深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。   作:名無しの兵六

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第32話 出撃(四国沖夜戦・その5)

 深海棲艦β艦隊群の中心で暴れまくる。ライトを照射しているから、敵の砲弾に機銃弾がとんでくる。それらをすべてミョルニルアーマーのエネルギーシールドが弾く。逆に俺が仕掛ける接近戦に対応できずにドンドン沈んでいく。駆逐艦をはじめとした非人型はガーディアン・シールドで押し潰し、人型は頭を握りつぶし、胴体に穴を開ける。後方では霞が率いる駆逐隊がワ級相手に優勢に戦闘を進めている。

 

 そして、戦闘艦の最後の1体を沈めた。ワ級はまだ数体が残っているが、手を出そうとしたら、

 

「私たちに任せて。」

 

 と、霞が言ってきたので、戦いの様子を見守ることにした。もちろん、ライトでワ級を照らしながら。数分でワ級は全滅した。

 

「『アスター01。こちらシエラ01。深海棲艦β艦隊群を殲滅した。目視できる範囲では生き残りはいないようだが、どうだ?』」

 

『シエラ01。こちらでも確認しました。501飛行隊からも同様の報告です。増援も確認できません。我々の勝利です。』

 

「『ふう、そうか。では、柱島に帰島する。管制に感謝する。』霞、雪風、島風。柱島泊地に帰るぞ。っと、またドロップか?」

 

 海面が光っている。今度も2カ所だ。ミクが「魂が還って来るのを感じますから、艦娘ですねー。」と言ってきた。ふむ、それじゃあ、この世に顕現されるまで待ちますか。霞たちが(そば)まで来る。光が収まると、2人の艦娘が立っていた。

 

「鈴谷だよ!!よろしくね!!」

 

「ごきげんよう、(わたくし)が重巡、熊野ですわ!!」

 

「私は柱島泊地司令長官の湊中将だ。よろしく。2人にはこれより私の指揮下に入ってもらう。私の(そば)にいるのは、駆逐艦の霞、雪風、島風だ。柱島泊地にはあと、18人の艦娘が所属している。今回の戦闘でのドロップ艦娘は11人だから、計30人が柱島泊地の所属だ。紹介は、柱島泊地に戻ってからしよう。さあ、帰ろう。」

 

「「「「「了解。」」」」」

 

 5人とともに、柱島泊地へ向かう。戦闘は気にしないので最大船速だ。最上型の2人の35ノットに合わせている。現在時刻は午前4時12分だ。泊地に着くのは10時過ぎかあ。あ、いや、扶桑たちに追いついて合流して、一番遅い扶桑に合わせれば、最大船速でも25ノットだから、そうしたら昼前かな。夜明けも海上か。ふむ。泊地に一報を入れておこう。当直の憲兵隊でいいか。

 

「『こちら湊中将だ。』」

 

『柱島憲兵中隊、井上少尉であります。』

 

「『すまん、井上少尉。夜間に緊急出撃があり、私と霞少佐で出撃し、現在帰還中だ。到着は1140前後になる。大淀少佐から(みな)に伝えるように、起床ラッパ後に大淀少佐に伝えてもらってもいだろうか。』」

 

『了解しました。』

 

「『それと、ドロップ艦娘が11人と間宮と伊良湖、明石に伝えておいてくれないだろうか。』」

 

『そちらも了解しました。ご無事の帰還を泊地一同、待っております。』

 

「『ありがとう。』ふう。」

 

「お疲れですねー。」

 

「まあね。さて、後は呉鎮守府だな。通信出るかな・・・。」

 

『呉鎮守府司令長官秘書艦の大淀中佐です。』

 

「『柱島泊地司令長官湊中将だ。田之上中将はいらっしゃるかな?』」

 

『申し訳ありません。今は通信に出れない状況でして・・・。』

 

「『了解。では、報告だけ。深海棲艦艦隊群の殲滅に成功。現在、ドロップ艦娘と共に柱島泊地へ帰投中。以上だ。』」

 

『了解しました。お疲れ様でした。湊中将。』

 

「『ありがとう。中佐。』あー、終わった。これでいいだろう。」

 

「あら、文句は言わなかったの?」

 

「霞、言えるわけないだろう?おそらくは、隷下の提督の誰かの艦隊だったんだろうな。田之上中将があんな指揮をするはずがない。」

 

「ふーん。ま、あなたがいいのなら、私も別に気にしないわ。」

 

「そうしてくれ。嫌で面倒なことは気にしないでおくに限る。」

 

 柱島と呉へ通信を入れ、霞と雑談をしていると後ろから腕に抱き着かれた。誰かと思って見てみると鈴谷だった。

 

「ねえねえ、提督さー。顔を見せてよ。ヘルメットでまーったくわからないんだけど。」

 

「ん、見たいのか?」

 

「そりゃあねえ。顔で指揮能力が決まるモノじゃないけど、これから命を預ける相手の顔は拝んでおきたいじゃん?」

 

「雪風と島風、熊野もそうか?」

 

 3人とも頷く。ならば、外すか。鈴谷に腕から離れてもらい、ヘルメットを取る。

 

「おおー!!中々の男前じゃん!!うんうん、鈴谷は気に入ったよ。熊野もそうでしょ?」

 

「え、ええ。そうですわね。確かにハンサムですわ。」

 

「司令官、カッコイイです!!」

 

「素敵な提督で安心したわ。ねー、連装砲ちゃん。」

 

 思い思いの感想を述べる4人。まあ、なんだ。(けな)されているわけではないからいいか。しかし、うーむ。俺がハンサムねえ。自覚はないんだけどなあ。でも、甦ってからはよく言われるようになった気がするな。

 

「なあ、ミク。俺の顔とか記憶いじってないよな?」

 

「いじってませんよー。中身はいじりましたけどー。」

 

「だよなあ。」

 

「死線を超えてきたわけですから、それが(にじ)み出ているんじゃないんですかねー。」

 

「そんなもんか。」

 

「そんなもんですよー。それじゃあ、私は少し休ませてもらいますねー。」

 

「おう、柱島に着くまでゆっくり休め。」

 

 そう言って、ミクは背中部分、正確に言えば肩甲骨の間に設置された、自分専用の部屋へと戻っていった。まあ、妖精さん仕様だからパッと見は、全然わからないんだけどな。




見てくださりありがとうございました。

次回は近いうちに投稿します。
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