深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。   作:名無しの兵六

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第30話 出撃(四国沖夜戦・その3)

 さてさて、誰が来たのかなっと。えーっと、記憶が正しければ、空母の蒼龍に飛龍、翔鶴に瑞鶴。戦艦の扶桑、重巡の愛宕、摩耶か。全員、大型艦かぁ。空母たちは退避させて、扶桑を旗艦に、愛宕と摩耶で護衛しつつ、柱島泊地に戻ってもらうか。全員、この世に顕現したばかりでボーっとしているようだ。まあ、夜だしね。とにかく、

 

「傾注!!私は柱島泊地司令長官の湊中将だ。諸君らはこれより私の指揮下に入ってもらう。異存のある者はいるか?」

 

 直立不動の姿勢をとっている彼女たちは特に反応を示さなかった。

 

「それでは、これより扶桑を旗艦とし柱島泊地へ向かってもらう。現在地は四国沖だ。柱島の場所はわかるかね?」

 

「はい、提督。」

 

 扶桑が答える。他のみんなも頷く。

 

「それでは、行動を開始したまえ。」

 

「「「「「「「了解。」」」」」」」

 

 扶桑たちは進路を北にとり、移動を開始した。それを霞とともに見送る。

 

「愛宕さんか摩耶さんには残ってもらえばよかったんじゃない?夜戦は、まだ終わってないのよ?」

 

「んー、いや、ヘリボーン艦隊も接近中だからな。それに、顕現したばかりで深海棲艦艦隊群との夜戦はきついだろう。相手が1個艦隊なら考えたがね。」

 

「まあ、確かにそうね。」

 

『アスター01よりシエラ01。深海棲艦艦隊群より複数の艦隊が速力を上げ突出してきています。速力は巡洋艦並みです。』

 

「『おいおいアスター01。まさか例の“尻尾(しっぽ)付き”じゃないだろうな。』」

 

『シエラ01。そこまではわかりません。百里の第501飛行隊が偵察飛行中です。接近するように指示を出しましょうか?』

 

「『いや、危険は犯せん。いくら、RF-4EJが超音速機でも、対空砲火のまぐれ当たりがあるかもしれんからな。こちらで接敵する。』」

 

『了解しました。突出してきた艦隊群をαとします。残りはβとします。αまでの会敵予想時刻は93分後です。このままだと、ヘリボーン艦隊とほぼ同時です。』

 

「『αに“尻尾付き”が混じっていたら、ヘリボーン艦隊が危険だ。αに対して迎撃行動を開始する。』」

 

『了解。ご武運を。』

 

「『ありがとう。』さて、霞。君はどうする?この場で、ヘリボーン艦隊と合流してもよいし、俺と一緒にα艦隊群を叩くのもよしだ。」

 

「選択肢を与えてくれるなんて優しいのね。それとも、優柔不断かしら。」

 

「さあ、どっちだろうな。優柔不断では無いと断言したいが、他人から見たら違うかもしれんから何とも言えん。」

 

「ま、今は、どっちでもいいわね。私は、貴方と共に行くわよ。」

 

「それでは、一緒に深海棲艦どもに地獄を見せてあげようか。」

 

 俺は、霞をお姫様抱っこし、ブースターを思いっきり吹かす。月明かりが照らす海上を、炎の尾を引きながら前進していると、水平線の彼方から、ぽつぽつと発砲炎が見えた。

 

「この距離で発砲か。“尻尾付き”がいやがるな。しかも、複数。」

 

「あの、戦艦のくせして、速度は巡洋艦並み、魚雷も撃てて、艦載機も100は搭載しているってやつよね?」

 

「そうだ。“尻尾付き”は俺が相手をする。霞は他を頼む。」

 

「了解。」

 

 後方で、大きな水柱が何本も立つ。α艦隊群の姿がはっきりとわかってきた。やはり、“尻尾付き”がいる。計24体。それに率いられるように、120体の重巡、軽巡、駆逐がいる。俺は、霞を海上に降ろし、そこで、分かれて攻撃を開始する。

 

 俺は、1体の“尻尾付き”目掛けてロング・レンジ・ビーム・ライフルを撃つ。人型の部分に命中し、上半身を蒸発させたが、尻尾がまだ生きており攻撃してくる。う~ん、中々にグロテスクな光景だ。すぐに尻尾にもビームを叩き込み黙らせる。まずは、1体。α艦隊群の中で、爆発が起こる。霞も攻撃を開始したようだ。

 

 敵は俺のライトに気を取られていたから、完全な奇襲になったのだろう。発砲炎がそこかしこで見られるようになった。俺は“尻尾付き”にビーム・ライフルを撃ちながら、

 

「『アスター01。こちらシエラ01。α艦隊群はあの“尻尾付き”に率いられたやつらだった。“尻尾付き”は計24体。現在、4体を沈めた。』」

 

『了解しました。それと、ヘリボーン艦隊が展開準備を始めました。』

 

「『了解。以上だ。』」

 

 さらに2体をビーム・ライフルで沈める。残り18体。夜間は艦載機群による攻撃が無いから、昼間戦闘よりは楽ができる。しかし、相も変わらず、魚雷は投げて空中で誘爆させてきやがる。損傷にはつながらないが嫌になるね。

 

 約20分後、深海棲艦α艦隊群は俺と霞の2人で殲滅し終えた。それと、時を同じくして、ヘリボーン艦隊が展開を始めたとの報告が入る。後退しようとしたとき、海面が光る。ドロップ艦だ。今回は2カ所が光っている。2体のドロップ艦娘か。誰だろうな。

 

「誰が来るかな?ミクわかるか?」

 

「さあ?誰が来るかは、私にもわかりませんねー。ただ、魂が還ってこようとしているのはわかりますので、艤装のみのドロップではありませんねー。艦娘のドロップですよー。」

 

「そうか、ならいいかな。」

 

「ちょっと、私には、あなたとミクさんの会話は、わからないんだから説明してくれない?」

 

「ああ、まあ、端的に言えば、艤装のドロップじゃなくて、艦娘のドロップだと云うことだ。」

 

「わかりやすい説明ありがと。さて、本当、誰が来るのかしらね。楽しみだわ。」

 

 霞が言い終わると同時に、光が収まり、2人の艦娘が立っていた。

 

「陽炎型駆逐艦8番艦、雪風です。どうぞ、よろしくお願いしますっ!!」

 

「駆逐艦島風です。スピードなら誰にも負けません。速きこと、島風の如し、です!!」

 

 おお、駆逐艦だ。元気があっていいね。扶桑たちとも違い、意識がはっきりしているようだ。ん、なんで霞は口をあんぐりと開けて驚いているんだ?折角の美少女が台無しだぞ。




見てくださりありがとうございました。

次回は近いうちに投稿します。
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