深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。   作:名無しの兵六

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覇道神さま、第30話の誤字報告、ありがとうございました。訂正いたしました。


第31話 出撃(四国沖夜戦・その4)

「私は柱島泊地司令長官の湊中将だ。2人にはこれより私の指揮下に入ってもらう。」

 

「了解です。司令官。」

 

「了解でーす。提督。」

 

「うむ。」

 

「“うむ。”じゃないわよ。このクズ司令官!!」

 

 おおう、久しぶりのクズ呼ばわり。どこがいけなかったのかね?

 

「どうした、霞?そんなに怒って、可愛い顔が台無しだぞ?」

 

「かわっ・・・。って、そんなことはどうでもいいの。提督課程で習ったでしょう。艦娘の中にも顕現が希少な艦娘がいるって、さっきの、蒼龍さん、飛龍さん、翔鶴さん、瑞鶴さんの4人もそうだけど、その上をいくのが雪風と島風なのよ!?」

 

「あー、確かにそう習ったな。希少とかそんなに気にしていなかったからな。」

 

「少しは気にしなさいな!!」

 

「まあまあ、落ち着こう、霞。雪風と島風が戸惑っている。」

 

 視線を雪風と島風に向けると2人ともオドオドしていた。

 

「うっ、まあ、そうね。で、2人はどうするの?退避させるの?」

 

「うーむ。なあ、雪風と島風、2人が背負っているのは魚雷だよな?」

 

「「はい!!」」

 

「そんで、島風は自立型の連装砲が3基、雪風は手持ちの連装砲が1基だな。よし、霞を旗艦に駆逐隊を組む。」

 

「「了解!!」」

 

「なんでよ!?初めての戦闘なのよ?しかも夜戦よ。」

 

「艦娘ではな。艦時代の記憶もあるだろう2人とも?それには戦闘の記憶もあるはずだ。違うかね?」

 

「雪風には艦の頃の記憶がありますよ。」

 

「私もー。連装砲ちゃんたちもだよー。」

 

「なら、いけるだろう。俺が囮になるし、霞がマズイと思えば撤退していいよ。」

 

「あー、もう!!わかったわよ。」

 

「よし、それでは雪風と島風は霞を旗艦とし、駆逐隊として戦闘行動をとること、中破相当の損害を受ければ、中破に至らなくとも、旗艦の霞に撤退の意見を具申すること。よいか。」

 

「「了解!!」」

 

「それでは、霞、後は頼む。俺は先行して、敵を引っ掻き回してくる。」

 

「了解。無理をしないようにね。」

 

「もちろんだとも。それでは、また後で。」

 

 ブースターを吹かして、一気に加速する。島風が「私よりはっやーい!!」とか言ってたが、速さにこだわりがあるのかな?自己紹介のときも“スピードなら誰にも負けない”って言っていたし。服装も(きわ)どかったしなあ。

 

 っと、そんな考えをしているとすでにβ艦隊群の射程内だ。戦艦の砲弾が雨あられと降ってくるが、俺の移動速度に着いてくることができず後方ばかりに着弾する。まあ、海面を500km/h以上で駆け抜ける物体って、そうそう無いからなあ。しかも、ライト点けているから格好の獲物だよな。俺って。

 

 でも、獲物は俺じゃなくて、お前らなんだよ。ロング・レンジ・ビーム・ライフルを構え、連射をする。命中するたびに爆沈していく深海棲艦ども。混乱して隊列が乱れつつあるな。ふうむ。逃げられる前に後方の輸送艦・補給艦を中心に叩くか。俺は、一気に跳んで、β艦隊群の後方に立つ。要は退路を断ったわけだな。

 

 輸送艦・補給艦は護衛の水雷戦隊や重巡戦隊と共に単装砲に高角砲を撃ってくる。まあ、ミョルニルアーマーのエネルギーシールドの前では無力なんだけどね。原子炉の出力配分をエネルギーシールドに回しているおかげでだいぶもつ。その代わりにビーム兵器が使えない。だが、素手でも十分だ。マスターチーフと同じ肉体から繰り出すパンチは、重巡の装甲を貫き、ワ級の頭を握りつぶす。そうして、格闘戦のみで戦闘を行なっていると、β艦隊群の中で水柱が高く上がった。

 

『こちら霞。司令官。駆逐隊、現着したわ。魚雷も大半が命中。初手はこちらがとったわ。』

 

「『よくやった。霞、探照灯だけは点けるなよ。敵の集中砲火を浴びるぞ。俺がライトで敵の注目を集めているから、霞たちは闇夜を味方に敵の喉元を食い破れ。以上だ。』」

 

『了解。いくわよ。島風、雪風。』

 

 霞たちも上手くやっているようだ。勝てるな。この海戦。ヘリボーン艦隊が到着さえすれば、火力で押せる。まだなのか、ヘリボーン艦隊は。

 

「『アスター01。こちらシエラ01。ヘリボーン艦隊はまだか?』」

 

『シエラ01。それが、ヘリボーン艦隊は、撤退中の艦娘艦隊を発見したと言って、今、誰何(すいか)を行なっている所です。』

 

「『その艦娘艦隊は旗艦が扶桑で、随伴艦が愛宕、摩耶、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴の艦隊か?その艦隊は、ドロップ艦の艦隊だ。私の、俺の指揮下にあり、柱島泊地への撤退を指示した。それをヘリボーン艦隊に伝えろ。そんなことで誰何(すいか)をせずに早く援護に来いと言え!!早くだ!!』」

 

『りょ、了解しました。』

 

「『クソッタレ。指揮官は誰だ?融通の利かない奴め。』」

 

「落ち着いてくださいー。海斗さん。」

 

「ああ、ミク。すまないな。ちと頭に血が上った。『霞、ヘリボーン艦隊は期待できそうにない。俺たちだけで殲滅するぞ。ワ級どもは頼む。護衛の戦闘艦は俺が相手をする。』」

 

『了解。さっきの通信、こっちにも聞こえていたわよ。』

 

「すまんな。もう、大丈夫だ。『アスター01。先程の通信はすまなかった。』」

 

『いえ、お気になさらず。お気持ちはわかります。』

 

「『ヘリボーン艦隊には期待はせん。俺たちだけで殲滅する。以上だ。』」

 

『了解しました。一応、任務ですので、ヘリボーン艦隊は誘導しますが、ご了承を。そして、閣下たちにご武運を。』

 

「『ありがとう。殲滅したら、また連絡を入れる。』」

 

 そう言いながら、手近なタ級の頭を握りつぶし、ネ級をガーディアン・シールドで押し潰す。返り血を浴びながら戦闘を続けていく。相も変わらず、敵の攻撃はエネルギーシールドが弾いてくれる。リチャージモードにも入らないから防御を捨てて、攻撃に専念できる。深海棲艦どもも主砲、副砲以外に機銃でも攻撃をしてきている。なりふり構ってられないってか?ハッ!!効くかよ。そのまま、沈め、沈んでしまえ。こっちには、(まも)るモノがあるんだよ。




見てくださりありがとうございました。

次回は近いうちに投稿します。
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