深海棲艦に殺されたら、提督として戦うことになりました。(旧題)一度死んだら提督として戦うことになりました。   作:名無しの兵六

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第34話 輸送隊配属

 金剛たちのお小言を聞きながら、昼食を摂り、執務室で扶桑たちの正式な着任挨拶を受ける。空母組は赤城、加賀、鳳翔に。扶桑は金剛に。重巡は青葉に。駆逐艦は霞に。それぞれ教導をしてもらうようにした。なので、艦娘のみんなは午後については海上訓練だ。

 

 そして、俺は幕僚監部に連絡をしている。秘書官が出たが、すぐに幕僚長閣下が直々に出られた。

 

『統合幕僚長の湊海軍大将だ。』

 

「『柱島泊地司令長官の湊海軍中将です。』」

 

 少し間が空き、

 

「海斗君、人払いをした。いつも通りの言葉遣いでいいよ。」

 

「わかりました。真護(まもる)叔父さん。それで、何か用件があって泊地に連絡したんでしょう?」

 

「せっかちだねえ。総務部、運用部、後方補給官との調整が終わってね。CH-47JA2機だ。それと、艦を2隻あげるよ。DDHだ。」

 

「まさか、ひゅうが型ですか!?」

 

「そんなわけないでしょ。DDH-143“しらね”とDDH-144“くらま”だよ。」

 

「ほう、以前の海自の顔が、俺の指揮下に入りますか。いいですねえ。あの、後部格納庫と飛行甲板は外洋での長期の艦娘運用に使えますね。自衛装備もありますし・・・。待てよ。叔父さんまさか・・・。」

 

「うん、たぶん、海斗君の考えているまさかと我々が出す指令は一緒だよ。“外洋にてタンカー、コンテナ船等の商船を護衛し、日本の補給線を維持せよ。道中、遭遇する深海棲艦は極力排除すること。”もちろん、今すぐにとは言わないよ。他の鎮守府でも(おこな)っているから、それが、君の所に来たということだね。」

 

 マジか。それはマズイ。錬成が終わっていない。正直に伝える。

 

「まだ、艦娘の錬成が終わっていませんよ。」

 

「それは、わかっているよ。ただ、新型DDHの件で“しらね”と“くらま”を除籍しようという動きがあってね。少しでも戦力を残しておきたくてね。DEにDDが戦没しすぎた。虎の子のDDGが残ったのは幸運だった。」

 

「ええ、確かに。第1次・第2次首都圏防衛海戦では手ひどくやられましたからね。」

 

「全くだ。ちなみに柱島に滑走路を敷設するという案もあったんだよ。」

 

「はあ!?2kmちょっとしか無いんですよ?」

 

 率直に俺は、驚く。あの島を縦断するように敷設しないと無理だからだ。島民の理解は得られないだろう。

 

「まあ、戦闘機は無理でも、連絡機や輸送機は使えるからね。」

 

「何か、隠していますね。叔父さん。泊地には呉からの艦船輸送か回転翼機のみで十分です。固定翼機の輸送機は必要ないはずです。」

 

ODST(ヘルジャンパー)だよ。ミクさんの技術で再現しようとしていた。それを君に率いてもらうつもりだったみたいだ。」

 

「だった。ということは?」

 

「その案は潰したよ。ODST(ヘルジャンパー)は普通の人間だ。スパルタンとは違う。これが、スパルタンⅡ、Ⅲ、Ⅳのいずれかとミョルニルアーマーだったら考えたかもしれないけどね。」

 

 ミクさぁん、技術研究本部で何をやっていたんですかねぇ。

 

「まだ、レイバーの方が現実的ですよ。叔父さん。それか、戦闘妖精雪風ですね。」

 

「あー。戦闘妖精はいいね。あれだけの機動とサポートができる機体があれば、深海棲艦に制空権は渡さなかった。」

 

「でも、F-4EJ改やF-15J/DJの有用性を証明できたじゃないですか。」

 

「まあね。それと、今回の最後の用件だけど、海斗君。君は大将へ昇進ね。霞少佐は中佐へ昇進。四国沖夜戦は2人でやりすぎたよ。」

 

「呉からのヘリボーン艦隊がいけないんですよ。貴重な時間をドロップ艦娘に対して誰何(すいか)をするとか、考えられません。指揮官は責任を取るべきです。俺も霞もヘリボーン艦隊の到着を心待ちにしていたんですよ?音声ログ送りましょうか?」

 

 少し、怒りを声音に乗せて伝える。

 

「いや、呉の田之上中将から連絡があったよ。彼の隷下の夜間当直の提督の艦隊だったようだ。その提督がまた問題児で、自分の行動は全て正しいと思っているような人物らしい。」

 

「なんで、そんなヤツが提督しているんですか?よく、艦娘も着いてきてますね。」

 

「いやあ、艦娘からも苦情があったから、提督資格を剥奪するつもりだったらしい。ちなみに、父親が左の政党所属の議員だ。」

 

「あー、はい、なんとなくわかりました。政治の事には首は突っ込みませんよ。俺は。」

 

 ため息をはきながら伝える。叔父さんは笑いながら、

 

「ハハハハ、海斗君には、この魑魅魍魎(ちみもうりょう)の渦巻く世界は耐え切れんだろうね。あの、やり取りを見るとすぐキレると思うよ。」

 

「でしょうねえ。庁舎を廃墟に変えてもいいのならば、すぐにでも、加わりますよ。」

 

「いやあ、そうなると、爽快だろうねえ。」

 

 ハハハハとお互いに笑い合う。

 

「ま、そういうことで、近く、君を召喚することになるね。まあ、早くて1週間後くらいかな。準備があるからね。それと、勲章、旭日大綬章(きょくじつだいじゅしょう)の件だけど、宮内庁からはまだ何も言ってこないんだよね。」

 

「いらないんですけどねー。勲章。」

 

「まあ、貰っときなよ。テレビは見ている?海斗君、マスメディアから“日ノ本の鬼神”って呼ばれているよ。駐在武官からも“デーモン”とかいわれているねえ。アメリカの駐在武官は息子さんがマスターチーフのファンらしくて、君に会いたいと言っているらしいよ。」

 

 へー、世間ではそんな風に言われているのか。如何にも“関係ありませんよ”という感じを(かも)し出しているが、幕僚監部の報道官の案件でしょうに。

 

「はあ、大使館からのレセプションがあれば、武官として応じますよ。」

 

言質(げんち)は取ったよ。さて、これで大体の話しは終わったかな。あ、最後に僕のガンプラは無実なので手を出さないであげてください。」

 

「そんじゃ、80スープラにします。」

 

「それもやめて!?」

 

「それでは、閣下、小官はこれで失礼します。」

 

「ちょっ、まっ・・・。」

 

 なんか言っていたが、切ってやった。上官だけど関係無い。スパルタンとミョルニルアーマーの力をもってすれば、80スープラなど簡単に拉致(ハイエース)できるからな。




見てくださりありがとうございました。

次回は近いうちに投稿します。
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