乾杯をする。

 

「あなた、まだ料理に手を付けていないじゃない。食べながらでいいわよ。」

 

「では、行儀は悪いがお言葉に甘えて。いただきます。」

 

 そう言って、箸を手に取り食事を始める。あ、唐揚げ美味しい。

 

「みんな、あなたの所にこれて良かったと言っているわ。でも、さっきのは凄かったわね。」

 

「女の子を()でるなんて、ほとんど経験が無かったから、最初はおっかなびっくりだったよ。」

 

初心(うぶ)ね。」

 

「まあ、彼女いない歴=年齢の28歳だからな。」

 

「そうだったわね。」

 

 クスリと笑う彼女はどこか大人びて見えた。いや、実際にそうなのだろう。艦娘法によって、20歳以上として扱われているという理由だけではなく、先の大戦を経験してきたモノだからこその雰囲気なのだろう。そんな考えをしながら、俺は、霞と歓談しながら箸を進めた。平和な夜だ。明日も平和ならいいのだが。




見てくださりありがとうございました。

次回は近いうちに投稿します。
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